シリア軍によるカースティール街道完全制圧後もアレッポ市北部一帯でシリア軍とヌスラ戦線などからなる反体制派の戦闘続く(2016年7月18日)

アレッポ県では、シリア人権監視団によると、17日のシリア軍によるカースティールー街道一帯の完全制圧とアレッポ市東部の反体制武装集団支配地域を全面封鎖以降も、アレッポ市北部のアルド・マッラーフ地区農場一帯、カースティール街道一帯でシリア軍が、シャームの民のヌスラ戦線、アレッポ・ファトフ軍作戦司令室などからなる反体制武装集団と交戦を続けた。

また反体制武装集団は、アレッポ市スィルヤーン地区新市街、アシュラフィーヤ地区、ファイサル通り地区を砲撃、これに対して戦闘機(所属明示せず)はアレッポ市マイサル地区を空爆した。

ARA News(7月18日付)によると、シリア軍戦闘機はアレッポ市カーティルジー地区を空爆する一方、ロシア軍戦闘機はアレッポ市西部一帯(ジャムイーヤト・ムハンディスィーン地区など)を空爆したという。

一方、SANA(7月18日付)によると、シリア軍が人民防衛諸集団とともにアレッポ市ライラムーン地区で反体制武装集団と交戦し、同地区の複数の建物群を制圧した。

このほか、ARA News(7月18日付)によると、アレッポ市北部の工業団地地区に近いシャイフ・ユースフ丘一帯を反体制武装集団が砲撃、シリア軍と交戦した。

また、アレッポ市シャイフ・マクスード地区に侵入しようとした反体制武装集団(第16歩兵師団)戦闘員3人を西クルディスタン移行期民政局人民防衛隊が殺害した。

さらに、新生ファトフ軍はアレッポ市南部のシュガイディラ・ダム一帯のシリア軍拠点を攻撃した。

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ラタキア県では、シリア人権監視団によると、シリア軍、シリア人・外国人民兵が、キンサッバー町および同地周辺(クルド山一帯)で、シャームの民のヌスラ戦線、トルキスターン・イスラーム党などからなる反体制武装集団と交戦した。

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ダマスカス郊外県では、シリア人権監視団によると、シリア軍がダーライヤー市一帯でジハード主義武装集団と交戦、「樽爆弾」、地対地ミサイルで同地を攻撃した。

また戦闘機(所属明示せず)がリーハーン農場一帯、ザーキヤ町一帯を空爆し、複数人が死傷した。

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ダルアー県では、SANA(7月18日付)によると、シリア軍がブスラー・シャーム市東部からワーディー・ザイディーに向かって移動中のシャームの民のヌスラ戦線と交戦した。

シリア軍はまた、ハッラーブ・シャフム村街道、ダルアー市旧税関地区、郵便局一帯、ブスラー広場一帯でヌスラ戦線と交戦した。

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クナイトラ県では、SANA(7月18日付)によると、シリア軍がハミーディーヤ村・サムダーニーヤ村回廊などでシャームの民のヌスラ戦線と交戦した。

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ヒムス県では、クッルナー・シュラカー(7月18日付)によると、ヒムス市ワアル地区に赤十字国際委員会とシリア赤新月社のチームが人道支援物資(貨物車輌26輌分)を搬入した。

一方、SANA(7月18日付)によると、シリア軍がガジャル村一帯でシャームの民のヌスラ戦線と交戦した。

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スワイダー県では、SANA(7月18日付)によると、ビール地区でシリア軍がシャームの民のヌスラ戦線と交戦した。

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ロシア国防省は、ラタキア県フマイミーム航空基地のシリア駐留ロシア軍司令部に設置された当事者和解調整センターが、7月17日に1件の停戦違反が発生したことを確認したと発表した。

米・ロシアによる敵対行為停止合意が発効した2月27日以降の停戦違反件総数は785件。

AFP, July 18, 2016、AP, July 18, 2016、ARA News, July 18, 2016、Champress, July 18, 2016、al-Hayat, July 19, 2016、Iraqi News, July 18, 2016、Kull-na Shuraka’, July 18, 2016、al-Mada Press, July 18, 2016、Naharnet, July 18, 2016、NNA, July 18, 2016、Reuters, July 18, 2016、SANA, July 18, 2016、UPI, July 18, 2016などをもとに作成。

(C)青山弘之 All rights reserved.

