アアマーク通信はダーイシュがダイル・ザウル県でシリア軍戦闘機を、ダマスカス郊外県でシリア軍ヘリコプターを撃墜したと報道(2016年7月14日)

ダイル・ザウル県では、シリア人権監視団によると、戦闘機(所属明示せず)がサルダ山でダーイシュ(イスラーム国)拠点を空爆する一方、ダーイシュの活動を報じるアアマーク通信(7月14日付)は、ダーイシュによって撃墜されたとするMiG23戦闘機の墜落現場の映像(https://www.youtube.com/watch?v=cfNA8PoOs-w)とダイル・ザウル市カナーマート地区で処刑された同機パイロット(マーヒル・ジャービル・カシュウール大佐)の写真を公開した。image011

一方、SANA(7月14日付)によると、シリア軍がブーウマル村、マリーイーヤ村、ジャフラ村でダーイシュ(イスラーム国)拠点を空爆した。

**

ダマスカス郊外県では、ダーイシュの活動を報じるアアマーク通信(7月14日付)が、東グータ地方のビータール村近郊でシリア軍ヘリコプターをダーイシュが撃墜したと伝え、残骸の画像(https://youtu.be/X5-dAPYV7-Y)を公開した。image002

**

ヒムス県では、SANA(7月14日付)によると、シリア軍がタドムル市東部郊外でダーイシュ(イスラーム国)の拠点を空爆した。

**

ハサカ県では、SANA(7月14日付)によると、ハサカ市内のスポーツ・シティ・センター地区にある綿倉庫が「テロ組織」によって砲火され全焼、保管されていた綿の約80%(8,600トン)が焼失した。

しかし、ARA News(7月14日付)は、スポーツ・シティ・センター地区には親政権の武装集団がいたとし、シリア政府による自作自演を疑った。

AFP, July 14, 2016、AP, July 14, 2016、ARA News, July 14, 2016、Champress, July 14, 2016、al-Hayat, July 15, 2016、Iraqi News, July 14, 2016、Kull-na Shuraka’, July 14, 2016、al-Mada Press, July 14, 2016、Naharnet, July 14, 2016、NNA, July 14, 2016、Reuters, July 14, 2016、SANA, July 14, 2016、UPI, July 14, 2016などをもとに作成。

(C)青山弘之 All rights reserved.

アレッポ市および同市一帯でシリア軍とヌスラ戦線が主導する反体制武装集団の攻防続く(2016年7月14日)

アレッポ県では、シリア人権監視団、クッルナー・シュラカー(7月14日付)によると、戦闘機(ロシア軍かシリア軍かは不明)がアレッポ市内バーブ街道地区、サーリヒーン地区、カフルハムラ村など反体制武装集団支配地区(東部)を空爆し、少なくとも12人が死亡した。

カフルハウラ村での空爆では、シャフバー・プレス(反体制派系サイト)の活動家アブドゥッラー・ガンナーム氏が死亡したという。

これに対して、ARA News(7月14日付)によると、シャームの民のヌスラ戦線、アレッポ・ファトフ軍作戦司令室からなる反体制武装集団はアレッポ市北部のハーリディーヤ地区、ライラムーン地区の拠点複数カ所を奪還した。

一方、SANA(7月14日付)によると、反体制武装集団がサイフ・ダウラ地区、ザフラー地区、シャフバー地区を砲撃し、女性1人を含む4人が負傷した。

このほか、ARA News(7月14日付)によると、アレッポ市南部郊外で新生ファトフ軍が戦闘を再開し、フワイズ村などでシリア軍と交戦した。

**

イドリブ県では、クッルナー・シュラカー(7月14日付)によると、ハーン・シャイフーン市とハマー県のムーリク市を結ぶ街道を走行中のジュンド・アクサー機構の車輌が地雷の爆発に巻き込まれ、戦闘員11人が死亡、9人が負傷した。

**

ヒムス県では、ARA News(7月14日付)によると、県西部のカズハル村、ウンム・カスブ村を包囲した。

両村はトルクメン人(トルコ系住民)の村だという。

またシリア軍戦闘機がラスタン市を空爆した。

**

ダルアー県では、SANA(7月14日付)によると、シリア軍がヌアイマ村、ダルアー市旧税関地区、マンシヤ地区でシャームの民のヌスラ戦線と交戦した。

**

クナイトラ県では、SANA(7月14日付)によると、シリア軍がハミーディーヤ村・フッリーヤ村間の街道でシャームの民のヌスラ戦線を攻撃した。

**

ロシア国防省は、ラタキア県フマイミーム航空基地のシリア駐留ロシア軍司令部に設置された当事者和解調整センターが、7月12日に4件の停戦違反が発生したことを確認したと発表した。

停戦違反はダマスカス郊外県で発生し、イスラーム軍などが砲撃を行ったという。

米・ロシアによる敵対行為停止合意が発効した2月27日以降の停戦違反件総数は776件。

AFP, July 14, 2016、AP, July 14, 2016、ARA News, July 14, 2016、Champress, July 14, 2016、al-Hayat, July 15, 2016、Iraqi News, July 14, 2016、Kull-na Shuraka’, July 14, 2016、al-Mada Press, July 14, 2016、Naharnet, July 14, 2016、NNA, July 14, 2016、Reuters, July 14, 2016、SANA, July 14, 2016、UPI, July 14, 2016などをもとに作成。

(C)青山弘之 All rights reserved.

トルコのユルドゥルム首相「アサドもダーイシュも去らねばならない」(2016年7月14日)

トルコのビンアリ・ユルドゥルム首相はBBC(7月14日付)のインタビューでシリア情勢に関して、アサド大統領が権力の座にとどまる限り、シリアの紛争の解決はなく、過激派の脅威もなくならないだろうと述べた。

ユルドゥルム首相は「一方にアサド、他方にダーイシュ(イスラーム国)がいる。我々がアサドとダーイシュのどちらを選ぶのかと訊かても、どちらかを選ぶことなどできない。いずれもが去らねばならない。いずれもがシリア人が抱える問題の原因だ」と述べた。

また「ダーイシュが根絶されても、この問題は解決しない。アサドがいる限り、問題は解決しない。別のテロ組織が出現しかねないからだ」と強調した。

AFP, July 14, 2016、AP, July 14, 2016、ARA News, July 14, 2016、BBC, July 14, 2016、Champress, July 14, 2016、al-Hayat, July 15, 2016、Iraqi News, July 14, 2016、Kull-na Shuraka’, July 14, 2016、al-Mada Press, July 14, 2016、Naharnet, July 14, 2016、NNA, July 14, 2016、Reuters, July 14, 2016、SANA, July 14, 2016、UPI, July 14, 2016などをもとに作成。

(C)青山弘之 All rights reserved.

ロシア国防省は12、13日の長距離爆撃機によるヒムス県のダーイシュ拠点への爆撃が50回に及んだと発表(2016年7月14日)

ロシア国防省は声明を出し、7月12、13日の2日間で、ヒムス県タドムル市近郊一帯(アーラーク油田一帯、スフナ市一帯)のダーイシュ(イスラーム国)拠点に対するTu-22M3長距離爆撃機の空爆が50回に及び、んだと発表した。

一方、ロシア大統領府のドミトリー・ペスコフ報道官は、ロシア空軍の長距離爆撃機によるダーイシュ拠点への空爆に関して、ダーイシュがロシア空軍のヘリコプターを撃墜、パイロット2人が死亡したことへの報復との見方を否定した。

AFP, July 14, 2016、AP, July 14, 2016、ARA News, July 14, 2016、Champress, July 14, 2016、al-Hayat, July 15, 2016、Iraqi News, July 14, 2016、Kull-na Shuraka’, July 14, 2016、al-Mada Press, July 14, 2016、Naharnet, July 14, 2016、NNA, July 14, 2016、Reuters, July 14, 2016、SANA, July 14, 2016、UPI, July 14, 2016などをもとに作成。

(C)青山弘之 All rights reserved.

