ロシアのラヴロフ外務大臣「ダーイシュのバグダーディー殺害を確認していないが、殺害されたとするなら、米国は米国は自らが生み出した人物を抹殺したことになる」(2019年11月1日)

ロシアのセルゲイ・ラブロフ外務大臣はロシア24の報道番組のインタビュー(11月1日付)に応じ、そのなかで米軍によるダーイシュ(イスラーム国)のアブー・バクル・バグダーディー指導者の暗殺作戦に関して、「ロシアはバグダーディーが抹殺されたことを確認していない。殺害されたのであれば、彼が米国に生み出されていたことになる」と述べた。

ラブロフ外務大臣は「ダーイシュは、イラクへの米国の違法な侵略、イラクの国家としての衰退、そして過激派の釈放を経て成長した。過激派は米国によって拘置されていたが、その後に釈放された。だから、米国は自らが生み出した人物を抹殺したということになる。実際にそうしたことが起きているのなら」と述べた。

また「ロシア国防省はバグダーディーの問題について発表を行ったが、さらなる情報が必要だ。発表は正式に、そして体系的に行われたが、我が軍は今も、さらなる事実を検討している。米国が発表したことの多くをロシア軍はまだ確認していない」と付言した。

AFP, November 2, 2019、ANHA, November 2, 2019、AP, November 2, 2019、al-Durar al-Shamiya, November 2, 2019、Reuters, November 2, 2019、Russia 24, November 1, 2019、SANA, November 2, 2019、SOHR, November 2, 2019、UPI, November 2, 2019などをもとに作成。

(C)青山弘之 All rights reserved.

ロシア外務省のザハロワ報道官「ホワイト・ヘルメットは化学兵器使用ねつ造を準備している」「米国は毎月3000ドル以上の石油をシリアから持ち出している」(2019年11月1日)

ロシア外務省のマリア・ザハロワ報道官は、記者会見で、ホワイト・ヘルメットが反体制武装集団とともに、シリア軍による化学兵器使用をねつ造する陽動作戦の準備をしている、と述べた。

シリア南東部の油田地帯への支配を強めている米国に関して、月3000ドル以上の石油を持ち出している、と述べた。

AFP, November 1, 2019、ANHA, November 1, 2019、AP, November 1, 2019、al-Durar al-Shamiya, November 1, 2019、Reuters, November 1, 2019、SANA, November 1, 2019、SOHR, November 1, 2019、UPI, November 1, 2019などをもとに作成。

(C)青山弘之 All rights reserved.

シリア民主評議会のアフマド執行委員会議長「我々はシリア軍に合流する用意があるが、それはシリア軍の組織改編を経たうえでのことだ」(2019年11月1日)

シリア民主評議会のイルハーム・アフマド執行委員会議長はスプートニク・ニュース(11月1日付)に対して、「我々はシリア軍に合流する用意があるが、それはシリア軍の組織改編を経たうえでのことだ」と述べた。

アフマド執行委員会議長は「我々がシリア政府とこの地域(シリア北東部)の自治について合意すれば、そのときは、もちろん、我々は軍に合流する」と付言した。

国防省が人民防衛隊(YPG)主体のシリア民主軍に対してシリア軍への合流を呼びかけたことを拒否した理由については、「国防省は我々を犯罪者であるかのような声明を出したためだ」としたうえで、「我々は席を共にし、互いにど統合し合うかを合意すべきだ。「我々に合流せよ」と言って、あたかも我々が脱走していたかのように扱ってはならない」と付言した。

シリア民主評議会はシリア民主軍の政治母体。

AFP, November 1, 2019、ANHA, November 1, 2019、AP, November 1, 2019、al-Durar al-Shamiya, November 1, 2019、Reuters, November 1, 2019、SANA, November 1, 2019、SOHR, November 1, 2019、Sputnik News, November 1, 2019、UPI, November 1, 2019などをもとに作成。

(C)青山弘之 All rights reserved.

