シリア国内の暴力(2014年7月22日追記)

クルド人戦線旅団のアフマド・ハッスー報道官は、ARA News(7月23日付)に対し、アレッポ県のバーブ市・アフタリーン市間街道で、同旅団からなる複数の武装集団がダーイシュ(イスラーム国)を要撃し、ダーイシュ戦闘員20人を殲滅した、と述べた。

またアフタリーン市近郊での戦闘でも、同旅団らはダーイシュ戦闘員2人を殺害したという。

ARA News, July 22, 2014などをもとに作成。

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諸外国の動き(2014年7月22日)

ロイター通信(7月22日付)によると、トルコのウルファ県知事は21日晩に、シリアのアレッポ県ラアス・アイン市に面する国境の町ジェイァンプナル市で、トルコ軍偵察部隊がトルコ領内に潜入しようとした密輸業者の一団と交戦し、トルコ軍兵士2人が死亡した、と発表した。

AFP, July 22, 2014、AP, July 22, 2014、ARA News, July 22, 2014、Champress, July 22, 2014、al-Hayat, July 23, 2014、Kull-na Shuraka’, July 22, 2014、al-Mada Press, July 22, 2014、Naharnet, July 22, 2014、NNA, July 22, 2014、Reuters, July 22, 2014、SANA, July 22, 2014、UPI, July 22, 2014などをもとに作成。

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イラクの動き(2014年7月22日)

サラーフッディーン県では、マダー・プレス(7月22日付)によると、治安部隊はサーマッラー市南部のティグリス川で銃殺された住民の遺体10体を発見した。

またムウタスィム地方、ダジュラ地区で、イラク軍に従軍する志願兵がダーイシュ(イスラーム国)と交戦し、10人が負傷した。

さらにサーマッラー郡では、覚醒評議会メンバーの家に爆弾を仕掛けようとしていたダーイシュの司令官をイラク治安部隊が逮捕した。

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ニナワ県では、マダー・プレス(7月22日付)によると、スィンジャール郡にあるヤズィーディー派の居住区ダーイシュ(イスラーム国)が迫撃砲などで攻撃した。

AFP, July 22, 2014、AP, July 22, 2014、ARA News, July 22, 2014、Champress, July 22, 2014、al-Hayat, July 23, 2014、Kull-na Shuraka’, July 22, 2014、al-Mada Press, July 22, 2014、Naharnet, July 22, 2014、NNA, July 22, 2014、Reuters, July 22, 2014、SANA, July 22, 2014、UPI, July 22, 2014などをもとに作成。

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レバノンの動き(2014年7月22日)

NNA(7月22日付)によると、ナバティーヤ県カフルシューバー郡のシャブアー農場郊外(レバノン領内)からロケット弾1発が発射され、レバノン領内に着弾した。

AFP, July 22, 2014、AP, July 22, 2014、ARA News, July 22, 2014、Champress, July 22, 2014、al-Hayat, July 23, 2014、Kull-na Shuraka’, July 22, 2014、al-Mada Press, July 22, 2014、Naharnet, July 22, 2014、NNA, July 22, 2014、Reuters, July 22, 2014、SANA, July 22, 2014、UPI, July 22, 2014などをもとに作成。

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シリア国内の暴力(2014年7月22日)

ダーイシュ(イスラーム国)をめぐる動き

ヒムス県では、シリア人権監視団によると、シャーイル・ガス採掘所一帯で、シリア軍とダーイシュ(イスラーム国)が交戦を続けた。

同監視団によると、シリア軍は「シリア砂漠に拠点を置くイラン軍基地」(原語を直訳)に対して、シャーイル・ガス採掘所一帯のダーイシュ拠点を迫撃砲とミサイルで攻撃するよう支援要請した、という。

イドリブ県では、シリア人権監視団によると、シャームの民のヌスラ戦線などからなるジハード主義武装集団がハーリム市を制圧、また別のジハード主義武装集団が占拠するアズマーリーン村を包囲した。

