2013年11月17日のシリア情勢

反体制勢力の動き

クッルナー・シュラカー(11月17日付)は、ラタキア県のトルクメン山(ラビーア町一帯)で活動するイラク・シャーム・イスラーム国(ダーイシュ)と自由シリア軍のウマル・ムフタール大隊が、捕虜の交換、互いが捕獲した武器の変換、ラビーア町の検問所などからのダーイシュの撤退、自由シリア軍によるイスラーム教の遵守などを骨子とする停戦合意を結んだと報じた。

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シャヒード大隊司令官のハルドゥーン・ザインッディーン司令官は声明を出し、スワイダー県革命軍事評議会に対して、集団的決定と遵守した透明性のあるかたちでの組織改編を求めた。

ザインッディーン司令官はまた、革命運動を代表しない個人・組織を拒否するとしつつ、軍事評議会のマルワーン・ママド司令官を支持すると表明した。

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カタールの首都ドーハで、米国のシンクタンク、シリア政治戦略研究センター(ラドワーン・ズィヤーダ所長)が、シリアにおける民主的変革に関する非公式シンポジウムを開催した。

シンポジウムには、シリア革命反体制勢力国民連立のアフマド・ウワイヤーン・ジャルバー議長、シリア国民評議会のジョルジュ・サブラー議長、ブルハーン・ガルユーン氏、ファーイズ・サーラ氏らが参加し、体制転換後の民主化の行程について議論した。

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シリア革命反体制勢力国民連立のアフマド・ウワイヤーン・ジャルバー議長の顧問を務めるムンズィル・アクビーク氏は、AFP(11月17日付)に、議長がモスクワ訪問を求めるセルゲイ・ラブロフ外務大臣の招待に応じ、ロシアを訪問する予定であることを明らかにした。

ラブロフ外務大臣は、シリア政府の使節団(ファイサル・ミクダード外務在外居住者副大臣、ブサイナ・シャアバーン大統領府政治情報補佐官)がモスクワを訪問する18~21日の訪問を求めていたが、ジャルバー議長は、UAEなどの訪問日程と重なっていたため、この招待は辞退していた。

国内の暴力

ダマスカス郊外県では、シリア人権監視団によると、軍が前日に引き続き、カラムーン山地一帯に対して激しい空爆を行った。

また同監視団によると、ハラスター市郊外にあるシリア軍の車輌管理局で、反体制武装集団が爆弾を爆破、士官3人を含む軍兵士31人が死亡した。

Elaph(11月18日付)、スカイ・ニュース(11月18日付)によると、この攻撃は首都の盾旅団が行い、軍兵士、ヒズブッラーの戦闘員など合わせて75人が死亡したという。

これに関して、爆破攻撃に参加したというドゥーマー殉教者旅団のアフマド・ターハー司令官は、クッルナー・シュラカー(11月18日付)の電話取材に対して、車輌管理局周辺のビルも爆発によって全壊したことを明らかにした。

また攻撃は、ビルの地下に数ヶ月間かけてトンネルを建設し、そこに爆弾を仕掛けて行われたとしたうえで、攻撃には首都の嵐旅団だけではなく、ドゥーマー殉教者旅団など複数の武装集団も参加していたと主張した。

一方、SANA(11月17日付)によると、ナシャービーヤ町郊外、バハーリーヤ市郊外、ダブラ市郊外、フタイタト・トゥルクマーン市郊外、フジャイラ村周辺、スバイナ町周辺、ヤブルード市郊外で、軍が反体制武装集団の追撃を続け、ハウラーン・アバービール旅団、シャームの民のヌスラ戦線の戦闘員らを殺傷、拠点・装備を破壊した。

またジャルマーナー市に反体制武装集団が撃った迫撃砲弾が着弾市、5人が死亡、多数が負傷した。

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ダマスカス県では、シリア人権監視団によると、バルザ区に軍が砲撃・空爆を行った。

またバーブ・トゥーマー地区、カッサーア地区に反体制武装集団が撃ったと思われる迫撃砲弾複数発が着弾し、市民1人が死亡、複数が負傷した。

これに関して、SANA(11月17日付)は、カッサーア地区、バーブ・トゥーマー地区、バグダード街道、アッバースィーイーン地区に反体制武装集団が撃った迫撃砲弾が着弾し、3人が死亡し、複数が負傷したと報じた。

またSANA(11月17日付)によると、カーブーン区で、軍が反体制武装集団の追撃を続け、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

