シリア反体制勢力の動き(2014年7月6日)

シリア革命反体制勢力国民連立の民主ブロックは、イスタンブールで会合を開き、ムワッファク・ニールビーヤ氏(ドイツ・ベルギー代表)を連立議長選挙の統一候補として擁立することを決定した。

投票は、5日にイスタンブールで開かれたブロックの会合で、ミシェル・キールー氏、ニールビーヤ氏不在のなかでハーディー・バフラ氏が議長候補者として擁立されたことをうけたもので、投票では、ニールビーヤ氏が10票、バフラ氏が9票を獲得した。

一方、アフマド・ウワイヤーン・ジャルバー議長とムスタファー・サッバーグ前書記長は、民主ブロックに対抗するために接近し、ジャルバー議長のブロックから議長を、サッバーク前書記長のブロックから書記長を擁立することで合意したという。

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クッルナー・シュラカー(7月6日付)によると、アレッポ県で活動するという「無所属」の武装集団が「イスラームおよびイスラーム教徒救済(ヌスラ)のための北の騎士旅団」を結成すると発表した。

北の騎士旅団には20の武装集団が参加しているという。

AFP, July 6, 2014、AP, July 6, 2014、ARA News, July 6, 2014、Champress, July 6, 2014、al-Hayat, July 7, 2014、Kull-na Shuraka’, July 6, 2014、al-Mada Press, July 6, 2014、Naharnet, July 6, 2014、NNA, July 6, 2014、Reuters, July 6, 2014、SANA, July 6, 2014、UPI, July 6, 2014などをもとに作成。

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イスラーム国(ダーイシュ)をめぐる動き(2014年7月5日)

イラクの戦況

イスラーム国のカリフを名乗るアブー・バクル・バグダーディー氏がモスル市のモスクで説教を行う映像(https://www.youtube.com/watch?v=0PjTSKOMpGk)がインターネットを通じて公開された。

バグダーディー氏が姿を現したのは、モスル市内のヌーリー大モスクで、ラマダーン月に合わせて説教を行った。

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説教のなかでバグダーディー氏は「アッラーは、我々にアッラーの敵と戦い、アッラーのためにジハードを行い、そうすることで宗教を確立するよう命じられた…。アッラーは、あなた方の同胞であるムジャーヒディーンの勝利と制服を祝福された。彼らが長年にわたりジハードを行い耐える力を与え、彼らが目的を実現できるようになさった。それゆえ、彼らは迅速にカリフ制を宣言し、イマームを指名できた。これは数世紀にわたって失われてきたイスラーム教徒にとっての義務なのだ」と述べた。

なおイラクの複数のメディアは、バグダーディー氏がアンバール県での空爆によって負傷したと報じていた。 

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アンバール県では、マダー・プレス(7月5日付)によると、サクラーウィーヤ地方ファッルージャ郡で、ラマーディー市と首都バグダードを結ぶ国際幹線道路に架かる橋を爆破、破壊した。

また同地ではイラク軍とダーイシュが交戦し、ダーイシュ戦闘員4人が死亡した。

このほか、ラマーディー市では、ダーイシュが警察と覚醒評議会の検問所を襲撃し、警官と覚醒評議会メンバー7人が死傷した。

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サラーフッディーン県では、マダー・プレス(7月5日付)によると、イラク軍がバイジ製油所に潜入しようとしたダーイシュ(イスラーム国)の戦闘員を撃退、12人を殲滅した。

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バービル県では、マダー・プレス(7月5日付)によると、ジュルフ・サフル地方で、イラク軍がダーイシュ(イスラーム国)に対する掃討作戦を続け、ダーイシュの南部州司令官ムハンマド・ジャナービー氏を含むダーイシュ戦闘員5人が死亡した。

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キルクーク県では、マダー・プレス(7月5日付)によると、ラシャード地区近郊で、部族民兵がダーイシュ(イスラーム国)の司令官の一人サッターム・ジャッブーリー氏が乗った車を攻撃、同氏を殺害した。

またダーイシュはウバイド部族のシャイフ1人をスース村近くで拉致、連行した。

シリア国内の動き

ラッカ県では、シリア人権監視団によると、ダーイシュ(イスラーム国)が占拠するラッカ市北部のサッカ地区をシリア軍戦闘機が空爆した。

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ダイル・ザウル県では、シリア人権監視団によると、ダーイシュ(イスラーム国)が占拠するカスラ村各所、ジュダイダ・アカイダート村をシリア軍戦闘機が空爆、またダイル・ザウル市各所をシリア軍が砲撃した。

またアブー・ハマーム市では、ハムザ大隊、イブン・カイイム旅団が、ダーイシュと交戦した。

一方、同監視団によると、ガラーニージュ市、アブー・ハマーム市、カシュキーヤ村で、停戦とダーイシュへの忠誠の宣誓のための交渉が続けられた。

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アレッポ県では、シリア人権監視団によると、ダーイシュ(イスラーム国)が展開するアフタリーン市郊外のバフーリタ村の丘陵地、バルアーン村、ワーシュ山に対して、ジハード主義武装集団が手製の迫撃砲で攻撃、ダーイシュ戦闘員2人が死亡した。

AFP, July 5, 2014、AP, July 5, 2014、ARA News, July 5, 2014、Champress, July 5, 2014、al-Hayat, July 6, 2014、Kull-na Shuraka’, July 5, 2014、al-Mada Press, July 5, 2014、Naharnet, July 5, 2014、NNA, July 5, 2014、Reuters, July 5, 2014、SANA, July 5, 2014、UPI, July 5, 2014などをもとに作成。

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ヌスラ戦線アミール、ジャウラーニー氏とは?(2014年7月5日)

タフリール・スーリー(7月5日付)は、シャームの民のヌスラ戦線の一大拠点であるダイル・ザウル県シュハイル市がダーイシュ(イスラーム国)の手に陥落したことを受け、ヌスラ戦線のアミール、アブー・ムハンマド・ジャウラーニー氏の詳細な経歴について公開した。

同サイトによると、ジャウラーニー氏の本名はウサーマ・ハッダーウィー、年齢は30歳で、シュハイル市出身だという。

ジャウラーニー氏はイラク戦争発生当時、ダマスカス大学で医学を学んでいたが、イラクでの戦闘に参加するために、兄弟(ヤフヤー)とともにイラクに潜入したという。

しかし、別のサイトによると、ジャウラーニー氏とともにイラクに潜入したのは、別の兄弟サーミル氏(イラクで戦死)、ヤフヤー氏は経済学士を取得したという。

ジャウラーニー氏は、兄弟が死亡後もイラクにとどまったが、アル=カーイダに参加した容疑で逮捕され、1年間に同国で投獄された。

その後、2011年末にシリアで混乱が増すなか、イラク・イスラーム国(当時)指導者のアブー・バクル・バグダーディー氏から、シリア国内の作戦の指揮を負かされ、ダイル・ザウル県のシュハイル市に戻り、別の兄弟のA・ハッダーウィー氏(本名不明)とともに活動を準備、2012年にダマスカス県カフルスーサ区で最初の爆弾テロを実行したという。

ヌスラ戦線による自爆テロのほとんどは、バグダーディー氏の親戚が実行犯だという。

その後、ヌスラ戦線は、シャリーア学者のアブー・マーリヤー・カフターニー氏(本名マイサラ・ジャッブーリー氏)の参加により勢力を伸張し、イドリブ県ビンニシュ市、ラッカ市に侵攻し、同地に拠点を構えた。

しかし、2013年にバグダーディー氏がイラク・シャーム・イスラーム国の結成を宣言し、ジャウラーニー氏に参加を求めると、両者の対立が表面化、ジャウラーニー氏はシュハイル市に移動した。

その後、ジャウラーニー氏はハサカ県マルカダ市での戦闘で負傷し、イドリブ県で治療を受けたという。

現在の居場所は不明。

「ジャウラーニー」(ゴラン高原出身者)という呼称を選んだ理由は定かでないが、ダイル・ザウル県出身者であることをシリア治安当局に知られることを避けるために、この呼称を選んだと思われるという。

al-Hayat, July 6, 2014、Tahrir Suri, July 5, 2014、UPI, July 5, 2014などをもとに作成。

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シリア国内の暴力(2014年7月5日)

