化学兵器廃棄をめぐる動き(2014年7月7日)

化学兵器禁止機関・国連合同派遣団特別調整官のスィグリッド・カーグ国連事務次長補は『ハヤート』(7月8日付)に対して、シリアでの化学兵器廃棄プロセスが、国内の化学兵器関連施設12カ所の解体や、シリア政府の申告に対する欧米諸国の質問への回答が必要としつつ、2015年初めまでに完了するだろう、との見方を示した。

AFP, July 7, 2014、AP, July 7, 2014、ARA News, July 7, 2014、Champress, July 7, 2014、al-Hayat, July 8, 2014、Kull-na Shuraka’, July 7, 2014、al-Mada Press, July 7, 2014、Naharnet, July 7, 2014、NNA, July 7, 2014、Reuters, July 7, 2014、SANA, July 7, 2014、UPI, July 7, 2014などをもとに作成。

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イスラーム国(ダーイシュ)をめぐる動き(2014年7月7日)

シリア国内の動き

ダイル・ザウル県では、シリア人権監視団によると、シリア軍戦闘機が、ダーイシュ(イスラーム国)によって占拠されているハリータ砂漠のハッラータ油田を3度にわたって空爆した。

またクーリーヤ市では、住民がデモを行い、ダーイシュへの忠誠拒否、同組織の市内への進入反対、シュハイル市との連帯を表明した。

同市で反ダーイシュのデモが行われたのは6日に続き2度目だという。

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アレッポ県では、ARA News(7月7日付)によると、アイン・アラブ市南部のカウン・アフタール村をダーイシュ(イスラーム国)が襲撃、西クルディスタン移行期民政局人民防衛隊と交戦した。

ダーイシュは人民防衛隊の検問所を攻撃する一方、村に砲撃を加え、学校などを破壊したという。

またフェイスブックのページ「バッシャール・アサドに対するシリア革命」は、ダーイシュが占拠するバーブ市で、女性が「背教」のかどで処刑されたと発表した。

レバノン国内の動き

NNA(7月7日付)によると、レバノン軍事裁判所のサクル・サクル長官は、ダーイシュ(イスラーム国)に所属し、自爆テロを計画したとの容疑でレバノン人28人を起訴した。

うち7人は既に身柄拘束中だという。

イラク国内の戦況

サラーフッディーン県では、ARA News(7月7日付)によると、イラク軍戦闘機がトゥーズ・フールマートゥー村(クルド人の村)を空爆し、18歳の少女1人が死亡、8人が負傷したほか、住宅などが倒壊した。

この空爆に関して、イラク軍戦闘機がイラク・クルディスタン民主党の事務所を狙っていたとの情報が流れているという。

また、マダー・プレス(7月7日付)によると、ザウィーヤ地方、マスハク地方で、ダーイシュ(イスラーム国)と部族民兵が激しく交戦し、ダーイシュ戦闘員35人と部族民兵3人が死亡、ダーイシュ戦闘員70人が負傷した。

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バービル県では、マダー・プレス(7月7日付)によると、ジュルフ・サフル地方のアンバール県境の地域でイラク軍・警察合同部隊とダーイシュ(イスラーム国)が交戦し、ダーイシュ戦闘員3人が死亡した。

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ラマーディー県では、マダー・プレス(7月7日付)によると、ラマーディー市東部のマラーヒマ地区で、イラク軍・警察合同部隊がダーイシュ(イスラーム国)と交戦し、兵士3人が死亡、5人が負傷した。

AFP, July 7, 2014、AP, July 7, 2014、ARA News, July 7, 2014、Champress, July 7, 2014、al-Hayat, July 8, 2014、Kull-na Shuraka’, July 7, 2014、al-Mada Press, July 7, 2014、Naharnet, July 7, 2014、NNA, July 7, 2014、Reuters, July 7, 2014、SANA, July 7, 2014、UPI, July 7, 2014などをもとに作成。

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シリア国内の暴力(2014年7月7日)

アレッポ県では、シリア人権監視団のラーミー・アブドゥッラフマーン代表やアブー・ハサンを名乗る反体制活動家によると、共和国護衛隊、ヒズブッラー戦闘員などからなる軍の増援部隊が、反体制武装集団が2年前に制圧したアレッポ市歩兵学校一帯に集結した。

アブドゥッラフマーン代表らによると、軍は、カフルサギール村、マクバラ村制圧後、ハンダラート・キャンプ郊外(シャイフ・ナッジャール市工業団地地区およびアレッポ中央刑務所の西方に位置)を制圧することで、アレッポ市北東部の兵站線を遮断し、同市への包囲強化を狙っているという。