トランプ米大統領「我々はダーイシュの新指導者が誰かを正確に知っている」(2019年11月1日)

ドナルド・トランプ米大統領はツイッターのアカウント(https://twitter.com/realDonaldTrump/)で、ダーイシュ(イスラーム国)が10月26日に死亡したアブー・バクル・バグダーディー指導者の後任として、アブー・イブラーヒーム・クラシーなる人物を新たなカリフに任命したと発表したことに関して、「ISISは新たな指導者を任命した。我々は彼が誰かを正確に知っている!」と綴った。

AFP, November 1, 2019、ANHA, November 1, 2019、AP, November 1, 2019、al-Durar al-Shamiya, November 1, 2019、Reuters, November 1, 2019、SANA, November 1, 2019、SOHR, November 1, 2019、UPI, November 1, 2019などをもとに作成。

(C)青山弘之 All rights reserved.

制憲委員会(憲法委員会)全体会合は、行動規範を決定、小委員会メンバーを選出(2019年11月1日)

スイスのジュネーブで10月30日に開幕した制憲委員会(憲法委員会)の全体会合は、3日間の日程を終え閉幕した。

ゲイル・ペデルセン・シリア問題担当国連特別代表は、3日間の成果に関して「議題については合意に至らなかったが、我々は今回の会合、そして今後の会合の審議にかかる行動規範について合意した」と述べた。

ペデルセン特別代表はまた、現行憲法の再検討、ないしは新憲法起草の実務にあたる小委員会のメンバー45人についても合意したと付言、11月4日に会合が行われることを明らかにした。

シリア政府代表団のアフマド・クズバリー団長は、小委員会に関して、11月4日から1週間会合を重ねる予定であることを明らかにした。

**

RT(11月2日付)によると、小委員会メンバーは以下の通り:

シリア政府代表
1. アフマド・ファールーク・ムハンマド・アルヌース
2. アフマド・ナビール・ムハンマド・ラフィーク・クズバリー
3. アシュワーク・アイユーブ・アッバース
4. アムジャド・ヤースィーン・イーサー
5. アマル・フアード・ヤーズジー
6. ジャマール・アブドゥッラッザーク・カーディリー
7. ジャミーラ・ムスリム・シュルバジー
8. ダーリーン・アブドゥッサラーム・スライマーン
9. リヤード・アリー・ターウーズ
10. アブドゥッラー・ムハンマド・サイイド
11. ムハンマド・アクラム・タイスィール・アジュラーニー
12. ムハンマド・ハイル・アフマド・アッカーム
13. ムハンマド・イサーム・アフマド・ハズィーミー
14. ニザール・アリー・スカイフ
15. ハイサム・ハサン・ターッス
反体制派代表
1. アフマド・イスラーウィー
2. バスマ・カドマーニー
3. ハサン・ハリーリー
4. ハサン・ウバイド
5. ディーマー・ムーサー
6. サフワーン・アッカーシュ
7. ターリク・クルディー
8. アワド・アリー
9. カースィム・ダルウィーシュ
10. カーミーラーン・ハーッジュー
11. ムハンマド・ヌーリー・アフマド
12. ジャマール・スライマーン
13. ムハンナド・ドゥライカーン
14. ハーディー・バフラ
15. ハイサム・ラフマ
市民社会代表
1. アナス・ガッサーン・ズライウ
2. イーラーフ・ヤースィーン
3. イーマーン・シャッフード
4. ハーリド・アドワーン・フルウ
5. ラグダー・ザイダーン
6. サマル・ジョルジュ・ダイユーブ
7. スバーフ・ハッラーク
8. スーニヤー・ムハンマド・サイード・ハラビー
9. イサーム・ザイバク
10. アリー・アフマド・アッバース
11. ウマル・アブドゥルアズィーズ・ハッラージュ
12. マーズィン・グライバ
13. マーヒル・マランディー
14. ムーサー・ハリール・ミトリー
15. マイス・ナーイフ・クライディー

AFP, November 1, 2019、ANHA, November 1, 2019、AP, November 1, 2019、al-Durar al-Shamiya, November 1, 2019、Reuters, November 1, 2019、RT, November 2, 2019、SANA, November 1, 2019、SOHR, November 1, 2019、UPI, November 1, 2019などをもとに作成。

(C)青山弘之 All rights reserved.

