欧米諸国が支援する「穏健な反体制派」(ヌールッディーン・ザンキー運動)がパレスチナ人の少年を処刑(2016年7月19日)

ヌールッディーン・ザンキー運動は声明を出し、アレッポ市北部のハンダラート・キャンプ一帯でのシリア軍、クドス旅団との戦闘中に捕捉した子供1人を処刑したことを認めつつ、この処刑が「個人的な過ち」によってもたらされたと強調、組織としての関与を否定した。

ARA News(7月19日付)、SANA(7月19日付)などによると、6歳に満たないパレスチナ人の少年を「パレスチナ人の民兵組織クドス旅団のメンバー」だとして、ヌールッディーン・ザンキー運動の戦闘員が処刑するシーンを撮影したとされる映像が複数の活動家によってインターネット上に拡散されていた。

処刑されたとされる少年はヒムス市バーブ・スィバーア地区出身のアブドゥッラー・イーサーくん。

シリア人権監視団によると、処刑はアレッポ市マシュハド地区で行われた。

ヌールッディーン・ザンキー運動は、シャーム戦線に所属する「穏健な反体制派」で、シャーム自由人イスラーム運動も参加するアレッポ・ファトフ軍作戦司令室に参加し、シャームの民のヌスラ戦線と共闘し、トルコ経由で米国製のTOW対戦車ミサイルを入手するなどして、アレッポ市北部でのシリア軍との戦闘を主導している。

ARA News, July 19, 2016
ARA News, July 19, 2016

 

AFP, July 19, 2016、AP, July 19, 2016、ARA News, July 19, 2016、Champress, July 19, 2016、al-Hayat, July 20, 2016、Iraqi News, July 19, 2016、Kull-na Shuraka’, July 19, 2016、al-Mada Press, July 19, 2016、Naharnet, July 19, 2016、NNA, July 19, 2016、Reuters, July 19, 2016、SANA, July 19, 2016、UPI, July 19, 2016などをもとに作成。

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アサド大統領の長男ハーフィズ氏が科学オリンピックでシリアの数学チーム・メンバーとして感謝状を受ける(2016年7月19日)

SANA(7月19日付)は、シリアの科学オリンピック代表チームが、香港で開催された第57回科学オリンピック大会とスイスで開催された第47回国際物理オリンピック大会で銅メダル三つと感謝状4通を授与されたと伝えた。

銅メダルを獲得したのは、ムハンマド・フナイヌー氏、マールク・ジャッブール氏、ガイス・ザーヒリー氏で、感謝状を授与されたのは、数学チームのアサド大統領の長男のハーフィズ・バッシャール・アサド氏、アフマド・マフラズ氏、ジュルナール・シャフード氏、物理学チームのナビール・ハリール氏。

なおクッルナー・シュラカー(7月17日付)によると、SANAが公開した写真の中央に写っている白いTシャツを着た長身の青年がハーフィズ・バッシャール・アサド氏。

SANA, July 19, 2016
SANA, July 19, 2016

AFP, July 19, 2016、AP, July 19, 2016、ARA News, July 19, 2016、Champress, July 19, 2016、al-Hayat, July 20, 2016、Iraqi News, July 19, 2016、Kull-na Shuraka’, July 19, 2016、al-Mada Press, July 19, 2016、Naharnet, July 19, 2016、NNA, July 19, 2016、Reuters, July 19, 2016、SANA, July 19, 2016、UPI, July 19, 2016などをもとに作成。

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アレッポ市北部のカースティールー街道を完全制圧したシリア軍が、同地の支配とアレッポ市東部の反体制武装集団支配地域への包囲を強化するため、ハンダラート・キャンプ一帯で攻勢(2016年7月19日)

アレッポ県では、シリア人権監視団によると、アレッポ市北部のカースティールー街道を完全制圧したシリア軍がパレスチナ人の民兵組織クドス旅団などとともに、同地の支配とアレッポ市東部の反体制武装集団支配地域への包囲を強化するため、同市北部のハンダラート・キャンプ一帯でアレッポ・ファトフ軍作戦司令室などからなる反体制武装集団と交戦、また戦闘機(所属明示せず)が同地を空爆した。