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アレッポ県では、シリア人権監視団によると、ダーイシュ(イスラーム国)が制圧するバーブ市に対して、シリア軍が空爆を行い、女性2人が死亡した。

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ダイル・ザウル県では、シリア人権監視団によると、ダーイシュ(イスラーム国)が制圧するブーカマール市各所をシリア軍が空爆した。

シリア軍は、またダイル・ザウル市ハウィーカ地区、ファルースィーヤ地区の複数カ所を砲撃し、ダーイシュ戦闘員多数が死亡した。

一方、SANA(7月22日付)によると、ダイル・ザウル市ジュバイラ地区、工業地区、タムウィーン交差点、ハミーディーヤ地区、ウルフィー地区、マリーイーヤ村で、軍が反体制武装集団の追撃を続け、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

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ハサカ県では、ARA News(7月22日付)によると、カフターニーヤ市郊外のジャズア村奪還をめざす西クルディスタン移行期民政局人民防衛隊が同地一帯でダーイシュ(イスラーム国)と交戦した。

その他の暴力

ダマスカス県では、シリア人権監視団によると、ザブラターニー地区の複数カ所に迫撃砲弾少なくとも10発が着弾し、複数の死傷者が出た。

またこれを受け、シリア軍がジャウバル区に対して10回以上にわたり空爆を行うとともに、国防隊とともに同地区でジハード主義武装集団と交戦した。

一方、SANA(7月22日付)によると、ジャウバル区で、軍が反体制武装集団の追撃を続け、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

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ダマスカス郊外県では、シリア人権監視団によると、ムライハ市およびその周辺で、軍、国防隊、ヒズブッラー戦闘員がシャームの民のヌスラ戦線などからなるジハード主義武装集団と交戦し、軍が同地を空爆、砲撃した。

また、クッルナー・シュラカー(7月22日付)によると、ムライハ市への空爆を行っていたシリア軍戦闘機がジャルマーナー市に駐留するシリア軍部隊を誤爆し、市民、軍人数十人が負傷した、という。

これに関して、ARA News(7月22日付)は、何者かが撃った迫撃砲弾複数発が着弾したと報じた。

一方、SANA(7月22日付)によると、マガッル・ミール町、シャイフーニーヤ農場、ナシャービーヤ農場、アイン・タルマー渓谷、ザバダーニー市、ダーライヤー市、カラムーン地方の無人地帯(対レバノン国境)で、軍が反体制武装集団の追撃を続け、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

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ダルアー県では、シリア人権監視団によると、スーラ町、ジャースィム市、ヌアイマ村、ナワー市、ジャービヤ丘を軍が「樽爆弾」などで空爆し、ジハード主義武装集団戦闘員6人が死亡した。

一方、SANA(7月22日付)によると、インヒル市、タッル・ムタウワク・サギール、タッル・ムタウワク・カビール、サマン丘、スラヤー村、ウンム・ハウラーン丘、ジャースィム市、ヤードゥーダ村・アトマーン村街道、ハッラーブ・シャフム村、ブスラー・シャーム市、西ガーリヤ村、フラーク市、シャイフ・サアド村、ダーイル町、ヌアイマ村、ダルアー市マンシヤ地区、ダーヒヤト・ヤルムーク区で、軍が反体制武装集団の追撃を続け、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

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ハマー県では、シリア人権監視団によると、軍、国防隊が、シャームの民のヌスラ戦線などからなるジハード主義武装集団と交戦するなか、軍がサラミーヤ市北部のマブウージャ村、ハナーフィス村、サアン村、下ムハッラム村、ビッリー・シャルキー村、タッル・アブドゥルアズィーズ村に進軍、同地を制圧した。

一方、SANA(7月22日付)によると、アカーリブ村、マブジューア村、タイバト・イマーム市で、軍が反体制武装集団の追撃を続け、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

