トルコのユルドゥルム首相「シリアとも近く関係正常化する」(2016年7月13日)

トルコのビンアリ・ユルドゥルム首相は、ロシアやイスラエルとの最近の関係正常化に倣い、シリアとも近く関係正常化するだろう、と述べた。

アナトリア通信(7月12日付)によると、ユルドゥルム首相は「我々は国内外で友好関係を拡げるつもりだ。実際に国外ではこれを開始し、イスラエル、ロシアとの関係を正常化した。我々はシリアとも関係正常化する…。我々にはそれが必要で、テロとの戦いを成功させるため、シリアとイラクを安定化させるべきなのだ」と述べたという。


AFP, July 13, 2016、Anadolu Ajansı, July 13, 2016、AP, July 13, 2016、ARA News, July 13, 2016、Champress, July 13, 2016、al-Hayat, July 14, 2016、Iraqi News, July 13, 2016、Kull-na Shuraka’, July 13, 2016、al-Mada Press, July 13, 2016、Naharnet, July 13, 2016、NNA, July 13, 2016、Reuters, July 13, 2016、SANA, July 13, 2016、UPI, July 13, 2016などをもとに作成。

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ダーイシュの幹部司令官アブー・ウマル・シーシャーニー氏が「再び」死亡か?!(2016年7月13日)

ダーイシュ(イスラーム国)についての情報を発信するアアマーク通信は、モスル市郊外のシルカート市でのイラク軍との戦闘に参加していた「シャイフ・ウマル・シーシャーニー」が戦死したと伝えた。

これに関して、クッルナー・シュラカー(7月13日付)、ARA News(7月13日付)などは、「アブー・ウマル・シーシャーニー」が死亡したと伝えた。

Kull-na Shuraka', March 9, 2016
Kull-na Shuraka’, March 9, 2016

シーシャーニー氏をめぐっては、米匿名高官筋が2016年3月、米軍主導の有志連合がシリア北東部で実施した空爆によって死亡したと述べる一方、シリア人権監視団のラーミー・アブドゥッラフマーン代表も、米軍主導の有志連合の空爆で「臨床死」状態にあると述べていた。

アブー・ウマル・シーシャーニー氏、本名タルハン・タユムラゾヴィッチ・バティラシヴィリ(Tarkhan Tayumurazovich Batirashvili)は、1986年生まれで、「シーシャーニー」(チェチェン人)を名乗るが、出身はチェチェンではなくジョージア(グルジア)。

ジョージア軍の元軍曹で、2008年のロシア・ジョージア戦争への従軍したが、2010年に武器の不法所持で逮捕、禁固3年の有罪判決を受けた。

約1年半の服役を経て、2012年初めに釈放され、ジョージアを去り、トルコのイスタンブール、イエメン、エジプトなどを経て、2012年3月にシリアに潜入したとされる。

シリアに潜入後の2012年半ばにチェチェン人戦闘員らとともにムハーリジーン大隊を結成し、アル=カーイダ系組織のシャームの民のヌスラ戦線(イラク・イスラーム国のフロント組織)とともにアレッポ県での戦闘に参加した。

2013年3月、ムハージリーン大隊がシリア人からなるムハンマド軍、ハッターブ大隊を統合し、ムハージリーン・ワ・アンサール軍が結成されると、同組織の指導者を務め、アレッポ県北西部のマンナグ航空基地攻略戦やラタキア県北西部での戦闘に参加した。

2013年4年、イラク・イスラーム国がヌスラ戦線との完全統合を宣言し、イラク・シャーム・イスラーム国(ダーイシュ)へと改称すると(ヌスラ戦線の一部はこれに応じず、また2014年6月にイラク・シャーム・イスラーム国はイスラーム国に改称)、シーシャーニー氏はこれに合流し、翌月5月には北部方面司令官となり、アレッポ県、ラッカ件、ラタキア県、イドリブ県北部での戦闘を指揮し、同年末に北部方面の「アミール」となった。また2014年にはラッカ市に拠点をもつダーイシュのシューラー評議会のメンバーに任命された。

なお、シーシャーニー氏のダーイシュへの合流に対して、ムハージリーン・ワ・アンサール軍内のチェチェン人戦闘員は同調せず、アレッポ県などでヌスラ戦線をはじめとする反体制武装集団と連携して活動を継続した。

AFP, July 13, 2016、AP, July 13, 2016、ARA News, July 13, 2016、Champress, July 13, 2016、al-Hayat, July 14, 2016、Iraqi News, July 13, 2016、Kull-na Shuraka’, July 13, 2016、al-Mada Press, July 13, 2016、Naharnet, July 13, 2016、NNA, July 13, 2016、Reuters, July 13, 2016、SANA, July 13, 2016、UPI, July 13, 2016などをもとに作成。

