イスラエル軍はブルー・ライン以東のシリア領内に侵入し、有刺鉄線、堀、土塁の建設を開始(2016年7月11日)

クナイトラ県では、ARA News(7月12日付)によると、イスラエル軍がブルー・ライン以東のシリア領内約400メートル地点に重機車輌などを投入し、有刺鉄線、堀、土塁などの建設を開始した。

AFP, July 12, 2016、AP, July 12, 2016、ARA News, July 12, 2016、Champress, July 12, 2016、al-Hayat, July 13, 2016、Iraqi News, July 12, 2016、Kull-na Shuraka’, July 12, 2016、al-Mada Press, July 12, 2016、Naharnet, July 12, 2016、NNA, July 12, 2016、Reuters, July 12, 2016、SANA, July 12, 2016、UPI, July 12, 2016などをもとに作成。

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アル=カーイダ指導者のザワーヒリー氏は、イスラーム軍のザフラーン・アッルーシュ氏がロシアではなくサウジアラビアによって殺害されたと主張(2016年7月11日)

アル=カーイダ(総司令部)の指導者アイマン・ザワーヒリー氏によると思われる音声声明がインターネットを通じて拡散された。

サハーブ広報製作機構が配信した音声声明のなかで、ザワーヒリー氏と思われる人物は「サウジアラビアはシリアにおける停戦を破綻させようと考え…(イスラーム軍司令官の)ザフラーン・アッルーシュ氏を殺害し、ムジャーヒディーンが偽りの停戦を破棄することを望んだ…。停戦は終わらず、ロシア人ども、ヌサイリー派のバアスどもはそのなかでイスラーム教徒たちを殺し、その家を焼き続けている」と述べた。

ただし、アル=カーイダに忠誠を誓うシャームの民のヌスラ戦線は、アッルーシュ氏が死亡した2015年12月に声明を出し、「ロシアの空爆」によって殺害されたと断じ、遺族に弔意を示している。

一方、ザワーヒリー氏は、ダーイシュ(イスラーム国)の指導者アブー・バクル・バグダーディー氏に対してメッセージを送っているが、反応がないことを明らかにした。

このメッセージのなかで、ザワーヒリー氏は、ダーイシュが拘束、処刑したシリア政府関係者の数を開示するよう求めたが、ダーイシュ側からの回答はないと述べ、ダーイシュを「ハワーリジュ派の継承者」と批判した。

AFP, July 11, 2016、AP, July 11, 2016、ARA News, July 11, 2016、Champress, July 11, 2016、al-Hayat, July 12, 2016、Iraqi News, July 11, 2016、Kull-na Shuraka’, July 11, 2016、al-Mada Press, July 11, 2016、Naharnet, July 11, 2016、NNA, July 11, 2016、Reuters, July 11, 2016、SANA, July 11, 2016、UPI, July 11, 2016などをもとに作成。

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ダーイシュ戦闘員がヒムス県タドムル市に潜入(2016年7月11日)

ヒムス県では、クッルナー・シュラカー(7月11日付)によると、ダーイシュ(イスラーム国)の戦闘員約10人がタドムル市内に潜入し、シリア軍検問所に対して自爆攻撃を行うなどしてシリア軍と交戦した。

ダーイシュの戦闘員はまた、複数の民家に押し入り、住民複数人を連行したという。

一方、シリア人権監視団によると、シリア軍がアーラーク油田一帯、タドムル市北東部穀物サイロ一帯でダーイシュ(イスラーム国)と交戦した。

また、SANA(7月11日付)によると、シリア軍がフナイフィース村、ジュッブ・ジャッラーフ町一帯でダーイシュ(イスラーム国)の拠点を空爆した。

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スワイダー県では、SANA(7月11日付)によると、シリア軍がアスラハ村で、灯油を運搬していたダーイシュ(イスラーム国)の車輌を攻撃、破壊した。

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ラッカ県では、ARA News(7月11日付)によると、西クルディスタン移行期民政局(ロジャヴァ)人民防衛隊(YPG)主体のシリア民主軍が、アイン・イーサー市一帯での戦闘で殺害したダーイシュ(イスラーム国)の司令官(アミール)の遺体を回収した。