戦闘機はまた、アレッポ市フルワーニーヤ地区、バーブ街道地区などの反体制武装集団支配地域への空爆を継続し、子供2人を含む12人が死亡したほか、アレッポ市北東部のアターリブ市一帯に対しても空爆を行った。

ARA News(7月19日付)によると、アターリブ市に対して空爆を行ったのはロシア軍で、これにより多数の住民が死傷したという。

ARA News(7月19日付)によると、シリア軍とロシア軍の戦闘機はさらに、アレッポ市サーフール地区、カーティルジー地区、バーブ・ナイラブ地区、フィルドゥース地区、サーリヒーン地区、マシュハド地区を空爆・砲撃し、数十人が死亡したという。

一方、ARA News(7月19日付)によると、西クルディスタン移行期民政局(ロジャヴァ)人民防衛隊(YPG)主体のシリア民主軍の支配下にあるタッル・リフアト市を反体制武装集団が砲撃した。

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ダマスカス郊外県では、シリア人権監視団によると、戦闘機(所属明示せず)がハラスター市、バイト・サワー村、ドゥーマー市一帯を空爆し、住民10人が死亡した。

一方、SANA(7月19日付)によると、イスラーム軍がハラスター市郊外を砲撃し、1人が死亡、5人が負傷した。

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ラタキア県では、シリア人権監視団によると、キンサッバー町一帯で、シリア軍、砂漠の鷹旅団などのシリア人・外国人民兵が、シャームの民のヌスラ戦線などからなる「ヤルムークの戦い」作戦司令室と交戦した。

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イドリブ県では、ARA News(7月19日付)によると、ファトフ軍がフーア市、カファルヤー町を砲撃した。

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ロシア国防省は、ラタキア県フマイミーム航空基地のシリア駐留ロシア軍司令部に設置された当事者和解調整センターが、7月18日に3件の停戦違反が発生したことを確認したと発表した。

停戦違反はダマスカス郊外県で発生し、イスラーム軍などが砲撃を行ったという。

AFP, July 19, 2016、AP, July 19, 2016、ARA News, July 19, 2016、Champress, July 19, 2016、al-Hayat, July 20, 2016、Iraqi News, July 19, 2016、Kull-na Shuraka’, July 19, 2016、al-Mada Press, July 19, 2016、Naharnet, July 19, 2016、NNA, July 19, 2016、Reuters, July 19, 2016、SANA, July 19, 2016、UPI, July 19, 2016などをもとに作成。

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シリア軍がハマー県東部でダーイシュと交戦の末、石油パイプラインを奪還(2016年7月19日)

ハマー県では、SANA(7月19日付)によると、シリア軍がダーイシュ(イスラーム国)との戦闘の末、サラミーヤ市東方の石油パイプラインを奪還した。

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ダイル・ザウル県では、シリア人権監視団によると、ダーイシュ(イスラーム国)がダイル・ザウル市一帯各所で拘束した男性11人を処刑した。

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アレッポ県では、ARA News(7月19日付)によると、トルコ国境に近い反体制武装集団の拠点都市マーリア市をダーイシュ(イスラーム国)が砲撃した。

これに対し、シャーム軍団、スルターン・ムラード師団、ハムザ旅団はドゥーディヤーン村奪還をめざしダーイシュと交戦した。

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米主導の有志連合はダーイシュが籠城するマンビジュ市北部のトゥーハール村に対する爆撃で民間人50人以上を殺害する一方、シリア外務省はフランス空軍がトゥーハーン村を爆撃し、住民120人以上を殺害したと国連に報告(2016年7月19日)

アレッポ県では、シリア人権監視団などによると、米軍主導の有志連合が、ダーイシュ(イスラーム国)の支配下にあるトゥーハール(توخار)村(マンビジュ市北部)を空爆し、子供11人を含む民間人56人が死亡し、数十人が負傷した。