一方、イマード・ムハンマド・ディーブ・ハミース電力大臣は、シリア・アラブ・テレビ(11月18日付)で、ダマスカス県南部およびダマスカス郊外県の複数地区で「武装テロ集団」の破壊工作によって、電気が不通となったと発表した。

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ハマー県では、シリア人権監視団によると、カスル・イブン・ワルダーン村、ジャズダーニーヤ村、ラスム・ワルド・ザラーキヤート村、ザウル・フスン村、ウカイリバート町近郊などに対して、軍ヘリコプターが空爆を行う一方、ハマー・アスラヤー街道で政府軍の軍服を着た反体制武装集団が軍検問所を攻撃し、軍兵士と国防隊戦闘員を殺傷、捕捉した。

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アレッポ県では、SANA(11月17日付)によると、ナイラブ航空基地東部の綿繰機工場地区で、軍が反体制武装集団の掃討を完了、同地を制圧した。

またタッル・ダマーン村、アウラム・クブラー地区、ハーン・アサル村、フライターン市、カフルダーイル村、アレッポ中央刑務所周辺、キンディー大学病院周辺、カスキース村、ハンダラート・キャンプ、ザバディーヤ市、シュワイヒナ村、ワディーヒー村で、軍が反体制武装集団の追撃を続け、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

さらにアレッポ市サイフ・ダウラ地区、イザーア地区、アシュラフィーヤ地区、サーリヒーン地区、マルジャ地区、ジュダイダ地区などに潜入しようとした反体制武装集団を軍が撃退した。

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イドリブ県では、SANA(11月17日付)によると、サラーキブ市、アリーハー市郊外、アルバイーン山周辺、カフルラーター市、ビンニシュ市、サルミーン市で、軍が反体制武装集団の追撃を続け、イラク・シャーム・イスラーム国(ダーイシュ)の戦闘員らを殺傷、拠点・装備を破壊した。

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ヒムス県では、SANA(11月17日付)によると、マシュラファ市、ハーリディーヤ村、ガントゥー市、ラスタン市、ダール・カビーラ村、ヒムス市ワアル地区、クスール地区、ワルシャ地区、サフサーファ地区、ジャウラト・シヤーフ地区、バーブ・フード地区で、軍が反体制武装集団の追撃を続け、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

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リハーブ・ニュース(11月17日付)は、ロシアの複数のサイトからの情報として、ロシア人傭兵がアサド政権に雇われ、シリア国内の戦闘に参加していると報じた。

レバノンの動き

社会問題省は、カラムーン地方での軍と反体制武装集団の戦闘激化を受け、ベカーア県バアルベック郡アルサール地方に、これまでにシリア人1,700人の避難した、と発表した。

諸外国の動き

『ハヤート』(11月18日付)は、シリアの通商公社のターリク・タウィール総裁が、フランスにあるアラブ・フランス銀行連合(UBAF)が、シリアの食品購入に関する制裁緩和に同意したと伝えた。

フランス政府は2013年9月、人道目的で食品購入に充てることを認めたEUの人道支援プログラムの枠組みのなかで、対シリア経済制裁の一環として凍結していたシリアの銀行資産の活を解禁していた。

フランスをはじめとするEU、米国、トルコ、一部アラブ湾岸諸国は、2011年以来、シリアに対して経済制裁を科している。

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トルコのドーアン通信(11月17日付)によると、16日深夜から17日未明にかけて、メルディン県のイェニヨル村郊外の地雷原で、トルコ軍がシリア領内から潜入しようとしたシリア人「密輸業者」3人を殺害した。

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AFP(11月17日付)は、ヨルダンの国家治安裁判所の検事局筋の話として、先週、アンマン国際空港からトルコに向かう途中、空港で当局に身柄拘束されたジハード主義潮流の指導者ムハンマド・ナジュル氏(アブー・マーリヤ・フィラスティーニー)に関して、テロ組織に参加しようとしたとの容疑で起訴された、と伝えた。

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パレスチナ自治政府のイブラーヒーム・ハニーヤ暫定首相は、シリアからガザ地方に避難してきたパレスチナ人に対して、住宅を提供し、就職先を斡旋すると述べた。

AFP(11月17日付)が伝えた。

AFP, November 17, 2013、Elaph, November 18, 2013、al-Hayat, November 18, 2013、Kull-na Shuraka’, November 17, 2013, November 18, 2013、Naharnet,
November 17, 2013、Reuters, November 17, 2013、Rihab News, November 17, 2013、SANA,
November 17, 2013、Sky News Arabic, November 18, 2013、UPI, November 17,
2013などをもとに作成。

 

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