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イドリブ県では、シリア人権監視団によると、ビンニシュ市・トゥウーム村間の街道、マアッラト・ヌウマーン市周辺(ワーディー・ダイフ軍事基地とハーミディーヤ航空基地の近郊)を軍が「樽爆弾」などで空爆した。

一方、SANA(7月22日付)によると、バシーリーヤ村、バーブ・ハワー国境通行所周辺、バイダル・シャムスー村、バサーミス村畜産農場地区、タッラト・カリーマ村、クマイナース村、カフルルーマー村、カフルナジュド村、ムナイズィラ村、マアッルバリート村で、軍が反体制武装集団の追撃を続け、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

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アレッポ県では、シリア人権監視団によると、アレッポ市バーブ街道地区、シャッアール地区ハラク地区、カーディー・アスカル地区、ライラムーン地区、アシュラフィーヤ地区、ラーシディーン地区を「樽爆弾」などで空爆し、子供4人を含む10人が死亡した。

またアレッポ市ラーシディーン地区では、軍、国防隊がジハード主義武装集団と交戦した。

アレッポ市郊外では、カフルハムラ村、カフルナーハー村、アターリブ市・カフルヌーラーン村間を軍がミサイルなどで空爆、またアレッポ市西部郊外にあるジハード主義武装集団の検問所で爆発があり、戦闘員3人が死亡、8人が負傷した。

またアレッポ中央刑務所周辺、ブライジュ村一帯で、軍とジハード主義武装集団と交戦し、軍が「樽爆弾」を投下した。

一方、SANA(7月22日付)によると、カフルダーイル村、カフルヌーラーン村、カラム・ダアダア村、バーブ市、ハーン・アサル村南部、カフルナーハー村、アレッポ市アイン・タッル地区、カッラーサ地区、カーディー・アスカル地区、ジュダイダ地区で、軍が反体制武装集団の追撃を続け、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

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ハサカ県では、ARA News(7月22日付)によると、ハサカ市シネマ・カイロ通り(キリスト教徒が多く住む街区)の酒屋近くに何者かが爆弾を仕掛け爆破させ、女性1人、子供1人を含む住民4人が死亡した。

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クナイトラ県では、SANA(7月22日付)によると、クードナ・ダム周辺、アイン・バーシャー村、ウーファーニヤー村で、軍が反体制武装集団の追撃を続け、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

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ヒムス県では、SANA(7月22日付)によると、サラーム・ガルビー村、ハタムルー村、ウカイリバート町分岐路北、タラフ村、タッルドゥー市、ブライジュ村、ハスヤー町西部、ラスタン市、タルビーサ市、クサイル市郊外で、軍が反体制武装集団の追撃を続け、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

AFP, July 22, 2014、AP, July 22, 2014、ARA News, July 22, 2014、Champress, July 22, 2014、al-Hayat, July 23, 2014、Kull-na Shuraka’, July 22, 2014、al-Mada Press, July 22, 2014、Naharnet, July 22, 2014、NNA, July 22, 2014、Reuters, July 22, 2014、SANA, July 22, 2014、UPI, July 22, 2014などをもとに作成。

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シリア政府の動き(2014年7月22日)

ラジオ・ロザナ(7月22日付)は、シリア政府がトルコのイスタンブール市にシリアの反体制活動家の放免とシリアへの帰国を調整するための事務所を立ち上げたと報じた。

同事務所所長を名乗るナーディル・アズィーズ氏によると、この事務所は「道を誤り、騙されたものが、自らの状況を改善し、祖国に帰国することを支援する」ために設置されたという。

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スライマーン・アッバース石油鉱物資源大臣は声明を出し、2011年の紛争勃発以降のシリアの石油部門の直接損害の総額が5,700億シリア・ポンド(35億米ドル)に、関連する被害総額が2兆9,540億ポンド(179億ドル)に達すると発表した。