同監視団によると、住民はダーイシュと西クルディスタン移行期民政局(ロジャヴァ)人民防衛隊(YPG)主体のシリア民主軍との戦闘を避けるため非難しようとしていたところを空爆され、「同村一帯のダーイシュを有志連合が攻撃するなかでの誤爆だと思われる」という。

これに関して、ダーイシュの戦果を宣伝するアアマーク通信(7月19日付)は、有志連合によるトゥーハール村空爆で民間人160人が死亡したと発表した。

なお、有志連合は18日にもマンビジュ市、トゥーハール村などを空爆し、民間人21人を殺害していた。

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アレッポ市一帯で活動するアレッポ・ファトフ軍作戦司令室は声明を出し、有志連合によるトゥーハール村への空爆を「虐殺」と非難するとともに、民間人を保護するための措置を講じるよう求めた。

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一方、外務在外居住者省は国連事務総長と安保理議長宛に書簡を送り、フランス空軍がアレッポ市マンビジュ市北部のトゥーハーン(طوخان)村を空爆し、住民を「虐殺」したと報告、これを非難するよう要請した。

書簡によると、フランス空軍は米軍主導の有志連合に参加し、シリア領内での違法な空爆を行ってきたが、19日にトゥーハーン村に対して行った空爆では、住民120人以上が死亡、数十人が負傷、数十人が行方不明となったという。

犠牲者のほとんどは女性、子供、老人。

なお、外務在外居住者省によると、有志連合がマンビジュ市ハザーウィヤ地区に対して行った空爆で18日にも住民20人が死亡、数十人が負傷したという。


米・ロシアによる敵対行為停止合意が発効した2月27日以降の停戦違反件総数は788件。

AFP, July 19, 2016、AP, July 19, 2016、ARA News, July 19, 2016、Champress, July 19, 2016、al-Hayat, July 20, 2016、Iraqi News, July 19, 2016、Kull-na Shuraka’, July 19, 2016、al-Mada Press, July 19, 2016、Naharnet, July 19, 2016、NNA, July 19, 2016、Reuters, July 19, 2016、SANA, July 19, 2016、UPI, July 19, 2016などをもとに作成。

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米主導の有志連合は15~18日までの4日間でダーイシュが籠城するマンビジュ市一帯を45回爆撃したと発表(2016年7月19日)

米中央軍(CENTCOM)は、7月15日~18日までの4日間のシリア、イラク両国での有志連合の戦果をHPで発表した。

7月15日はシリア、イラク領内のダーイシュ(イスラーム国)拠点などに対して23回の空爆を実施、このうちシリア領内での空爆は13回で、ラッカ市近郊(2回)、マンビジュ市近郊(9回)、マーリア市近郊(2回)に対して攻撃が行われた。

7月16日はシリア、イラク領内のダーイシュ拠点などに対して17回の空爆を実施、このうちシリア領内での空爆は9回で、ブーカマール市近郊(1回)、ラッカ市近郊(1回)、マンビジュ市近郊(7回)に対して攻撃が行われた。

7月17日はシリア、イラク領内のダーイシュ拠点などに対して23回の空爆を実施、このうちシリア領内での空爆は12回で、ブーカマール市近郊(1回)、マンビジュ市近郊(11回)に対して攻撃が行われた。

7月18日はシリア、イラク領内のダーイシュ拠点などに対して31回の空爆を実施、このうちシリア領内での空爆は21回で、ダイル・ザウル市近郊(1回)、マンビジュ市近郊(18回)、マーリア市近郊(2回)に対して攻撃が行われた。

有志連合の合同司令部はまた、西クルディスタン移行期民政局(ロジャヴァ)人民防衛隊(YPG)主体のシリア民主軍が17日、マンビジュ市内のダーイシュが作戦本部として使用していた病院(マンビジュ国立病院)を制圧したと発表した。

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