ケリー米国務長官がロシアのプーチン大統領とダーイシュ、ヌスラ戦線への爆撃連携に関する新提案について協議か?(2016年7月14日)

ロシアのヴラジミール・プーチン大統領は、モスクワを訪問中のジョン・ケリー米国務長官と会談し、シリア情勢、ウクライナ情勢への対応などについて意見を交わした。

会談には、セルゲイ・ラブロフ外務大臣も同席した。

ロシア大統領府のドミトリー・ペスコフ報道官は、米国側がダーイシュ(イスラーム国)とシャームの民のヌスラ戦線に対する「テロとの戦い」での連携に関してロシア側に新提案を行ったとする『ワシントン・ポスト』(7月12日付、https://www.washingtonpost.com/world/national-security/as-kerry-pushes-for-coordination-with-russia-in-syria-others-in-administration-cry-foul/2016/07/12/83623008-484d-11e6-bdb9-701687974517_story.html?tid=a_inl)の報道に関して「メディアでのリークに関してコメントはしない。米国が直接提案の内容を知らせてくるのを待っている」としつつ、「ロシアは当初から、「テロとの戦い」を効果的に行うには、情報交換だけでなく、共通の取り組みを連携させ、共に行動することが必要だと強調してきた」と述べた。

『ワシントン・ポスト』は、米国がロシアに対して、シリア領内での軍事的な協力関係の強化、とりわけダーイシュとヌスラ戦線の司令拠点、教練キャンプ、兵站路を特定し、空爆するための諜報の交換について提案、ケリー国務長官がロシア側にこれを文書で伝えた、と報じていた。

しかし、ケリー国務長官がこの報道に関してコメントを拒否、「モスクワに行って、プーチン大統領と会う…。このことについて話す十分な時間を設け、みなに我々がどこに至ったかを説明するつもりだ」と述べるにとどめた。

なお、ケリー米国務長官は15日、ラブロフ外務大臣とシリア情勢などへの対応について具体的協議を行う予定。

AFP, July 14, 2016、AP, July 14, 2016、ARA News, July 14, 2016、Champress, July 14, 2016、al-Hayat, July 15, 2016、Iraqi News, July 14, 2016、Kull-na Shuraka’, July 14, 2016、al-Mada Press, July 14, 2016、Naharnet, July 14, 2016、NNA, July 14, 2016、Reuters, July 14, 2016、SANA, July 14, 2016、UPI, July 14, 2016などをもとに作成。

(C)青山弘之 All rights reserved.

トルコのユルドゥルム首相「シリアとも近く関係正常化する」(2016年7月13日)

トルコのビンアリ・ユルドゥルム首相は、ロシアやイスラエルとの最近の関係正常化に倣い、シリアとも近く関係正常化するだろう、と述べた。

アナトリア通信(7月12日付)によると、ユルドゥルム首相は「我々は国内外で友好関係を拡げるつもりだ。実際に国外ではこれを開始し、イスラエル、ロシアとの関係を正常化した。我々はシリアとも関係正常化する…。我々にはそれが必要で、テロとの戦いを成功させるため、シリアとイラクを安定化させるべきなのだ」と述べたという。


AFP, July 13, 2016、Anadolu Ajansı, July 13, 2016、AP, July 13, 2016、ARA News, July 13, 2016、Champress, July 13, 2016、al-Hayat, July 14, 2016、Iraqi News, July 13, 2016、Kull-na Shuraka’, July 13, 2016、al-Mada Press, July 13, 2016、Naharnet, July 13, 2016、NNA, July 13, 2016、Reuters, July 13, 2016、SANA, July 13, 2016、UPI, July 13, 2016などをもとに作成。

(C)青山弘之 All rights reserved.

ダーイシュの幹部司令官アブー・ウマル・シーシャーニー氏が「再び」死亡か?!(2016年7月13日)

ダーイシュ(イスラーム国)についての情報を発信するアアマーク通信は、モスル市郊外のシルカート市でのイラク軍との戦闘に参加していた「シャイフ・ウマル・シーシャーニー」が戦死したと伝えた。

これに関して、クッルナー・シュラカー(7月13日付)、ARA News(7月13日付)などは、「アブー・ウマル・シーシャーニー」が死亡したと伝えた。

Kull-na Shuraka', March 9, 2016
Kull-na Shuraka’, March 9, 2016

シーシャーニー氏をめぐっては、米匿名高官筋が2016年3月、米軍主導の有志連合がシリア北東部で実施した空爆によって死亡したと述べる一方、シリア人権監視団のラーミー・アブドゥッラフマーン代表も、米軍主導の有志連合の空爆で「臨床死」状態にあると述べていた。

アブー・ウマル・シーシャーニー氏、本名タルハン・タユムラゾヴィッチ・バティラシヴィリ(Tarkhan Tayumurazovich Batirashvili)は、1986年生まれで、「シーシャーニー」(チェチェン人)を名乗るが、出身はチェチェンではなくジョージア(グルジア)。

ジョージア軍の元軍曹で、2008年のロシア・ジョージア戦争への従軍したが、2010年に武器の不法所持で逮捕、禁固3年の有罪判決を受けた。

約1年半の服役を経て、2012年初めに釈放され、ジョージアを去り、トルコのイスタンブール、イエメン、エジプトなどを経て、2012年3月にシリアに潜入したとされる。

シリアに潜入後の2012年半ばにチェチェン人戦闘員らとともにムハーリジーン大隊を結成し、アル=カーイダ系組織のシャームの民のヌスラ戦線(イラク・イスラーム国のフロント組織)とともにアレッポ県での戦闘に参加した。

2013年3月、ムハージリーン大隊がシリア人からなるムハンマド軍、ハッターブ大隊を統合し、ムハージリーン・ワ・アンサール軍が結成されると、同組織の指導者を務め、アレッポ県北西部のマンナグ航空基地攻略戦やラタキア県北西部での戦闘に参加した。

2013年4年、イラク・イスラーム国がヌスラ戦線との完全統合を宣言し、イラク・シャーム・イスラーム国(ダーイシュ)へと改称すると(ヌスラ戦線の一部はこれに応じず、また2014年6月にイラク・シャーム・イスラーム国はイスラーム国に改称)、シーシャーニー氏はこれに合流し、翌月5月には北部方面司令官となり、アレッポ県、ラッカ件、ラタキア県、イドリブ県北部での戦闘を指揮し、同年末に北部方面の「アミール」となった。また2014年にはラッカ市に拠点をもつダーイシュのシューラー評議会のメンバーに任命された。

なお、シーシャーニー氏のダーイシュへの合流に対して、ムハージリーン・ワ・アンサール軍内のチェチェン人戦闘員は同調せず、アレッポ県などでヌスラ戦線をはじめとする反体制武装集団と連携して活動を継続した。

AFP, July 13, 2016、AP, July 13, 2016、ARA News, July 13, 2016、Champress, July 13, 2016、al-Hayat, July 14, 2016、Iraqi News, July 13, 2016、Kull-na Shuraka’, July 13, 2016、al-Mada Press, July 13, 2016、Naharnet, July 13, 2016、NNA, July 13, 2016、Reuters, July 13, 2016、SANA, July 13, 2016、UPI, July 13, 2016などをもとに作成。

(C)青山弘之 All rights reserved.

ロシア軍と思われる戦闘機が、米英が支援する新シリア軍と共闘する武装集団が拠点とするヨルダン国境に近くの避難民キャンプを爆撃し、戦闘員、女性、子供が死亡(2016年7月13日)

ダルアー県では、『ハヤート』(7月14日付)などによると、ロシア軍と思われる戦闘機がヨルダン国境に近い避難民キャンプを空爆し、少なくとも12人が死亡、数十人が負傷した。

殉教者アフマド・アブドゥー軍団の報道官を名のるサイード・サイフ・カラムーニー氏によると、空爆はハダラート避難民キャンプに対して行われたという。

複数の反体制活動家によると、戦闘機は12日から同地上空を旋回していたという。

活動家らによると、死者のほとんどは女性と子供だが、そのなかには東部獅子軍の戦闘員複数人も含まれていたという。

なお、殉教者アフマド・アブドゥー軍団は米英が支援する新シリア軍と共闘する武装集団。

また、東部獅子軍は、ダイル・ザウル県から逃れた武装集団がダマスカス郊外県で結成した連合組織で、アサーラ・ワ・タンミヤ戦線が主導、新シリア軍と同根の組織と目される。

またヨルダンの消息筋によると、ヨルダン軍が負傷者のヨルダン領内への搬入を支援したという。

一方、SANA(7月13日付)によると、ロシアからの人道支援物資10トンがイズラア市に搬入された。

AFP, July 13, 2016、AP, July 13, 2016、ARA News, July 13, 2016、Champress, July 13, 2016、al-Hayat, July 14, 2016、Iraqi News, July 13, 2016、Kull-na Shuraka’, July 13, 2016、al-Mada Press, July 13, 2016、Naharnet, July 13, 2016、NNA, July 13, 2016、Reuters, July 13, 2016、SANA, July 13, 2016、UPI, July 13, 2016などをもとに作成。

(C)青山弘之 All rights reserved.

