米主導の有志連合は27~29日までの3日間でイラク国境に面するブーカマール市近郊を8回、YPG主体のシリア民主軍が包囲するマンビジュ市一帯を19回爆撃(2016年6月30日)

米中央軍(CENTCOM)は、6月27日~29日までの3日間のシリア、イラク両国での有志連合の戦果をHPで発表した。

発表によると、6月27日はシリア、イラク領内のダーイシュ(イスラーム国)拠点などに対して23回の空爆を実施、このうちシリア領内での空爆は12回で、ラッカ市近郊(2回)、ダイル・ザウル市近郊(1回)、マンビジュ市近郊(7回)、マーリア市近郊(2回)に対して攻撃が行われた。

6月28日はシリア、イラク領内のダーイシュ拠点などに対して32回の空爆を実施、このうちシリア領内での空爆は15回で、ブーカマール市近郊(8回)、マンビジュ市近郊(6回)、マーリア市近郊(1回)に対して攻撃が行われた。

6月29日はシリア、イラク領内のダーイシュ拠点などに対して26回の空爆を実施、このうちシリア領内での空爆は7回で、ブーカマール市近郊(1回)、マンビジュ市近郊(6回)に対して攻撃が行われた。

CENTCOM, June 30, 2016などをもとに作成。

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シリア人権監視団は2016年9月末以降の7ヶ月でのロシア軍とシリア軍の爆撃での死者数を7,031人と発表、うちダーイシュ、ヌスラ戦線などの反体制武装集団の死者は4,533人(2016年6月30日)

シリア人権監視団は、ロシア軍がシリアでの空爆を開始した2015年9月30日から2016年6月30日までの7ヶ月間で、ロシア軍とシリア軍の空爆で民間人2,500人を含む7,000人が死亡したと発表した。

同監視団によると、この間の死者数は、7,031人を記録、うち民間人は2,498人(子供587人、女性360人を含む)、ダーイシュ(イスラーム国)戦闘員は2,436人、シャームの民のヌスラ戦線を含むその他の反体制武装集団戦闘員は2,097人に上る、という。


AFP, June 30, 2016、AP, June 30, 2016、ARA News, June 30, 2016、Champress, June 30, 2016、al-Hayat, July 1, 2016、Iraqi News, June 30, 2016、Kull-na Shuraka’, June 30, 2016、al-Mada Press, June 30, 2016、Naharnet, June 30, 2016、NNA, June 30, 2016、Reuters, June 30, 2016、SANA, June 30, 2016、UPI, June 30, 2016などをもとに作成。

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ダイル・ザウル市一帯などでシリア軍とダーイシュの戦闘続く(2016年6月30日)

ダイル・ザウル県では、シリア人権監視団によると、シリア軍がダイル・ザウル市のシリア政府支配地域に食糧物資を投下、また戦闘機(所属明示せず)がダイル・ザウル市工業地区、ジャバリーヤ地区を空爆した。

一方、SANA(6月30日付)によると、シリア軍がダイル・ザウル市ハミーディーヤ地区、ハウィーカ地区、ヒサーラート地区、サルダ山一帯、ブガイリーヤ村でダーイシュ(イスラーム国)拠点を空爆した。

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スワイダー県では、SANA(6月30日付)によると、イラク国境に近いアブー・シャルシューフ通行所とビイル・ラスィーイー地区を結ぶ街道でシリア軍がダーイシュ(イスラーム国)車列を攻撃した。

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ヒムス県では、ダーイシュ(イスラーム国)の広報部門アアマーク通信によると、ダーイシュはタドムル市近郊のシリア軍検問所に対して自爆攻撃などを行い、検問所7カ所を制圧した。

一方、SANA(6月30日付)によると、シリア軍がタドムル市東方の第3石油輸送ステーション(T3)一帯、フワイスィース村一帯、ジャバーブ・ハマド村一帯のダーイシュ(イスラーム国)拠点を空爆した。

