諸外国の動き:米国がシャーム・イスラーム運動、ムジャーヒディーン・ワ・アンサール軍をテロ組織に追加指定(2014年9月25日)

米国務省は声明(24日)を出し、シリア国内で活動するシャーム・イスラーム運動、ムジャーヒディーン・ワ・アンサール軍の2組織、そしてダーイシュ(イスラーム国)活動家10人を「国際テロ組織」のリストに追加し、資産凍結、商取引禁止の対象としたと発表した。

リストに追加された2組織と活動家10人は以下の通り:

1. シャーム・イスラーム運動

2. ムハージリーン・ワ・アンサール軍

3. アムル・アブスィー(ダーイシュのヒムス県指導者)

4. サリム・ベンガレム(ダーイシュ・メンバー、フランス人、シリアで活動)

5. ムハンマド・アブドゥルハリーム・ムマイダ・サーリフ(アル=カーイダ、シリアで活動)

6. ラヴドリム・ムハクセリ(Lavdrim Muhaxheri、ダーイシュ・メンバー、コソヴォ系アルバニア人、シリアで活動)

7. ムラード・マルゴシュヴィリ(チェチェン人、シリアで活動)

8. ヌスレト・イマモヴィッチ(ボスニア人、シリアで活動)

9. ムハンナド・ナジュディー(サウジ人、アル=カーイダ・メンバー、シリアで活動)

10. アブドゥッサマド・ファトフ(アル=カーイダ・メンバー、スカンジナビアが拠点)

11. アブドゥルバースィト・アッズーズ(アイマン・ザワーヒリーによってリビアに派遣)

12. マアーリム・サルマーン(シャバーブ・メンバー、アフリカ人)

また米財務省は、インドネシア人3人、ヨルダン人2人、グルジア人1人を含む11人を、アル=カーイダ系組織への資金提供に関与したとして、資産凍結などの制裁対象リストに加えた。

『ハヤート』(9月26日付)が伝えた。

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シャーム自由人イスラーム運動政治局メンバーのアブー・ウマル氏はジャズィーラ(9月25日付)に対し、ダーイシュ(イスラーム国)との同盟を結ぶ意思はないとしたうえで、米国が主導する有志連合もシャーム自由人イスラーム運動の拠点を攻撃対象とはしていないと述べた。

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シリア人権監視団は、23日以降のシリア領内に対する米軍主導の空爆でダーイシュ(イスラーム国)戦闘員84人、シャームの民のヌスラ戦線戦闘員57人、民間人13人が死亡していると発表した。

なお同監視団によると、9月23日の米軍などによるシリア空爆での死者総数は141人、でうち外国人は129人だという。

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「シリアの友連絡グループ」9カ国外務大臣は、ニューヨークでシリア革命反体制勢力国民連立のハーディー・バフラ議長と会談し、ダーイシュ(イスラーム国)などへの対応などについて協議した。

会談に参加したのは、米英仏、トルコ、サウジアラビア、ドイツ、イタリア、ヨルダン、UAEの外務大臣。

会談後、声明を出し、ダーイシュとアサド政権の双方に対抗するため、「シリア革命反体制派国民連立が指導する穏健な反体制派」を共同支援するとの意思を表明した。

声明では、「アサドには過激派と積極的に戦う意思も能力もない」と断じる一方、「アサドの政策はシリアの問題の原因であって、解決策ではない」と主張した。

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AFP(9月25日付)は、UAE筋の話として、23日の米軍主導によるシリア空爆に女性パイロットのマリヤム・マンスーリー空軍大佐が参加していた、と報じた。

ただし、マンスーリー大佐が司令官を務める飛行連隊が作戦に参加したもの、彼女自身が戦闘に参加したかは不明だという。

AFP, September 25, 2014、AP, September 25, 2014、ARA News, September 25, 2014、Champress, September 25, 2014、al-Hayat, September 26, 2014、Aljazeera.net, September 25, 2014、Kull-na Shuraka’, September 25, 2014、al-Mada Press, September 25, 2014、Naharnet, September 25, 2014、NNA, September 25, 2014、Reuters, September 25, 2014、SANA, September 25, 2014、UPI, September 25, 2014などをもとに作成。

(C)青山弘之 All rights reserved.

 

レバノンの動き:ヌスラ戦線メンバーら80人が逮捕(2014年9月25日)

NNA(9月25日付)によると、レバノン軍はベカーア県バアルベック郡アルサール村および北部県トリポリ市で強制捜査・摘発を行い、シリア人、レバノン人を約80人(アルサール村で約60人、トリポリ市で約20人)を逮捕した。

逮捕者の容疑は、シャームの民のヌスラ戦への所属、公文書偽造などだという。

なお逮捕に際して、レバノン軍の発砲で1人が死亡、数人が負傷した。

Naharnet, September 25, 2014
Naharnet, September 25, 2014

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シリア革命反体制勢力国民連立は、ベカーア県バアルベック郡アルサール村一帯のシリア人避難民キャンプへのレバノン軍の突入と、シリア人数百人の拘束を「蛮行」と非難した。

AFP, September 25, 2014、AP, September 25, 2014、ARA News, September 25, 2014、Champress, September 25, 2014、al-Hayat, September 26, 2014、Kull-na Shuraka’, September 25, 2014、al-Mada Press, September 25, 2014、Naharnet, September 25, 2014、NNA, September 25, 2014、Reuters, September 25, 2014、SANA, September 25, 2014、UPI, September 25, 2014などをもとに作成。

(C)青山弘之 All rights reserved.

