ロシア軍がイドリブ県を9回にわたって爆撃する一方、シリア軍の砲撃でアフラール軍戦闘員1人と住民1人が死亡(2021年12月27日)

イドリブ県では、「決戦」作戦司令室がシリア政府の支配下にあるサラーキブ市、同市の東に位置する穀物サイロと工業地区、ダーディーフ村、カフルバッティーフ村を砲撃した。

「決戦」作戦司令室は、シリアのアル=カーイダであるシャーム解放機構とトルコの庇護を受ける国民解放戦線(シリア国民軍)などからなる武装連合体。

これに対して、シリア軍は、「決戦」作戦司令室の支配下にあるマアーッラト・ナアサーン村一帯を砲撃し、国民解放戦線に所属するアフラール軍の戦闘員1人が死亡した。

シリア軍はまた、ザーウィヤ山地方のマアッルバリート村などを砲撃し、住民1人が死亡、2人が負傷した。

さらに、ロシア軍戦闘機がイドリブ市北のシャイフ・バフル村に対して6回、マアッラトミスリーン市に3回の爆撃を実施した。

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アレッポ県では、シリア人権監視団によると、シャーム解放機構がシリア政府の支配下にあるミーズナーズ村の前線で作業中の重機を攻撃し、シリア軍兵士複数人が負傷した。

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ダルアー県では、シリア人権監視団によると、ムザイリーブ町で26日深夜から27日未明にかけて、反体制武装集団(ムウタッズ・ビッラー旅団)の元司令官が乗った車に仕掛けられた爆弾が爆発し、元司令官が死亡した。

殺害された元司令官は、シリア政府との和解に応じていた。

また、ナワー市では、正体不明の武装集団が女性を銃で撃ち殺害した。

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ロシア国防省は、ロシア当事者和解調整センターの日報を公開し、過去24時間で「緊張緩和地帯設置にかかる覚書」への違反2件(イドリブ県1件、ラタキア県0件、アレッポ県1件、ハマー県0件)確認したと発表した。

AFP, December 27, 2021、ANHA, December 27, 2021、al-Durar al-Shamiya, December 27, 2021、Ministry of Defence of the Russian Federation, December 27, 2021、Reuters, December 27, 2021、SANA, December 27, 2021、SOHR, December 27, 2021などをもとに作成。

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