ロシア軍ないしはシリア軍と思われる戦闘機がイドリブ県、ヒムス県を爆撃し、住民15人が死亡(2016年7月13日)

イドリブ県では、シリア人権監視団によると、戦闘機(所属明示せず)がアリーハー市を空爆し、子供3人を含む10人が死亡した。

一方、SANA(7月13日付)によると、カファルヤー町に反体制武装集団が撃った迫撃砲弾が着弾し、住民1人が死亡した。

このほか、ARA News(7月13日付)によると、シャームの民のヌスラ戦線とタフリール軍は、ヌスラ戦線によるタフリール軍幹部の拘束にかかる紛争で和解することで合意した。

**

ヒムス県では、シリア人権監視団によると、戦闘機(所属明示せず)がラスタン市の市場を空爆し、5人が死亡、数十人が負傷した。

一方、SANA(7月13日付)によると、ヒムス市ムハージリーン区に反体制武装集団が撃った迫撃砲弾が複数発が着弾し、5人が負傷した。

**

ハマー県では、シリア人権監視団によると、反体制武装集団がザーラ村の発電所を砲撃した。

これに対して、戦闘機(所属明示せず)がザーラ村、ヒルブナフサ村一帯を空爆、またシリア軍が反体制武装集団と交戦した。

SANA(7月13日付)によると、シャームの民のヌスラ戦線とシャーム自由人イスラーム運動がザーラ村の発電所を砲撃し、甚大な被害を与えた。

**

ダマスカス郊外県では、シリア人権監視団によると、戦闘機(所属明示せず)がドゥーマー市一帯、シャイフーニーヤ村、マイダーアーニー村、フーシュ・ファーラ村を空爆、またスルターン・マルジュ村一帯では、シリア軍、ヒズブッラー戦闘員らが、ジハード主義武装集団と交戦した。

**

クナイトラ県では、SANA(7月13日付)によると、シリア軍がサムダーニーヤ村方面に進軍したシャームの民のヌスラ戦線と交戦した。

**

ロシア国防省は、ラタキア県フマイミーム航空基地のシリア駐留ロシア軍司令部に設置された当事者和解調整センターが、7月11日に4件の停戦違反が発生したことを確認したと発表した。

停戦違反はダマスカス郊外県で発生し、イスラーム軍などが砲撃を行ったという。

米・ロシアによる敵対行為停止合意が発効した2月27日以降の停戦違反件総数は772件。

AFP, July 13, 2016、AP, July 13, 2016、ARA News, July 13, 2016、Champress, July 13, 2016、al-Hayat, July 14, 2016、Iraqi News, July 13, 2016、Kull-na Shuraka’, July 13, 2016、al-Mada Press, July 13, 2016、Naharnet, July 13, 2016、NNA, July 13, 2016、Reuters, July 13, 2016、SANA, July 13, 2016、UPI, July 13, 2016などをもとに作成。

(C)青山弘之 All rights reserved.

アレッポ市カースティール街道をめぐる攻防戦が続くなか、シャーム自由人イスラーム運動はアルド・マッラーフ地区一帯でのシリア軍との戦闘を「自殺行為」と評し、不参加を表明(2016年7月13日)

アレッポ県では、SNN(7月13日付)によると、アレッポ市北部のアルド・マッラーフ地区一帯で、シャームの民のヌスラ戦線、アレッポ・ファトフ軍作戦司令室(ヌールッディーン・ザンキー運動など)からなる反体制武装集団がカースティールー街道封鎖解除をめざしてシリア軍を攻撃、拠点複数カ所を一時制圧したが、ロシア軍の空爆とシリア軍の砲撃により撤退をされた。

また、戦闘機(所属明示せず)がアレッポ市北西部のアナダーン市、フライターン市、マアーッラト・アルティーク村、カフルハムラ村、アレッポ市バニー・ザイド地区、マサーキン・ハナーヌー地区、ジュルーム地区、ハムダーニーヤ地区、シュカイイフ地区を空爆、シリア軍がアレッポ市バニー・ザイド地区、ハーリディーヤ地区、サイフ・ダウラ地区で反体制武装集団と交戦した。

さらに、ARA News(7月13日付)によると、シリア軍戦闘機はアレッポ市フィルドゥース地区、スッカリー地区を空爆した。

こうしたなか、アレッポ・ファトフ軍作戦司令室に参加するシャーム自由人イスラーム運動のアブー・フースフ・ムハージル報道官はツイッターで、アルド・マッラーフ地区一帯でのシリア軍との戦闘が「軍事的自殺行為」だとし、ヌスラ戦線やアレッポ・ファトフ軍作戦司令室に所属するほかの武装集団とそもそも共闘していなかったと主張した。

ムハージル報道官によると、「マッラーフでの最近の戦いにおいて、シャーム自由人は撤退などしていない。なぜなら、そもそも参加していなかったからだ。幹部たちはこの戦いで成功する確率が極めて低いと判断した」という。

また「大敗する確率が高いにもかかわらず、一部の組織が(戦闘への)参加に固執していることは、武勇や男らしさではなく、軍事的自殺行為で、その背後には損害と士気低下しかない」、「シャーム自由人はすべての戦いに参加しているが…、効果がない戦いには介入しない」と付言した。

Kull-na Shuraka', July 14, 2016
Kull-na Shuraka’, July 14, 2016

一方、SANA(7月13日付)によると、アレッポ市中心街にあるアレッポ国立博物館に反体制武装集団が撃った迫撃砲弾複数発が着弾し、博物館の屋根、外壁、事務室、発電室などが損壊した。

AFP, July 13, 2016、AP, July 13, 2016、ARA News, July 13, 2016、Champress, July 13, 2016、al-Hayat, July 14, 2016、Iraqi News, July 13, 2016、Kull-na Shuraka’, July 13, 2016, July 14, 2016、al-Mada Press, July 13, 2016、Naharnet, July 13, 2016、NNA, July 13, 2016、Reuters, July 13, 2016、SANA, July 13, 2016、SNN, July 13, 2016、UPI, July 13, 2016などをもとに作成。

(C)青山弘之 All rights reserved.

YPG主体のシリア民主軍はマンビジュ国立病院制圧をめざしダーイシュと交戦するなか、有志連合の爆撃で男性1人が死亡(2016年7月13日)

アレッポ県では、シリア人権監視団によると、西クルディスタン移行期民政局(ロジャヴァ)人民防衛隊(YPG)主体のシリア民主軍がマンビジュ市各所でダーイシュ(イスラーム国)と交戦した。

戦闘は、同市西部の国立病院一帯やハザーウィナ地区北部で激しく行われ、有志連合の航空支援を受けるシリア民主軍が国立病院制圧を試みるなか、ダーイシュは国立病院近くとサブア・バフラート交差点近く爆弾を積んだ車により、2度にわたり自爆攻撃を行った。

なお、有志連合の空爆により、男性1人が死亡、またダーイシュの自爆攻撃で、シリア民主軍戦闘員8人(北の太陽大隊司令官「アブー・ライラー」を含む)が死亡した。

**

ヒムス県では、シリア人権監視団によると、シリア軍がタドムル市北東部の穀物サイロ地区、砂糖精製工場一帯でダーイシュ(イスラーム国)と交戦した。

一方、SANA(7月13日付)によると、シリア軍がジャバーブ・ハマド村、ウンク・ハワー村一帯でダーイシュ(イスラーム国)の拠点を空爆した。

**

ラッカ県では、シリア人権監視団によると、戦闘機(所属明示せず)がタブカ航空基地一帯のダーイシュ(イスラーム国)拠点を空爆した。

**

ハマー県では、SANA(7月13日付)によると、シリア軍がサラミーヤ市東部のジャニー・アルバーウィー村、スーハー村一帯でダーイシュ(イスラーム国)の拠点を空爆した。

**

ダイル・ザウル県では、SANA(7月13日付)によると、シリア軍がブガイリーヤ村、ジャフラ村、マリーイーヤ村でダーイシュ(イスラーム国)の拠点を空爆した。

AFP, July 13, 2016、AP, July 13, 2016、ARA News, July 13, 2016、Champress, July 13, 2016、al-Hayat, July 14, 2016、Iraqi News, July 13, 2016、Kull-na Shuraka’, July 13, 2016、al-Mada Press, July 13, 2016、Naharnet, July 13, 2016、NNA, July 13, 2016、Reuters, July 13, 2016、SANA, July 13, 2016、UPI, July 13, 2016などをもとに作成。

(C)青山弘之 All rights reserved.

