イドリブ県のファトフ軍は、住民へのシリア・ロシア両軍の爆撃を回避するためすべての軍事拠点、兵舎の撤収を決定(2016年6月3日)

ファトフ軍の広報委員会は声明を出し、イドリブ市におけるすべての軍事拠点、兵舎の撤収を決定したと発表した。

撤収は、イドリブ市住民に対するシリア軍、ロシア軍の体系的な空爆を回避することが目的だという。

Kull-na Shuraka', June 3, 2016
Kull-na Shuraka’, June 3, 2016

AFP, June 3, 2016、AP, June 3, 2016、ARA News, June 3, 2016、Champress, June 3, 2016、al-Hayat, June 4, 2016、Iraqi News, June 3, 2016、Kull-na Shuraka’, June 3, 2016、al-Mada Press, June 3, 2016、Naharnet, June 3, 2016、NNA, June 3, 2016、Reuters, June 3, 2016、SANA, June 3, 2016、UPI, June 3, 2016などをもとに作成。

(C)青山弘之 All rights reserved.

ヌスラ戦線、シャーム自由人イスラーム運動などからなるファトフ軍が「アレッポ復讐の戦い」を開始、アレッポ市南部郊外のシリア軍、イラン人、イラク人民兵と交戦の末、ハーン・トゥーマーン村郊外の武器燃料倉庫など複数カ所を制圧(2016年6月3日)

アレッポ県では、『ハヤート』(6月4日付)などによると、シャームの民のヌスラ戦線、シャーム自由人イスラーム運動、トルキスターン・イスラーム党などからなるファトフ軍が「アレッポ復讐の戦い」の開始を宣言し、アレッポ市南部郊外のハーン・トゥーマーン村、マアッラータ村で、シリア軍、国防隊、レバノンのヒズブッラー戦闘員、イラク人、イラン人民兵と交戦し、ハーン・トゥーマーン村近郊の武器燃料倉庫、同村に近いサーティル地区、ガソリン・スタンド一帯、マアッラータ村、カラースィー丘、同地近郊の防空大隊基地、ハミーラ村、カルアジーヤ村を制圧した。

イランの複数メディアは、この戦闘でクドス軍団第16師団所属の特殊任務大隊司令官のジャハーンジール・ジャアファリー司令官が死亡したと伝えた。

また、シリア人権監視団によると、反体制武装集団がアレッポ市内のシリア政府支配地域を砲撃する一方、シリア軍も反体制武装集団支配地域を地対地ミサイルなどで砲撃した。

さらに、ARA News(6月3日付)によると、アレッポ市シャイフ・マクスード地区(西クルディスタン移行期民政局支配地域)が反体制武装集団の砲撃を受け、4人が負傷した。

これに対して、戦闘機・ヘリコプター(所属明示せず)は、アレッポ市(スッカリー地区、マシュハド地区、サカン・シャバービー地区、ハラク地区、サーフール地区、バーブ・ハディード地区、シャイフ・ハドル地区)、アレッポ市北部カースティール街道一帯、アナダーン市、フライターン市、カフルハムラ村、アンジャーラ村、ハーン・トゥーマーン村などアレッポ市北部、西部、南部郊外一帯を激しく空爆した。

ドゥラル・シャーミーヤ(6月3日付)によると、この空爆で子供、子供を含む26人が死亡したという。

一方、SANA(6月3日付)によると、反体制武装集団はアレッポ市ハムダーニーヤ地区、サイフ・ダウラ地区、マイダーン地区を砲撃し、子供2人が死亡、27人が負傷した。

**

イドリブ県では、SANA(6月3日付)によると、シャームの民のヌスラ戦線がフーア市に迫撃砲30発以上を打ち込み、住民多数が死傷した。

**

ラタキア県では、クッルナー・シュラカー(6月3日付)によると、反体制武装集団がクルド山地方のタルディーン村に進攻したシリア軍、国防隊と交戦した。

**

ダマスカス郊外県では、ARA News(6月3日付)によると、シリア軍がマイダアー町に突入を試みる一方、ダーライヤー市に対して「樽爆弾」などで攻撃を加えた。

**

ロシア国防省は、ラタキア県フマイミーム航空基地のシリア駐留ロシア軍司令部に設置された当事者和解調整センターが、6月3日に4件の停戦違反が発生したことを確認したと発表した。