AFP, June 30, 2016、AP, June 30, 2016、ARA News, June 30, 2016、Champress, June 30, 2016、al-Hayat, July 1, 2016、Iraqi News, June 30, 2016、Kull-na Shuraka’, June 30, 2016、al-Mada Press, June 30, 2016、Naharnet, June 30, 2016、NNA, June 30, 2016、Reuters, June 30, 2016、SANA, June 30, 2016、UPI, June 30, 2016などをもとに作成。

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アレッポ市一帯でシリア軍とアレッポ・ファトフ軍作戦司令室の交戦続く(2016年6月30日)

アレッポ県では、シリア人権監視団によると、戦闘機(所属明示せず)がフライターン市、アナダーン市を15回以上にわたり空爆する一方、シリア軍がフライターン市、カフルハムラ村、アルド・マッラーフ地区、アレッポ市北部とトルコのガジアンテップ市を結ぶ街道一帯を砲撃し、アルド・マッラール地区などでジハード主義部集団と交戦、アルド・マッラーフ地区一帯での戦闘では、反体制武装集団39人、シリア軍側兵士30人が死亡した。

またクッルナー・シュラカー(6月30日付)によると、アレッポ市北部のバニー・ザイド地区にシリア軍が突入を試み、アレッポ・ファトフ軍作戦司令室と交戦した。

これに対して、ARA News(6月30日付)によると、アレッポ・ファトフ軍作戦司令室がアレッポ市北部のアルド・マッラーフ地区でシリア軍に対して反転攻勢を続け、SANA(6月30日付)によると、アレッポ市ムーカンブー地区に反体制武装集団が撃ったロケット弾が着弾し、3人が負傷した。

またアレッポ市サウフ・ダウラ地区、ハーリディーヤ地区、バニー・ザイド地区でシリア軍、親政権民兵がジハード主義武装集団と交戦する一方、ジハード主義武装集団は、サイフ・ダウラ地区、ナイル通り地区、ティシュリーン地区、アアザミーヤ地区、アクラミーヤ地区、フルカーン地区などを砲撃した。

一方、アレッポ市ハラク地区では、西クルディスタン移行期民政局人民防衛隊によって2人が狙撃され、死亡、また、ARA News(6月30日付)によると、反体制武装集団がアレッポ市シャイフ・マクスード地区を砲撃、同地区西部一帯で西クルディスタン移行期民政局人民防衛隊と交戦した。

さらに、クッルナー・シュラカー(6月30日付)によると、ファトフ軍がアレッポ市南部郊外のハルサ村南東部に位置するシュガイディラ村一帯(シリア政府支配地域)に進攻し、シリア軍、イラン人、イラク人民兵らと交戦した。

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イドリブ県では、クッルナー・シュラカー(6月30日付)によると、イドリブ市内のファトフ軍検問所に対して自爆攻撃が行われ、戦闘員2人が死亡した。

またARA News(6月30日付)によると、イドリブ市内ではこのほかに3回の爆発が発生し、1人が死亡した。

死者の中にはジュンド・アクサー機構の幹部の一人でビンニシュ市法務官のアブー・バラー・ジャズラーウィー市も含まれているという。

一方、クッルナー・シュラカー(6月30日付)によると、ハルブヌーシュ村にあるイスラーム軍所属ズィー・カール旅団の本部が、ジュンド・アクサー機構メンバーと思われる武装集団の襲撃を受けた。

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ダマスカス郊外県では、シリア人権監視団によると、シリア軍がドゥーマー市各所を砲撃する一方、戦闘機(所属明示せず)が同市一帯を空爆した。