これに関してシリア軍士官はシリア・アラブ・テレビ(7月7日付)に、軍がアレッポ市北部にいたる幹線道路を制圧するとともに、アレッポ北部のベルト地帯の約80%を閉鎖することに成功していると証言した。

一方、シリア人権監視団によると、軍はアレッポ市バーブ街道地区、カーディー・アスカル地区を「樽爆弾」などで空爆、女性1人とその娘1人が死亡した。

また軍はズィーターン村、ダーラト・イッザ市各所、タッル・リフアト市各所を空爆、これに対してジハード主義武装集団はアフタリーン市各所を迫撃砲で攻撃した。

他方、SANA(7月7日付)によると、シュカイフ村、タッル・シャイール村、バービース村、シャイフ・サイード村、フライターン市、カフルダーイル村、マンスーラ村、タッル・リフアト市、ダーラト・イッザ市、ダイル・ジャマール村、アブティーン村、マーイル町、カフルハムラ村、ハーン・アサル村、カフルナ%E

シリア政府の動き(2014年7月7日)

アフバール・アーン(7月7日付)は、軍・治安機関が7月に入って、ダマスカス県およびアレッポ市内の検問所の撤去を開始していると報じた。

これに関して、同記事は、アサド政権が市街地の安全をアピールしようとしているか、イラク人戦闘員のイラクへの帰国などを受けた前線での兵力不足を補うための動きだとの見方を示した。

AFP, July 7, 2014、Akhbaral-An , July 7, 2014、AP, July 7, 2014、ARA News, July 7, 2014、Champress, July 7, 2014、al-Hayat, July 8, 2014、Kull-na Shuraka’, July 7, 2014、al-Mada Press, July 7, 2014、Naharnet, July 7, 2014、NNA, July 7, 2014、Reuters, July 7, 2014、SANA, July 7, 2014、UPI, July 7, 2014などをもとに作成。

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クルド民族主義勢力の動き(2014年7月7日)

ARA News(7月7日付)によると、西クルディスタン移行期民政局のアサーイシュは、ハサカ県のスィーマルカー国境通行所を経由してイラク(クルディスタン地域)からシリア領内に入国しようとしたシリア・クルド国民評議会のイブラヒーム・バッルー氏(渉外委員会メンバー)の入国を禁じた。

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ハサカ県では、ARA News(7月8日付)によると、民主連合運動(TEV DEM)がダイリーク市でダーイシュ(イスラーム国)によるアイン・アラブ市郊外一帯への侵攻に抗議するデモ集会を行い、多数の市民が参加した。

AFP, July 7, 2014、AP, July 7, 2014、ARA News, July 7, 2014、July 8, 2014、Champress, July 7, 2014、al-Hayat, July 8, 2014、Kull-na Shuraka’, July 7, 2014、al-Mada Press, July 7, 2014、Naharnet, July 7, 2014、NNA, July 7, 2014、Reuters, July 7, 2014、SANA, July 7, 2014、UPI, July 7, 2014などをもとに作成。

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シリア反体制勢力の動き(2014年7月7日)

『ハヤート』(7月7日付)は、複数の外交筋の話として、イラン政府の仲介のもと、シリア政府とシリア革命反体制勢力国民連立前議長で無所属活動家のアフマド・ムアーッズ・ハティーブ氏の「和解」に向けた秘密交渉が行われていると報じた。

同報道によると、交渉では、7月17日に予定されているアサド大統領の就任宣誓後の組閣で、ハティーブ氏を首相とする挙国一致内閣の発足が争点となっているという。

しかし、ハティーブ氏は首相就任に先立って、シリア政府側との「信頼醸成と善意」の表明の一環として、①シリア当局が拘束中のすべての女性、子供の釈放、②すべての在外居住者(活動家)へのパスポートの発給を求めているという。

al-Hayat, July 7, 2014をもとに作成。

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最新論考「悪化するシリア情勢に難民たちはいま」(Synodos)

井上慶子「悪化するシリア情勢に難民たちはいま」
Synodos、2014年7月7日
http://synodos.jp/international/9370

2014年3月15日、シリアで最初のデモが起こってから3年が経った。国連難民高等弁務官(以下UNHCR)の統計[*1]によれば、6月16日時点で、シリアの紛争による避難民は287万人、うち正式に難民登録をしているのは280万人。難民登録数は2013年4月半ば過ぎから急激に増え、今もなお増え続けている。・・・