所属不明の航空機が北・東シリア自治局支配地からシリア政府支配地に向かう石油トレーラーの車列を爆撃(2019年11月12日)

ダイル・ザウル県では、ドゥラル・シャーミーヤ(11月13日付)によると、所属不明の航空機複数機が北・東シリア自治局の支配地域からシリア政府支配地域に向かって移動中の石油トレーラーの車列を爆撃した。

爆撃が行われたのは、バクラス村で、標的となったのは国が制裁対象としているカーティルジー・インターナショナル・グループ社の車列だと思われる。

AFP, November 13, 2019、ANHA, November 13, 2019、AP, November 13, 2019、al-Durar al-Shamiya, November 13, 2019、Reuters, November 13, 2019、SANA, November 13, 2019、SOHR, November 13, 2019、UPI, November 13, 2019などをもとに作成。

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イスラエル軍がパレスチナ・イスラーム聖戦機構の幹部を暗殺するため首都ダマスカスを爆撃するも殺害に失敗(2019年11月12日)

ダマスカス県では、SANA(11月12日付)によると、イスラエル軍戦闘機が未明(午前4時14分)、マッザ区のレバノン大使館に近くにあるパレスチナ・イスラーム聖戦の幹部アクラム・アジューリー氏の住居1棟をミサイルで攻撃した。

ミサイルはパレスチナのヨルダン川西岸地区ガリラヤ地方(ティベリア市)上空から3発発射され、シリア軍防空部隊がただちに応戦し1発を破壊したが、2発がイスラーム聖戦幹部のアクラム・アジューリー氏の住居を直撃した。

この攻撃で、アジューリー氏の息子のムアーッズ・アジューリー氏、アブドゥッラー・ユースフ・ハサン氏の2人が死亡、アジューリー氏の妹を含む住民9人が負傷した。

しかし、アクラム・アジューリー氏は無事で、イスラエル軍の暗殺作戦は失敗に終わった。

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イスラエル軍はまた同日早朝、パレスチナのガザ地区各所を爆撃し、イスラーム聖戦機構のアブー・アター司令官を殺害した。
爆撃では、同司令官を含む11人が死亡、これに対してパレスチナの抵抗勢力はイスラエル領内に向けて多数のロケット弾を発射した。

AFP, November 12, 2019、ANHA, November 12, 2019、AP, November 12, 2019、al-Durar al-Shamiya, November 12, 2019、Reuters, November 12, 2019、SANA, November 12, 2019、SOHR, November 12, 2019、UPI, November 12, 2019などをもとに作成。

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ロシア大統領府「アサド大統領の親族による不動産購入の情報は持ち合わせていないし、関心もない」(2019年11月12日)

ロシア大統領府のドミトリー・ペスコフ報道官は、アサド大統領の親族がモスクワに不動産を購入していると国際NGOのグローバル・ウィットネスが発表したことに関して、「ロシア大統領府はアサド大統領の親族がモスクワ郊外の高層ビル街「モスクワ・シティ・コンプレックス」に不動産を購入したか否かについての情報を持ち合わせていない」とコメントした。

ペスコフ報道官はまた「我々は情報を持ち合わせていないし、関心もない。ロシアには自由な市場がある。そこでは多くのロシアの市民、そして外国人が不動産を購入している。それは広く、そして普通に行われていることだ」と付言した。

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グローバル・ウィットネスは11日、アサド大統領の母方の叔父にあたる・ムハンマド・マフルーフ氏の一家7人が2013年12月から2019年6月までの間に、モスクワ・シティ・コンプレックスにマンション20件を購入、その資産総額は4000万ドルに達するとの試算を発表していた(https://www.globalwitness.org/en/campaigns/corruption-and-money-laundering/assad-henchmens-russian-refuge/)。

同紙によると、購入されたマンションの多くは、ハーフィズ・マフルーフ氏(軍事情報局、ムハンマド・マフルーフ氏の息子でラーミー・マフルーフ氏の弟)が経営に携わる複数の企業によって購入されているという。

この企業は、ハイサム・アッバース氏とハサン・シャリーフ氏がレバノンで経営する企業から融資を受けるなどして、これらの不動産を購入したという。

ハイサム・アッバース氏、ハサン・シャリーフ氏の兄弟のムハンマド・アッバース氏とアンマール・シャリーフ氏は、シリア政府を支援しているとして、米国とEUの制裁対象となっている。

またハーフィズ・マフルーフ氏以外にも、ラーミー・マフルーフ氏ら他の家族も高級不動産を購入しているという。

AFP, November 12, 2019、ANHA, November 12, 2019、AP, November 12, 2019、al-Durar al-Shamiya, November 12, 2019、Reuters, November 12, 2019、SANA, November 12, 2019、SOHR, November 12, 2019、UPI, November 12, 2019などをもとに作成。