アサド大統領はイラクのファーリフ・ファイヤード内閣国家安全保障担当顧問と会談(2016年7月13日)

アサド大統領は、シリアを訪問したイラクのファーリフ・ファイヤード内閣国家安全保障担当顧問と会談し、ハイダル・アバーディー首相の親書を受け取った。

ファイヤード顧問はアサド大統領との会談で、ダーイシュ(イスラーム国)の支配下にあるモスル市解放に向けた準備状況について説明した。

これに対して、アサド大統領は、ファッルージャ市解放への祝辞を述べるとともに、シリア軍とイラク軍が行う「テロとの戦い」は一つの戦いで、両国におけるテロに対する勝利が双方にとっての勝利につながると述べたという。

SANA(7月13日付)が伝えた。

SANA, July 13, 2016
SANA, July 13, 2016

**

アサド大統領は、2016年政令第210号および第211号を発し、アラー・ムニール・イブラーヒーム氏をダマスカス郊外県知事に、アーミル・イブラーヒーム・アッシー退役少将をスワイダー県知事にそれぞれ任命した。

AFP, July 13, 2016、AP, July 13, 2016、ARA News, July 13, 2016、Champress, July 13, 2016、al-Hayat, July 14, 2016、Iraqi News, July 13, 2016、Kull-na Shuraka’, July 13, 2016、al-Mada Press, July 13, 2016、Naharnet, July 13, 2016、NNA, July 13, 2016、Reuters, July 13, 2016、SANA, July 13, 2016、UPI, July 13, 2016などをもとに作成。

(C)青山弘之 All rights reserved.

米主導の有志連合はロシア軍長距離爆撃機によるタドムル市一帯での爆撃に合わせて同地を爆撃(2016年7月13日)

米軍主導の米中央軍(CENTCOM)は、有志連合がロシア軍が長距離爆撃機を投入し、ヒムス県タドムル市一帯のダーイシュ(イスラーム国)拠点への空爆を再開した12日、タドムル市近郊に対して1回の空爆を実施し、ダーイシュの車輌1台を破壊したことを明らかにした。

**

米中央軍(CENTCOM)は、7月11日~12日までの2日間のシリア、イラク両国での有志連合の戦果をHPで発表した。

7月11日はシリア、イラク領内のダーイシュ拠点などに対して23回の空爆を実施、このうちシリア領内での空爆は16回で、ラッカ市近郊(2回)、マンビジュ市近郊(14回)に対して攻撃が行われた。

7月12日はシリア、イラク領内のダーイシュ(イスラーム国)拠点などに対して27回の空爆を実施、このうちシリア領内での空爆は10回で、ダイル・ザウル市近郊(1回)、マンビジュ市近郊(8回)、タドムル市近郊(1回)に対して攻撃が行われた。

AFP, July 13, 2016、AP, July 13, 2016、ARA News, July 13, 2016、Champress, July 13, 2016、al-Hayat, July 14, 2016、Iraqi News, July 13, 2016、Kull-na Shuraka’, July 13, 2016、al-Mada Press, July 13, 2016、Naharnet, July 13, 2016、NNA, July 13, 2016、Reuters, July 13, 2016、SANA, July 13, 2016、UPI, July 13, 2016などをもとに作成。

(C)青山弘之 All rights reserved.

ダマスカス県ヤルムーク・パレスチナ難民キャンプからのヌスラ戦線メンバーらの退去に向け、同戦線とシリア政府が協議(2016年7月12日)

ダマスカス県では、クッルナー・シュラカー(7月12日付)が信頼できる複数の消息の話として、シリア軍とシャームの民のヌスラ戦線が、ヤルムーク区(パレスチナ難民キャンプ)からのヌスラ戦線戦闘員の退去について交渉を行っていると伝えた。

Kull-na Shuraka', July 12, 2016
Kull-na Shuraka’, July 12, 2016

これに関して、ARA News(7月12日付)は、ヌスラ戦線メンバーは、ヤルムーク区からの退去を希望する民間人、戦闘員を募り始めたと伝えた。

複数の消息筋によると、ヌスラ戦線は、退去希望者リストをシリア政府側に提出したうえで、イドリブ県方面への退去を予定しているという。

AFP, July 12, 2016、AP, July 12, 2016、ARA News, July 12, 2016、Champress, July 12, 2016、al-Hayat, July 13, 2016、Iraqi News, July 12, 2016、Kull-na Shuraka’, July 12, 2016、al-Mada Press, July 12, 2016、Naharnet, July 12, 2016、NNA, July 12, 2016、Reuters, July 12, 2016、SANA, July 12, 2016、UPI, July 12, 2016などをもとに作成。

(C)青山弘之 All rights reserved.

シリア軍はイスラーム軍との戦闘の末、東グータ地方(ダマスカス郊外県)のフーシュ・ファーラ村を制圧(2016年7月12日)

ダマスカス郊外県では、シリア人権監視団によると、シリア軍が東グータ地方での進軍を続け、イスラーム軍との戦闘の末、フーシュ・ファーラ村を制圧した。

また、SNN(7月13日付)によると、シリア軍戦闘機がマイダアーニー村、フーシュ・ナスリー村、ハズラマー村を空爆し、3人が死亡した。

**

ダルアー県では、シリア人権監視団によると、戦闘機(所属明示せず)がアドワーン村を空爆、またシリア軍が撃った地対地ミサイルがダルアー市内に着弾した。

またダルアー市マンシヤ地区では、シリア軍と反体制武装集団が交戦し、反体制武装集団が撃った迫撃砲により10人が死亡した。

一方、SANA(7月12日付)によると、シリア軍がダルアー市旧税関地区南部、マンシヤ地区、タファス市、ジュライン村でシャームの民のヌスラ戦線と交戦した。

また、ダルアー市内に反体制武装集団が撃った迫撃砲弾が着弾し、2人が死亡、多数が負傷した。

**

イドリブ県では、クッルナー・シュラカー(7月12日付)によると、マアッラト・ヌウマーン市とシャイフ・バフル村を結ぶ街道に仕掛けられた爆弾が爆発し、近くを走行中の車に乗っていたシャーム自由人イスラーム運動のメンバー2人が死亡した。

**

クナイトラ県では、SANA(7月12日付)によると、シリア軍がバアス市の人民防衛諸集団とともにクナイトラ市中心街一帯でシャームの民のヌスラ戦線と交戦した。

AFP, July 12, 2016、AP, July 12, 2016、ARA News, July 12, 2016、Champress, July 12, 2016、al-Hayat, July 13, 2016、Iraqi News, July 12, 2016、Kull-na Shuraka’, July 12, 2016、al-Mada Press, July 12, 2016、Naharnet, July 12, 2016、NNA, July 12, 2016、Reuters, July 12, 2016、SANA, July 12, 2016、SNN, July 12, 2016、UPI, July 12, 2016などをもとに作成。

(C)青山弘之 All rights reserved.