AFP, July 11, 2016、AP, July 11, 2016、ARA News, July 11, 2016、Champress, July 11, 2016、al-Hayat, July 12, 2016、Iraqi News, July 11, 2016、Kull-na Shuraka’, July 11, 2016、al-Mada Press, July 11, 2016、Naharnet, July 11, 2016、NNA, July 11, 2016、Reuters, July 11, 2016、SANA, July 11, 2016、UPI, July 11, 2016などをもとに作成。

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イドリブ県タルマーニーン村への所属不明の戦闘機による爆撃で、ジャズィーラ・チャンネルに協力するフリー・ジャーナリストが死亡、ジャズィーラはロシア軍の爆撃と断定し報道(2016年7月11日)

イドリブ県では、シリア人権監視団によると、戦闘機(ロシア軍、シリア軍かは不明)がタルマーニーン村を空爆し、住民14人が死亡した。

また戦闘機はザーウィヤ山地方のイフスィム町を空爆し、3人が死亡した。

これに関して、カタールの衛星テレビ局ジャズィーラ・チャンネル(7月11日付)は、アル=カーイダ系組織のシャームの民のヌスラ戦線、シャーム自由人イスラーム運動などからなるファトフ軍の支配下にあるイドリブ県で取材活動を行っていたイブラーヒーム・ウマル記者が、タルマーニーン村に対するロシア軍の空爆で死亡したと伝えた。

ウマル記者はジャズィーラ・チャンネルの取材に協力するフリーランスの記者。

ジャズィーラ・チャンネルがタルマーニーン村への空爆がロシア軍によるものだと特定し得た理由については不明。

一方、ドゥラル・シャーミーヤ(7月11日付)によると、ビンニシュ市一帯で活動するシャーム自由人イスラーム運動所属のアフマド・アッサーフ大隊が、シャームの民のヌスラ戦線の車輌に爆弾を仕掛けようとしていたダーイシュ(イスラーム国)のメンバー2人を拘束した。

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ダマスカス郊外県では、シリア人権監視団によると、ダーライヤー市一帯でシリア軍が反体制武装集団と交戦した。

また戦闘機(所属明示せず)がマイダアー町一帯、フーシュ・ナスリー村、マイダアーニー村などを空爆、マイダアーニー村一帯ではシリア軍と反体制武装集団が交戦した。

一方、SANA(7月11日付)によると、シリア軍が人民防衛諸集団とともにマイダアー町内の軍事拠点や住宅街を襲撃したイスラーム旅団などの反体制武装集団を撃退、同町を完全制圧し、治安を回復した。

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ハマー県では、SANA(7月11日付)によると、シリア軍がカンタラ村一帯でシャームの民のヌスラ戦線などからなる反体制武装集団と交戦した。

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ダルアー県では、SANA(7月11日付)によると、シリア軍がシャイフ・フサイン丘および同地周辺の丘陵地帯、ダルアー市旧税関地区西部一帯などでシャームの民のヌスラ戦線と交戦した。

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ロシア国防省は、ラタキア県フマイミーム航空基地のシリア駐留ロシア軍司令部に設置された当事者和解調整センターが、7月10日に4件の停戦違反が発生したことを確認したと発表した。

停戦違反はダマスカス郊外県で発生し、イスラーム軍などが砲撃を行ったという。

米・ロシアによる敵対行為停止合意が発効した2月27日以降の停戦違反件総数は768件。

AFP, July 11, 2016、AP, July 11, 2016、ARA News, July 11, 2016、Champress, July 11, 2016、al-Durar al-Shamiya, July 11, 2016、al-Hayat, July 12, 2016、Iraqi News, July 11, 2016、Kull-na Shuraka’, July 11, 2016、al-Mada Press, July 11, 2016、Naharnet, July 11, 2016、NNA, July 11, 2016、Reuters, July 11, 2016、SANA, July 11, 2016、UPI, July 11, 2016などをもとに作成。

