イスラーム国(ダーイシュ)をめぐる動き(2014年7月27日)

シリア国内の動き

ARA News(7月27日付)によると、ダーイシュ(イスラーム国)は軍、国防隊との戦闘の末、ミールビーヤ連隊(第121連隊基地)基地を制圧した。

ARA News, July 27, 2014
ARA News, July 27, 2014

ザマーン・ワスル(7月27日付)によると、ダーイシュによるミールビーヤ連隊襲撃によって、連隊長のマズィード・サラーマ少将、副隊長のニダール・アフマド・ムハンマド准将、マジュド・アフマド・ハサン大尉らが死亡した。

クッルナー・シュラカー(7月27日付)によると、シリア軍は、これを受け、ミールビーヤ連隊基地周辺を空爆した。

またシリア軍は、ハサカ市アフダース刑務所、殉教者墓地、シャッダーディー市街道通行上一帯のダーイシュ(イスラーム国)の拠点を空爆したという。

一方ARA Newsによると、カーミシュリー市各所に検問所を設置し、シリア当局が発効した正規の車検証を携帯していない自動車、バイクの政府支配地域への侵入、通行を禁止した。

車輌通行・進入規制が課されたのはカーミシュリー市中心街や治安厳戒地区など。

これに関連して、同市の複数の活動家は、治安体制の強化は、シリア軍、国防隊だけでなく、西クルディスタン移行期民政局人民防衛隊、アサーイシュによっても行われており、市内では両者の合同によるパトロール部隊が巡回を行い、ダーイシュ(イスラーム国)の攻撃に備えている、と述べた。

他方、SANA(7月26日付)によると、ハサカ市アフダース刑務所、電力関連施設、殉教者墓地、アフラーシュ地区で、シリア軍がダーイシュ(イスラーム国)撃退し、同地の治安を回復した。

またシリア軍は、カーミシュリー市南部のヒルバド・ジュドゥーア村に潜入したダーイシュ戦闘員を撃退、さらにアブー・カサーイブ村、ハーッラ市、シャルムーフ村のダーイシュ拠点を攻撃した。

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ダイル・ザウル県では、『ハヤート』(7月28日付)によると、ダーイシュ(イスラーム国)がアイヤーシュ村でジハード主義武装集団司令官とその父親を、またハリータ村では地元の名士を逮捕した。

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ラッカ県では、シリア人権監視団によると、ダーイシュ(イスラーム国)によって制圧された第17師団基地一帯をシリア軍が空爆した。

またラッカ市ハラーミーヤ地区で、爆弾が爆発した。

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アレッポ県では、シリア人権監視団によると、クワイリス航空基地周辺で、シリア軍がダーイシュ(イスラーム国)と交戦した。

同監視団によると、ダーイシュは飛行場本舎に突入するなど、空港の複数カ所を制圧、これに対してシリア軍が空爆を行っている、との情報が入っているという。

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イドリブ県では、シリア人権監視団によると、ジハード主義武装集団戦闘員35人が離反し、ダーイシュ(イスラーム国)に忠誠を誓うため、武器を引き渡した。

イラク国内の動き

アンバール県では、マダー・プレス(7月27日付)によると、軍、警察、部族民兵の合同部隊が、ヒート郡に潜入しようとしたダーイシュ(イスラーム国)と交戦、ダーイシュ戦闘員14人を殺害した。

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バービル県では、マダー・プレス(7月27日付)によると、ジュルフ・サフル地方をイラク軍ヘリコプターが空爆し、ダーイシュ(イスラーム国)戦闘員8人が死亡した。

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イラク軍総司令部報道官のカースィム・アター大将は、イラク軍合同部隊がサラーフッディーン県ティクリート市周辺を完全制圧したと発表した。