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ロシア軍と思われる戦闘機が、米英が支援する新シリア軍と共闘する武装集団が拠点とするヨルダン国境に近くの避難民キャンプを爆撃し、戦闘員、女性、子供が死亡(2016年7月13日)

ダルアー県では、『ハヤート』(7月14日付)などによると、ロシア軍と思われる戦闘機がヨルダン国境に近い避難民キャンプを空爆し、少なくとも12人が死亡、数十人が負傷した。

殉教者アフマド・アブドゥー軍団の報道官を名のるサイード・サイフ・カラムーニー氏によると、空爆はハダラート避難民キャンプに対して行われたという。

複数の反体制活動家によると、戦闘機は12日から同地上空を旋回していたという。

活動家らによると、死者のほとんどは女性と子供だが、そのなかには東部獅子軍の戦闘員複数人も含まれていたという。

なお、殉教者アフマド・アブドゥー軍団は米英が支援する新シリア軍と共闘する武装集団。

また、東部獅子軍は、ダイル・ザウル県から逃れた武装集団がダマスカス郊外県で結成した連合組織で、アサーラ・ワ・タンミヤ戦線が主導、新シリア軍と同根の組織と目される。

またヨルダンの消息筋によると、ヨルダン軍が負傷者のヨルダン領内への搬入を支援したという。

一方、SANA(7月13日付)によると、ロシアからの人道支援物資10トンがイズラア市に搬入された。

AFP, July 13, 2016、AP, July 13, 2016、ARA News, July 13, 2016、Champress, July 13, 2016、al-Hayat, July 14, 2016、Iraqi News, July 13, 2016、Kull-na Shuraka’, July 13, 2016、al-Mada Press, July 13, 2016、Naharnet, July 13, 2016、NNA, July 13, 2016、Reuters, July 13, 2016、SANA, July 13, 2016、UPI, July 13, 2016などをもとに作成。

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ロシア軍ないしはシリア軍と思われる戦闘機がイドリブ県、ヒムス県を爆撃し、住民15人が死亡(2016年7月13日)

イドリブ県では、シリア人権監視団によると、戦闘機(所属明示せず)がアリーハー市を空爆し、子供3人を含む10人が死亡した。

一方、SANA(7月13日付)によると、カファルヤー町に反体制武装集団が撃った迫撃砲弾が着弾し、住民1人が死亡した。

このほか、ARA News(7月13日付)によると、シャームの民のヌスラ戦線とタフリール軍は、ヌスラ戦線によるタフリール軍幹部の拘束にかかる紛争で和解することで合意した。

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ヒムス県では、シリア人権監視団によると、戦闘機(所属明示せず)がラスタン市の市場を空爆し、5人が死亡、数十人が負傷した。

一方、SANA(7月13日付)によると、ヒムス市ムハージリーン区に反体制武装集団が撃った迫撃砲弾が複数発が着弾し、5人が負傷した。

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ハマー県では、シリア人権監視団によると、反体制武装集団がザーラ村の発電所を砲撃した。

これに対して、戦闘機(所属明示せず)がザーラ村、ヒルブナフサ村一帯を空爆、またシリア軍が反体制武装集団と交戦した。

SANA(7月13日付)によると、シャームの民のヌスラ戦線とシャーム自由人イスラーム運動がザーラ村の発電所を砲撃し、甚大な被害を与えた。

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ダマスカス郊外県では、シリア人権監視団によると、戦闘機(所属明示せず)がドゥーマー市一帯、シャイフーニーヤ村、マイダーアーニー村、フーシュ・ファーラ村を空爆、またスルターン・マルジュ村一帯では、シリア軍、ヒズブッラー戦闘員らが、ジハード主義武装集団と交戦した。

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クナイトラ県では、SANA(7月13日付)によると、シリア軍がサムダーニーヤ村方面に進軍したシャームの民のヌスラ戦線と交戦した。

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ロシア国防省は、ラタキア県フマイミーム航空基地のシリア駐留ロシア軍司令部に設置された当事者和解調整センターが、7月11日に4件の停戦違反が発生したことを確認したと発表した。