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ファトフ軍のサウジ人指導者ムハイスィニー氏はアレッポ市内での自爆戦闘員の派遣を約束(2016年7月11日)

ファトフ軍の事実上の統括者のサウジアラビア人説教師のアブドゥッラー・ムハイスィニー氏は音声声明を発表し、そのなかで、シリア軍、そしてそれを支援するイラク人とイラン人の民兵に対して、アレッポ市内で苦戦を強いられ、同市包囲の試みも失敗に終わるだろうと主張した。

ムハイスィニー氏はまた「アレッポはスンナ派の砦で、我々はアレッポが包囲したままにはしない。アレッポの住民よ喜ぶがよい…。あなた方のもとに戦闘員と自爆戦闘員(インギマースィー)が大挙してやって来るだろう。我々は敵に対して、出口のない…罠に落ちたのはお前たちだと」と強調した。

AFP, July 11, 2016、AP, July 11, 2016、ARA News, July 11, 2016、Champress, July 11, 2016、al-Hayat, July 12, 2016、Iraqi News, July 11, 2016、Kull-na Shuraka’, July 11, 2016、al-Mada Press, July 11, 2016、Naharnet, July 11, 2016、NNA, July 11, 2016、Reuters, July 11, 2016、SANA, July 11, 2016、UPI, July 11, 2016などをもとに作成。

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ヌスラ戦線とアレッポ・ファトフ軍作戦司令室からなる「反体制派」はシリア軍によるアレッポ市東部街区閉塞に対抗するため、市内での攻撃を激化(2016年7月11日)

アレッポ県では、シリア人権監視団などによると、シャームの民のヌスラ戦線とアレッポ・ファトフ軍作戦司令室からなる反体制武装集団が、シリア軍によって閉鎖されたアレッポ市北部のカースティールー街道の開放をめざし、同街道一帯、アルド・マッラーフ地区南部農場一帯だけでなく、アレッポ市内で、シリア軍への攻撃を激化させた。

カースティールー街道は、反体制武装集団が支配するアレッポ市東部と市外を結ぶ最後の主要な兵站路で、ARA News(7月10日付)などが、10日にシリア軍が封鎖を完了したと伝えていた。

クッルナー・シュラカー(7月11日付)によると、反体制武装集団が攻撃を激化させたのは、アレッポ市内のアカバ地区、ハール市場地区、マシャーリカ地区、スィルヤーン地区、メリディアン地区などで、シリア人権監視団によると、反体制武装集団はこのほかにも、シリア政府支配下のアレッポ市西部の街区に300発以上の迫撃砲弾を撃ち込み、12人が死亡した。

これに関して、SANA(7月11日付)は、アレッポ市住宅街に反体制武装集団が撃った迫撃砲弾複数発が着弾し、8人が死亡、80人以上が負傷したと伝えた。

また、ARA News(7月11日付)によると、シャームの民のヌスラ戦線がハール市場地区解放に向けた戦いを開始したと発表したという。

クッルナー・シュラカー(7月11日付)によると、反体制武装集団はまた、アレッポ市アカバ地区にあるバアス党アレッポ支部施設の地下に掘削したトンネルで爆弾を爆発させ、シリア軍兵士数十人を殺害したという。

反体制武装集団によるアレッポ市内への攻撃に対して、シリア軍はアレッポ市カッラーサ地区、ジュルーム地区、バーブ・カンサリーン地区、バーブ・ハディード地区などを砲撃、また戦闘機(所属不明)がアレッポ市旧市街を空爆し、住民3人が死亡した。

また、クッルナー・シュラカー(7月11日付)によると、シリア軍はアレッポ市バーブ・マカーム地区を空爆し、住民20人が死亡、15人が負傷したという。

さらにロシア軍戦闘機も、カースティール街道一帯を空爆したという。

なお、シリア人権監視団、AFP(7月11日付)によると、シリア軍によるカースティールー街道封鎖により、25万人の住人が残留するとされるアレッポ市東部の反体制武装集団支配地域では食糧物資、燃料が不足し始めているという。

