米軍主導の有志連合がマンビジュ市を爆撃、ダーイシュの幹部1人と民間人2人が死亡(2016年7月10日)

アレッポ県では、シリア人権監視団によると、有志連合が、西クルディスタン移行期民政局(ロジャヴァ)人民防衛隊(YPG)主体のシリア民主軍が包囲するダーイシュ(イスラーム国)支配下のマンビジュ市を空爆しまた同市内のハザーウィナ地区などでシリア民主軍とダーイシュが交戦した。

ARA News(7月10日付)によると、有志連合の空爆でダーイシュの幹部の一人アブー・スハイル・マアッラーウィー氏が死亡、また市内でのシリア民主軍との戦闘で、ダーイシュのマンビジュ市の治安部門の責任者サーフィー・ヤフヤー・ラジャブ氏も死亡した。

なおシリア人権監視団によると、有志連合の空爆ではまた、民間人2人(うち子供1人)も死亡したという。

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ヒムス県では、シリア人権監視団によると、シリア軍がタドムル市北東部の穀物サイロ一帯でダーイシュ(イスラーム国)と交戦、戦闘機(所属明示せず)が同地やスフナ市一帯を空爆した。

一方、SANA(7月10日付)によると、シリア軍がフナイフィース村一帯、ジュッブ・ジャッラーフ町一帯でダーイシュ(イスラーム国)の拠点を空爆した。

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ダマスカス郊外県では、シリア人権監視団によると、ドゥマイル市にあるイスラーム軍の拠点(厨房)で激しい爆発が起こった。

爆発は自爆攻撃によるもので、子供3人を含む14人が死亡した。

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ダイル・ザウル県では、SANA(7月10日付)によると、シリア軍がサルダ山一帯でダーイシュ(イスラーム国)と交戦した。

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ハマー県では、SANA(7月10日付)によると、シリア軍がウカイリバート町にガソリンを搬送しようとしていたダーイシュ(イシュラーム国)の車列を撃破した。

AFP, July 10, 2016、AP, July 10, 2016、ARA News, July 10, 2016、Champress, July 10, 2016、al-Hayat, July 11, 2016、Iraqi News, July 10, 2016、Kull-na Shuraka’, July 10, 2016、al-Mada Press, July 10, 2016、Naharnet, July 10, 2016、NNA, July 10, 2016、Reuters, July 10, 2016、SANA, July 10, 2016、UPI, July 10, 2016などをもとに作成。

(C)青山弘之 All rights reserved.

アレッポ市北部カースティールー街道一帯で「虎」ことスハイル・ハサン大佐率いるシリア軍が第4師団とともにヌスラ戦線などの攻撃を撃退し、シャーム軍団メンバーら29人を殲滅(2016年7月10日)

アレッポ県では、シリア人権監視団によると、アレッポ市北部のカースティールー街道一帯の制圧に向けて攻撃を続けるシリア軍に対して、シャームの民のヌスラ戦線をはじめとする反体制武装集団(アレッポ・ファトフ軍作戦司令室)が、アルド・マッラーフ地区農場地帯のシリア軍拠点などに対して一大反撃を試みたが、シリア軍が空爆、砲撃などで反撃し、シャーム軍団やヌスラ戦線のメンバーら29人が死亡した。

死亡した戦闘員のうち14人は、トルコが積極支援するシリア・ムスリム同胞団系のシャーム軍団で、そのうちの2人(ムハンマド・バッカール大佐、ズハイル・ハルバー少佐)は司令官(離反士官)だった。

この戦闘では、シリア軍側にも複数の戦死者が出たという。

ARA News(7月10日付)によると、シリア軍は10日早朝にカースティールー街道の制圧を完了したという。

なお、『ハヤート』(7月11日付)によると、シリア軍の作戦を指揮しているのは「虎」の愛称で知られるスハイル・ハサン大佐で、また親政権の複数のサイトでは、アサド大統領の弟マーヒル・アサド准将が事実上の司令官を務める第4師団の兵士が参加、アレッポ市ライラムーン地区、バニー・ザイド地区などでの戦闘に参加しているという。

一方、クッルナー・シュラカー(7月10日付)によると、県西部のシャンタラ村、イッビーン村をロシア軍戦闘機が空爆し、女性と子供を含む民間人23人が死亡した。

他方、SANA(7月10日付)によると、アレッポ市スィルヤーン地区、県庁舎一帯、アシュラフィーヤ地区、ジュマイリーヤ地区をシャームの民のヌスラ戦線、シャーム自由人イスラーム運動が砲撃し、11人が負傷した。

また、SANA(7月10日付)によると、反体制武装集団がアレッポ市中心部に位置するアレッポ城内に侵入を試みたが、シリア軍が応戦し、武装集団全員を殲滅したという。

しかし、ARA News(7月11日付)によると、シャーム戦線はシリア軍が拠点を配置しているアレッポ城に潜入し、兵士多数を殺害したという。

Kull-na Shuraka', July 10, 2016
Kull-na Shuraka’, July 10, 2016
Kull-na Shuraka', July 10, 2016
Kull-na Shuraka’, July 10, 2016

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ラタキア県では、シリア人権監視団によると、トゥーバール砦一帯、シャラフ村、ワーディー・バースールなどトルコ国境一帯で、「ヤルムークの戦い」作戦司令室とシリア軍、シリア人・外国人民兵が交戦し、戦闘機(所属不明)がクルド山一帯を空爆した。