シリア国内の暴力:ヌスラ戦線は米軍の爆撃を受けて潜伏・逃亡/シリア軍がアドラー市ウンマーリーヤ地区を制圧(2014年9月25日)

アレッポ県では、クッルナー・シュラカー(9月25日付)が、信頼できる消息筋の話として、23日の米国などによる空爆を受け、シャームの民のヌスラ戦線のメンバー多数が「髭を剃り、軍服を脱ぎ、一般住民のなかに潜伏するか、どこかに立ち去った」と報じた。

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ダマスカス郊外県では、シリア人権監視団によると、シリア軍がアドラー市旧ウンマーリーヤ地区で、イスラーム戦線、シャームの民のヌスラ戦線などからなる反体制武装集団との戦闘の末、武装集団を撤退させ、同地を完全制圧した。

アドラー市ウンマーリーヤ地区は2013年12月にイスラーム戦線などの襲撃を受け、反体制武装集団の手に落ちていた。

アドラー市はウンマーリーヤ地区(労働者住宅地区)、スィーナーイーヤ(工業地区)、旧市街から構成されている。

一方、SANA(9月25日付)によると、シリア軍が特殊作戦を敢行し、アドラー市ウンマーリーヤ地区を制圧、爆発物などを撤去し、同地の治安と安定を回復した。

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ダマスカス県では、シリア人権監視団によると、タダームン区に反体制武装集団が撃った迫撃砲弾2発が着弾した。

SANA, September 25, 2014
SANA, September 25, 2014

またヤルムーク区では女性が何者かに狙撃された。

さらにジャウバル区では、シリア軍、国防隊、ヒズブッラー戦闘員が、ヌスラ戦線などからなる反体制武装集団と交戦した。

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アレッポ県では、『ハヤート』(9月26日付)によると、ダーイシュ(イスラーム国)がアイン・アラブ市への侵入を試みたが、西クルディスタン移行期民政局文民保護部隊がこれを撃退した。

この戦闘でダーイシュ戦闘員12人が死亡(ARA News(9月25日付)によると、ダーイシュ戦闘員の死者数は19人)、またシリア人権監視団によると人民防衛隊側にも未明の戦闘で8人が死亡したという。

一方、SANA(9月25日付)によると、アレッポ市ハナーヌー地区、ラーシディーン地区、ジャンドゥール地区、ライラムーン地区、バニー・ザイド地区、マンスーラ村、アウラム・クブラー町、ハンダラート・キャンプ、バーブ市、アレッポ中央刑務所周辺、航空士官学校一帯で、シリア軍が反体制武装集団の追撃を続け、ダーイシュ(イスラーム国)らの戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

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ヒムス県では、SANA(9月25日付)によると、フーシュ・ハッジュー村、ガジャル村、アッブ・ガジャル村、ウンム・ジャーミア村、マスアダ村で、シリア軍が反体制武装集団の追撃を続け、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

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ダルアー県では、SANA(9月25日付)によると、アトマーン村、タファス市・アトマーン村街道、西ガーリヤ村、インヒル市、ダイル・アダス村で、シリア軍が反体制武装集団の追撃を続け、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

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クナイトラ県では、SANA(9月25日付)によると、マスハラ村、トゥルナジャ村で、シリア軍が反体制武装集団の追撃を続け、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

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イドリブ県では、SANA(9月25日付)によると、アブー・ズフール町、マルダハーナ村、タッル・アウジャ村、ワースィタ村、カフルルーマー村、イブリーン村、アルバイーン山周辺、マアッルザーフ町で、シリア軍が反体制武装集団の追撃を続け、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

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ラタキア県では、SANA(9月25日付)によると、シャムスィーヤ村、カスブ村、カディーン村、カッバーナ村、アーラー村で、シリア軍が反体制武装集団の追撃を続け、シャームの民のヌスラ戦線の戦闘員らを殺傷、拠点・装備を破壊した。

AFP, September 25, 2014、AP, September 25, 2014、ARA News, September 25, 2014、Champress, September 25, 2014、al-Hayat, September 26, 2014、Kull-na Shuraka’, September 25, 2014、al-Mada Press, September 25, 2014、Naharnet, September 25, 2014、NNA, September 25, 2014、Reuters, September 25, 2014、SANA, September 25, 2014、UPI, September 25, 2014などをもとに作成。

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シリア反体制勢力の動き:反体制ジハード主義組織はこぞって米軍による爆撃を批判(2014年9月25日)

イスラーム戦線は声明を出し、23日に開始された米軍などによるシリア空爆に関して「シリア革命に参加する実働部隊を標的にしており、アサド政権にさらなる虐殺を犯す機会を与える」と非難した。

また声明では、空爆が「アサド政権の基地や司令部を空爆していない」と付言した。

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ムジャーヒディーン軍のアブー・バクル・バックール司令官はビデオ声明(http://www.youtube.com/watch?v=9ClRaIMESbk&feature=player_embedded#t=0)を出し、23日から始まった米国などによるシリア空爆に関して、「住民の流血は越えてはならないレッドライン」と述べ、反対の意を表明した。

クッルナー・シュラカー(9月25日付)が伝えた。

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クッルナー・シュラカー(9月25日付)は、シリア革命反体制勢力国民連立のナスル・ハリーリー書記長、ムハンマド・カッダーフ副議長が、イドリブ県サラーキブ市を訪れ、連立の事務所を開設したと報じた。

AFP, September 25, 2014、AP, September 25, 2014、ARA News, September 25, 2014、Champress, September 25, 2014、al-Hayat, September 26, 2014、Kull-na Shuraka’, September 25, 2014、al-Mada Press, September 25, 2014、Naharnet, September 25, 2014、NNA, September 25, 2014、Reuters, September 25, 2014、SANA, September 25, 2014、UPI, September 25, 2014などをもとに作成。

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