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一方、ARA News(7月11日付)によると、反体制武装集団は、西クルディスタン移行期民政局(ロジャヴァ)人民防衛隊(YPG)主体のシリア民主軍の支配下にあるタッル・リフアト市を砲撃した。

AFP, July 11, 2016、AP, July 11, 2016、ARA News, July 11, 2016、Champress, July 11, 2016、al-Hayat, July 12, 2016、Iraqi News, July 11, 2016、Kull-na Shuraka’, July 11, 2016、al-Mada Press, July 11, 2016、Naharnet, July 11, 2016、NNA, July 11, 2016、Reuters, July 11, 2016、SANA, July 11, 2016、UPI, July 11, 2016などをもとに作成。

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シリア軍は講和規定を7月14日まで再延長(2016年7月11日)

シリア軍総司令部は声明を出し、ラマダーン月明けのイード・アドハーに合わせて7月6日に適用を開始していた講和規定を、7月14日23時59分まで再び72時間延長すると発表した。

SANA(7月11日付)が伝えた。

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アサド大統領はハミース新内閣の閣僚任命式後に第1回閣議を招集、市民とのコミュニケーション、市民生活の改善、復興を指示(2016年7月11日)

アサド大統領はイマード・ムハンマド・ディーブ・ハミース新内閣の閣僚任命式を執り行い、その後、第1回閣議を招集した。

アサド大統領は閣議で、新内閣閣僚を前に、各省の部局や現場での活動を通じて市民とコミュニケーションをとり、現実に触れ、国民の苦しみ、ニーズ、そして各省の働きに対する反応を理解するとともに、メディアやルーティーンを通じてでなく現場での活動を重視するよう訓示した。

また、各省の広報機関に対しては、単なる政府の代弁者としてでなく、市民の関心を伝える役割を果たすべく、透明性と信頼性をもって行動するよう強調した。

そのうえで、アサド大統領は、新内閣の最優先事項として市民生活の改善を掲げ、物価上昇への対処、輸出振興、軽工業、中工業、農業の振興、公正な税制の実現、経費削減などに取り組むよう求めた。

さらに、復興事業にも力点を置き、ダマスカス県マッザ区郊外のラーズィー農園跡地での第66建設計(2016年3月着工)に類する事業に着手するよう指示した。

このほか、シリア軍の戦没者・負傷者の家族への支援、汚職撲滅にも力を注ぐよう述べた。

SANA(7月11日付)が伝えた。

SANA, July 11, 2016
SANA, July 11, 2016

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米主導の有志連合は7月8~10日までの3日間でマンビジュ市を24回爆撃(2016年7月11日)

米中央軍(CENTCOM)は、7月8日~10日までの3日間のシリア、イラク両国での有志連合の戦果をHPで発表した。

7月8日はシリア、イラク領内のダーイシュ拠点などに対して17回の空爆を実施、このうちシリア領内での空爆は9回で、ブーカマール市近郊(2回)、ラッカ市近郊(2回)、アイン・イーサー市近郊(1回)、マンビジュ市近郊(3回)に対して攻撃が行われた。

7月9日はシリア、イラク領内のダーイシュ(イスラーム国)拠点などに対して23回の空爆を実施、このうちシリア領内での空爆は13回で、ブーカマール市近郊(1回)、ラッカ市近郊(1回)、マンビジュ市近郊(11回)に対して攻撃が行われた。

7月10日はシリア、イラク領内のダーイシュ(イスラーム国)拠点などに対して26回の空爆を実施、このうちシリア領内での空爆は12回で、ブーカマール市近郊(1回)、マンビジュ市近郊(10回)、マーリア市近郊(1回)に対して攻撃が行われた。

AFP, July 11, 2016、AP, July 11, 2016、ARA News, July 11, 2016、Champress, July 11, 2016、al-Hayat, July 12, 2016、Iraqi News, July 11, 2016、Kull-na Shuraka’, July 11, 2016、al-Mada Press, July 11, 2016、Naharnet, July 11, 2016、NNA, July 11, 2016、Reuters, July 11, 2016、SANA, July 11, 2016、UPI, July 11, 2016などをもとに作成。

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