マダー・プレス(7月26日付)が伝えた。

AFP, July 27, 2014、AP, July 27, 2014、ARA News, July 27, 2014、Champress, July 27, 2014、al-Hayat, July 28, 2014、Kull-na Shuraka’, July 27, 2014、al-Mada Press, July 27, 2014、Naharnet, July 27, 2014、NNA, July 27, 2014、Reuters, July 27, 2014、SANA, July 27, 2014、UPI, July 27, 2014、Zaman al-Wasl, July 27, 2017などをもとに作成。

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レバノンの動き(2014年7月27日)

バアルベック・スンナ派自由人旅団ベカーア・イスラーム首長国を名乗る集団がツイッターを通じて声明を出し、内務治安軍総局サイバー犯罪知的所有権保護課長のスーザン・ハーッジ大佐を殺害するとの予告を行った。

Naharnet, July 27, 2014
Naharnet, July 27, 2014

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NNA(7月27日付)によると、ベカーア県バアルベック郡アルサール村郊外でのシリア軍、ヒズブッラー戦闘員と反体制武装集団の戦闘に巻き込まれて、レバノン人男性1人が重傷を負った。

AFP, July 27, 2014、AP, July 27, 2014、ARA News, July 27, 2014、Champress, July 27, 2014、al-Hayat, July 28, 2014、Kull-na Shuraka’, July 27, 2014、al-Mada Press, July 27, 2014、Naharnet, July 27, 2014、NNA, July 27, 2014、Reuters, July 27, 2014、SANA, July 27, 2014、UPI, July 27, 2014などをもとに作成。

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シリア国内の暴力(2014年7月27日)

アレッポ県では、シリア人権監視団によると、アターリブ市にあるジハード主義武装集団の拠点近くで爆弾が仕掛けられた車が爆発し、司令官2人を含む戦闘員4人が死亡した。

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ハマー県では、シリア人権監視団によると、イスラーム戦線などからなる武装集団がハッターブ町、ラフバ村で軍と交戦、ラフバ平原軍事基地(および武器庫)などを含む同地一帯を制圧した。

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アレッポ県では、ARA News(7月27日付)によると、アレッポ市シャッアール地区などをシリア軍が「樽爆弾」で攻撃し、約20人が死亡した。

一方、SANA(7月26日付)によると、ハンダラート・キャンプ、ラスム・アッブード村、ハーン・アサル村、タッル・ハッターブ村、ズィルバ村、バービンニシュ市、シャイフ・ルトフィー村、アレッポ市シャイフ・サイード地区、シハーディーイーン地区、ラームーサ地区で、軍が反体制武装集団の追撃を続け、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

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ダマスカス県では、ARA News(7月27日付)によると、「自由シリア軍」がジャウバル区のアーリファ検問所近くでシリア軍を要撃、兵士15人を殺害した。

一方、SANA(7月26日付)によると、ジャウバル区で、軍が反体制武装集団の追撃を続け、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

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ヒムス県では、SANA(7月26日付)によると、ヒムス市アルメニア地区で、爆弾が仕掛けられた車が爆発し、7人が死亡、21人が負傷した。

またヒムス市ザフラー地区に、「テロリスト」が撃った迫撃砲弾2発が着弾し、2人が負傷した。

このほか、カフルラーハー市、ワーディー・カフフ村、ウンク・ハワー村、ラッフーム村、ウンム・ハリース村で、軍が反体制武装集団の追撃を続け、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

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ダマスカス郊外県では、SANA(7月26日付)によると、アーリヤ農場、シャイフーニーヤ農場、ムライハ市南東部、ナシャービーヤ農場およびその周辺、ハーン・シャイフ・キャンプったい、カラムーン山地一帯の無人地帯(マシュラファ村郊外、ラアス・マアッラ町郊外)で、軍が反体制武装集団の追撃を続け、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

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ダルアー県では、SANA(7月26日付)によると、ウンム・マヤーズィン町で、軍が反体制武装集団の追撃を続け、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