ヒズブッラーの広報局によると、この戦いでシリア軍側はサラフ村に近い砦を制圧したというが、シャーム自由人イスラーム運動はこれを否定している。

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ハマー県では、シリア人権監視団によると、ザーラ村一帯でシリア軍とジハード主義武装集団が交戦、後者の戦闘員10人以上が死亡した。

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ダマスカス郊外県では、シリア人権監視団によると、ハーン・シャイフ・キャンプ一帯、マイダアー町一帯を戦闘機(所属明示せず)が空爆、またダイル・ハビーヤ村一帯、ハラスター市郊外、ダーライヤー市ではシリア軍とジハード主義武装集団が交戦した。

クッルナー・シュラカー(7月10日付)によると、シリア軍はダーライヤー市郊外の農場地帯に進軍したという。

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ヒムス県では、クッルナー・シュラカー(7月10日付)によると、シリア軍とロシア軍の戦闘機がブルジュ・カーイー村を空爆し、子供を含む10人が死亡した。

一方、SANA(7月10日付)によると、シリア軍がガジャル村・ザーラ村間で特殊作戦を行い、ラスタン市一帯で活動するシャームの民のヌスラ戦線のアミール(司令官)を含む11人を殲滅した。

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ダルアー県では、SANA(7月10日付)によると、シリア軍がダルアー市電力会社一帯などでシャームの民のヌスラ戦線と交戦した。

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ロシア国防省は、ラタキア県フマイミーム航空基地のシリア駐留ロシア軍司令部に設置された当事者和解調整センターが、7月9日に2件の停戦違反が発生したことを確認したと発表した。

停戦違反はダマスカス郊外県で発生し、イスラーム軍などが砲撃を行ったという。

米・ロシアによる敵対行為停止合意が発効した2月27日以降の停戦違反件総数は764件。

AFP, July 10, 2016、AP, July 10, 2016、ARA News, July 10, 2016、July 11, 2016、Champress, July 10, 2016、al-Hayat, July 11, 2016、Iraqi News, July 10, 2016、Kull-na Shuraka’, July 10, 2016、al-Mada Press, July 10, 2016、Naharnet, July 10, 2016、NNA, July 10, 2016、Reuters, July 10, 2016、SANA, July 10, 2016、UPI, July 10, 2016などをもとに作成。

(C)青山弘之 All rights reserved.

ダルアー県西部でダーイシュ系のハーリド・ブン・ワリード軍がヌスラ戦線などと交戦(2016年7月10日)

ダルアー県では、シリア人権監視団によると、ダーイシュ(イスラーム国)に忠誠を誓う、ハーリド・ブン・ワリード軍がヤルムーク川流域一帯でシャームの民のヌスラ戦線などからなる反体制武装集団と交戦した。

AFP, July 10, 2016、AP, July 10, 2016、ARA News, July 10, 2016、Champress, July 10, 2016、al-Hayat, July 11, 2016、Iraqi News, July 10, 2016、Kull-na Shuraka’, July 10, 2016、al-Mada Press, July 10, 2016、Naharnet, July 10, 2016、NNA, July 10, 2016、Reuters, July 10, 2016、SANA, July 10, 2016、UPI, July 10, 2016などをもとに作成。

(C)青山弘之 All rights reserved.

ヒムス市での取材中に死亡した米国人女性記者の家族が米国でシリア政府を控訴(2016年7月10日)

ロイター通信(7月10日付)などは、2012年2月にヒムス市バーブ・アムル地区での取材中に死亡した米国人女性記者のマリー・コルヴィン氏(『サンデー・タイムズ』)の家族が、同氏を含む記者複数をシリア政府が殺害しと主張、アサド大統領の弟のマーヒル・アサド准将を含むシリア政府幹部8人を殺人罪で米国内の裁判所に控訴したと伝えた。

コルヴィン氏についてはhttps://syriaarabspring.info/?p=6704を参照。

The Sunday Times, February 22, 2012
The Sunday Times, February 22, 2012

AFP, July 10, 2016、AP, July 10, 2016、ARA News, July 10, 2016、Champress, July 10, 2016、al-Hayat, July 11, 2016、Iraqi News, July 10, 2016、Kull-na Shuraka’, July 10, 2016、al-Mada Press, July 10, 2016、Naharnet, July 10, 2016、NNA, July 10, 2016、Reuters, July 10, 2016、SANA, July 10, 2016、UPI, July 10, 2016などをもとに作成。

(C)青山弘之 All rights reserved.

アサド大統領は欧州議会の使節団と会談し、欧州諸国の失政の矯正を求める(2016年7月10日)

アサド大統領は、欧州議会のジャヴィエール・クーソー副委員長を団長とする欧州議会使節団と首都ダマスカスで会談し、シリア情勢について意見を交わした。

会談でアサド大統領は、欧州議会が欧州各国政府による失政を強制するうえで重要な役割を担っていると強調し、欧州諸国の失政、とりわけ経済制裁がシリア国内の混乱やテロをもたらしているとの見方を示した。

SANA(7月10日付)が伝えた。

SANA, July 10, 2016
SANA, July 10, 2016

AFP, July 10, 2016、AP, July 10, 2016、ARA News, July 10, 2016、Champress, July 10, 2016、al-Hayat, July 11, 2016、Iraqi News, July 10, 2016、Kull-na Shuraka’, July 10, 2016、al-Mada Press, July 10, 2016、Naharnet, July 10, 2016、NNA, July 10, 2016、Reuters, July 10, 2016、SANA, July 10, 2016、UPI, July 10, 2016などをもとに作成。

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