ジハード主義武装集団がダマスカス郊外県東グータ地方で反転攻勢(2016年6月20日)

ダマスカス郊外県では、ARA News(6月20日付)によると、イスラーム殉教者旅団、アジュナード・シャーム・イスラーム連合などからなるジハード主義武装集団がシリア軍に対して自爆攻撃を行い、ダーライヤー市とムウダミーヤト・シャーム市を結ぶ街道を奪還し、ムウダミーヤト・シャーム市の包囲解除に成功した。

ジハード主義武装集団はまた、ジスリーン町農場地帯のシリア軍拠点複数カ所を奇襲、これを制圧した。

一方、SNN(6月20日付)などによると、ダーライヤー市で、シリア軍と反体制武装集団が交戦、シリア軍が同地を「樽爆弾」、地対地ミサイルで攻撃した。

またシリア人権監視団によると、シリア軍はジスリーン町、ムハンマディーヤ町、マイダアー町、バハーリーヤ村など東グータ地方各所でジハード主義武装集団と交戦した。

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ダマスカス県では、シリア人権監視団によると、ジャウバル区でシリア軍がビルを爆破、その後シャームの民のヌスラ戦線などからなる反体制武装集団と激しく交戦した。

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アレッポ県では、シリア人権監視団によると、ジハード主義武装集団がアレッポ市北部のハンダラート・キャンプ一帯のシリア軍拠点を攻撃した。

これに対して、戦闘機(所属明示せず)が、ジハード主義武装集団の支配下にあるアレッポ市バーブ街道地区、スッカリー地区、ムワーサラート地区、マイサル地区、カーディー・アスカル地区、サーフール地区、マサーキン・ハナーヌー地区、カッラーサ地区を空爆、シリア軍ヘリコプターがアレッポ市ムワーサラート地区などを「樽爆弾」で攻撃した。

アレッポ市南部郊外では、戦闘機(所属明示せず)がハーン・トゥーマーン村、ズィルバ村、ハルサ村、アイス村一帯、ハーディル村一帯を空爆した。

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ラタキア県では、シリア人権監視団によると、シリア軍がトルクメン山のヤムディーヤ村、アイン・イーサー村回廊地帯を砲撃、また同地での戦闘でシャーム軍団の司令官1人を含む戦闘員3人が死亡した。

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イドリブ県では、クッルナー・シュラカー(6月21日付)によると、イドリブ市内で爆弾を積んだオートバイが爆発し、7人が死亡、10人が負傷した。

死亡者のほとんどは戦闘員だったという。

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ダルアー県では、SANA(6月20日付)によると、シリア軍がダルアー市ブスラー広場、難民キャンプ地区、アルバイーン地区でシャームの民のヌスラ戦線と交戦した。

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ロシア国防省は、ラタキア県フマイミーム航空基地のシリア駐留ロシア軍司令部に設置された当事者和解調整センターが、6月19日に5件の停戦違反が発生したことを確認したと発表した。

停戦違反はダマスカス県郊外県で発生し、イスラーム軍などが砲撃を行ったという。

米・ロシアによる敵対行為停止合意が発効した2月27日以降の停戦違反件総数は694件。

AFP, June 20, 2016、AP, June 20, 2016、ARA News, June 20, 2016、Champress, June 20, 2016、al-Hayat, June 21, 2016、Iraqi News, June 20, 2016、Kull-na Shuraka’, June 20, 2016、June 22, 2016、al-Mada Press, June 20, 2016、Naharnet, June 20, 2016、NNA, June 20, 2016、Reuters, June 20, 2016、SANA, June 20, 2016、SNN, June 20, 2016、UPI, June 20, 2016などをもとに作成。

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シリア軍はダーイシュの拠点都市タブカ市(ラッカ県)に向けて進軍を続ける(2016年6月20日)