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イドリブ県では、SANA(7月26日付)によると、アルバイーン山周辺、Syratel塔、カンスフラ村、クマイナース村、イドリブ中央刑務所周辺、ナフラ村近郊で、軍が反体制武装集団の追撃を続け、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

AFP, July 27, 2014、AP, July 27, 2014、ARA News, July 27, 2014、Champress, July 27, 2014、al-Hayat, July 28, 2014、Kull-na Shuraka’, July 27, 2014、al-Mada Press, July 27, 2014、Naharnet, July 27, 2014、NNA, July 27, 2014、Reuters, July 27, 2014、SANA, July 27, 2014、UPI, July 27, 2014などをもとに作成。

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シリア反体制勢力の動き(2014年7月27日)

シャームの暁運動はアレッポ県ナイラブ・キャンプ上空でのシリア軍ヘリコプター撃墜(26日)に関して声明を出し、「科学・軍事研究分野における多大な努力の結果…、(シャームの暁運動)司令官および専門家は、自家製の対空ミサイルの開発に成功し、実験を終え、ナイラブ航空基地空でシリア軍ヘリコプター1機を撃墜」したと発表した。

『ニューヨーク・タイムズ』(7月25日付、http://www.nytimes.com/2014/07/26/world/middleeast/a-syrian-rebel-advance-off-the-battlefield-a-longer-lasting-rechargeable-battery-for-the-sa-7b-a-shoulder-fired-missile-system.html?_r=0)は、離反士官が、携帯式の地対空ミサイルを発射するための充電式バッテリーを開発したと報じていた。

Kull-na Shuraka', July 27, 2014
Kull-na Shuraka’, July 27, 2014

このバッテリーは、中国、北朝鮮、パキスタンなどで1960年代末に生産された旧ソ連製のSA-7B、ストレラ2に対応可能だという。

バッテリーを開発したというアブー・バッラー氏は、シリア空軍の元少佐で、カタールでの反体制武装集団の教練に2度参加、またこれまでに自家製のミサイル・システムを使用して、シリア軍航空機2機を撃墜しているという。

Kull-na Shuraka', July 27, 2014
Kull-na Shuraka’, July 27, 2014

 

Kull-na Shuraka', July 27, 2014
Kull-na Shuraka’, July 27, 2014

 

Kull-na Shuraka', July 27, 2014
Kull-na Shuraka’, July 27, 2014

なお、この報道に先立ち、ハマー県ムーリク市一帯で活動するシャームの鷹旅団は7月21日にビデオ声明(http://www.youtube.com/watch?v=ngC-GRSjikk)を出し、コンピュータ制御の無人狙撃装置を開発したと発表、その写真を公開していた。

しかし『ハヤート』(7月28日付)は、こうした発表の一方で、米国が使用に同意していない対空ミサイル20基がシリア国内に持ち込まれ、うち15基はシリア北部に配備されたと複数の消息筋が指摘していると報じた。

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アレッポ県で活動するイスラーム戦線は声明を出し、戦線所属の全武装集団を解体し、アブドゥルアズィーズ・サラーマ司令官の指揮下に統一組織として再編すると発表した。

同声明によると、イスラーム戦線に所属するシャームの鷹旅団(アフマド・イーサー・シャイフ氏)、シャーム自由人イスラーム運動(ハッサーン・アッブード氏)、タウヒード旅団、イスラーム軍(ザフラーン・アッルーシュ氏)は、これまでの組織名を名乗ることを止め、イスラーム戦線として活動するのだという。

AFP, July 27, 2014、AP, July 27, 2014、ARA News, July 27, 2014、Champress, July 27, 2014、al-Hayat, July 28, 2014、Kull-na Shuraka’, July 27, 2014、al-Mada Press, July 27, 2014、Naharnet, July 27, 2014、The New York Times, July 25, 2014、NNA, July 27, 2014、Reuters, July 27, 2014、SANA, July 27, 2014、UPI, July 27, 2014などをもとに作成。

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