停戦違反はダマスカス郊外県で発生し、イスラーム軍が砲撃を行ったという。

米・ロシアによる敵対行為停止合意が発効した2月27日以降の停戦違反件総数は616件。

AFP, June 3, 2016、AP, June 3, 2016、ARA News, June 3, 2016、Champress, June 3, 2016、al-Durar al-Shamiya, June 3, 2016、al-Hayat, June 4, 2016、Iraqi News, June 3, 2016、Kull-na Shuraka’, June 3, 2016、June 4, 2016、al-Mada Press, June 3, 2016、Naharnet, June 3, 2016、NNA, June 3, 2016、Reuters, June 3, 2016、SANA, June 3, 2016、UPI, June 3, 2016などをもとに作成。

(C)青山弘之 All rights reserved.

シリア軍がラッカ県内のラッカ市・アレッポ市街道、アサド湖から60キロの地点まで進軍(2016年6月3日)

ハマー県では、シリア人権監視団によると、シリア軍地上部隊が砂漠の鷹旅団などとともに、シリア・ロシア両空軍の航空支援を受けて、ラッカ県に近いイスリヤー村一帯でダーイシュ(イスラーム国)と交戦し、ラッカ県境から12キロまでの地点に進軍・制圧、ラッカ市・アレッポ市街道、アサド湖から60キロの地点まで進軍した。

一方、SANA(6月3日付)によると、シリア軍が人民防衛諸集団とともに、ラッカ県との県境に位置するイスリヤー村一帯でダーイシュ(イスラーム国)に対する掃討戦を続け、ザキーヤ街道交差点・ダイル・ハーフィル市分岐点を制圧した。

**

ヒムス県では、シリア人権監視団によると、シリア軍がタドムル市北東部郊外一帯、ジュッブ・ジャッラーフ村一帯でダーイシュ(イスラーム国)と交戦した。

ARA News(6月3日付)によると、シリア軍はこの戦闘で、タドムル市北部郊外の武器弾薬庫を制圧した。

**

ダイル・ザウル県では、シリア人権監視団によると、ダーイシュ(イスラーム国)がダイル・ザウル市内のシリア政府支配下のジャウラ地区、クスール地区を砲撃、また両者はダイル・ザウル市南西部のパノラマ交差点一帯、ダイル・ザウル航空基地一帯で交戦した。

AFP, June 3, 2016、AP, June 3, 2016、ARA News, June 3, 2016、Champress, June 3, 2016、al-Hayat, June 4, 2016、Iraqi News, June 3, 2016、Kull-na Shuraka’, June 3, 2016、al-Mada Press, June 3, 2016、Naharnet, June 3, 2016、NNA, June 3, 2016、Reuters, June 3, 2016、SANA, June 3, 2016、UPI, June 3, 2016などをもとに作成。

(C)青山弘之 All rights reserved.

米軍主導の有志連合はアレッポ市北西部でダーイシュの包囲を受ける「穏健な反体制派」(ハワール・キリス作戦司令室)に「支援物資」を空中投下(2016年6月3日)

アレッポ県では、シリア人権監視団によると、米軍主導の有志連合が、ダーイシュ(イスラーム国)の包囲に曝されている県北西部トルコ国境近くの「穏健な反体制派」の戦略拠点マーリア市に武器弾薬を空中投下した。

空中投下されたのは、中火器、軽火器、対戦車ミサイルなどだという。

有志連合が西クルディスタン移行期民政局人民防衛隊および同部隊主導のシリア民主軍以外に武器弾薬を空中投下するのはこれが初めて。

これに関して、米国防総省報道官は、有志連合が支援物資を投下したことを認めつつ、投下した装備のなかには、軽火器、対戦車ミサイルは含まれていないと述べ、武器供与を否定した。

AFP, June 3, 2016、AP, June 3, 2016、ARA News, June 3, 2016、Champress, June 3, 2016、al-Hayat, June 4, 2016、Iraqi News, June 3, 2016、Kull-na Shuraka’, June 3, 2016、al-Mada Press, June 3, 2016、Naharnet, June 3, 2016、NNA, June 3, 2016、Reuters, June 3, 2016、SANA, June 3, 2016、UPI, June 3, 2016などをもとに作成。

(C)青山弘之 All rights reserved.