ラッカ県では、シリア人権監視団によると、シリア軍、砂漠の鷹旅団、海軍特殊部隊、颶風の鷹などからなる人民防衛諸集団が、ラッカ市およびタブカ航空基地(航空基地)に向けて進軍を続け、ダーイシュ(イスラーム国)と交戦した。

これに対して、ダーイシュの広報部門のアアマーク通信は、ダーイシュがタブカ市南部のサウラ油田一帯をシリア軍から奪還したと発表した。

一方、SANA(6月20日付)によると、シリア軍が人民防衛諸集団とともに県西部のイスリヤー村・タブカ市街道のザーキヤ村・ダイル・ハーフィル市分岐点一帯でダーイシュ(イスラーム国)と交戦した。

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ヒムス県では、シリア人権監視団によると、県東部のカルヤタイン市郊外およびタドムル市東方のシリア軍検問所一帯でシリア軍とダーイシュ(イスラーム国)が交戦した。

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アレッポ県では、ドゥラル・シャーミーヤ(6月20日付)によると、西クルディスタン移行期民政局(ロジャヴァ)人民防衛隊(YPG)主体のシリア民主軍がダーイシュ(イスラーム国)の拠点都市マンビジュ市の西側の入口に到達した。

一方、ARA News(6月20日付)によると、タッル・リフアト市一帯で活動するアールファード革命家大隊が西クルディスタン移行期民政局(ロジャヴァ)人民防衛隊(YPG)主体のシリア民主軍への参加を宣言した。

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アブドゥッラー・アイユーブ参謀長がアレッポ市および同市郊外、ラッカ県イスリヤー村・タブカ市街道一帯を視察訪問した。

SANA(6月20日付)が伝えた。

AFP, June 20, 2016、AP, June 20, 2016、ARA News, June 20, 2016、Champress, June 20, 2016、al-Durar al-Shamiya, June 20, 2016、al-Hayat, June 21, 2016、Iraqi News, June 20, 2016、Kull-na Shuraka’, June 20, 2016、al-Mada Press, June 20, 2016、Naharnet, June 20, 2016、NNA, June 20, 2016、Reuters, June 20, 2016、SANA, June 20, 2016、UPI, June 20, 2016などをもとに作成。

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シリア政府はトルコ軍による領土侵犯を国連安保理に報告(2016年6月20日)

バッシャール・ジャアファリー国連シリア代表は安保理に書簡を提出、トルコ軍が5月にイドリブ県カーフ村、アティマ村、アクラバート村に重機を投入し、陣地、監視施設などを設営、また6月にはハサカ県カーミシュリー市北西部に全長150メートルの堀を掘削したと報告した。

またジャアファリー国連シリア代表は、トルコ当局がアレッポ県アーブ・サラーム国境通行所を秘密裏に開放し、同地から重火器、戦車などを搬入、スルターン・ムラード旅団、シャーム自由人イスラーム運動、シャームの民のヌスラ戦線、シャーム軍団に供与していると主張、これを批判した。

なお、19日には、トルコ軍国境警備隊がシリア領内(イドリブ県ヒルバト・ジャウズ村近郊)に発砲し、難民11人を殺害した事件が発生している。

『ハヤート』(6月21日付)が伝えた。


AFP, June 20, 2016、AP, June 20, 2016、ARA News, June 20, 2016、Champress, June 20, 2016、al-Hayat, June 21, 2016、Iraqi News, June 20, 2016、Kull-na Shuraka’, June 20, 2016、al-Mada Press, June 20, 2016、Naharnet, June 20, 2016、NNA, June 20, 2016、Reuters, June 20, 2016、SANA, June 20, 2016、UPI, June 20, 2016などをもとに作成。

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イラン革命防衛隊クドス軍団のソレイマーニー少将がイラクのファッルージャからシリアへ(2016年6月20日)