アレッポ県では、シリア人権監視団によると、アレッポ市アンサーリー地区を軍が「樽爆弾」などで空爆し、子供1人が死亡した。

またアシュラフィーヤ地区、ハーリディーヤ地区の軍拠点に対して、ジハード主義武装集団が手製の迫撃砲で攻撃した。

このほか、軍が制圧したシャイフ・ナッジャール市工業団地地区の第1、2ブロック周辺で、軍、国防隊がムハージリーン・ワ・アンサール軍(外国人)やシャームの民のヌスラ戦線と交戦、軍が同地一帯を「樽爆弾」で空爆した。

一方、SANA(7月5日付)によると、アレッポ市ライラムーン地区、ハナーヌー地区、バニー・ザイド地区、インザーラート地区、マーリア市、カフルハムラ村、ズィルバ村、タッル・リフアト市、ジュバイラ村、シャーミル村、ファーフィーン村、バービース村、ムスリミーヤ村、ダフラト・アブドゥラッブフ地区、クワイリス村、ハーディル村、アブティーン村、アルド・マッラーフ地区で、軍が反体制武装集団の追撃を続け、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

また軍はシャイフ・ナッジャール市工業団地地区で反体制武装集団の武器を発見、大量の武器弾薬を押収した。

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イドリブ県では、シリア人権監視団によると、スィンジャール町を軍が空爆、またハーミディーヤ航空基地周辺、ワーディー・ダイフ軍事基地周辺での軍との戦闘でジハード主義武装集団戦闘員4人が死亡した。

一方、SANA(7月5日付)によると、クーリーン村、タフタナーズ市、ウンム・ジャリーン村、アブー・ズフール町北東部で、軍が反体制武装集団の追撃を続け、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

他方、シリア革命家戦線が声明を出し、アブー・ダーリー村で戦線の車列が「シャッビーハ」(SANA(7月5日付)によると「国防隊」)の要撃を受け、戦闘員9人が死亡したと発表した。

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ハマー県では、シリア人権監視団によると、シャイフ・ハディード町に軍が突入し、女性2人を含む5人が死亡した。

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ダルアー県では、シリア人権監視団によると、ジッリーン村、ムザイリーブ町を軍が「樽爆弾」などで空爆した。

一方、SANA(7月5日付)によると、インヒル市、ヌアイマ村、ウンム・マヤーズィン町、ダルアー市ビラール・ハバシー・モスク周辺など、タッル・アフマル周辺、フラーク市、カスル・ハリール村、ヤードゥーダ村・アトマーン村街道で、軍が反体制武装集団の追撃を続け、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

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ダマスカス郊外県では、シリア人権監視団によると、カラムーン地方の対レバノン国境無人地帯を軍が砲撃、またアッバーサ農場を「樽爆弾」で空爆した。

一方、SANA(7月5日付)によると、ムライハ氏北部および東部郊外、ハラスター市、サクバー市、アルバイン市、アイン・タルマー渓谷、マイダアー町郊外、ハーン・シャイフ・キャンプ郊外、ザバダーニー市で、軍が反体制武装集団の追撃を続け、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

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ヒムス県では、SANA(7月5日付)によると、ウンム・シャルシューフ村、ウンク・ハワー村、シャンダーヒーヤ村、アブー・タッラーハ村、ウンム・リーシュ村、マスアダ村、シーハ村、ファースィダ村、カディーム村、ラスタン市、サアン村、ガントゥー市で、軍が反体制武装集団の追撃を続け、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

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クナイトラ県では、SANA(7月5日付)によると、カフターニーヤ町、アジュラフ村、ウーファーニヤー村、ザイディーヤ村、ビイル・アジャム村、フーシュ・ムムティナ村で、軍が反体制武装集団の追撃を続け、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

AFP, July 5, 2014、AP, July 5, 2014、ARA News, July 5, 2014、Champress, July 5, 2014、al-Hayat, July 6, 2014、Kull-na Shuraka’, July 5, 2014、al-Mada Press, July 5, 2014、Naharnet, July 5, 2014、NNA, July 5, 2014、Reuters, July 5, 2014、SANA, July 5, 2014、UPI, July 5, 2014などをもとに作成。

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シリア反体制勢力の動き(2014年7月5日)

自由シリア軍参謀委員会のアブドゥルイラーフ・バシール参謀長はビデオ声明を出し、ダーイシュ(イスラーム国)のダイル・ザウル県での攻勢とシリア政府によるアレッポ市郊外のシャイフ・ナッジャール市工業団地地区完全制圧に関して、「ペンチで挟まれているよう」と惨状を訴えた。

AFP, July 5, 2014、AP, July 5, 2014、ARA News, July 5, 2014、Champress, July 5, 2014、al-Hayat, July 6, 2014、Kull-na Shuraka’, July 5, 2014、al-Mada Press, July 5, 2014、Naharnet, July 5, 2014、NNA, July 5, 2014、Reuters, July 5, 2014、SANA, July 5, 2014、UPI, July 5, 2014などをもとに作成。

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最新論考「カリフ制樹立を宣言した「イラクとシャームのイスラーム国」の過去・現在・将来」(Synodos)

髙岡豊「カリフ制樹立を宣言した「イラクとシャームのイスラーム国」の過去・現在・将来」
Synodos、2014年7月4日
http://synodos.jp/international/9659

2014年6月、「イラクとシャームのイスラーム国」[*1]の攻勢を前にイラク軍が脆くも敗走、イラク中部の諸都市や、西部のシリアやヨルダンとの国境通過地点が「イスラーム国」などの武装勢力の手に落ちた。・・・

イスラーム国(ダーイシュ)をめぐる動き(2014年7月4日)

シリア国内の戦況

ダイル・ザウル県では、シリア人権監視団によると、シャームの民のヌスラ戦線のシャリーア委員会が占拠していたタナク油田(シュアイタート砂漠)をダーイシュ(イスラーム国)が制圧した。

またマヤーディーン市西部にあるブクルス遺跡からヌスラ戦線、シャーム自由人イスラーム運動などからなるジハード主義武装集団が撤退し、ダーイシュが同地を制圧した。

同地制圧に際して戦闘はなかったという。

一方、ダイル・ザウル県で活動するジュンド・ラフマーン旅団総司令部が声明を出し、イスラーム国のカリフの支配を受け入れると発表した。

他方、ダーイシュ(イスラーム国)が占拠するジュダイド・アカイダート村をシリア軍が砲撃した。

またダイル・ザウル市郊外の航空基地周辺で、シリア軍の狙撃によりジハード主義武装集団戦闘員1人が死亡した。

このほか、シリア人権監視団によると、シュハイル市に隣接するハワーイジュ村にヌスラ戦線が設置していた拘置所から、ダーイシュ戦闘員約30人が脱走した。

ダーイシュ戦闘員らは、ヌスラ戦線の撤退を受け、拘置所の壁を破壊し、脱走したという。

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シリア人権監視団は、インターネットにアップされた映像や複数の消息筋からの情報を総合し、7月3日にダイル・ザウル県シュハイル市で交わされたダーイシュ(イスラーム国)と市内を占拠していた反体制武装集団の停戦合意の詳細を明らかにした。

それによると、ダーイシュは、シャームの民のヌスラ戦線の拠点とされる同市を掌握するにあたって、①住民の改悛、②戦闘員および住民の武器引き渡し、③同市の安全をダーイシュが確認するまで、住民は10日間市外に退去、④ダーイシュの安全が確保されたのち住民の帰宅、を条件としたという。

これに対して、シュアイタート砂漠、とりわけガラーニージュ市で、住民がダーイシュへの忠誠拒否を訴えるデモを呼びかけたという。

しかし、シュハイル市では、シュハイル市、ハリージー村、ナムリーヤ村の各住民、イスラーム軍、イスラーム・ムウタ軍、イフラース旅団、イスラーム・ターリバーン運動が共同声明を出し、ダーイシュへの忠誠を誓ったという。

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アレッポ県では、シリア人権監視団、ARA News(7月4日付)によると、ジャラーブルス市東部の対トルコ国境沿いズール・マガール村で、ダーイシュ(イスラーム国)が西クルディスタン移行期民政局人民防衛隊、クルド人戦線旅団、ラッカ革命家旅団との3日間の戦闘のすえ、同村およびバイヤーダ村、ズィヤーラ村を制圧した。