シリア軍はまたダーライヤー市を「樽爆弾」、地対地ミサイルなどで攻撃し、同市周辺でジハード主義武装集団と交戦した。

また、ARA News(6月30日付)によると、シリア軍がウーターヤー町、ドゥーマー市を地対地ミサイルなどで攻撃し、民間人16人が死亡、数十人が負傷した。

一方、SANA(6月30日付)によると、イスラーム軍がダーヒヤト・ハラスター市郊外を砲撃し、警察病院一帯に迫撃砲弾4発が着弾、6人が負傷した。

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ダルアー県では、シリア人権監視団によると、カフルナースィジュ村、ハーッラ市をシリア軍が砲撃した。

一方、SANA(6月30日付)によると、シリア軍がダルアー氏ブスラー広場南東部、ダム街道、避難民キャンプ一帯、バジャービジャ地区、マンシヤ地区西方でシャームの民のヌスラ戦線を攻撃した。

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ロシア国防省は、ラタキア県フマイミーム航空基地のシリア駐留ロシア軍司令部に設置された当事者和解調整センターが、6月29日に3件の停戦違反が発生したことを確認したと発表した。

停戦違反はダマスカス県郊外県で発生し、イスラーム軍などが砲撃を行ったという。

米・ロシアによる敵対行為停止合意が発効した2月27日以降の停戦違反件総数は737件。

AFP, June 30, 2016、AP, June 30, 2016、ARA News, June 30, 2016、Champress, June 30, 2016、al-Hayat, July 1, 2016、Iraqi News, June 30, 2016、Kull-na Shuraka’, June 30, 2016、al-Mada Press, June 30, 2016、Naharnet, June 30, 2016、NNA, June 30, 2016、Reuters, June 30, 2016、SANA, June 30, 2016、UPI, June 30, 2016などをもとに作成。

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新シリア軍を主導するアサーラ・ワ・タンミヤ戦線幹部は、ブーカマール市攻略の失敗の原因がイラク部族軍にあると指摘(2016年6月30日)

米仏が軍事支援する新シリア軍を主導するアサーラ・ワ・タンミヤ戦線のハーリド・ハマード事務局長はSNS(6月30日付)の自身のツイッターで、ダイル・ザウル県ブーカマール市攻略作戦が失敗し、戦闘員数十人を失ったことを認めた。

ハマード事務局長によると、失敗の原因は、イラク側の協力者(部族軍)が思うような成果を上げられなかったことにあったという。

クッルナー・シュラカー(6月30日付)が伝えた。


AFP, June 30, 2016、AP, June 30, 2016、ARA News, June 30, 2016、Champress, June 30, 2016、al-Hayat, July 1, 2016、Iraqi News, June 30, 2016、Kull-na Shuraka’, June 30, 2016、al-Mada Press, June 30, 2016、Naharnet, June 30, 2016、NNA, June 30, 2016、Reuters, June 30, 2016、SANA, June 30, 2016、UPI, June 30, 2016などをもとに作成。

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米英が軍事支援する新シリア軍の同根組織がダマスカス郊外県のカラムーン地方でダーイシュと交戦(2016年6月30日)

ダマスカス郊外県では、クッルナー・シュラカー(6月30日付)によると、米英が軍事支援する新シリア軍と同根組織の東部獅子軍が、ラフマーン軍団、シャーム解放軍、イスラーム軍といったジハード主義武装集団とともに東カラムーン地方でダーイシュ(イスラーム国)と交戦し、ダブア地区を掌握した。

AFP, June 30, 2016、AP, June 30, 2016、ARA News, June 30, 2016、Champress, June 30, 2016、al-Hayat, July 1, 2016、Iraqi News, June 30, 2016、Kull-na Shuraka’, June 30, 2016、al-Mada Press, June 30, 2016、Naharnet, June 30, 2016、NNA, June 30, 2016、Reuters, June 30, 2016、SANA, June 30, 2016、UPI, June 30, 2016などをもとに作成。

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YPG主体のシリア民主軍はダーイシュとの戦闘の末マンビジュ市アサディーヤ地区を制圧(2016年6月30日)