アレッポ市東部の反体制武装集団支配地域の閉鎖に成功したシリア軍が同市北西部での進軍し閉鎖強化をめざすなか、国連はアレッポ市住民に退避を呼びかける(2016年7月12日)

アレッポ県では、シリア人権監視団によると、アレッポ市北部のカースティールー街道の封鎖に成功したシリア軍が、同市北西部のライラムーン地区郊外に進軍し、シャームの民のヌスラ戦線、アレッポ・ファトフ軍作戦司令室などからなる反体制武装集団と交戦、同地のSADCOP工場を含むビル複数棟を制圧、カースティールー街道に続くライラムーン交差点に迫った。

シリア軍がライラムーン交差点を掌握すれば、カースティール街道は、アルド・マッラーフ地区南部だけでなく、ライラムーン地区でも封鎖されることになる。

シリア軍はまたアルド・マッラーフ地区一帯、アレッポ市バニー・ザイド地区でも反体制武装集団と交戦したほか、戦闘機(所属明示せず)が同地やカフルハムラ村を空爆した。

Southfront.org, July 9, 2016
Southfront.org, July 9, 2016

**

国連のアレサンドラ・ヴェルチ(Alessandra Vellucci)報道官はスイスの首都ジュネーブでの定例会見で、アレッポ市内でのシリア軍と反体制武装集団の戦闘激化に懸念を表明、人道支援物資搬入と住民避難を呼びかけた。

AFP, July 12, 2016、AP, July 12, 2016、ARA News, July 12, 2016、Champress, July 12, 2016、al-Hayat, July 13, 2016、Iraqi News, July 12, 2016、Kull-na Shuraka’, July 12, 2016、al-Mada Press, July 12, 2016、Naharnet, July 12, 2016、NNA, July 12, 2016、Reuters, July 12, 2016、SANA, July 12, 2016、UPI, July 12, 2016などをもとに作成。

(C)青山弘之 All rights reserved.

ロシア軍が長距離爆撃機を投入し、シリア領内(ヒムス県)でダーイシュに対する爆撃を再開する一方、所属不明の戦闘機がラッカ市にあるダーイシュの武器弾薬庫を攻撃、民間人4人が巻き添えとなり死亡(2016年7月12日)

ヒムス県では、ロシア国防省によると、ロシア南部の空軍基地から発進したロシア空軍のTu-22M3長距離爆撃機6機がタドムル市一帯(タドムル市東部、スフナ市一帯、アーラーク油田一帯)のダーイシュ(イスラーム国)の大規模キャンプを空爆し、武器弾薬庫3カ所、戦車3輌、装甲車4輌、車輌8台を破壊し、多数の戦闘員を殲滅した。

また、ヒムス県では、シリア人権監視団によると、シリア軍がタドムル市北東部の穀物サイロ地区、タドムル航空基地近郊、シャーイル油田一帯、スフナ市一帯でダーイシュ(イスラーム国)と交戦、またフナイフィース村一帯を空爆した。

これに関して、SANA(7月12日付)は、シリア軍がタドムル市北東部の穀物サイロ地区一帯でダーイシュ(イスラーム国)の拠点を空爆したと伝えた。

**

ラッカ県では、シリア人権監視団によると、ラッカ市のバドウ地区でダーイシュ(イスラーム国)の武器弾薬庫が爆発し、ダーイシュ・メンバー7人が死亡した。

爆発は戦闘機(所属明示せず)の空爆によるものと思われ、この爆発と空爆では子供を含む住民4人も死亡した。

**

アレッポ県では、シリア人権監視団によると、西クルディスタン移行期民政局(ロジャヴァ)人民防衛隊(YPG)主体のシリア民主軍が包囲するマンビジュ市内各所でシリア民主軍とダーイシュ(イスラーム国)が交戦、有志連合が同地上空を旋回、市の南部および西部一帯を空爆した。

ARA News(7月12日付)によると、マンビジュ市での戦闘で、ダーイシュの司令官(アミール)の一人アブー・ムハンマド・カフターニー氏らメンバー多数が死亡したという。

**

ダイル・ザウル県では、シリア人権監視団によると、戦闘機(所属明示せず)がダイル・ザウル市内のシリア政府支配地域に食糧物資を投下した。

一方、SANA(7月12日付)によると、シリア軍がマリーイーヤ村、ジャブラ村、サルダ山一帯でダーイシュ(イスラーム国)拠点を空爆した。

**

スワイダー県では、SANA(7月12日付)によると、シリア軍がバナート丘西方から潜入したダーイシュ(イスラーム国)と交戦した。

**

ダマスカス郊外県では、SANA(7月12日付)によると、シリア軍がスィーン航空基地南部一帯でダーイシュ(イスラーム国)の拠点を空爆した。

AFP, July 12, 2016、AP, July 12, 2016、ARA News, July 12, 2016、Champress, July 12, 2016、al-Hayat, July 13, 2016、Iraqi News, July 12, 2016、Kull-na Shuraka’, July 12, 2016、al-Mada Press, July 12, 2016、Naharnet, July 12, 2016、NNA, July 12, 2016、Reuters, July 12, 2016、SANA, July 12, 2016、UPI, July 12, 2016などをもとに作成。

(C)青山弘之 All rights reserved.

ロシアのラヴロフ外務大臣はデミストゥラ・シリア問題担当国連特別代表を批判(2016年7月12日)

ロシアのセルゲイ・ラブロフ外務大臣はアゼルバイジャンの首都バクでの記者会見で、シリア情勢について触れ、スタファン・デミストゥラ・シリア問題担当国連特別代表が「自らの義務履行を拒み、和平協議の新ラウンド開催が頓挫した」と批判した。

ラブロフ外務大臣は「ロシアと米国の対話はシリア人どうしの協議の代わりにはならない」と述べるとともに、リヤド最高交渉委員会に代表される「反体制派」が停戦に応じないことが協議再開を阻害しているとの見方を示した。

また14日にモスクワを訪問予定のジョン・ケリー米国務長官との会談に関して、シャームの民のヌスラ戦線への対応が主な争点になると述べるとともに、「敵対行為停止合意に応じると主張する複数の集団はいるが、これらの組織は実際には、ヌスラ戦線の枠内でテロリストと連携している」と批判した。

またトルコ政府との関係正常化が、シリアにおける政治プロセスを成功させる重要な前提となる、と高く評価した。

AFP, July 12, 2016、AP, July 12, 2016、ARA News, July 12, 2016、Champress, July 12, 2016、al-Hayat, July 13, 2016、Iraqi News, July 12, 2016、Kull-na Shuraka’, July 12, 2016、al-Mada Press, July 12, 2016、Naharnet, July 12, 2016、NNA, July 12, 2016、Reuters, July 12, 2016、SANA, July 12, 2016、UPI, July 12, 2016などをもとに作成。

(C)青山弘之 All rights reserved.

イスラエル軍はブルー・ライン以東のシリア領内に侵入し、有刺鉄線、堀、土塁の建設を開始(2016年7月11日)

クナイトラ県では、ARA News(7月12日付)によると、イスラエル軍がブルー・ライン以東のシリア領内約400メートル地点に重機車輌などを投入し、有刺鉄線、堀、土塁などの建設を開始した。

AFP, July 12, 2016、AP, July 12, 2016、ARA News, July 12, 2016、Champress, July 12, 2016、al-Hayat, July 13, 2016、Iraqi News, July 12, 2016、Kull-na Shuraka’, July 12, 2016、al-Mada Press, July 12, 2016、Naharnet, July 12, 2016、NNA, July 12, 2016、Reuters, July 12, 2016、SANA, July 12, 2016、UPI, July 12, 2016などをもとに作成。

(C)青山弘之 All rights reserved.