両者の戦闘で、民主統一党隊員11人とダーイシュ戦闘員4人が死亡した。

またアフタリーン市郊外のヤールーザ村、ズィヤーディーヤ村一帯で、ダーイシュがシャームの民のヌスラ戦線などからなるジハード主義武装集団と交戦した。

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ラッカ県では、シリア人権監視団によると、ダーイシュ(イスラーム国)が包囲する第17師団基地周辺でシリア軍とダーイシュが交戦した。

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ダマスカス郊外県では、シリア人権監視団によると、ミスラーバー市近郊のダーイシュ(イスラーム国)の拠点複数カ所をシリア軍が空爆する一方、イスラーム軍などならなるジハード主義武装集団がバーターヤー村でダーイシュと交戦した。

イラク国内の戦況

トルコのイェニ・シャファク・サイト(7月4日付)は、ダーイシュ(イスラーム国)がイラクのモスル市で独自のパスポートを発効し、同市およびシリア・イラク国境地帯の制圧地域住民役1万1,000人に配布したと報じた。

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キルクーク県では、マダー・プレス(7月4日付)によると、イラク軍戦闘機がフワイジャ郡のダーイシュ(イスラーム国)の拠点に対して空爆を行った。

また同郡のアッバースィー地区、タッル・アリー地区で、部族民兵がダーイシュと交戦し、ダーイシュ戦闘員17人が死傷した。

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アンバール県では、マダー・プレス(7月4日付)によると、ラブタ郡周辺、カダー郡入口一帯、ハディー砂漠でイラク軍がダーイシュ(イスラーム国)に対する掃討作戦を行い、ダーイシュ戦闘員8人を殺害、9人を逮捕した。

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バービル県では、マダー・プレス(7月4日付)によると、ジュルフ・サフル地方でイラク軍がダーイシュ(イスラーム国)に対する掃討作戦を行い、ダーイシュ戦闘員17人が死亡した。

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ディヤラ県では、マダー・プレス(7月4日付)によると、ダリー・アッバース地方ダワーリーブ地区で、イラク警察部隊とアフガン服に身を包んだダーイシュ(イスラーム国)戦闘員が交戦し、ダーイシュ戦闘員6人が死亡した。

諸外国の動き

AFP(7月4日付)は、フランスのニース市で、数ヶ月前にシリアから帰国した17歳の青年が、シリア国内で「テロ集団」に参加し、犯罪を犯した容疑で取り調べを受けていると報じた。

AFP, July 4, 2014、AP, July 4, 2014、ARA News, July 4, 2014、Champress, July 4, 2014、al-Hayat, July 5, 2014、Kull-na Shuraka’, July 4, 2014、al-Mada Press, July 4, 2014、Naharnet, July 4, 2014、NNA, July 4, 2014、Reuters, July 4, 2014、SANA, July 4, 2014、UPI, July 4, 2014、Yeni Safak, July 4, 2014などをもとに作成。

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レバノンの動き(2014年7月4日)

アブドゥッラー・アッザーム旅団(シャームの民のヌスラ戦線)のスィラージュッディーン・ズライカート報道官はツイッターで、「バアルベック・スンナ派自由人旅団のサイトは、ヒズブッラーに所属する勢力が運営する偽サイトで、我々は慎重を期して、彼らとのコミュニケーションを避けるべきだ」と綴った。

Naharnet, July 4, 2014
Naharnet, July 4, 2014

これに対して、バアルベック・スンナ派自由人旅団はツイッターで反論、「我々がレバノンのキリスト教徒に宣戦布告したから、あなた(ズライカート)は我々が諜報機関だと言っている」、「あなたこそ外国勢力の利益のために活動している」と綴った。

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NNA(7月4日付)によると、ダマスカス郊外県カラムーン地方の対レバノン国境無人地帯を空爆するシリア軍は、ベカーア県バアルベック郡アルサール村郊外に対しても空爆を行い、シリア人2人が死亡、5人が負傷した。

AFP, July 4, 2014、AP, July 4, 2014、ARA News, July 4, 2014、Champress, July 4, 2014、al-Hayat, July 5, 2014、Kull-na Shuraka’, July 4, 2014、al-Mada Press, July 4, 2014、Naharnet, July 4, 2014、NNA, July 4, 2014、Reuters, July 4, 2014、SANA, July 4, 2014、UPI, July 4, 2014などをもとに作成。

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シリア国内の暴力(2014年7月4日)

アレッポ県では、SANA(7月4日付)によると、軍がシャイフ・ナッジャール市工業団地地区を制圧し、同地の治安と安定を回復、また「テロリスト」の追撃を行い、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

SANA, July 4, 2014
SANA, July 4, 2014

一方、シリア人権監視団によると、シリア軍は、シャイフ・ナッジャール市の北東部に位置するカフルサギール村、ラフマーニーヤ村で、シャームの民のヌスラ戦線、ムジャーヒディーン軍、ムハージリーン・ワ・アンサール軍(外国人)などからなるジハード主義武装集団と交戦の末、同地を制圧した。

両者の戦闘はまた、マクバラ村近郊のマアバディーヤ村でも発生し、軍はその後、シャイフ・ナッジャール市工業団地地区の第1ブロックの半分、第2ブロック、第3ブロックを制圧していったという。

これに対して、ムハージリーン・ワ・アンサール軍は、アレッポ中央刑務所周辺のビル1棟を占拠し、軍と交戦したという。

また、シリア人権監視団によると、シリア軍ヘリコプターがアレッポ市バーブ街道地区、マサーキン・ハナーヌー地区、ライラムーン地区、ジャンドゥール交差点を空爆、ザフラー地区(空軍情報部一帯)では、軍、国防隊が、外国人戦闘員からなるムハージリーン・ワ・アンサール軍、シャーム軍団などジハード主義武装集団と交戦した。

さらにシリア軍はシャームの民のヌスラ戦線などからなるジハード主義武装集団が占拠するマーリア市、タッル・リフアト市一帯、アターリブ市近郊を空爆した。

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ハマー県では、シリア人権監視団によると、シャイフ・ハディード町での軍との戦闘で、ジハード主義武装集団戦闘員でイスラーム教ウラマー連盟代表の息子が死亡した。

一方、SANA(7月4日付)によると、ムハルダ市北部で、軍が反体制武装集団の追撃を続け、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

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ダマスカス郊外県では、シリア人権監視団によると、カラムーン地方のフライタ村郊外の無人地帯(レバノン国境近く)、ダーライヤー市各所をシリア軍が空爆した。

一方、SANA(7月4日付)によると、サクバー市、ハラスター市、ムライハ市郊外、アイン・タルマー渓谷、マイダアー町およびその郊外、ザバダーニー市で、軍が反体制武装集団の追撃を続け、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

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ダマスカス県では、SANA(7月4日付)によると、ジャウバル区で、軍が反体制武装集団の追撃を続け、ドゥーマー殉教者旅団の戦闘員らを殺傷、拠点・装備を破壊した。

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ヒムス県では、SANA(7月4日付)によると、ジャッブーリーン村、カフルラーハー市、スィルハーニーヤ村、下ヒルバト村、ワーディー・ミーラー村、ブライジュ村、ウンム・シャルシューフ村周辺、クサイル市郊外で、軍が反体制武装集団の追撃を続け、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

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ダルアー県では、SANA(7月4日付)によると、ハビーブ村、ウンム・ワラド村、アトマーン村・タファス市街道交差点、ヤードゥーダ村、ジャースィム市、ダーイル町、インヒル市、ダルアー市各所、東ガーリヤ村・フラーク市街道、アトマーン村で、軍が反体制武装集団の追撃を続け、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

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クナイトラ県では、SANA(7月4日付)によると、ダワーヤ・スグラー村、ウーファーニヤー村、カフターニーヤ町、ハルシュ・ムムティナ村などで、軍が反体制武装集団の追撃を続け、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

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イドリブ県では、SANA(7月4日付)によると、マアッラトミスリーン市西部、ビダーマー町、ジャドラーヤー村、ハーッジ・ハンムード農場、ザーウィヤ山、アブー・ズフール町西部などで、軍が反体制武装集団の追撃を続け、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