メフル通信(6月20日付)は、イラン・イスラーム革命防衛隊クドス軍団のガーセム・ソレイマーニー少将がシリアに向かったと伝えた。

ソレイマーニー少将のシリア訪問は、アレッポ市南部郊外ハルサ村一帯でのシリア軍、ヒズブッラー戦闘員、イラン人戦闘員らの劣勢を受けたものだという。

なお、ソレイマーニー少将はシリア訪問に先立って、イラクのファッルージャ市を視察している。

AFP, June 20, 2016、AP, June 20, 2016、ARA News, June 20, 2016、Champress, June 20, 2016、al-Hayat, June 21, 2016、Iraqi News, June 20, 2016、Kull-na Shuraka’, June 20, 2016、al-Mada Press, June 20, 2016、Mehr News Agency, June 20, 2016、Naharnet, June 20, 2016、NNA, June 20, 2016、Reuters, June 20, 2016、SANA, June 20, 2016、UPI, June 20, 2016などをもとに作成。

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石油鉱物資源大臣ら4閣僚が人民議会の答弁で石油燃料価格引き上げの必要を力説(2016年6月20日)

人民議会は、国内通商消費者保護省による石油燃料の値上げ決定に関する審議を継続した。

審議では多くの議員が値上げ決定に異議を唱えるなか、スライマーン・アッバース石油鉱物資源大臣が答弁し、石油部門が紛争によって2016年第1四半期に620億米ドルの損失を被ったとしたうえで、同部門のニーズに応えるため、年間24億ドルの予算が必要だと述べ、値上げが正当だと主張した。

またこのほかにも、イスマーイール・イスマーイール財務大臣、ハマーム・ジャザーイリー経済対外通商大臣、ジャマール・ジャアバーン・シャーヒーン国内通商消費者保護大臣が答弁を行い、世界的な石油価格の高騰などに言及、値上げの必要を強調した。

SANA(6月20日付)が伝えた。

なお、AFP(6月19日付)によると、人民議会議事堂前では19日、燃料費引き上げを求める座り込みデモが首都ダマスカスの人民議会議事堂前で行われた。

AFP, June 20, 2016、AP, June 20, 2016、ARA News, June 20, 2016、Champress, June 20, 2016、al-Hayat, June 21, 2016、Iraqi News, June 20, 2016、Kull-na Shuraka’, June 20, 2016、al-Mada Press, June 20, 2016、Naharnet, June 20, 2016、NNA, June 20, 2016、Reuters, June 20, 2016、SANA, June 20, 2016、UPI, June 20, 2016などをもとに作成。

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ロシア軍のゲラシモフ参謀総長「シリア情勢で忍耐が尽きたのは米国ではなく我々だ」(2016年6月20日)

ロシア軍のヴァレリー・ゲラシモフ参謀総長は「シリア情勢で忍耐が尽きたのは米国ではなく我々の方だ」と述べ、15日のジョン・ケリー米国務長官の発言を批判した。

ゲラシモフ参謀総長はまた「ロシア国防省は米国側にダーイシュ(イスラーム国)やシャームの民のヌスラ戦線の拠点がある場所のデータを提供しているが、米国側は今もなお、彼らが言うところの反体制派とテロリストを区別できておらず、そのことでテロリストは力を復活させ、シリア情勢を緊張させている」と指摘した。

ケリー米国務長官は15日、「ロシアは我々の忍耐にきりがない訳でないことを理解しなければならない。事実、アサドへの処罰が行われるかどうかについて、我々の忍耐には限度がある」と述べていた。

AFP, June 20, 2016、AP, June 20, 2016、ARA News, June 20, 2016、Champress, June 20, 2016、al-Hayat, June 21, 2016、Iraqi News, June 20, 2016、Kull-na Shuraka’, June 20, 2016、al-Mada Press, June 20, 2016、Naharnet, June 20, 2016、NNA, June 20, 2016、Reuters, June 20, 2016、SANA, June 20, 2016、UPI, June 20, 2016などをもとに作成。

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