ダーイシュはYPG主体のシリア民主軍が包囲するマンビジュ市郊外の村を攻撃し、シリア民主軍戦闘員50人あまりを殺害(2016年7月18日)

アレッポ県では、シリア人権監視団によると、西クルディスタン移行期民政局(ロジャヴァ)人民防衛隊(YPG)主体のシリア民主軍が包囲するマンビジュ市内西部および北部で、シリア民主軍とダーイシュ(イスラーム国)の戦闘が続き、シリア民主軍の戦闘員9人が死亡した。

またマンビジュ市郊外に位置するカルドゥーシャーナ村、ハムダーナート村では、ダーイシュがシリア民主軍の拠点に対する自爆攻撃を行い、戦闘員50人あまりが死亡した。

一方、米軍主導の有志連合は、トルコでのクーデタ未遂事件により一時使用が中止されていたインジルリク空軍基地からシリア領内のダーイシュ拠点に対する空爆を再開し、マンビジュ市一帯などで空爆を実施し、民間人21人が巻き添えなり死亡した。

他方、SANA(7月18日付)によると、シリア軍がアレッポ市党部の航空士官学校一帯に侵入しようとしたダーイシュ(イスラーム国)を撃退した。

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ヒムス県では、シリア人権監視団によると、タドムル市北東部の穀物サイロ地区一帯、タドムル市・スフナ市街道一帯で、シリア軍、国防隊がダーイシュ(イスラーム国)と交戦した。

一方、SANA(7月18日付)によると、シリア軍がシャーイル油田一帯、フワイスィース村一帯でダーイシュ(イスラーム国)拠点を空爆した。

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ハマー県では、SANA(7月18日付)によると、シリア軍がティバーラト・ディーバ村・マフカル村回廊一帯でダーイシュ(イスラーム国)の拠点を空爆した。

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スワイダー県では、SANA(7月18日付)によると、シリア軍がラジャム・ダウラ村一帯でダーイシュ(イスラーム国)と交戦した。


AFP, July 18, 2016、AP, July 18, 2016、ARA News, July 18, 2016、Champress, July 18, 2016、al-Hayat, July 19, 2016、Iraqi News, July 18, 2016、Kull-na Shuraka’, July 18, 2016、al-Mada Press, July 18, 2016、Naharnet, July 18, 2016、NNA, July 18, 2016、Reuters, July 18, 2016、SANA, July 18, 2016、UPI, July 18, 2016などをもとに作成。

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シャーム戦線はシリア軍によるアレッポ市東部反体制武装集団支配地域の包囲の責任がYPGにあると非難(2016年7月18日)

シャーム戦線は声明を出し、シリア軍によるカースティール地区完全制圧に関して、アレッポ市シャイム・マクスード地区を実効支配する西クルディスタン移行期民政局人民防衛隊が参加しなければ実現しなかったと断じ、これを非難した。

シャーム戦線は、「命じられるままに進め」連合、ムジャーヒディーン軍、イスラーム戦線、シャーム自由人イスラーム運動、ヌールッディーン・ザンキー運動、シャームの鷹旅団、アサーラ・ワ・タンミヤ運動、ハズム運動からなる連合組織。

AFP, July 18, 2016、AP, July 18, 2016、ARA News, July 18, 2016、Champress, July 18, 2016、al-Hayat, July 19, 2016、Iraqi News, July 18, 2016、Kull-na Shuraka’, July 18, 2016、al-Mada Press, July 18, 2016、Naharnet, July 18, 2016、NNA, July 18, 2016、Reuters, July 18, 2016、SANA, July 18, 2016、UPI, July 18, 2016などをもとに作成。

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シリア人権監視団:4月下旬からシリア軍によるアレッポ市北部カースティール街道完全封鎖にいたる17日までにアレッポ市一帯で民間人914人が死亡(2016年7月18日)

シリア人権監視団は、アレッポ市一帯での戦闘が激化した4月22日して以降、同市北部のカースティール街道がシリア軍によって完全制圧された7月17日までの期間に、空爆・砲撃で民間人914人(うち子供204人、女性143人)が死亡、5,700人が負傷したと発表した。