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ラタキア県では、SANA(7月4日付)によると、アイン・サームール村、アブー・リーシュ村郊外、カスタル・シャイフ・ヌーリー村、ダッラ村、フルワ村、ハーン・ジャウズ村で、軍が反体制武装集団の追撃を続け、シャームの民のヌスラ戦線の戦闘員らを殺傷、拠点・装備を破壊した。

AFP, July 4, 2014、AP, July 4, 2014、ARA News, July 4, 2014、Champress, July 4, 2014、al-Hayat, July 5, 2014、Kull-na Shuraka’, July 4, 2014、al-Mada Press, July 4, 2014、Naharnet, July 4, 2014、NNA, July 4, 2014、Reuters, July 4, 2014、SANA, July 4, 2014、UPI, July 4, 2014などをもとに作成。

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イスラーム国(ダーイシュ)をめぐる動き(2014年7月3日追記)

ハサカ県では、ARA News(7月3日付)によると、ダーイシュ(イスラーム国)が占拠するマルカダ市内で、ダーイシュの「リビア・バッタール大隊」とダーイシュの別の武装集団が交戦した。

アフマド・フサイニーを名乗るハサカ県の活動家によると、この戦闘はダーイシュがバッタール大隊に所属するイスラーム法学者を粛清したことがきっかけだったという。

ARA News, July 4, 2014などをもとに作成。

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諸外国の動き(2014年7月3日)

イランのホセイン・エミール・アブドゥッラフヤーン外務副大臣は、シリア革命反体制勢力国民連立のアフマド・ウワイヤーン・ジャルバー議長がイラクのアルビル市を訪問し、イラク・クルディスタン自治政府のマスウード・バールザーニー大統領と会談したことに関して、ジャルバー議長を「シリア国民に資さない姿勢をとり、これまで以上にテロ組織に門戸を開こうとするだけの弱い人物」と批判した。

またアブドゥッラフヤーン副大臣は、バールザーニー大統領についても「時勢し、拙速な措置は避け、テロと対決することに集中し、憲法の枠組みのもと、イラクの国民統合の維持に努めるべき」と述べた。

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米国防総省のジョン・キルビー報道官は、シリアから搬出された化学兵器関連物質を積んだ米国船籍MVケープ・レイ(MV Cape Ray)が2日晩、イタリアのジョイヤタウロ港を出航したと発表した。

同船には危険性の高い化学物質約570トンが積まれており、2~3ヶ月をかけて同物質の無害化を行う。

AFP, July 3, 2014、AP, July 3, 2014、ARA News, July 3, 2014、Champress, July 3, 2014、al-Hayat, July 4, 2014、Kull-na Shuraka’, July 3, 2014、al-Mada Press, July 3, 2014、Naharnet, July 3, 2014、NNA, July 3, 2014、Reuters, July 3, 2014、SANA, July 3, 2014、UPI, July 3, 2014などをもとに作成。

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イスラーム国(ダーイシュ)をめぐる動き(2014年7月3日)

シリア政府の動き

ラッカ県では、ARA News(7月3日付)によると、シリア軍戦闘機がラッカ市内のダーイシュ(イスラーム国)のシャリーア法廷(ラッカ市文化センタ-)、タッル・アブヤド市東部、フナイダ市のダーイシュ拠点に対して空爆を行った。

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シャームの民のヌスラ戦線のシャリーア学者のアブー・マーリヤー・カフターニー氏はツイッターで、ダーイシュ(イスラーム国)によるカリフ制樹立宣言を「幻想のカリフ制宣言」と批判した。

シリアの反体制組織の動き

シリア国内最大の反体制政治連合、民主的変革諸勢力国民調整委員会はフェイスブックを通じて声明を出し、ダイル・ザウル県でのダーイシュ(イスラーム国)の攻勢に関して「シリア国家の存在、領土の一体性と保全を脅かす…危険な動き…。国際社会がこれに対抗するために早急に行動しなければ、深刻な結果をもたらす」と警鐘を鳴らした。

調整委員会はそのうえで「国を危機から脱出させる唯一の方途は政権が政治的解決を受け入れ、安保理が外国人戦闘員の潜入や武器の流入阻止、テロ組織の資金源の根絶、ジュネーブ合意に基づく政治プロセスの再生のため、断固たる措置を即座に講じることで、政権に義務を履行させること」だと主張した。

シリアの反体制武装集団の動き

ダイル・ザウル県では、シリア人権監視団によると、シャームの民のヌスラ戦線などからなるジハード主義武装集団が占拠していたシリア国内最大の油田ウマル油田を、ダーイシュ(イスラーム国)が制圧した。

制圧に際して、ヌスラ戦線らとダーイシュとの間に戦闘はなく、ヌスラ戦線などの戦闘員は、ダーイシュの進軍を前に敗走したという。

また、ウマル油田制圧により、ダーイシュはダイル・ザウル県の油田のほぼすべてを手中にし、またダイル・ザウル県の対イラク国境に位置するブーカマール市から、ラッカ市、アレッポ県バーブ市にいたるユーフラテス河畔のほぼ全域(ダイル・ザウル市を除く)を掌握したという。

またこれに先立ち、ダーイシュは同日早朝、ウマル油田に近いマヤーディーン市にも「無血入城」し、ヌスラ戦線などは同市から退去した。

さらに、ヌスラ戦線の拠点と目されるシュハイル市、アシャーラ市、および周辺の村落でも、ダーイシュとの戦闘が停止、これに関して、シリア人権監視団は、ヌスラ戦線とダーイシュが部族の仲介のもと停戦交渉を行っているとの情報があると指摘した。

これに関して、ARA News(7月3日付)は、ダイル・ザウル市の複数の活動家の話として、シュハイル市一帯で活動するイスラーム軍など複数の武装集団がダーイシュに忠誠を誓い、同市へのダーイシュの進入を受け入れたと報じた。

ダーイシュに忠誠を誓った武装集団は、イスラーム軍のほか、イフラース軍、イスラーム・ムウタ軍などで、ヌスラ戦線だけは忠誠を拒否しているという。

イラク国内の戦況

キルクーク県では、マダー・プレス(7月3日付)によると、イラク軍ヘリコプターが、キルクーク市西75キロに位置するサフラー村近くで、燃料を積んだトレーラー3台を破壊した。

トレーラーはダーイシュ(イスラーム国)によって盗まれたもの。

またフワイジャ郡などの複数の部族長(スンナ派)は、マダー・プレスに対し、ダーイシュに忠誠を誓わなければ殺すと脅されていると述べた。

なおマダー・プレスによると、これに先立ち、ダーイシュは、自らの支配を拒否した部族長や政治家の邸宅などの没収を開始したという。

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バービル県議会は、県北部のジュルフ・サフル地方各所で、イラク軍戦闘機がダーイシュ(イスラーム国)拠点を空爆し、ダーイシュ戦闘員40人を殺害したと発表した。

マダー・プレス(7月3日付)が伝えた。

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ディヤラ県警察のジャミール・シャムリー署長は、ヤアクーバ市北部のダリー・アッバース地方で、イラク軍と部族民兵がダーイシュ(イスラーム国)と交戦し、ダーイシュ戦闘員70人を殲滅、同地方の2カ所(ダワーリーブ地区、シューハーニー地区)の浄化を完了したと発表した。

マダー・プレス(7月3日付)が伝えた。

レバノンの動き

ダーイシュ(イスラーム国)に忠誠を誓ったバアルベック自由人旅団はツイッターを通じて声明を出し、「特殊部隊が、レバノン、とりわけベカーア・イスラーム国のキリスト教教会を浄化する任務についた…。我々は同国(ベカーア)およびレバノンで、教会の鐘を沈黙させるべく、十字軍を標的にする」と発表、キリスト教徒へのテロを予告した。

諸外国の動き

ロイター通信(7月3日付)は、コロラド州デンバーの米連邦当局高官の話として、シリアとイラクで活動するダーイシュ(イスラーム国)への資金援助に関与している容疑で、女性1人が逮捕されたと報じた。

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トルコのアフメト・ダウトオール外務大臣は、6月10日にモスル市でダーイシュ(イスラーム国)によって拉致されたトルコ人貨物車輌運転手32人が解放され、アルビル市のトルコ領事館に身柄を保護されたと発表した。