トルコ国防省は声明を出し、シリア北部での地雷の爆発でトルコ軍兵士1人が死亡、6人が負傷したと発表(2019年11月1日)

トルコ国防省は声明を出し、シリア北部での地雷の爆発でトルコ軍兵士1人が死亡、6人が負傷したと発表した。

**

ハサカ県では、ANHA(11月1日付)によると、トルコ軍とその支援を受けるシリア国民軍が、タッル・タムル町近郊やアブー・ラースィーン(ザルカーン)町近郊のタッル・ムハンマド村、アイン・フルワ村を砲撃した。

**

アレッポ県では、ANHA(11月1日付)によると、シリア政府と北・東シリア自治局の共同支配下にあるシャワーリガ村、シャワーリガ砦、マーリキーヤ村がトルコ軍とその支援を受けるシリア国民軍の砲撃を受けた。

トルコ軍と国民軍はまた、マンナグ村、バイルーニーヤ村、アイン・ダクナに対しても砲撃を行った。

AFP, November 1, 2019、ANHA, November 1, 2019、AP, November 1, 2019、al-Durar al-Shamiya, November 1, 2019、Reuters, November 1, 2019、SANA, November 1, 2019、SOHR, November 1, 2019、UPI, November 1, 2019などをもとに作成。

(C)青山弘之 All rights reserved.

ロシア・トルコ軍はハサカ県国境地帯での合同パトロールを開始、住民がトルコ軍部隊に投石(2019年11月1日)

ハサカ県では、シリア人権監視団によると、シリア軍地上部隊が10月30日に一時撤退していたラアス・アイン市近郊のカスラ村に再展開した。

また、アームーダー市からダルバースィーヤ市にいたる国境地帯では、ロシア軍とトルコ軍が合同パトロールを実施した。

トルコ国防省によると、合同パトロールには無人航空機(ドローン)も参加、部隊を空撮したという。

https://www.facebook.com/syriahro/videos/1012085192467532/

https://www.facebook.com/syriahro/posts/10158237277518115

ANHA(11月1日付)は、ロシア軍部隊に後続するトルコ軍部隊が、住民の投石を受けたと伝ええ、その映像を公開した。

AFP, November 1, 2019、ANHA, November 1, 2019、AP, November 1, 2019、al-Durar al-Shamiya, November 1, 2019、Reuters, November 1, 2019、SANA, November 1, 2019、SOHR, November 1, 2019、UPI, November 1, 2019などをもとに作成。

(C)青山弘之 All rights reserved.

トルコ当局はダーイシュの幹部3人を含む11人を国内で逮捕(2019年11月1日)

トルコ国営のアナトリア通信(11月1日付)は、チャンクル県で、当局がダーイシュ(イスラーム国)のメンバー11人を逮捕したと伝えた。

逮捕された11人のなかには、10月26日に死亡したとされるアブー・バクル・バグダーディー前指導者の世話係1人、アミール(司令官)2人が含まれているという。

AFP, November 1, 2019、ANHA, November 1, 2019、AP, November 1, 2019、al-Durar al-Shamiya, November 1, 2019、Reuters, November 1, 2019、SANA, November 1, 2019、SOHR, November 1, 2019、UPI, November 1, 2019などをもとに作成。

(C)青山弘之 All rights reserved.

イドリブ県、アレッポ県北部で体制打倒を求めるデモ(2019年11月1日)

イドリブ県では、シリア人権監視団によると、シャーム解放機構が軍事・治安権限を掌握するイドリブ市、マアッラト・ヌウマーン市で金曜日の午後の集団礼拝後に抗議デモが発生、政権打倒、ラタキア県カッバーナ村一帯での抵抗支持、そしてシャーム解放機構が自治を委託するシリア救国内閣の政策反対を訴えた。

ドゥラル・シャーミーヤ(11月1日付)によると、イドリブ市でのデモは時計広場で行われ、数百人が参加したという。

**

アレッポ県では、シリア人権監視団によると、トルコ占領下のバザーア村、ジャラーブルス市で金曜日の午後の集団礼拝後に抗議デモが発生、アサド政権とロシアに異議を唱えるとともに、シリア政府支配下のタッル・リフアト市とマンビジュ市への反体制派の進駐を訴えた。

AFP, November 1, 2019、ANHA, November 1, 2019、AP, November 1, 2019、al-Durar al-Shamiya, November 1, 2019、Reuters, November 1, 2019、SANA, November 1, 2019、SOHR, November 1, 2019、UPI, November 1, 2019などをもとに作成。

(C)青山弘之 All rights reserved.

