ハサカ県のフール・キャンプでイラク人難民が何者かによってサイレンサー付小銃で撃たれて死亡(2021年4月17日)

ハサカ県では、ANHA(4月17日付)によると、北・東シリア自治局の管理下にあるフール・キャンプで、イラク人難民が、何者かによってサイレンサー付小銃で撃たれて死亡した。

シリア人権監視団によると、事件が起きたのは第1区。

トルコで活動する独立系シンクタンクのジュスール研究所が2020年9月1日に発表したレポートによると、フール・キャンプは6つの区画、8つのブロックから構成されている。

6つの区画のうち、第1区には、ダーイシュ(イスラーム国)とつながりがない国内避難民(IDPs)、第2区と第3区にはイラク難民、第4区にはダーイシュとつながりがあるとされるIDPs、第5区には欧州出身のダーイシュ戦闘員の家族、そして第6区にはそれ以外の外国人戦闘員の家族が収容されている。

一方、8つのブロックのうち、第1、2、3、7ブロックにはイラク人難民が、第5、6、8ブロックにはシリア人IDPsが、第4ブロックにはイラク人難民とシリア人IDPsの両方が収容されている。

また、この8ブロックとは別に、シリア、イラク以外の国の出身者が収容されている。

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ラッカ県では、シリア人権監視団によると、シリア政府と北・東シリア自治局の共同統治下にあるカラーマ村近郊のジュダイダト・クハイト村で、4月16日に内務治安部隊(アサーイシュ)が住民の若者を銃殺したことを受けてデモが発生、住民が街道を封鎖するなどして、抗議の意思を示した。

アサーイシュは、新型コロナウイルス感染拡大を抑止するための全面的な外出・移動規制措置に違反し、外出していた若者と口論の末に射殺したという。

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ダイル・ザウル県では、シリア人権監視団によると、ダイル・ザウル民政評議会(北・東シリア自治局)の支配下にあるシュハイル村でオートバイに乗った2人組が車を襲撃し、乗っていた男女2人が死亡した。

一方、人民防衛隊(YPG)主体のシリア民主軍は、シリア政府支配地域との密輸の経路になっていたとされるユーフラテス川東岸のヒサーン村にある通行所を急襲し、これを閉鎖した。

AFP, April 17, 2021、ANHA, April 17, 2021、al-Durar al-Shamiya, April 17, 2021、Reuters, April 17, 2021、SANA, April 17, 2021、SOHR, April 17, 2021などをもとに作成。

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