AFP, July 3, 2014、AP, July 3, 2014、ARA News, July 3, 2014、Champress, July 3, 2014、al-Hayat, July 4, 2014、Kull-na Shuraka’, July 3, 2014、al-Mada Press, July 3, 2014、Naharnet, July 3, 2014、NNA, July 3, 2014、Reuters, July 3, 2014、SANA, July 3, 2014、UPI, July 3, 2014などをもとに作成。

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レバノンの動き(2014年7月3日)

UNHCRは、2014年12月までにレバノン国内のシリア人避難民が150万人に達し、同国の人口の3分の1を占めるに至ると発表、警鐘を鳴らした。

ナハールネット(7月3日付)が伝えた。

AFP, July 3, 2014、AP, July 3, 2014、ARA News, July 3, 2014、Champress, July 3, 2014、al-Hayat, July 4, 2014、Kull-na Shuraka’, July 3, 2014、al-Mada Press, July 3, 2014、Naharnet, July 3, 2014、NNA, July 3, 2014、Reuters, July 3, 2014、SANA, July 3, 2014、UPI, July 3, 2014などをもとに作成。

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シリア国内の暴力(2014年7月3日)

SANA, July 3, 2014
SANA, July 3, 2014
SANA, July 3, 2014
SANA, July 3, 2014

ハマー県では、ARA News(7月3日付)によると、軍ヘリコプターがムーリク市、カフルズィーター市を空爆した。

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ヒムス県では、SANA(7月3日付)によると、カルアト・ヒスン市での軍による地雷、爆弾撤去作業が完了し、避難生活を送っていた住民が帰宅した。

他方、サラーム・ガルビー村、ウンム・リーシュ村、マスアダ村、ザアフラーナ村、タッル・ザハブ町、アーミリーヤ村、ウンム・シャルシューフ村郊外、ジュッブ・ジャッラーフ町郊外で、軍が反体制武装集団の追撃を続け、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

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ダマスカス県では、SANA(7月3日付)によると、ジャウバル区で、軍が反体制武装集団の追撃を続け、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備、地下トンネルを破壊した。

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ダマスカス郊外県では、SANA(7月3日付)によると、アーリヤ農場、アッブ農場、マイダアー町郊外、ジスリーン町郊外、カフルバトナー町、アイン・タルマー渓谷、ダーライヤー市で、軍が反体制武装集団の追撃を続け、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

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アレッポ県では、SANA(7月3日付)によると、アレッポ市旧市街、シャッアール地区、ブアイディーン地区、ジャンドゥール地区、ズィルバ村、シャイフ・ナッジャール市工業団地地区、ムスリミーヤ村、クワイリス村、ハーディル村、カフルハムラ村、タッル・カッラーフ村、フライターン市、ザフラト・アブドゥラッブフ村、アアザーズ市、タッル・ジャニーン村で、軍が反体制武装集団の追撃を続け、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

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ダルアー県では、SANA(7月3日付)によると、サムリーン村・ズィムリーン村交差点、アトマーン村、東カラク村、ハッジャ村、ブスラー・シャーム市、サリーヤー村・フィキーア村街道、ダルアー市バジャービジャ地区、旧税関地区などで、軍が反体制武装集団の追撃を続け、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

またヨルダン領内からティースィヤー村に潜入しようとした戦闘員を軍が撃退した。

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イドリブ県では、SANA(7月3日付)によると、シャンナーン村周辺、ハーッジ・ハンムード農場、ビンニシュ市、カフルルーマー村、マアッラトミスリーン市で、軍が反体制武装集団の追撃を続け、シャーム自由人イスラーム運動の外国人戦闘員らを殺傷、拠点・装備を破壊した。

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クナイトラ県では、SANA(7月3日付)によると、ウーファーニヤー村、ズバイダ村、ビイル・アジャム村、ラスム・バグル村、ハルシュ・ムムティナ村で、軍が反体制武装集団の追撃を続け、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

AFP, July 3, 2014、AP, July 3, 2014、ARA News, July 3, 2014、Champress, July 3, 2014、al-Hayat, July 4, 2014、Kull-na Shuraka’, July 3, 2014、al-Mada Press, July 3, 2014、Naharnet, July 3, 2014、NNA, July 3, 2014、Reuters, July 3, 2014、SANA, July 3, 2014、UPI, July 3, 2014などをもとに作成。

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イスラーム国(ダーイシュ)をめぐる動き(2014年7月2日追記)

ARA News(7月5日付)は、複数の地元活動家の話として、7月2日夜、ラッカ県にあるダーイシュ(イスラーム国)の基地の一つにシリア軍が空爆を行うなか、「シリア軍でない外国の空挺部隊」が降下したと報じた。

活動家らによると、降下した空挺部隊は、米軍とヨルダン軍の合同部隊だと思われ、空挺部隊が降下するなか、シリア軍は「シャイフ・ウサーマ・ビン・ラーディン基地」とダーイシュが呼ぶラッカ市東部アキールシー基地を空爆、砲撃したという。

ARA News, July 5, 2014などをもとに作成。

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シリア国内の暴力(2014年7月2日追記)

ハサカ県では、クッルナー・シュラカー(7月3日付)によると、民主統一党が主導する西クルディスタン人民議会のアブドゥルイラーフ・ハッジ・カースィム議員がハサカ市・タッル・タムル町間の街道で爆弾の爆発に巻き込まれ、死亡した。

Kull-na Shuraka’, July 3, 2014などをもとに作成。

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シリア反体制勢力の動き(2014年7月2日追記)

シリア革命反体制勢力国民連立のアフマド・ウワイヤーン・ジャルバー議長は、イラクのアルビル市を訪問し、イラク・クルディスタン自治政府のマスウード・バールザーニー大統領と会談した。

会談では、ダーイシュ(イスラーム国)の台頭などシリア・イラク情勢について意見が交わされたという。

ARA News(7月3日付)などが伝えた。

ARA News, July 3, 2014
ARA News, July 3, 2014

ARA News, July 3, 2014、al-Hayat, July 4, 2014などをもとに作成。

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諸外国の動き(2014年7月2日)

AFP(7月2日付)によると、シリアのラタキア港から搬出された化学兵器関連物質の米国船籍MVケープ・レイ(MV Cape Ray)への積み替え作業がイタリアのジョイヤタウロ港で開始された。

AFP, July 2, 2014、AP, July 2, 2014、ARA News, July 2, 2014、Champress, July 2, 2014、al-Hayat, July 3, 2014、Kull-na Shuraka’, July 2, 2014、al-Mada Press, July 2, 2014、Naharnet, July 2, 2014、NNA, July 2, 2014、Reuters, July 2, 2014、SANA, July 2, 2014、UPI, July 2, 2014などをもとに作成。

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イスラーム国(ダーイシュ)をめぐる動き(2014年7月2日)

シリア国内の動き

アレッポ県北部、ラッカ県、ダイル・ザウル県で活動するジハード主義武装集団など11組織は共同声明を出し、シリア革命反体制勢力国民連立、同暫定政府、自由シリア軍参謀委員会といったトルコ在留の反体制組織に対して、ダーイシュ(イスラーム国)に対抗するための武器を増援しなければ、武器を放棄する、と脅迫した。

共同声明を発表したのは以下の組織:

Kull-na Shuraka', July 2, 2014
Kull-na Shuraka’, July 2, 2014

アッラーのためのジハード旅団

ラッカ革命家旅団

マンビジ大隊連合

アレッポ北部農村作戦司令室

ジャラーブルス大隊

カラーマ大隊

バーズ大隊

アフタリーン大隊

マンビジ東部戦線革命家大隊

シリア・クルド人戦線

シリア自由人東部戦線

声明において、11組織は、「1週間以内に(アブー・バクル・)バグダーディーの組織(ダーイシュ)に対抗し、同組織を我々の領土から放逐し、解放された都市への進軍を食い止めるための武器が増援されない場合…、武器を放棄し、これらの地域からムジャーヒディーンを撤退させるだろう。そうすれば皆は…我々がハワーリジュどもに抵抗していたことを知ることになる。我々は銃弾が尽きるまで抵抗を続ける」と表明した。