YPG主体のシリア民主軍はマンビジュ市に向けて進軍を続け、ダーイシュが監禁していたヤズィード教徒15人の解放に成功(2016年6月3日)

アレッポ県では、シリア人権監視団によると、西クルディスタン移行期民政局(ロジャヴァ)人民防衛隊(YPG)主体のシリア民主軍がマンビジュ市南部郊外一帯でダーイシュ(イスラーム国)と交戦し、2カ村を新たに制圧した。

また、ARA News(6月3日付)によると、シリア民主軍に参加しているマンビジュ軍事評議会が、ティシュリーン・ダム西部のウンム・シャジャル山一帯をダーイシュ(イスラーム国)との戦闘の末に制圧、同地で監禁されていたヤズィード教徒住民15人を解放した。

一方、ダーイシュはティシュリーン・ダム一帯の奪還をめざし、シリア民主軍と交戦するとともに、マンビジュ市郊外のアスリーヤ村でクルド系住民数十人を逮捕、連行した。

また、ダーイシュ(イスラーム国)の広報部門アアマーク通信は、マンビジュ市住民の子息数十人がダーイシュの部隊に参加したと発表した。

AFP, June 3, 2016、AP, June 3, 2016、ARA News, June 3, 2016、Champress, June 3, 2016、al-Hayat, June 4, 2016、Iraqi News, June 3, 2016、Kull-na Shuraka’, June 3, 2016、al-Mada Press, June 3, 2016、Naharnet, June 3, 2016、NNA, June 3, 2016、Reuters, June 3, 2016、SANA, June 3, 2016、UPI, June 3, 2016などをもとに作成。

(C)青山弘之 All rights reserved.

シリアの国連代表部は11地域への人道戦物資搬入に同意したと発表(2016年6月3日)

シリアの国連代表部は声明を出し、シリア軍、ファトフ軍などの反体制武装集団、ダーイシュ(イスラーム国)の包囲下にある19地域のうち11地域に対して、6月中に国連および赤十字国際委員会が人道支援物資の搬入を行うことに同意したと発表した。

人道支援物資搬入の対象となるのは、ダマスカス郊外県のカフルバトナー町、サクバー市、ハムーリーヤ市、ジスリーン町、ザバダーニー市、ハラスター市東部、ザマルカー町、マダーヤー町、イドリブ県のフーア市、カファルヤー町、ダマスカス県のヤルムーク区。

声明は13日に国連安保理で開催された臨時の会合を受けたもの。

この会合で、米英仏は、反体制武装集団が籠城を続ける地域への人道支援物資の空中投下を迫ったが、シリア問題担当国連特別代表補のラムズィー・イッズッツディーン氏は、こうした支援が「火急の課題ではない」と却下し、世界食糧計画(WFP)もこうした支援を計画していないと述べていた。

また、国連のステファン・デュジャリック報道官も「住宅地域に空から支援物資を投下することはできない。3トン程度の物資しか空輸できないヘリコプターが荷物を下ろすために離着陸しなければならない…。こうしたことを行うことの安全上の脅威を我々は考えている」と否定的な発言をしていた。

AFP, June 3, 2016、AP, June 3, 2016、ARA News, June 3, 2016、Champress, June 3, 2016、al-Hayat, June 4, 2016、Iraqi News, June 3, 2016、Kull-na Shuraka’, June 3, 2016、al-Mada Press, June 3, 2016、Naharnet, June 3, 2016、NNA, June 3, 2016、Reuters, June 3, 2016、SANA, June 3, 2016、UPI, June 3, 2016などをもとに作成。

(C)青山弘之 All rights reserved.