ロシア軍戦闘機が「決戦」作戦司令室の支配下にあるラタキア県、イドリブ県各所を爆撃(2021年7月26日)

ラタキア県では、シリア人権監視団によると、ロシア軍戦闘機が「決戦」作戦司令室の支配下にあるカッバーナ村を5回以上にわたって爆撃した。

「決戦」作戦司令室は、シリアのアル=カーイダであるシャーム解放機構とトルコの庇護を受ける国民解放戦線(シリア国民軍)などからなる武装連合体。

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イドリブ県では、シリア人権監視団によると、ロシア軍戦闘機が「決戦」作戦司令室の支配下にあるザーウィヤ山地方のバーラ村、カンスフラ村を爆撃した。

一方、ミウラータト・シャラフ村では、シャーム解放機構の武器弾薬庫で大きな爆発が発生した。

また、イドリブ市内では、シャーム解放機構の検問所が襲撃を受け、戦闘員複数人が負傷した。

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ダルアー県では、シリア人権監視団によると、シリア政府の支配下にあるナワー市でシリア政府との和解に応じていた元反体制武装集団メンバー1人が正体不明の武装集団によって銃で撃たれて死亡した。

ムザイリーブ町でも、正体不明の武装集団が住民1人を銃で撃ち殺害した。

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ロシア国防省は声明を出し、過去24時間で「緊張緩和地帯設置にかかる覚書」への違反を28件(イドリブ県14件、ラタキア県6件、アレッポ県3件、ハマー県5件)確認したと発表した。

シリア政府によると、停戦違反は26件。

一方、トルコ側の監視チームは、停戦違反を11件確認したと発表した(ただし、ロシア側はこれらの違反を確認していない)。

AFP, July 26, 2021、ANHA, July 26, 2021、al-Durar al-Shamiya, July 26, 2021、Ministry of Defence of the Russian Federation, July 26, 2021、Reuters, July 26, 2021、SANA, July 26, 2021、SOHR, July 26, 2021などをもとに作成。

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