AFP(7月22日付)が伝えた。

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シリア・アラブ・テレビ(7月22日付)は、郵便切符がアサド大統領の再選を記念した記念切符を7月23日から発売する、と告知した。 

ARA News, July 22, 2014
ARA News, July 22, 2014

AFP, July 22, 2014、AP, July 22, 2014、ARA News, July 22, 2014、Champress, July 22, 2014、al-Hayat, July 23, 2014、Kull-na Shuraka’, July 22, 2014、al-Mada Press, July 22, 2014、Naharnet, July 22, 2014、NNA, July 22, 2014、Radio Rozana, July 22, 2014、Reuters, July 22, 2014、SANA, July 22, 2014、UPI, July 22, 2014などをもとに作成。

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シリア反体制勢力の動き(2014年7月22日)

イスラーム戦線のザフラーン・アッルーシュ軍事委員会議長は声明を出し、シリア国内で活動するすべての武装集団に対して、独立した決定権を有する新たな参謀委員会の設置を呼びかけた。

ARA News, July 22, 2014
ARA News, July 22, 2014

声明において、イスラーム戦線は「先行する参謀委員会のこれまでの負の側面を克服しなければならない」と主張、自由シリア軍参謀委員会を「実際に活動する武装組織からそもそも承認を得ていない機関に政治的に従属するだけでなく、外国勢力に政治的に従属してきた」と批判した。

クッルナー・シュラカー(7月22日付)が伝えた。

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シャームの民のヌスラ戦線は「腐敗した者たちの撃退をめぐって」と題した声明を出し、米国およびその「手先」であるシリア革命反体制勢力国民連立の利益に与する者に、行動を改めるよう警告し、18日に「土地を荒廃させた者たちへの戦い」と銘打ってヌスラ戦線との対決姿勢を明示したハズム運動など「穏健」な武装集団8組織(https://syriaarabspring.info/wp/?p=11454)を批判した。

声明において、ヌスラ戦線は「治安の真空状態を利用する腐敗した者たちと盗人たち」が、「ヌサイリー派の敵やハワーリジュ派の侵略者に対するジハードを行わず」、検問所を設置するなどして住民の財産を奪い、侮辱していると批判した。

そのうえでヌスラ戦線は「こうした腐敗した者たち」の行為を止めさせると宣言、「スンナ派に安堵してもらいたい。我々は、あなた方の敵を打ち砕く剣であり、あなた方を犠牲に…何かを得ようとする手を切り落とすだろう。我々は、地域における米国の国益、(シリア革命反体制勢力国民)連立の手先の利益に資すると自称する者らに警告する…。自らの行いを控え、アッラーに改悛を求め、今後はムジャーヒディーンの忍耐や夢を欺かないように、と」と主張した。

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シリア革命反体制勢力国民連立は声明を出し、トルコのイスタンブールで開催された総合委員会(104人)がアフマド・トゥウマ暫定内閣(ガズィアンテップ)の総辞職を賛成66、反対35で承認したと発表した。

21日から開催された総合委員会ではまた、暫定政府の早急なシリア国内での移転を行うことを確認したうえで、トゥウマ暫定政府の総辞職が「国民の福祉のために政府の活動を高め、革命の目的を実現することを目的とする」と位置づけ、トゥウマ首班ら閣僚に謝意を示した。

しかし、連立メンバーの一人はトゥウマ暫定政府の総辞職に関して、AFP(7月22日付)に、「政治的」な動機によるものだと指摘、暫定政府におけるシリア・ムスリム同胞団のヘゲモニーへの対処が目的だったとの見方を示した。

AFP, July 22, 2014、AP, July 22, 2014、ARA News, July 22, 2014、Champress, July 22, 2014、al-Hayat, July 23, 2014、Kull-na Shuraka’, July 22, 2014、al-Mada Press, July 22, 2014、Naharnet, July 22, 2014、NNA, July 22, 2014、Reuters, July 22, 2014、SANA, July 22, 2014、UPI, July 22, 2014などをもとに作成。

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