そのうえで「我々の革命、我々の人民と家族の革命、我々の若者や子供たちの血が失われた革命は、バグダーディーの組織がカリフ制樹立を宣言して以降、同組織によって危機に曝されている」と付言した。

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ダイル・ザウル県では、シリア人権監視団によると、ダーイシュ(イスラーム国)が1日に制圧したブーカマール市内で、強制家宅捜査を行い、多数の市民を逮捕した。

ダーイシュはまた、シャームの民のヌスラ戦線の拠点と目されるシュハイル市を砲撃、同地北部入口付近でヌスラ戦線などからなるジハード主義武装集団と交戦した。

一方、ブーカマール市から撤退したヌスラ戦線らは、同じくダーイシュによって制圧されたブサイラ市郊外の農場、ザッル村に対して砲撃を行った。

この砲撃によりザッル市では子供2人、女性2人を含む6人が死亡した。

このほか、ブクルス遺跡一帯の砂漠地帯で、ダーイシュとジハード主義武装集団が交戦し、後者の戦闘員6人が死亡した。

他方、シリア軍はクーリーヤ市、ブサイラ市近郊を空爆し、クーリーヤ市では市民2人が、ブサイラ市ではダーイシュ戦闘員3人が死亡した。

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アレッポ県では、ARA News(7月2日付)によると、ルーズ・マガール村で、ダーイシュ(イスラーム国)がアイン・アラブ市郊外を襲撃し、西クルディスタン移行期民政局人民防衛隊が交戦し、市民2人が死亡、4人が負傷した。

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ラッカ県では、クッルナー・シュラカー(7月2日付)が、ダーイシュ(イスラーム国)によるカリフ制樹立を受けて、カリフを名乗るアブー・バクル・バグダーディー氏への忠誠を表明した住民(若者ら)に、「かたちだけ」の報酬と食糧を援助していると報じた。

またシリア人権監視団によると、ダーイシュ(イスラーム国)が包囲する第17師団基地周辺で、シリア軍とダーイシュが交戦した。

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ダマスカス郊外県では、シリア人権監視団によると、イスラーム軍がイスラーム国家(ダーイシュ)との戦闘の末、マイダアー町を制圧した。

シリア、イラク、レバノンの有識者らの動き

シリア、イラク、レバノンの有識者約260人が共同声明を出し、三国におけるダーイシュ(イスラーム国)の攻勢に異議を唱え、「宗教に基づく支配は、本質において人間が作った加工場であり…、エリート主義に基づく人種差別支配、ファシズム支配を作り出す…。このような政体は自由、女性、美、近代教育に敵対し…、奴隷制を作り出す」と批判、カリフ制樹立への拒否の姿勢を示した。

イラク国内の戦況

サラーフッディーン県では、マダー・プレス(7月2日付)によると、イラク軍が県内をバイジ郡方面に向かって逃走中だったダーイシュ(イスラーム国)の車輌を取り押さえ、リビア人司令官のアブー・アフマド・アフガーニー氏と副官2人の合わせて3人を逮捕した。

またティクリート市北部の複数地区で、イラク軍がダーイシュの掃討作戦を行い、チェチェン人狙撃手2人、北アフリカ出身者2人、自爆ベルトを着用した湾岸出身者1人を殺害した。

さらにダーイシュが占拠・使用していたティクリート病院の燃料倉庫をイラク軍ヘリコプターが攻撃・破壊した。

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バービル県では、マダー・プレス(7月2日付)によると、イラク軍戦闘機がジュルフ・サフル地方を空爆し、ダーイシュ(イスラーム国)戦闘員40人が死傷した。

また同地区でのダーイシュとイラク軍の戦闘で、イラク軍中尉が撃たれて重傷を負った。

諸外国の動き

イスラーム・マグリブ諸国のアル=カーイダ機構の指導者の一人アブー・アブドゥッラー・ウスマーン・アースィミー氏は音声声明を出し、ダーイシュ(イスラーム国)に関して「我々とあなた方の間に友愛の綱を結びたい。あなた方は、家族や部族よりも我々にとって愛すべき存在で、我々は常にあなた方のために、祈りを捧げている」と述べ、支持を表明した。

『ハヤート』(7月3日付)が伝えた。

AFP, July 2, 2014、AP, July 2, 2014、ARA News, July 2, 2014、Champress, July 2, 2014、al-Hayat, July 3, 2014、Kull-na Shuraka’, July 2, 2014、al-Mada Press, July 2, 2014、Naharnet, July 2, 2014、NNA, July 2, 2014、Reuters, July 2, 2014、SANA, July 2, 2014、UPI, July 2, 2014などをもとに作成。

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レバノンの動き(2014年7月2日)

ナビーフ・ビッリー国民議会議長は、大統領選挙(第2回投票)のための臨時会が定足数に達しなかったことを受け、会合を7月23日に再び延期すると決定した。

AFP, July 2, 2014、AP, July 2, 2014、ARA News, July 2, 2014、Champress, July 2, 2014、al-Hayat, July 3, 2014、Kull-na Shuraka’, July 2, 2014、al-Mada Press, July 2, 2014、Naharnet, July 2, 2014、NNA, July 2, 2014、Reuters, July 2, 2014、SANA, July 2, 2014、UPI, July 2, 2014などをもとに作成。

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シリア国内の暴力(2014年7月2日)

ダマスカス郊外県では、シリア人権監視団によると、アイン・タルマー渓谷、ティーバ市、アッサール・ワルド村郊外の無人地帯で、軍、国防隊、ヒズブッラー戦闘員がジハード主義武装集団と交戦、またアドラー市ウンマーリーヤ地区、ザバダーニー市西部山岳地帯を軍が空爆した。

また、ドゥーマー市郊外の幹線道路を走行中の旅客バスが何者かの発砲を受け、子供1人が負傷した。

一方、SANA(7月2日付)によると、ムライハ市北部郊外、ナシャービーヤ農場、アーリヤ農場、カラム・ラサース農場、ザバダーニー市東部山岳地帯、ハーン・シャイフ・キャンプで、軍が反体制武装集団の追撃を続け、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

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アレッポ県では、シリア人権監視団によると、アレッポ市アーミリーヤ地区の軍事アカデミー付近で、軍とジハード主義武装集団が交戦、軍が砲撃を加えるとともに、ハーディル村などを軍が「樽爆弾」で空爆した。

一方、SANA(7月2日付)によると、ラヒーマ村、カフルハムラ村、アアザーズ市、ダイル・ジャマール村、マンスーラ村、ダーラト・イッザ市、アウラム・クブラー町、アターリブ市、タッル・ハターバート村、フライターン市、シャイフ・ナッジャール市工業団地地区、ブラート丘(ブラート村一帯)、ウワイジャ地区、ブアイディーン村、ハンダラート・キャンプ、ハーン・アサル村、アレッポ市ジャンドゥール地区、ハナーヌー地区、カスタル・マシュト地区、ブスターン・カスル地区、スッカリー地区、シャッアール地区で、軍が反体制武装集団の追撃を続け、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

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ハマー県では、SANA(7月2日付)によると、アクラブ町で、軍が反体制武装集団の追撃を続け、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

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ヒムス県では、SANA(7月2日付)によると、ウンム・シャルシューフ村周辺、バルグースィーヤ村周辺で、軍が反体制武装集団の追撃を続け、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

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ダマスカス県では、SANA(7月2日付)によると、ジャウバル区で、軍が反体制武装集団の追撃を続け、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

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ダルアー県では、SANA(7月2日付)によると、ダルアー市カルク地区、旧税関地区など、アトマーン村、ヤードゥーダ村、ズィムリーン村・サムリーン村交差点、サフム・ジャウラーン村、インヒル市、タスィール町、ジャースィム市、ナワー市で、軍が反体制武装集団の追撃を続け、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

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クナイトラ県では、SANA(7月2日付)によると、ウーファーニヤー村、アジュラフ村で、軍が反体制武装集団の追撃を続け、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

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法務省は、ヒムス県で投降した反体制武装集団元メンバー284人と、ダマスカス県、ダマスカス郊外県、アレッポ県、ダルアー県、クナイトラ県で投降した63人の合わせて347人を釈放した、と発表した。