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ロシアのラヴロフ外務大臣「シリア民主軍はシリア政府と対話するため態度を固めるべきだ…。米国はシリア北東部に準国家を作ろうとしている」(2019年11月12日)

ロシアのセルゲイ・ラブロフ外務大臣は、人民防衛隊(YPG)主体のシリア民主軍がシリア政府との交渉で態度を硬化させていることに不満を示した。

ラブロフ外務大臣は「クルド民兵(YPG)はシリアにかかる政治対話に参加するために態度を固めなければならない…。ロシアは当初から自治政府(北・東シリア自治局)に対してシリア政府との対話を始めるよう求めてきた。だが、シリア民主軍は無関心で、米国からの支援が続くと考えていた。米国が撤退を決定すると、今度はシリア民主軍はロシアに対話開始を支援するよう求めてきた…。しかし米国が油田地帯に部隊を残留させると発表すると、クルド民兵は再びシリア政府との対話への関心を失った」と非難した。

しかし、ラブロフ外務大臣は、クルド人、そしてシリアのすべてのエスニック集団の利益を考慮することなしに、シリアでの政治プロセスについての決定を下すことはできないと付言、クルド民族主義勢力に一定の配慮を見せた。

タス通信(11月12日付)が伝えた。

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一方、ラブロフ外務大臣は、パリ平和和平フォーラムで「米国はユーフラテス川東岸をシリアから分離し、準国家を建設しようとしている」と非難した。

ラブロフ外務大臣は「米国は湾岸諸国に対して、この地域に投資を呼びかけ、シリア民主軍やYPGを軸とする自治政府を樹立しようとする一方で、同地の油田を掌握する意思を隠そうともしない…。米国は同盟国がシリア復興に投資するのを阻止している」と述べる一方、「我々とシリア政府はインフラ復旧と難民帰還、そしてシリアが日常生活を取り戻すことができる環境を用意するよう皆に呼びかける」と強調した。

RIAノーヴォスチ通信(11月12日付)が伝えた。

AFP, November 12, 2019、ANHA, November 12, 2019、AP, November 12, 2019、al-Durar al-Shamiya, November 12, 2019、Reuters, November 12, 2019、RIA Novosti, November 12, 2019、SANA, November 12, 2019、SOHR, November 12, 2019、TASS, November 12, 2019、UPI, November 12, 2019などをもとに作成。

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トルコのエルドアン大統領「米国とロシアはシリア北部からシリア民主軍を浄化できてきない」(2019年11月12日)

トルコのレジェップ・タイイップ・エルドアン大統領は訪米に先立って首都アンカラの国際空港で記者会見を開き、「米国とロシアはシリア北部からクルド勢力(人民防衛隊(YPG)主体のシリア民主軍)を浄化できてきない」と批判した。

エルドアン大統領は「ドナルド・トランプ米大統領と地域情勢の評価を検討するとともに、ロシアのヴラジミール・プーチン大統領とも電話会談で地域情勢の進捗を検討する」と付言した。

そのうえで「この地域からテロ組織が撤退したとは言えない。マンビジュ、タッル・アブヤドにまだいる」と非難した。

AFP, November 12, 2019、ANHA, November 12, 2019、AP, November 12, 2019、al-Durar al-Shamiya, November 12, 2019、Reuters, November 12, 2019、SANA, November 12, 2019、SOHR, November 12, 2019、UPI, November 12, 2019などをもとに作成。

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ロシア軍と合同パトロールにあたっていたトルコ軍が住民の投石を受け、実弾、催涙弾で応戦、9人を殺傷(2019年11月12日)

アレッポ県では、ANHA(11月12日付)やシリア人権監視団によると、アイン・アラブ(コバネ)市東の国境地帯でロシア軍とともに合同パトロールを実施するトルコ軍が、住民から投石を受け、車輌2台が損傷を受けた。

これに対して、トルコ軍は、住民らに実弾や催涙弾を発射し、シリア人権監視団によると9人が死傷した(ANHA)によると、ジャーナリスト2人を含む8人が負傷)。

 

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ハサカ県では、シリア人権監視団によると、ロシア軍とトルコ軍がダルバースィーヤ市以西の国境地帯で5度目となる合同パトロールを実施した。

AFP, November 12, 2019、ANHA, November 12, 2019、AP, November 12, 2019、al-Durar al-Shamiya, November 12, 2019、Reuters, November 12, 2019、SANA, November 12, 2019、SOHR, November 12, 2019、UPI, November 12, 2019などをもとに作成。

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ダルアー県各所で逮捕者釈放、ヒズブッラーの退去を求める抗議デモ(2019年11月12日)