アル=カーイダ指導者のザワーヒリー氏は、イスラーム軍のザフラーン・アッルーシュ氏がロシアではなくサウジアラビアによって殺害されたと主張(2016年7月11日)

アル=カーイダ(総司令部)の指導者アイマン・ザワーヒリー氏によると思われる音声声明がインターネットを通じて拡散された。

サハーブ広報製作機構が配信した音声声明のなかで、ザワーヒリー氏と思われる人物は「サウジアラビアはシリアにおける停戦を破綻させようと考え…(イスラーム軍司令官の)ザフラーン・アッルーシュ氏を殺害し、ムジャーヒディーンが偽りの停戦を破棄することを望んだ…。停戦は終わらず、ロシア人ども、ヌサイリー派のバアスどもはそのなかでイスラーム教徒たちを殺し、その家を焼き続けている」と述べた。

ただし、アル=カーイダに忠誠を誓うシャームの民のヌスラ戦線は、アッルーシュ氏が死亡した2015年12月に声明を出し、「ロシアの空爆」によって殺害されたと断じ、遺族に弔意を示している。

一方、ザワーヒリー氏は、ダーイシュ(イスラーム国)の指導者アブー・バクル・バグダーディー氏に対してメッセージを送っているが、反応がないことを明らかにした。

このメッセージのなかで、ザワーヒリー氏は、ダーイシュが拘束、処刑したシリア政府関係者の数を開示するよう求めたが、ダーイシュ側からの回答はないと述べ、ダーイシュを「ハワーリジュ派の継承者」と批判した。

AFP, July 11, 2016、AP, July 11, 2016、ARA News, July 11, 2016、Champress, July 11, 2016、al-Hayat, July 12, 2016、Iraqi News, July 11, 2016、Kull-na Shuraka’, July 11, 2016、al-Mada Press, July 11, 2016、Naharnet, July 11, 2016、NNA, July 11, 2016、Reuters, July 11, 2016、SANA, July 11, 2016、UPI, July 11, 2016などをもとに作成。

(C)青山弘之 All rights reserved.

ダーイシュ戦闘員がヒムス県タドムル市に潜入(2016年7月11日)

ヒムス県では、クッルナー・シュラカー(7月11日付)によると、ダーイシュ(イスラーム国)の戦闘員約10人がタドムル市内に潜入し、シリア軍検問所に対して自爆攻撃を行うなどしてシリア軍と交戦した。

ダーイシュの戦闘員はまた、複数の民家に押し入り、住民複数人を連行したという。

一方、シリア人権監視団によると、シリア軍がアーラーク油田一帯、タドムル市北東部穀物サイロ一帯でダーイシュ(イスラーム国)と交戦した。

また、SANA(7月11日付)によると、シリア軍がフナイフィース村、ジュッブ・ジャッラーフ町一帯でダーイシュ(イスラーム国)の拠点を空爆した。

**

スワイダー県では、SANA(7月11日付)によると、シリア軍がアスラハ村で、灯油を運搬していたダーイシュ(イスラーム国)の車輌を攻撃、破壊した。

**

ラッカ県では、ARA News(7月11日付)によると、西クルディスタン移行期民政局(ロジャヴァ)人民防衛隊(YPG)主体のシリア民主軍が、アイン・イーサー市一帯での戦闘で殺害したダーイシュ(イスラーム国)の司令官(アミール)の遺体を回収した。

AFP, July 11, 2016、AP, July 11, 2016、ARA News, July 11, 2016、Champress, July 11, 2016、al-Hayat, July 12, 2016、Iraqi News, July 11, 2016、Kull-na Shuraka’, July 11, 2016、al-Mada Press, July 11, 2016、Naharnet, July 11, 2016、NNA, July 11, 2016、Reuters, July 11, 2016、SANA, July 11, 2016、UPI, July 11, 2016などをもとに作成。

(C)青山弘之 All rights reserved.

イドリブ県タルマーニーン村への所属不明の戦闘機による爆撃で、ジャズィーラ・チャンネルに協力するフリー・ジャーナリストが死亡、ジャズィーラはロシア軍の爆撃と断定し報道(2016年7月11日)

イドリブ県では、シリア人権監視団によると、戦闘機(ロシア軍、シリア軍かは不明)がタルマーニーン村を空爆し、住民14人が死亡した。

また戦闘機はザーウィヤ山地方のイフスィム町を空爆し、3人が死亡した。

これに関して、カタールの衛星テレビ局ジャズィーラ・チャンネル(7月11日付)は、アル=カーイダ系組織のシャームの民のヌスラ戦線、シャーム自由人イスラーム運動などからなるファトフ軍の支配下にあるイドリブ県で取材活動を行っていたイブラーヒーム・ウマル記者が、タルマーニーン村に対するロシア軍の空爆で死亡したと伝えた。

ウマル記者はジャズィーラ・チャンネルの取材に協力するフリーランスの記者。

ジャズィーラ・チャンネルがタルマーニーン村への空爆がロシア軍によるものだと特定し得た理由については不明。

一方、ドゥラル・シャーミーヤ(7月11日付)によると、ビンニシュ市一帯で活動するシャーム自由人イスラーム運動所属のアフマド・アッサーフ大隊が、シャームの民のヌスラ戦線の車輌に爆弾を仕掛けようとしていたダーイシュ(イスラーム国)のメンバー2人を拘束した。

**

ダマスカス郊外県では、シリア人権監視団によると、ダーライヤー市一帯でシリア軍が反体制武装集団と交戦した。

また戦闘機(所属明示せず)がマイダアー町一帯、フーシュ・ナスリー村、マイダアーニー村などを空爆、マイダアーニー村一帯ではシリア軍と反体制武装集団が交戦した。

一方、SANA(7月11日付)によると、シリア軍が人民防衛諸集団とともにマイダアー町内の軍事拠点や住宅街を襲撃したイスラーム旅団などの反体制武装集団を撃退、同町を完全制圧し、治安を回復した。

**

ハマー県では、SANA(7月11日付)によると、シリア軍がカンタラ村一帯でシャームの民のヌスラ戦線などからなる反体制武装集団と交戦した。

**

ダルアー県では、SANA(7月11日付)によると、シリア軍がシャイフ・フサイン丘および同地周辺の丘陵地帯、ダルアー市旧税関地区西部一帯などでシャームの民のヌスラ戦線と交戦した。

**

ロシア国防省は、ラタキア県フマイミーム航空基地のシリア駐留ロシア軍司令部に設置された当事者和解調整センターが、7月10日に4件の停戦違反が発生したことを確認したと発表した。

停戦違反はダマスカス郊外県で発生し、イスラーム軍などが砲撃を行ったという。

米・ロシアによる敵対行為停止合意が発効した2月27日以降の停戦違反件総数は768件。

AFP, July 11, 2016、AP, July 11, 2016、ARA News, July 11, 2016、Champress, July 11, 2016、al-Durar al-Shamiya, July 11, 2016、al-Hayat, July 12, 2016、Iraqi News, July 11, 2016、Kull-na Shuraka’, July 11, 2016、al-Mada Press, July 11, 2016、Naharnet, July 11, 2016、NNA, July 11, 2016、Reuters, July 11, 2016、SANA, July 11, 2016、UPI, July 11, 2016などをもとに作成。

(C)青山弘之 All rights reserved.

ファトフ軍のサウジ人指導者ムハイスィニー氏はアレッポ市内での自爆戦闘員の派遣を約束(2016年7月11日)

ファトフ軍の事実上の統括者のサウジアラビア人説教師のアブドゥッラー・ムハイスィニー氏は音声声明を発表し、そのなかで、シリア軍、そしてそれを支援するイラク人とイラン人の民兵に対して、アレッポ市内で苦戦を強いられ、同市包囲の試みも失敗に終わるだろうと主張した。

ムハイスィニー氏はまた「アレッポはスンナ派の砦で、我々はアレッポが包囲したままにはしない。アレッポの住民よ喜ぶがよい…。あなた方のもとに戦闘員と自爆戦闘員(インギマースィー)が大挙してやって来るだろう。我々は敵に対して、出口のない…罠に落ちたのはお前たちだと」と強調した。

AFP, July 11, 2016、AP, July 11, 2016、ARA News, July 11, 2016、Champress, July 11, 2016、al-Hayat, July 12, 2016、Iraqi News, July 11, 2016、Kull-na Shuraka’, July 11, 2016、al-Mada Press, July 11, 2016、Naharnet, July 11, 2016、NNA, July 11, 2016、Reuters, July 11, 2016、SANA, July 11, 2016、UPI, July 11, 2016などをもとに作成。

(C)青山弘之 All rights reserved.