SANA(7月2日付)が伝えた。

AFP, July 2, 2014、AP, July 2, 2014、ARA News, July 2, 2014、Champress, July 2, 2014、al-Hayat, July 3, 2014、Kull-na Shuraka’, July 2, 2014、al-Mada Press, July 2, 2014、Naharnet, July 2, 2014、NNA, July 2, 2014、Reuters, July 2, 2014、SANA, July 2, 2014、UPI, July 2, 2014などをもとに作成。

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シリア反体制勢力の動き(2014年7月2日)

イドリブ県イスラーム委員会はすべてのムジャーヒディーン部隊に対して布告を出し、ラマダーン月の断食を順守しないすべての者を逮捕し、シャリーア法廷に裁判するよう要請した。

Kull-na Shuraka', July 2, 2014
Kull-na Shuraka’, July 2, 2014

AFP, July 2, 2014、AP, July 2, 2014、ARA News, July 2, 2014、Champress, July 2, 2014、al-Hayat, July 3, 2014、Kull-na Shuraka’, July 2, 2014、al-Mada Press, July 2, 2014、Naharnet, July 2, 2014、NNA, July 2, 2014、Reuters, July 2, 2014、SANA, July 2, 2014、UPI, July 2, 2014などをもとに作成。

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イスラーム国(ダーイシュ)をめぐる動き(2014年7月1日)

バグダーディー氏声明発表

ダーイシュ(イスラーム国)のカリフを名乗るアブー・バクル・バグダーディー氏はイスラーム・カリフ制樹立後初となる音声声明(https://www.youtube.com/watch?v=_kjajeNX-84)を発表した。

19分にわたる声明は「ムジャーヒディーンとイスラームのウンマへのラマダーン月のメッセージ」と題され、そのなかでバグダーディー氏は、イスラーム教徒に対して「イスラームの家へのヒジュラ(聖遷)」が義務だと主張、結集を呼びかけた。

バグダーディー氏は「科学専攻の学生、法学者、説教師、とりわけカーディー、軍事、行政、福祉に関する技能を持つ者たち、医師、さまざまな専門・分野の技師に呼びかける…。彼らへの号令は…、イスラーム教徒の必要に応えるための義務である…。イスラーム国の兵士たちよ、各地にいるあなたたちの同胞は、あなたたちの助けを待っている。あなたたちの前衛に期待している。中央アジア、そしてそれ以前にはビルマであなたたちに行われたことだけで十分だ…。アッラーに誓って、復讐しようではないか。今でなくとも復讐しようではないか」と述べた。

シリア国内の動き

Kull-na Shuraka', July 1, 2014
Kull-na Shuraka’, July 1, 2014

イスラーム戦線のシャリーア評議会などイスラーム主義組織9団体が共同声明を出し、「カリフ制の条件は、とりわけ国家機関という面で、現時点においてまだ達成されていない」と表明し、ダーイシュ(イスラーム国)によるイスラーム・カリフ制を「ハワーリジュのカリフ制」と非難し、「無効」と断じるとともに、ダーイシュを「ビドア(婉曲)と誤導」の組織と糾弾し、参加を禁じた。

声明において9団体は、「カリフ制国家樹立宣言が、アサド政権の打倒をめざす革命家に対抗するためパワー・バランスの転換を望む外国諸勢力の口実として利用され、西側において合法的な指導者としての彼(アサド大統領)のイメージを改善することに資してしまう」と警鐘をならした。

共同声明を出したのは以下の団体:

東部ムジャーヒディーン・シューラー評議会

ムジャーヒディーン軍シャリーア委員会

イスラーム連合シャリーア委員会

アレッポ・シャリーア委員会

シリア・イスラーム教ウラマー総合委員会

地域中央シャリーア委員会

イスラーム戦線シャリーア評議会

イドリブ・イスラーム委員会

海岸イスラーム委員会

ダイル・ザウル県では、シリア人権監視団が、ダーイシュ(イスラーム国)が、シャームの民のヌスラ戦線などからなるジハード主義武装集団との交戦の末、早朝にブーカマール市の大部分を制圧したと発表した。

ブーカマール市攻防戦では、ヌスラ戦線側の司令官2人を含む多数の戦闘員が死亡した。

また同市の複数の消息筋によると、ダーイシュはブーカマール市を完全制圧、早朝から戦闘は行われていないという。

一方、ARA News(7月1日付)によると、ブーカマール市でのダーイシュとヌスラ戦線らとの戦闘激化、シリア軍による空爆、ダーイシュの同市制圧を受け、住民約4,000人が市外に避難した。

ブーカマール市はヌスラ戦線などジハード主義武装集団のダイル・ザウル県における拠点と目されており、ダーイシュは同県を「ハイル州」と自称し、制圧をめざしている。

ブーカマール市を制圧したダーイシュはまた、ヌスラ戦線などとの交戦の末、キサール村も制圧し、同村の南部に位置するヌスラ戦線の拠点シュハイル市に進軍を続けたという。

さらにダーイシュは、ザッル村に進軍し、ヌスラ戦線などからなるジハード主義武装集団と交戦した。

これを受け、シリア軍がダーイシュの拠点などを狙い、ブーカマール市各所に4度、ブサイラ市に2度、カスラー村に2度、県西部の製塩工場周辺を1度、空爆を行った。

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ダマスカス郊外県では、シリア人権監視団によると、東グータ地方でダーイシュ(イスラーム国)とジハード主義武装集団が未明に交戦し、後者の戦闘員2人が死亡した。

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ラッカ県では、シリア人権監視団によると、ダーイシュ(イスラーム国)が占拠するラッカ市各所およびその周辺をシリア軍が空爆した。

またARA News(7月1日付)によると、ラッカ市各所をシリア軍が空爆、また同市南部郊外にスカッド・ミサイルが着弾した。

イラク国内の戦況

ニナワ県では、マダー・プレス(7月1日付)によると、モスル市郊外の新市街で、武装した何者かがダーイシュを要撃し、アフガン人戦闘員ら3人を殺害した。

また、モスル市北部のモスル大学入口のダーイシュ(イスラーム国)の拠点をイラク軍戦闘機が空爆した。

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バービル県では、マダー・プレス(7月1日付)によると、イラク軍がジュルフ・サフル地方で特殊作戦を行い、ダーイシュ(イスラーム国)の拠点複数カ所、車輌2台を破壊、戦闘員6人を殺害した。

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マダー・プレス(7月1日付)は、内務省筋の話として、バグダード県北部のマシャーヒド地区で、イラク軍および義勇兵がダーイシュ(イスラーム国)と交戦し、義勇兵2人が死亡、5人が負傷、ダーイシュ戦闘員3人が負傷したと報じた。

ヨルダンの動き

ヨルダンのジハード主義潮流の理論家アブー・ムハンマド・マクディスィー氏(本名イサーム・バルカーウィー)は、ダーイシュ(イスラーム国)によるイスラーム・カリフ制樹立について「きちんと目を通していない…。イラク・シャーム・イスラーム国を自称していた組織は私に危害を与えるものではないが…、時間を割いて批判するまでもなかろう…。時期尚早にことを急いだ者は、自らの禁忌を罰せられる」と消極的な姿勢を示した。

『ハヤート』(7月2日付)が伝えた。

AFP, July 1, 2014、AP, July 1, 2014、ARA News, July 1, 2014、Champress, July 1, 2014、al-Hayat, July 2, 2014、Kull-na Shuraka’, July 1, 2014、al-Mada Press, July 1, 2014、Naharnet, July 1, 2014、NNA, July 1, 2014、Reuters, July 1, 2014、SANA, July 1, 2014、UPI, July 1, 2014などをもとに作成。

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レバノンの動き(2014年7月1日)

アブドゥッラー・アッザーム旅団(シャームの民のヌスラ戦線)のスィラージュッディーン・ズライカート報道官はツイッターを通じて声明を出し、「遅くなる前にシリアからすぐに撤退するようイランの党に話している」と綴り、ヒズブッラーを脅迫した。

Naharnet, July 1, 2014
Naharnet, July 1, 2014

AFP, July 1, 2014、AP, July 1, 2014、ARA News, July 1, 2014、Champress, July 1, 2014、al-Hayat, July 2, 2014、Kull-na Shuraka’, July 1, 2014、al-Mada Press, July 1, 2014、Naharnet, July 1, 2014、NNA, July 1, 2014、Reuters, July 1, 2014、SANA, July 1, 2014、UPI, July 1, 2014などをもとに作成。