シャーム解放機構などがラタキア県北東部で侵攻を強め、ロシア軍戦闘機が同地を爆撃、またロシア海軍フリゲート艦がイドリブ県を巡航ミサイルで攻撃(2019年11月1日)

ラタキア県では、シリア人権監視団によると、シャーム解放機構などからなる反体制武装集団がクルド山のカッバーナ村一帯に進軍し、シリア軍の戦略拠点7カ所を制圧、シリア軍兵士23人を殺害した。

戦闘では、反体制武装集団戦闘員11人も死亡した。

ドゥラル・シャーミーヤ(11月1日付)によると、反体制武装集団はまたシリア軍兵士20人を捕捉した。

これに対してロシア軍戦闘機がカッバーナ村一帯に対して爆撃を行った。

シリア軍も地上部隊が、クルド山、トルコマン山一帯に対して砲撃を行った。

こうした反撃を受けて、反体制武装集団は、制圧した拠点から撤退した。

**

イドリブ県では、シリア人権監視団によると、シリア沖の地中海上に展開するロシア海軍のフリゲート艦が、シャーム解放機構などの支配下にあるジスル・シュグール市一帯に巡航ミサイルを発射した。

**

ロシア国防省は声明を出し、過去24時間で「緊張緩和地帯設置にかかる覚書」への違反を14件(イドリブ県4件、ラタキア県6件、アレッポ県2件、ハマー県2件)確認したと発表した。

トルコ側の監視チームは停戦違反を18件(イドリブ県10件、ラタキア県3件、アレッポ県4件、ハマー県4件)確認した。

AFP, November 1, 2019、ANHA, November 1, 2019、AP, November 1, 2019、al-Durar al-Shamiya, November 1, 2019、Ministry of Defence of the Russian Federation, November 1, 2019、Reuters, November 1, 2019、SANA, November 1, 2019、SOHR, November 1, 2019、UPI, November 1, 2019などをもとに作成。

(C)青山弘之 All rights reserved.

ロシア難民受入移送居住センター:レバノンから157人、ヨルダンから776人の難民が帰国、避難民1人(うちルクバーン・キャンプからの帰還者0人)が帰宅(2019年11月1日)

ロシア国防省は、合同調整センター所轄の難民受入移送居住センターの日報(11月1日付)を公開し、10月31日に難民933人が新たに帰国したと発表した。

このうちレバノンから帰国したのは157人(うち女性47人、子供80人)、ヨルダンから帰国したのは776人(うち女性233人、子供396人)。

これにより、2018年7月18日以降に帰国したシリア難民の数は453,253人となった。

内訳は、レバノンからの帰国者144,634人(うち女性43,772人、子ども74,062人、ザムラーニー国境通行所、ジュダイダト・ヤーブース国境通行所、ダブスィーヤ国境通行所、クサイル国境通行所、タッルカルフ国境通行所を経由して帰国)、ヨルダンからの帰国者308,619人(うち女性92,625人、子ども157,385人、ナスィーブ国境通行所を経由して帰国)。

45カ国で難民登録したシリア人の数は6,657,484人(うち女性1,997,245人、子供3,395,317人)。

また、ロシアがシリア領内で航空作戦を開始した2015年9月30日以降に帰国した難民の数は 682,533人(うち女性205,055人、子供348,369人)となった。

**

一方、国内避難民1人が新たに帰宅した。

うち東グータ地方に帰宅したのは0人、ダイル・ザウル県サーリヒーヤ村の通行所を経由してダマスカス郊外県、ヒムス県などに帰宅したのは0人、ヒムス県南東グラーブ山のジュライギム通行所を経由して帰還したのは1人、イドリブ県アブー・ズフール町郊外の通行所およびハマー県スーラーン町の通行所を経由して帰宅したのは0人だった。

グラーブ山通行所を経由して帰還した1人のうち、米主導の有志連合が占領するヒムス県タンフ国境通行所一帯地域(55キロ地帯)に面するヨルダン北東部のルクバーン・キャンプから帰国した難民は0人だった。

これにより、2019年1月以降に帰宅した国内避難民の数は36,293人(うち女性11,218人、子供16,491人)に、2015年9月30日以降に帰宅した国内避難民の数は1,304,901人(うち女性393,777人、子供660,257人)となった。

Ministry of Defence of the Russian Federation, November 1, 2019をもとに作成。

(C)青山弘之 All rights reserved.