ヌスラ戦線とアレッポ・ファトフ軍作戦司令室からなる「反体制派」はシリア軍によるアレッポ市東部街区閉塞に対抗するため、市内での攻撃を激化(2016年7月11日)

アレッポ県では、シリア人権監視団などによると、シャームの民のヌスラ戦線とアレッポ・ファトフ軍作戦司令室からなる反体制武装集団が、シリア軍によって閉鎖されたアレッポ市北部のカースティールー街道の開放をめざし、同街道一帯、アルド・マッラーフ地区南部農場一帯だけでなく、アレッポ市内で、シリア軍への攻撃を激化させた。

カースティールー街道は、反体制武装集団が支配するアレッポ市東部と市外を結ぶ最後の主要な兵站路で、ARA News(7月10日付)などが、10日にシリア軍が封鎖を完了したと伝えていた。

クッルナー・シュラカー(7月11日付)によると、反体制武装集団が攻撃を激化させたのは、アレッポ市内のアカバ地区、ハール市場地区、マシャーリカ地区、スィルヤーン地区、メリディアン地区などで、シリア人権監視団によると、反体制武装集団はこのほかにも、シリア政府支配下のアレッポ市西部の街区に300発以上の迫撃砲弾を撃ち込み、12人が死亡した。

これに関して、SANA(7月11日付)は、アレッポ市住宅街に反体制武装集団が撃った迫撃砲弾複数発が着弾し、8人が死亡、80人以上が負傷したと伝えた。

また、ARA News(7月11日付)によると、シャームの民のヌスラ戦線がハール市場地区解放に向けた戦いを開始したと発表したという。

クッルナー・シュラカー(7月11日付)によると、反体制武装集団はまた、アレッポ市アカバ地区にあるバアス党アレッポ支部施設の地下に掘削したトンネルで爆弾を爆発させ、シリア軍兵士数十人を殺害したという。

反体制武装集団によるアレッポ市内への攻撃に対して、シリア軍はアレッポ市カッラーサ地区、ジュルーム地区、バーブ・カンサリーン地区、バーブ・ハディード地区などを砲撃、また戦闘機(所属不明)がアレッポ市旧市街を空爆し、住民3人が死亡した。

また、クッルナー・シュラカー(7月11日付)によると、シリア軍はアレッポ市バーブ・マカーム地区を空爆し、住民20人が死亡、15人が負傷したという。

さらにロシア軍戦闘機も、カースティール街道一帯を空爆したという。

なお、シリア人権監視団、AFP(7月11日付)によると、シリア軍によるカースティールー街道封鎖により、25万人の住人が残留するとされるアレッポ市東部の反体制武装集団支配地域では食糧物資、燃料が不足し始めているという。

**

一方、ARA News(7月11日付)によると、反体制武装集団は、西クルディスタン移行期民政局(ロジャヴァ)人民防衛隊(YPG)主体のシリア民主軍の支配下にあるタッル・リフアト市を砲撃した。

AFP, July 11, 2016、AP, July 11, 2016、ARA News, July 11, 2016、Champress, July 11, 2016、al-Hayat, July 12, 2016、Iraqi News, July 11, 2016、Kull-na Shuraka’, July 11, 2016、al-Mada Press, July 11, 2016、Naharnet, July 11, 2016、NNA, July 11, 2016、Reuters, July 11, 2016、SANA, July 11, 2016、UPI, July 11, 2016などをもとに作成。

(C)青山弘之 All rights reserved.

シリア軍は講和規定を7月14日まで再延長(2016年7月11日)

シリア軍総司令部は声明を出し、ラマダーン月明けのイード・アドハーに合わせて7月6日に適用を開始していた講和規定を、7月14日23時59分まで再び72時間延長すると発表した。

SANA(7月11日付)が伝えた。

AFP, July 11, 2016、AP, July 11, 2016、ARA News, July 11, 2016、Champress, July 11, 2016、al-Hayat, July 12, 2016、Iraqi News, July 11, 2016、Kull-na Shuraka’, July 11, 2016、al-Mada Press, July 11, 2016、Naharnet, July 11, 2016、NNA, July 11, 2016、Reuters, July 11, 2016、SANA, July 11, 2016、UPI, July 11, 2016などをもとに作成。

(C)青山弘之 All rights reserved.

アサド大統領はハミース新内閣の閣僚任命式後に第1回閣議を招集、市民とのコミュニケーション、市民生活の改善、復興を指示(2016年7月11日)

アサド大統領はイマード・ムハンマド・ディーブ・ハミース新内閣の閣僚任命式を執り行い、その後、第1回閣議を招集した。

アサド大統領は閣議で、新内閣閣僚を前に、各省の部局や現場での活動を通じて市民とコミュニケーションをとり、現実に触れ、国民の苦しみ、ニーズ、そして各省の働きに対する反応を理解するとともに、メディアやルーティーンを通じてでなく現場での活動を重視するよう訓示した。

また、各省の広報機関に対しては、単なる政府の代弁者としてでなく、市民の関心を伝える役割を果たすべく、透明性と信頼性をもって行動するよう強調した。

そのうえで、アサド大統領は、新内閣の最優先事項として市民生活の改善を掲げ、物価上昇への対処、輸出振興、軽工業、中工業、農業の振興、公正な税制の実現、経費削減などに取り組むよう求めた。

さらに、復興事業にも力点を置き、ダマスカス県マッザ区郊外のラーズィー農園跡地での第66建設計(2016年3月着工)に類する事業に着手するよう指示した。

このほか、シリア軍の戦没者・負傷者の家族への支援、汚職撲滅にも力を注ぐよう述べた。

SANA(7月11日付)が伝えた。

SANA, July 11, 2016
SANA, July 11, 2016

AFP, July 11, 2016、AP, July 11, 2016、ARA News, July 11, 2016、Champress, July 11, 2016、al-Hayat, July 12, 2016、Iraqi News, July 11, 2016、Kull-na Shuraka’, July 11, 2016、al-Mada Press, July 11, 2016、Naharnet, July 11, 2016、NNA, July 11, 2016、Reuters, July 11, 2016、SANA, July 11, 2016、UPI, July 11, 2016などをもとに作成。

(C)青山弘之 All rights reserved.

米主導の有志連合は7月8~10日までの3日間でマンビジュ市を24回爆撃(2016年7月11日)

米中央軍(CENTCOM)は、7月8日~10日までの3日間のシリア、イラク両国での有志連合の戦果をHPで発表した。

7月8日はシリア、イラク領内のダーイシュ拠点などに対して17回の空爆を実施、このうちシリア領内での空爆は9回で、ブーカマール市近郊(2回)、ラッカ市近郊(2回)、アイン・イーサー市近郊(1回)、マンビジュ市近郊(3回)に対して攻撃が行われた。

7月9日はシリア、イラク領内のダーイシュ(イスラーム国)拠点などに対して23回の空爆を実施、このうちシリア領内での空爆は13回で、ブーカマール市近郊(1回)、ラッカ市近郊(1回)、マンビジュ市近郊(11回)に対して攻撃が行われた。

7月10日はシリア、イラク領内のダーイシュ(イスラーム国)拠点などに対して26回の空爆を実施、このうちシリア領内での空爆は12回で、ブーカマール市近郊(1回)、マンビジュ市近郊(10回)、マーリア市近郊(1回)に対して攻撃が行われた。

AFP, July 11, 2016、AP, July 11, 2016、ARA News, July 11, 2016、Champress, July 11, 2016、al-Hayat, July 12, 2016、Iraqi News, July 11, 2016、Kull-na Shuraka’, July 11, 2016、al-Mada Press, July 11, 2016、Naharnet, July 11, 2016、NNA, July 11, 2016、Reuters, July 11, 2016、SANA, July 11, 2016、UPI, July 11, 2016などをもとに作成。

(C)青山弘之 All rights reserved.