停戦違反はダマスカス郊外県で発生し、イスラーム軍などが砲撃を行ったという。

米・ロシアによる敵対行為停止合意が発効した2月27日以降の停戦違反件総数は772件。

AFP, July 13, 2016、AP, July 13, 2016、ARA News, July 13, 2016、Champress, July 13, 2016、al-Hayat, July 14, 2016、Iraqi News, July 13, 2016、Kull-na Shuraka’, July 13, 2016、al-Mada Press, July 13, 2016、Naharnet, July 13, 2016、NNA, July 13, 2016、Reuters, July 13, 2016、SANA, July 13, 2016、UPI, July 13, 2016などをもとに作成。

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アレッポ市カースティール街道をめぐる攻防戦が続くなか、シャーム自由人イスラーム運動はアルド・マッラーフ地区一帯でのシリア軍との戦闘を「自殺行為」と評し、不参加を表明(2016年7月13日)

アレッポ県では、SNN(7月13日付)によると、アレッポ市北部のアルド・マッラーフ地区一帯で、シャームの民のヌスラ戦線、アレッポ・ファトフ軍作戦司令室(ヌールッディーン・ザンキー運動など)からなる反体制武装集団がカースティールー街道封鎖解除をめざしてシリア軍を攻撃、拠点複数カ所を一時制圧したが、ロシア軍の空爆とシリア軍の砲撃により撤退をされた。

また、戦闘機(所属明示せず)がアレッポ市北西部のアナダーン市、フライターン市、マアーッラト・アルティーク村、カフルハムラ村、アレッポ市バニー・ザイド地区、マサーキン・ハナーヌー地区、ジュルーム地区、ハムダーニーヤ地区、シュカイイフ地区を空爆、シリア軍がアレッポ市バニー・ザイド地区、ハーリディーヤ地区、サイフ・ダウラ地区で反体制武装集団と交戦した。

さらに、ARA News(7月13日付)によると、シリア軍戦闘機はアレッポ市フィルドゥース地区、スッカリー地区を空爆した。

こうしたなか、アレッポ・ファトフ軍作戦司令室に参加するシャーム自由人イスラーム運動のアブー・フースフ・ムハージル報道官はツイッターで、アルド・マッラーフ地区一帯でのシリア軍との戦闘が「軍事的自殺行為」だとし、ヌスラ戦線やアレッポ・ファトフ軍作戦司令室に所属するほかの武装集団とそもそも共闘していなかったと主張した。

ムハージル報道官によると、「マッラーフでの最近の戦いにおいて、シャーム自由人は撤退などしていない。なぜなら、そもそも参加していなかったからだ。幹部たちはこの戦いで成功する確率が極めて低いと判断した」という。

また「大敗する確率が高いにもかかわらず、一部の組織が(戦闘への)参加に固執していることは、武勇や男らしさではなく、軍事的自殺行為で、その背後には損害と士気低下しかない」、「シャーム自由人はすべての戦いに参加しているが…、効果がない戦いには介入しない」と付言した。

Kull-na Shuraka', July 14, 2016
Kull-na Shuraka’, July 14, 2016

一方、SANA(7月13日付)によると、アレッポ市中心街にあるアレッポ国立博物館に反体制武装集団が撃った迫撃砲弾複数発が着弾し、博物館の屋根、外壁、事務室、発電室などが損壊した。

AFP, July 13, 2016、AP, July 13, 2016、ARA News, July 13, 2016、Champress, July 13, 2016、al-Hayat, July 14, 2016、Iraqi News, July 13, 2016、Kull-na Shuraka’, July 13, 2016, July 14, 2016、al-Mada Press, July 13, 2016、Naharnet, July 13, 2016、NNA, July 13, 2016、Reuters, July 13, 2016、SANA, July 13, 2016、SNN, July 13, 2016、UPI, July 13, 2016などをもとに作成。

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YPG主体のシリア民主軍はマンビジュ国立病院制圧をめざしダーイシュと交戦するなか、有志連合の爆撃で男性1人が死亡(2016年7月13日)

アレッポ県では、シリア人権監視団によると、西クルディスタン移行期民政局(ロジャヴァ)人民防衛隊(YPG)主体のシリア民主軍がマンビジュ市各所でダーイシュ(イスラーム国)と交戦した。

戦闘は、同市西部の国立病院一帯やハザーウィナ地区北部で激しく行われ、有志連合の航空支援を受けるシリア民主軍が国立病院制圧を試みるなか、ダーイシュは国立病院近くとサブア・バフラート交差点近く爆弾を積んだ車により、2度にわたり自爆攻撃を行った。

なお、有志連合の空爆により、男性1人が死亡、またダーイシュの自爆攻撃で、シリア民主軍戦闘員8人(北の太陽大隊司令官「アブー・ライラー」を含む)が死亡した。

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ヒムス県では、シリア人権監視団によると、シリア軍がタドムル市北東部の穀物サイロ地区、砂糖精製工場一帯でダーイシュ(イスラーム国)と交戦した。

