シリア軍の爆撃・砲撃が続くなか、ダーライヤー市(ダマスカス郊外県)に初の人道支援物資搬入(2016年6月10日)

ダマスカス郊外県では、シリア人権監視団によると、シリア軍が包囲を続けるダーライヤー市に国連とシリア赤新月社のチームが初となる人道支援物資の搬入を行われた。

搬入されたのは、食糧物資480パック、穀物、文具など。

OCHAによると、ダーライヤー市内には約4,000人が反体制武装集団の籠城下で暮らしており、またダーライヤー市地元評議会によると住民の数は8,300人に及ぶと誇張するが、今回シリア政府が搬入を許可したのは2,500人分。

また地元の活動家らによると、人道支援物資の配給は、シリア軍が「樽爆弾」30発以上を投下するなどの妨害を受けたという(シリア人権監視団によると、シリア軍が、ダーライヤー市各所に対して「樽爆弾」を投下、その数は68発にのぼったという)

一方、クッルナー・シュラカー(6月10日付)によると、ドゥーマー市、サクバー市、ハムーリーヤ市をはじめとする東グータ地方各所で、金曜礼拝後に住民らがデモを行い、反体制武装集団の統合を呼びかけた。

AFP, June 10, 2016、AP, June 10, 2016、ARA News, June 10, 2016、Champress, June 10, 2016、al-Hayat, June 11, 2016、June 12, 2016、Iraqi News, June 10, 2016、Kull-na Shuraka’, June 10, 2016、al-Mada Press, June 10, 2016、Naharnet, June 10, 2016、NNA, June 10, 2016、Reuters, June 10, 2016、SANA, June 10, 2016、UPI, June 10, 2016などをもとに作成。

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アレッポ県で活動する反体制武装集団がシリア軍からロシアの最新鋭戦車T-90を捕獲したと発表(2016年6月10日)

アレッポ県で活動する「穏健な反体制派」のヌールッディーン・ザンキー運動の広報局は、アレッポ市北部アルド・マッラーフ地区一帯でのシリア軍との戦闘で、ロシア軍の最新鋭戦車T-90を捕獲したと発表、その写真を公開した。

シリア軍との戦闘には、ヌールッディーン・ザンキー運動のほか、「命じられるまま正しく進め」連合が参加し、シリア軍兵士40人以上を殲滅し、戦車などの武器を捕獲したという。

クッルナー・シュラカー(6月10日付)によると、反体制武装集団がT-90を入手したのはこれが初めて。

また、ARA News(6月10日付)によると、アレッポ市南部のズィーターン村、ハルサ村一帯で、シリア軍とファトフ軍が交戦した。

一方、SANA(6月10日付)によると、反体制武装集団がアレッポ市マイサルーン地区、ジュマイリーヤ地区、アシュラフィーヤ地区、マイダーン地区、サラーフッディーン地区、ザフラー地区を砲撃し4人が死亡、21人が負傷した。

またラタキア県フマイミーム航空基地のシリア駐留ロシア軍司令部に設置された当事者和解調整センターによると、シャームの民のヌスラ戦線がアレッポ市シャイフ・マクスード地区、ハンダラート・キャンプ一帯、を砲撃し、子供1人が死亡、8人が負傷した。

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ヒムス県では、SANA(6月10日付)によると、シリア軍がアイン・フサイン村近郊でシャームの民のヌスラ戦線と交戦した。

AFP, June 10, 2016、AP, June 10, 2016、ARA News, June 10, 2016、Champress, June 10, 2016、al-Hayat, June 11, 2016、Iraqi News, June 10, 2016、Kull-na Shuraka’, June 10, 2016、al-Mada Press, June 10, 2016、Naharnet, June 10, 2016、NNA, June 10, 2016、Reuters, June 10, 2016、SANA, June 10, 2016、UPI, June 10, 2016などをもとに作成。

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YPG主体のシリア民主軍はダーイシュの拠点都市マンビジュ市(アレッポ県)を完全包囲、シリア軍も同じくダーイシュの拠点タブカ軍事基地(ラッカ県)15キロの距離まで進軍(2016年6月10日)

アレッポ県では、シリア人権監視団によると、西クルディスタン移行期民政局(ロジャヴァ)人民防衛隊(YPG)主体のシリア民主軍がダーイシュ(イスラーム国)の拠点都市マンビジュ市北西部に位置するガンドゥーラ村を制圧し、トルコと同市を結ぶ最後の高速道路を掌握、マンビジュ市を完全包囲した。