米軍主導の有志連合がマンビジュ市を爆撃、ダーイシュの幹部1人と民間人2人が死亡(2016年7月10日)

アレッポ県では、シリア人権監視団によると、有志連合が、西クルディスタン移行期民政局(ロジャヴァ)人民防衛隊(YPG)主体のシリア民主軍が包囲するダーイシュ(イスラーム国)支配下のマンビジュ市を空爆しまた同市内のハザーウィナ地区などでシリア民主軍とダーイシュが交戦した。

ARA News(7月10日付)によると、有志連合の空爆でダーイシュの幹部の一人アブー・スハイル・マアッラーウィー氏が死亡、また市内でのシリア民主軍との戦闘で、ダーイシュのマンビジュ市の治安部門の責任者サーフィー・ヤフヤー・ラジャブ氏も死亡した。

なおシリア人権監視団によると、有志連合の空爆ではまた、民間人2人(うち子供1人)も死亡したという。

**

ヒムス県では、シリア人権監視団によると、シリア軍がタドムル市北東部の穀物サイロ一帯でダーイシュ(イスラーム国)と交戦、戦闘機(所属明示せず)が同地やスフナ市一帯を空爆した。

一方、SANA(7月10日付)によると、シリア軍がフナイフィース村一帯、ジュッブ・ジャッラーフ町一帯でダーイシュ(イスラーム国)の拠点を空爆した。

**

ダマスカス郊外県では、シリア人権監視団によると、ドゥマイル市にあるイスラーム軍の拠点(厨房)で激しい爆発が起こった。

爆発は自爆攻撃によるもので、子供3人を含む14人が死亡した。

**

ダイル・ザウル県では、SANA(7月10日付)によると、シリア軍がサルダ山一帯でダーイシュ(イスラーム国)と交戦した。

**

ハマー県では、SANA(7月10日付)によると、シリア軍がウカイリバート町にガソリンを搬送しようとしていたダーイシュ(イシュラーム国)の車列を撃破した。

AFP, July 10, 2016、AP, July 10, 2016、ARA News, July 10, 2016、Champress, July 10, 2016、al-Hayat, July 11, 2016、Iraqi News, July 10, 2016、Kull-na Shuraka’, July 10, 2016、al-Mada Press, July 10, 2016、Naharnet, July 10, 2016、NNA, July 10, 2016、Reuters, July 10, 2016、SANA, July 10, 2016、UPI, July 10, 2016などをもとに作成。

(C)青山弘之 All rights reserved.

アレッポ市北部カースティールー街道一帯で「虎」ことスハイル・ハサン大佐率いるシリア軍が第4師団とともにヌスラ戦線などの攻撃を撃退し、シャーム軍団メンバーら29人を殲滅(2016年7月10日)

アレッポ県では、シリア人権監視団によると、アレッポ市北部のカースティールー街道一帯の制圧に向けて攻撃を続けるシリア軍に対して、シャームの民のヌスラ戦線をはじめとする反体制武装集団(アレッポ・ファトフ軍作戦司令室)が、アルド・マッラーフ地区農場地帯のシリア軍拠点などに対して一大反撃を試みたが、シリア軍が空爆、砲撃などで反撃し、シャーム軍団やヌスラ戦線のメンバーら29人が死亡した。

死亡した戦闘員のうち14人は、トルコが積極支援するシリア・ムスリム同胞団系のシャーム軍団で、そのうちの2人(ムハンマド・バッカール大佐、ズハイル・ハルバー少佐)は司令官(離反士官)だった。

この戦闘では、シリア軍側にも複数の戦死者が出たという。

ARA News(7月10日付)によると、シリア軍は10日早朝にカースティールー街道の制圧を完了したという。

なお、『ハヤート』(7月11日付)によると、シリア軍の作戦を指揮しているのは「虎」の愛称で知られるスハイル・ハサン大佐で、また親政権の複数のサイトでは、アサド大統領の弟マーヒル・アサド准将が事実上の司令官を務める第4師団の兵士が参加、アレッポ市ライラムーン地区、バニー・ザイド地区などでの戦闘に参加しているという。

一方、クッルナー・シュラカー(7月10日付)によると、県西部のシャンタラ村、イッビーン村をロシア軍戦闘機が空爆し、女性と子供を含む民間人23人が死亡した。

他方、SANA(7月10日付)によると、アレッポ市スィルヤーン地区、県庁舎一帯、アシュラフィーヤ地区、ジュマイリーヤ地区をシャームの民のヌスラ戦線、シャーム自由人イスラーム運動が砲撃し、11人が負傷した。

また、SANA(7月10日付)によると、反体制武装集団がアレッポ市中心部に位置するアレッポ城内に侵入を試みたが、シリア軍が応戦し、武装集団全員を殲滅したという。

しかし、ARA News(7月11日付)によると、シャーム戦線はシリア軍が拠点を配置しているアレッポ城に潜入し、兵士多数を殺害したという。

Kull-na Shuraka', July 10, 2016
Kull-na Shuraka’, July 10, 2016
Kull-na Shuraka', July 10, 2016
Kull-na Shuraka’, July 10, 2016

**

ラタキア県では、シリア人権監視団によると、トゥーバール砦一帯、シャラフ村、ワーディー・バースールなどトルコ国境一帯で、「ヤルムークの戦い」作戦司令室とシリア軍、シリア人・外国人民兵が交戦し、戦闘機(所属不明)がクルド山一帯を空爆した。

ヒズブッラーの広報局によると、この戦いでシリア軍側はサラフ村に近い砦を制圧したというが、シャーム自由人イスラーム運動はこれを否定している。

**

ハマー県では、シリア人権監視団によると、ザーラ村一帯でシリア軍とジハード主義武装集団が交戦、後者の戦闘員10人以上が死亡した。

**

ダマスカス郊外県では、シリア人権監視団によると、ハーン・シャイフ・キャンプ一帯、マイダアー町一帯を戦闘機(所属明示せず)が空爆、またダイル・ハビーヤ村一帯、ハラスター市郊外、ダーライヤー市ではシリア軍とジハード主義武装集団が交戦した。

クッルナー・シュラカー(7月10日付)によると、シリア軍はダーライヤー市郊外の農場地帯に進軍したという。

**

ヒムス県では、クッルナー・シュラカー(7月10日付)によると、シリア軍とロシア軍の戦闘機がブルジュ・カーイー村を空爆し、子供を含む10人が死亡した。

一方、SANA(7月10日付)によると、シリア軍がガジャル村・ザーラ村間で特殊作戦を行い、ラスタン市一帯で活動するシャームの民のヌスラ戦線のアミール(司令官)を含む11人を殲滅した。

**

ダルアー県では、SANA(7月10日付)によると、シリア軍がダルアー市電力会社一帯などでシャームの民のヌスラ戦線と交戦した。

**

ロシア国防省は、ラタキア県フマイミーム航空基地のシリア駐留ロシア軍司令部に設置された当事者和解調整センターが、7月9日に2件の停戦違反が発生したことを確認したと発表した。

停戦違反はダマスカス郊外県で発生し、イスラーム軍などが砲撃を行ったという。

米・ロシアによる敵対行為停止合意が発効した2月27日以降の停戦違反件総数は764件。

AFP, July 10, 2016、AP, July 10, 2016、ARA News, July 10, 2016、July 11, 2016、Champress, July 10, 2016、al-Hayat, July 11, 2016、Iraqi News, July 10, 2016、Kull-na Shuraka’, July 10, 2016、al-Mada Press, July 10, 2016、Naharnet, July 10, 2016、NNA, July 10, 2016、Reuters, July 10, 2016、SANA, July 10, 2016、UPI, July 10, 2016などをもとに作成。

(C)青山弘之 All rights reserved.

ダルアー県西部でダーイシュ系のハーリド・ブン・ワリード軍がヌスラ戦線などと交戦(2016年7月10日)

ダルアー県では、シリア人権監視団によると、ダーイシュ(イスラーム国)に忠誠を誓う、ハーリド・ブン・ワリード軍がヤルムーク川流域一帯でシャームの民のヌスラ戦線などからなる反体制武装集団と交戦した。

AFP, July 10, 2016、AP, July 10, 2016、ARA News, July 10, 2016、Champress, July 10, 2016、al-Hayat, July 11, 2016、Iraqi News, July 10, 2016、Kull-na Shuraka’, July 10, 2016、al-Mada Press, July 10, 2016、Naharnet, July 10, 2016、NNA, July 10, 2016、Reuters, July 10, 2016、SANA, July 10, 2016、UPI, July 10, 2016などをもとに作成。

(C)青山弘之 All rights reserved.