ロシア軍はエルドアン大統領の発言にもかかわらず、トルコ占領下の「ユーフラテスの盾」地域に異例の爆撃、トルコ軍もドローンでタッル・リフアト市近郊を爆撃(2021年10月11日)

アレッポ県では、シリア人権監視団によると、ロシア軍戦闘機がトルコ占領下のいわゆる「ユーフラテスの盾」地域のマーリア市を爆撃、同市西地区にミサイル1発が着弾した。

ミサイルは爆発せず、人的被害はなかった。

また、ANHA(10月11日付)によると、トルコ軍がシリア政府と北・東シリア自治局の共同支配下にあるマンビジュ市北東のフーシャリーヤ村、ジャート村を砲撃した。

トルコ軍はまた、無人航空機(ドローン)でタッル・リフアト市近郊のシャイフ・イーサー村を爆撃した。

一方、シリア人権監視団によると、トルコ占領下のいわゆる「ユーフラテスの盾」地域の中心都市の一つジャラーブルス市近郊のダービス村でシリア国民軍所属のスルターン・ムラード師団の司令官の自宅で爆発が発生し、中にいた男性1人、女性1人、子供3人の合わせて5人が死亡、複数が負傷した。

爆発は拠点内の装備が爆発したことによるものと思われる。

これに関して、人民防衛隊(YPG)主体のシリア民主軍の広報センターは声明を出し、「我々はジャラーブルス市あるいはトルコ国境地帯への砲撃と無関係だ。トルコ諜報機関のゲームが再三にわたって行われており、エルドアン体制によって支援された傭兵の手で実行され、トルコ国民もそのことを十分承知していると考えている」と発表した。

ANHAによると、このほか、トルコ占領下のアフリーン市で車に仕掛けられていた爆弾が爆発し、シリア国民軍の戦闘員ら8人が死亡、8人が負傷した(シリア人権監視団によると、9人が死亡、10人が負傷)。


シリア人権監視団によると、爆発が発生したのは、アフリーン市のフール市場に近いイスラーム軍の軍事本部前。

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ハサカ県では、ANHA(10月11日付)によると、トルコ軍とシリア国民軍がシリア政府と北・東シリア自治局の共同支配下にあるダルダーラ村を砲撃した。

AFP, October 11, 2021、ANHA, October 11, 2021、al-Durar al-Shamiya, October 11, 2021、Reuters, October 11, 2021、SANA, October 11, 2021、SOHR, October 11, 2021、October 12, 2021などをもとに作成。

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