シリア人権監視団によると、この完全包囲により、マンビジュ市の住民数千人が孤立状態に置かれたという。

なお、SANA(6月10日付)は、ダーイシュがガンドゥーラ村退去時に住民40人近くを「虐殺」したと伝えた。

シリア民主軍はまた、ガンドゥーラ村に加えてマンビジュ市北西部の4カ村も制圧し、マンビジュ市2キロの距離まで接近した。

5月31日以降、シリア民主軍が制圧した村・農場は93にのぼり、戦闘でのダーイシュ側の死者数は160人、対するシリア民主軍は22人だという。

他方、ARA News(6月11日付)によると、反体制武装集団が県北西部のドゥーディヤーン村をダーイシュ(イスラーム国)から奪還した。

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ラッカ県では、シリア人権監視団によると、シリア軍、砂漠の鷹旅団などからなる民兵がタブカ南部郊外一帯でダーイシュ(イスラーム国)との戦闘を続け、シリア軍がタブカ航空基地から15キロの地点にまで進軍した。

一方、SANA(6月10日付)によると、シリア軍が人民防衛諸集団の支援を受け、県西部のラサーファ村交差点、戦略トライアングル地帯、石油採掘機ステーション、タブカ電力発電所一帯を制圧した。

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ダイル・ザウル県では、シリア人権監視団によると、戦闘機(所属明示せず)がダイル・ザウル航空基地に隣接するジャフラ村、ダイル・ザウル市ラシュディーヤ地区、ハウィーカ地区、ムーハサン市を空爆した。

一方、SANA(6月10日付)によると、シリア軍がダイル・ザウル市ラシュディーヤ地区、アイヤーシュ村、サルダ山一帯でダーイシュ(イスラーム国)拠点を攻撃した。

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ヒムス県では、シリア人権監視団によると、戦闘機(所属明示せず)がダーイシュ(イスラーム国)支配下のスフナ市を空爆した。

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ダマスカス郊外県では、シリア人権監視団によると、ロシア軍と思われる戦闘機が、ドゥマイル市入口でダーイシュ(イスラーム国)戦闘員を空爆し、多数が死亡した。

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ダマスカス県では、シリア人権監視団によると、ダーイシュ(イスラーム国)がヤルムーク区の第15通り一帯に掘られた地下トンネルを爆破、破壊した。

ヌスラ戦線が掘削したとされるが、ダーイシュが掘削したトンネルを反体制武装集団が爆破したとの情報も流れている。

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米国防省がテロ組織に指定したばかりのヤルムーク殉教者旅団が連携する武装集団と統合し、ハーリド・ブン・ワリード軍に改称(2016年6月10日)

ダーイシュ(イスラーム国)の広報部門アアマーク通信は、ダーイシュ(イスラーム国)に忠誠を誓うヤルムーク殉教者旅団、イスラーム・ムサンナー運動、ムジャーヒディーン団が統合し、「ハーリド・ブン・ワリード軍」を結成したと発表した。

ヤルムーク殉教者旅団は9日、米国務省が米大統領命令第13224号が定める「特別指定国際テロリスト」(Specially Designated
Global Terrorists、SDGT)に指定したと発表したばかり。

なお、シリア人権監視団によると、ダルアー県サフム・ジャウラーン・ダム一帯では、反体制武装集団がこのハーリド・ブン・ワリード軍の拠点を攻撃した。

AFP, June 10, 2016、AP, June 10, 2016、ARA News, June 10, 2016、Champress, June 10, 2016、al-Hayat, June 11, 2016、Iraqi News, June 10, 2016、Kull-na Shuraka’, June 10, 2016、al-Mada Press, June 10, 2016、Naharnet, June 10, 2016、NNA, June 10, 2016、Reuters, June 10, 2016、SANA, June 10, 2016、UPI, June 10, 2016などをもとに作成。

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米主導の有志連合は9日にマンビジュ市などに対して9回の爆撃を実施したと発表(2016年6月10日)

米中央軍(CENTCOM)は、6月9日のシリア、イラク両国での有志連合の戦果をHPで発表した。

発表によると、有志連合はシリア、イラク領内のダーイシュ(イスラーム国)拠点などに対して19回の空爆を実施、このうちシリア領内での空爆は9回で、ブーカマール市近郊(1回)、マンビジュ市近郊(8回)に対して攻撃が行われた。

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フライジュ国防大臣はテヘランでシャムハーニー・イラン国家安全保障最高評議会事務局長と会談(2016年6月10日)

イランを訪問中のファフド・ジャースィム・フライジュ国防大臣は、テヘランでアリー・シャムハーニー国家安全保障最高評議会事務局長と会談し、シリア、イラン、そしてロシアの三カ国による「テロとの戦い」での軍事的連携強化の必要性を確認した。

AFP, June 10, 2016、AP, June 10, 2016、ARA News, June 10, 2016、Champress, June 10, 2016、al-Hayat, June 11, 2016、Iraqi News, June 10, 2016、Kull-na Shuraka’, June 10, 2016、al-Mada Press, June 10, 2016、Naharnet, June 10, 2016、NNA, June 10, 2016、Reuters, June 10, 2016、SANA, June 10, 2016、UPI, June 10, 2016などをもとに作成。

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