一方、SANA(7月13日付)によると、シリア軍がジャバーブ・ハマド村、ウンク・ハワー村一帯でダーイシュ(イスラーム国)の拠点を空爆した。

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ラッカ県では、シリア人権監視団によると、戦闘機(所属明示せず)がタブカ航空基地一帯のダーイシュ(イスラーム国)拠点を空爆した。

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ハマー県では、SANA(7月13日付)によると、シリア軍がサラミーヤ市東部のジャニー・アルバーウィー村、スーハー村一帯でダーイシュ(イスラーム国)の拠点を空爆した。

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ダイル・ザウル県では、SANA(7月13日付)によると、シリア軍がブガイリーヤ村、ジャフラ村、マリーイーヤ村でダーイシュ(イスラーム国)の拠点を空爆した。

AFP, July 13, 2016、AP, July 13, 2016、ARA News, July 13, 2016、Champress, July 13, 2016、al-Hayat, July 14, 2016、Iraqi News, July 13, 2016、Kull-na Shuraka’, July 13, 2016、al-Mada Press, July 13, 2016、Naharnet, July 13, 2016、NNA, July 13, 2016、Reuters, July 13, 2016、SANA, July 13, 2016、UPI, July 13, 2016などをもとに作成。

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アサド大統領はイラクのファーリフ・ファイヤード内閣国家安全保障担当顧問と会談(2016年7月13日)

アサド大統領は、シリアを訪問したイラクのファーリフ・ファイヤード内閣国家安全保障担当顧問と会談し、ハイダル・アバーディー首相の親書を受け取った。

ファイヤード顧問はアサド大統領との会談で、ダーイシュ(イスラーム国)の支配下にあるモスル市解放に向けた準備状況について説明した。

これに対して、アサド大統領は、ファッルージャ市解放への祝辞を述べるとともに、シリア軍とイラク軍が行う「テロとの戦い」は一つの戦いで、両国におけるテロに対する勝利が双方にとっての勝利につながると述べたという。

SANA(7月13日付)が伝えた。

SANA, July 13, 2016
SANA, July 13, 2016

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アサド大統領は、2016年政令第210号および第211号を発し、アラー・ムニール・イブラーヒーム氏をダマスカス郊外県知事に、アーミル・イブラーヒーム・アッシー退役少将をスワイダー県知事にそれぞれ任命した。

AFP, July 13, 2016、AP, July 13, 2016、ARA News, July 13, 2016、Champress, July 13, 2016、al-Hayat, July 14, 2016、Iraqi News, July 13, 2016、Kull-na Shuraka’, July 13, 2016、al-Mada Press, July 13, 2016、Naharnet, July 13, 2016、NNA, July 13, 2016、Reuters, July 13, 2016、SANA, July 13, 2016、UPI, July 13, 2016などをもとに作成。

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米主導の有志連合はロシア軍長距離爆撃機によるタドムル市一帯での爆撃に合わせて同地を爆撃(2016年7月13日)

米軍主導の米中央軍(CENTCOM)は、有志連合がロシア軍が長距離爆撃機を投入し、ヒムス県タドムル市一帯のダーイシュ(イスラーム国)拠点への空爆を再開した12日、タドムル市近郊に対して1回の空爆を実施し、ダーイシュの車輌1台を破壊したことを明らかにした。

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米中央軍(CENTCOM)は、7月11日~12日までの2日間のシリア、イラク両国での有志連合の戦果をHPで発表した。

7月11日はシリア、イラク領内のダーイシュ拠点などに対して23回の空爆を実施、このうちシリア領内での空爆は16回で、ラッカ市近郊(2回)、マンビジュ市近郊(14回)に対して攻撃が行われた。

7月12日はシリア、イラク領内のダーイシュ(イスラーム国)拠点などに対して27回の空爆を実施、このうちシリア領内での空爆は10回で、ダイル・ザウル市近郊(1回)、マンビジュ市近郊(8回)、タドムル市近郊(1回)に対して攻撃が行われた。

AFP, July 13, 2016、AP, July 13, 2016、ARA News, July 13, 2016、Champress, July 13, 2016、al-Hayat, July 14, 2016、Iraqi News, July 13, 2016、Kull-na Shuraka’, July 13, 2016、al-Mada Press, July 13, 2016、Naharnet, July 13, 2016、NNA, July 13, 2016、Reuters, July 13, 2016、SANA, July 13, 2016、UPI, July 13, 2016などをもとに作成。

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