アレッポ県では、ARA News(6月30日付)によると、西クルディスタン移行期民政局(ロジャヴァ)人民防衛隊(YPG)主体のシリア民主軍に所属するマンビジュ軍事評議会がマンビジュ市内でダーイシュ(イスラーム国)との戦闘の末、同市内のアサディーヤ地区を制圧した。

一方、シリア人権監視団によると、西クルディスタン移行期民政局(ロジャヴァ)人民防衛隊(YPG)主体のシリア民主軍が包囲するダーイシュ(イスラーム国)の拠点都市マンビジュ市内およびその一帯で戦闘が続くなか、ダーイシュが敷設した地雷が爆発し、児童1人が死亡した。

AFP, June 30, 2016、AP, June 30, 2016、ARA News, June 30, 2016、Champress, June 30, 2016、al-Hayat, July 1, 2016、Iraqi News, June 30, 2016、Kull-na Shuraka’, June 30, 2016、al-Mada Press, June 30, 2016、Naharnet, June 30, 2016、NNA, June 30, 2016、Reuters, June 30, 2016、SANA, June 30, 2016、UPI, June 30, 2016などをもとに作成。

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米政府は、ヌスラ戦線に対するロシアの爆撃への協力とシリア軍による米支援反体制派爆撃停止を新たに提案(2016年6月30日)

『ワシントン・ポスト』(6月30日付)は、バラク・オバマ米政権が、ロシアとシリアでの軍事作戦に関して新提案を行っている、と伝えた。

提案は、米国が支援する反体制派(いわゆる「穏健な反体制派」)に対するシリア軍の空爆停止に向けてロシアが圧力をシリア政府にかける見返りに、両国が、シャームの民のヌスラ戦線に対する空爆での協力を行うというもので、米政府の高官によると、2週間にわたる協議や政権内での意見集約を経て6月27日にロシア側に提示されたという。

ただし、オバマ政権の提案において、米国が支援する反体制派の正確な位置はロシア側には伝えられていないという。

複数の高官によると、アシュトン・カーター国防長官は当初はこの提案には反対していたという。

AFP, June 30, 2016、AP, June 30, 2016、ARA News, June 30, 2016、Champress, June 30, 2016、al-Hayat, July 1, 2016、Iraqi News, June 30, 2016、Kull-na Shuraka’, June 30, 2016、al-Mada Press, June 30, 2016、Naharnet, June 30, 2016、NNA, June 30, 2016、Reuters, June 30, 2016、SANA, June 30, 2016、UPI, June 30, 2016などをもとに作成。

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アサド大統領がオーストラリアのSBSテレビのインタビューに応じる「西側諸国は我々を政治的に攻撃したうえで、テーブルの下で我々と取引するため高官を派遣した」(2016年6月30日)

アサド大統領は、オーストラリアのSBSテレビのインタビューに応じ、オーストラリアを含む西側諸国のダブル・スタンダードを批判、「彼らは我々を政治的に攻撃したうえで、テーブルの下で我々と取引するため、治安関係の高官らを派遣、そのなかにはあなた方(オーストラリア)の政府もいた」と暴露した。

アサド大統領は「彼らは米国を困らせたくなかった。西側諸国の高官のほとんどは、米国が彼らに言うように求めていたことを繰り返すだけだった。これが事実だ」と付言した。

インタビューはSBSテレビが2年に及ぶ交渉のうえに実現、ルーク・ウォーター記者がアサド大統領と面談した。

インタビューは7月1日に放映される予定。

SANA(6月30日付)が伝えた。

SBS TV, June 30, 2016
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AFP, June 30, 2016、AP, June 30, 2016、ARA News, June 30, 2016、Champress, June 30, 2016、al-Hayat, July 1, 2016、Iraqi News, June 30, 2016、Kull-na Shuraka’, June 30, 2016、al-Mada Press, June 30, 2016、Naharnet, June 30, 2016、NNA, June 30, 2016、Reuters, June 30, 2016、SANA, June 30, 2016、SBS TV, June 30, 2016、UPI, June 30, 2016などをもとに作成。

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