このうち、反体制武装集団の支配下にあるアレッポ市東部(カッラーサ地区、マガーイル地区、フィルドゥース地区、サーフール地区、ムワーサラート地区、マルジャ地区、バーブ・ナイラブ地区、バーブ街道地区、アシュラフィーヤ地区、バニー・ザイド地区、アーミリーヤ地区、サラーフッディーン地区、ザバディーヤ地区、ブアイディーン地区、ブスターン・カスル地区、カースティールー地区、サカン・シャバービー地区、アンサーリー地区、スッカリー地区、ジスル・ハッジ地区、サーリヒーン地区、マシュハド地区、ハイダリーヤ地区、カルム・タッラーブ地区、アーミリーヤ地区、アクユール地区、ジャズマーティー地区など)に対するシリア軍、ロシア軍などの空爆・砲撃での死者は525人(うち子供112人、女性54人)だった。

一方、シリア政府の支配下にとどまるアレッポ市西部(スィルヤーン地区、アズィーズィーヤ地区、ティシュリーン通り地区、アンダルス通り地区、県庁一帯、ミンヤーン地区、ムーカンブー地区、ハラブ・ジャディーダ地区、アシュラフィーヤ地区、サイフ・ダウラ地区、ハーリディーヤ地区、ジスル・マイサルーン地区、スライマーニーヤ地区、県知事邸一帯、シャフバー地区、マシャーリカ地区、ハムダーニーヤ地区、ジュマイリーヤ地区、マイダーン地区、メリディヤーン地区、マールティーニー地区、イザーア地区、ラームーサ地区、サアドッラー・ジャービリー地広場、ザフラー協会地区など)では、反体制武装集団の砲撃により353人(うち子供83人、女性83人)が死亡したという。

また西クルディスタン移行期民政局の支配下にあるシャイフ・マクスード地区に対する反体制武装集団の砲撃では23人(うち子供6人、女性3人)が死亡したという。

AFP, July 18, 2016、AP, July 18, 2016、ARA News, July 18, 2016、Champress, July 18, 2016、al-Hayat, July 19, 2016、Iraqi News, July 18, 2016、Kull-na Shuraka’, July 18, 2016、al-Mada Press, July 18, 2016、Naharnet, July 18, 2016、NNA, July 18, 2016、Reuters, July 18, 2016、SANA, July 18, 2016、UPI, July 18, 2016などをもとに作成。

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トルコ国内でのクーデタ未遂事件にもかかわらず、米主導の有志連合によるシリア領内での爆撃回数に減少は見られず(2016年7月18日)

米中央軍(CENTCOM)は、7月15日~17日までの3日間のシリア、イラク両国での有志連合の戦果をHPで発表した。

7月15日はシリア、イラク領内のダーイシュ拠点などに対して23回の空爆を実施、このうちシリア領内での空爆は13回で、ラッカ市近郊(2回)、マンビジュ市近郊(9回)、マーリア市近郊(2回)に対して攻撃が行われた。

7月16日はシリア、イラク領内のダーイシュ(イスラーム国)拠点などに対して17回の空爆を実施、このうちシリア領内での空爆は8回で、ブーカマール市近郊(1回)、ラッカ市近郊(1回)、マンビジュ市近郊(7回)に対して攻撃が行われた。

7月17日はシリア、イラク領内のダーイシュ(イスラーム国)拠点などに対して23回の空爆を実施、このうちシリア領内での空爆は12回で、ブーカマール市近郊(1回)、マンビジュ市近郊(11回)に対して攻撃が行われた。

なお、7月15日深夜から16日未明にかけて、トルコ国内では軍事クーデタ未遂事件が発生し、シリア領内でのダーイシュ拠点への空爆に使用されているインジルリク空軍基地が16、17日の2日にわたって使用中止となっていた。

AFP, July 18, 2016、AP, July 18, 2016、ARA News, July 18, 2016、Champress, July 18, 2016、al-Hayat, July 19, 2016、Iraqi News, July 18, 2016、Kull-na Shuraka’, July 18, 2016、al-Mada Press, July 18, 2016、Naharnet, July 18, 2016、NNA, July 18, 2016、Reuters, July 18, 2016、SANA, July 18, 2016、UPI, July 18, 2016などをもとに作成。

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