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シリア国内の暴力(2014年7月1日)

ダマスカス郊外県では、シリア人権監視団によると、ムライハ市およびその周辺を軍が空爆した。

一方、SANA(7月1日付)によると、アッブ農場、アーリヤ農場、アイン・タルマー村、カフルバトナー町、ムライハ市北部郊外、ナシャービーヤ農場、ハーン・シャイフ・キャンプおよびその周辺、アッサール・ワルド村郊外の無人地帯で、軍が反体制武装集団の追撃を続け、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

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ダマスカス県では、SANA(7月1日付)によると、ジャウバル区、軍が反体制武装集団の追撃を続け、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

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ヒムス県では、SANA(7月1日付)によると、シャンダーヒーヤ村、アブー・ハリース村、アブー・タッラーハ村、マヌーフ村、ハール村、ラスタン市、ウンム・シャルシューフ村周辺、ヒルバト・ヒーラーン村で、軍が反体制武装集団の追撃を続け、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

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アレッポ県では、ARA News(7月1日付)によると、アレッポ市サーフール地区、マンナグ村、アアザーズ市、ダーラト・イッザ市、アウラム・クブラー町を軍が「樽爆弾」などで空爆し、少なくとも3人が死亡した。

一方、SANA(7月1日付)によると、アレッポ市バニー・ザイド地区、スッカリー地区、サーフール地区、ジャズマーティー地区、ハナーヌー地区、ハイダリーヤ地区、シャイフ・サイード地区、旧市街、フライターン市、アルド・マッラーフ地区、カフルハムラ村、シャイフ・ナッジャール市工業団地地区、タームーラ村、アターリブ市、マーリア市、カフルサギール村、バービース村、ラヒーマ村、マクバラ村、マアブーディーヤ村、シャイフ・フドル村、ダフラト・アブドゥラッフブ村、ハンダラート・キャンプ、サイファート村、マンスーラ村、ダーラト・イッザ市で、軍が反体制武装集団の追撃を続け、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

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ラタキア県では、SANA(7月1日付)によると、ナブア・サームーク村、アブー・リーシュ村、ヌアイマ村、カルト村で、軍が反体制武装集団の追撃を続け、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

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イドリブ県では、SANA(7月1日付)によると、アイン・スーダ村、ジャーヌーディーヤ町、カストゥーン村、マガーラ村、カフルナジュド村、カフルジャーリス村、マアッラトミスリーン市、アブー・ズフール町南部、マールディーン農場、クーリーン農場、ハーッジ・ハンムード農場、サルマーニーヤ村、ジュブ・アフマル村、シュグル村、ビカフルーン村、ビンニシュ市、ファイルーン村、タフタナーズ市近郊、バイルーン村で、軍が反体制武装集団の追撃を続け、アクサー旅団の戦闘員らを殺傷、拠点・装備を破壊した。

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ダルアー県では、ARA News(7月1日付)によると、ジャースィム市を軍が砲撃し、民間人2人が死亡した。

一方、SANA(7月1日付)によると、ダルアー市旧税関地区周辺、ビラール・ハバシー・モスク東部、カルク地区、ヤルムーク学校周辺、ウンム・マヤーズィン町、ハバブ町、ズィムリーン村・サムリーン村交差点、ダーイル町、インヒル市、アトマーン村などで、軍が反体制武装集団の追撃を続け、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

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クナイトラ県では、SANA(7月1日付)によると、アジュラフ村、カフターニーヤ町、西サムダーニーヤ村、カンタラ・ダム、ジュバーター・ハシャブ村で、軍が反体制武装集団の追撃を続け、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

AFP, July 1, 2014、AP, July 1, 2014、ARA News, July 1, 2014、Champress, July 1, 2014、al-Hayat, July 2, 2014、Kull-na Shuraka’, July 1, 2014、al-Mada Press, July 1, 2014、Naharnet, July 1, 2014、NNA, July 1, 2014、Reuters, July 1, 2014、SANA, July 1, 2014、UPI, July 1, 2014などをもとに作成。

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シリア政府の動き(2014年7月1日)

クッルナー・シュラカー(7月1日付)は、アレッポ市ザフラー地区(空軍情報部一帯)で反体制武装集団との戦闘を指揮していた国防隊のムハンマド・アッカーシュ隊長が窃盗容疑で解任され、現在その罪状について捜査が行われていると報じた。

AFP, July 1, 2014、AP, July 1, 2014、ARA News, July 1, 2014、Champress, July 1, 2014、al-Hayat, July 2, 2014、Kull-na Shuraka’, July 1, 2014、al-Mada Press, July 1, 2014、Naharnet, July 1, 2014、NNA, July 1, 2014、Reuters, July 1, 2014、SANA, July 1, 2014、UPI, July 1, 2014などをもとに作成。

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クルド民族主義勢力の動き(2014年7月1日)

ARA News(7月1日付)は、民主統一党のサーリフ・ムスリム共同党首がイラク・クルディスタン地域の独立を是非に関して、クルディスタンの複数のメディアに対し、「民族国家の時代は終わった」と述べたと報じた。

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民主統一党幹部のフサイン・クージャル氏はフェイスブックで、イラク・クルディスタン地域の独立に反対の意思を表明した。

一方、民主統一党欧州広報委員会のイブラーヒーム・イブラーヒーム氏は、ARA News(7月1日付)に、イラク・クルディスタン地域の独立の是非に関して、「党ではなく個人の見解」だと前置きしたうえで、「南クルディスタン(イラク・クルディスタン)のクルド人民の意思、そして彼らが決めることを我々は支持する」と述べた。

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イラク・クルディスタン地域政府のマスウード・バールザーニー大統領は、BBC(7月1日付)に対し、「イラクは現在、事実上分裂している」としたうえで、「クルディスタン独立の是非を問う国民投票を行う日にちを確定するため、クルディスタン地域議会と現在折衝中だ…。国民投票日の決定には数ヶ月を要しないだろう」と述べた。

AFP, July 1, 2014、AP, July 1, 2014、ARA News, July 1, 2014、BBC, July 1, 2014、Champress, July 1, 2014、al-Hayat, July 2, 2014、Kull-na Shuraka’, July 1, 2014、al-Mada Press, July 1, 2014、Naharnet, July 1, 2014、NNA, July 1, 2014、Reuters, July 1, 2014、SANA, July 1, 2014、UPI, July 1, 2014などをもとに作成。

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シリア反体制勢力の動き(2014年7月1日)

米共和党のジョン・マケイン上院議員は、トルコのガズィアンテップ市でシリア革命反体制勢力国民連立と自由シリア軍参謀委員会の幹部と会談し、ダーイシュ(イスラーム国)との戦闘をめぐって協議した。

会談には、アブドゥルイラーフ・バシール参謀長、ハイサム・ウファイスィー副参謀長、ハーディー・バフラ氏が参加した。

連立駐ワシントンDC代表部のアビー・シャフバンダール報道官が明らかにした。

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Kull-na Shuraka', July 1, 2014
Kull-na Shuraka’, July 1, 2014

アレッポ県郊外のバービカ村で活動するジハード主義武装集団5団体は共同声明を出し、アサド政権に協力する住民を処罰すると脅迫するとともに、体制からの離反と「すべての家からムジャーヒディーンを供出」するために行動するよう呼びかけた。

共同声明を出したのは、ムジャーヒディーン軍、アンサール・ヒラーファ連合、バービカ村革命評議会、治安局、革命前哨。

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クッルナー・シュラカー(7月1日付)は複数の反体制消息筋の話として、7月4~6日に開催されるシリア革命反体制勢力国民連立の政治委員会と総合委員会での議長選挙への立候補をリヤード・ヒジャーブ元首相が辞退した、と報じた。

AFP, July 1, 2014、AP, July 1, 2014、ARA News, July 1, 2014、Champress, July 1, 2014、al-Hayat, July 2, 2014、Kull-na Shuraka’, July 1, 2014、al-Mada Press, July 1, 2014、Naharnet, July 1, 2014、NNA, July 1, 2014、Reuters, July 1, 2014、SANA, July 1, 2014、UPI, July 1, 2014などをもとに作成。

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