シリア軍はイドリブ県でシャーム自由人イスラーム運動の車輌をミサイル攻撃し、戦闘員4人を殺害(2021年3月12日)

イドリブ県では、シリア人権監視団によると、シリア軍が「決戦」作戦司令室の支配下にある県西部のカンダ村にいたる街道を移動中のシャーム自由人イスラーム運動の車輌2輌に対してミサイル攻撃を行い、戦闘員4人を殺害した。

「決戦」作戦司令室は、シリアのアル=カーイダであるシャーム解放機構とトルコの庇護を受ける国民解放戦線(シリア国民軍)などからなる武装連合体。

シリア軍はまた「決戦」作戦司令室の支配下にあるザーウィヤ山地方のスフーフン村、ファッティーラ村、カンスフラ村、バーラ村一帯、ルワイハ村、バイニーン村、フライフィル村を砲撃した。

一方、トルコ軍は兵站物資を積んだ車輌約20輌をカフル・ルースィーン村に違法に設置されている国境通行所からシリア領内に新たに進入させた。

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ハマー県では、シリア人権監視団によると、シリア軍が「決戦」作戦司令室の支配下にあるガーブ平原のアンカーウィー村を砲撃した。

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ロシア国防省は声明を出し、過去24時間で「緊張緩和地帯設置にかかる覚書」への違反を19件(イドリブ県10件、ラタキア県5件、アレッポ県1件、ハマー県3件)確認したと発表した。

シリア政府によると、停戦違反は17件。

一方、トルコ側の監視チームは、停戦違反を4件確認したと発表した(ただし、ロシア側はこれらの違反を確認していない)。

AFP, March 12, 2021、ANHA, March 12, 2021、al-Durar al-Shamiya, March 12, 2021、Ministry of Defence of the Russian Federation, March 12, 2021、Reuters, March 12, 2021、SANA, March 12, 2021、SOHR, March 12, 2021などをもとに作成。

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