ダルアー県では、シリア人権監視団によると、タッル・シハーブ町、アジャミー村、ザイズーン村で抗議デモが発生し、参加者は逮捕者釈放、ヒズブッラーの退去を要求した。

ドゥラル・シャーミーヤ(11月12日付)によると、デモには数百人が参加した。

AFP, November 12, 2019、ANHA, November 12, 2019、AP, November 12, 2019、al-Durar al-Shamiya, November 12, 2019、Reuters, November 12, 2019、SANA, November 12, 2019、SOHR, November 12, 2019、UPI, November 12, 2019などをもとに作成。

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ロシア・シリア軍がイドリブ県、ラタキア県を爆撃し、シャーム解放機構8人、ホワイト・ヘルメット1人を含む12人を殺害(2019年11月12日)

イドリブ県では、シリア人権監視団によると、ロシア軍戦闘機がハザーリーン村、カフルナブル市、ウライニバ村、シャンナーン村、ダール・カビーラ村、ハーッス村、マアッラト・ハルマ村を爆撃し、シャンナーン村で住民2人が死亡した。

ロシア軍はまた、シャーム解放機構の車輌複数台を狙って爆撃を行い、メンバー8人を殺害した。

シリア軍も地上部隊がマアッラト・ハルマ村などを砲撃し、女性1人とホワイト・ヘルメットのメンバー1人を含む3人が死亡した。

https://youtu.be/Ghs4-6RBZOg

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ラタキア県では、シリア人権監視団によると、シリア軍戦闘機がカッバーナ村一帯を爆撃した。

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アレッポ県では、シリア人権監視団によると、シリア軍地上部隊がアウラム・クブラー町、アレッポ市ムハンデスィーン地区一帯を砲撃した。

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ロシア国防省は声明を出し、過去24時間で「緊張緩和地帯設置にかかる覚書」への違反を21件(イドリブ県7件、ラタキア県6件、アレッポ県1件、ハマー県2件)確認したと発表した。

トルコ側の監視チームは停戦違反を16件(イドリブ県7件、ラタキア県6件、アレッポ県1件、ハマー県2件)確認した。

AFP, November 12, 2019、ANHA, November 12, 2019、AP, November 12, 2019、al-Durar al-Shamiya, November 12, 2019、Ministry of Defence of the Russian Federation, November 12, 2019、Reuters, November 12, 2019、SANA, November 12, 2019、SOHR, November 12, 2019、UPI, November 12, 2019などをもとに作成。

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ハサカ県でトルコ軍・国民軍がシリア民主軍との交戦を続ける(2019年11月12日)

ハサカ県では、シリア人権監視団によると、タッル・タムル町とアブー・ラースィーン(ザルカーン)町の間に位置するマフムーディーヤ村、ライハーニーヤ村一帯で、トルコ軍とその支援を受けるシリア国民軍が、人民防衛隊(YPG)主体のシリア民主軍と交戦した。

トルコ軍に対峙したのはアッシリア教徒からなる民兵。

一方、SANA(11月12日付)によると、トルコ軍と国民軍は、ライハーニーヤ村、クナイヒル村、サイード村を激しく砲撃し、3カ村を制圧した。

トルコ軍と国民軍はまた、カースィミーヤ村、ラシーディーヤ村、アズィーズィーヤ村に対しても砲撃を加えた。

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アレッポ県では、シリア人権監視団によると、トルコ軍の無人航空機がシリア政府と北・東シリア自治局の共同支配下にあるタッル・リフアト市内の複数カ所を爆撃した。

一方、トルコの占領下にあるアアザーズ市でオートバイに仕掛けられていた爆弾が爆発し、1人が負傷した。

AFP, November 12, 2019、ANHA, November 12, 2019、AP, November 12, 2019、al-Durar al-Shamiya, November 12, 2019、Reuters, November 12, 2019、SANA, November 12, 2019、SOHR, November 12, 2019、UPI, November 12, 2019などをもとに作成。

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ロシア難民受入移送居住センター:レバノンから856人、ヨルダンから655人の難民が帰国、避難民1人(うちルクバーン・キャンプからの帰還者0人)が帰宅(2019年11月12日)

ロシア国防省は、合同調整センター所轄の難民受入移送居住センターの日報(11月12日付)を公開し、11月11日に難民1,514人が新たに帰国したと発表した。

このうちレバノンから帰国したのは859人(うち女性62人、子供104人)、ヨルダンから帰国したのは655人(うち女性197人、子供334人)。

これにより、2018年7月18日以降に帰国したシリア難民の数は463,847人となった。

内訳は、レバノンからの帰国者147,426人(うち女性44,612人、子ども75,487人、ザムラーニー国境通行所、ジュダイダト・ヤーブース国境通行所、ダブスィーヤ国境通行所、クサイル国境通行所、タッルカルフ国境通行所を経由して帰国)、ヨルダンからの帰国者316,421人(うち女性94,965人、子ども161,364人、ナスィーブ国境通行所を経由して帰国)。

45カ国で難民登録したシリア人の数は6,661,110人(うち女性1,998,333人、子供3,397,166人)。

また、ロシアがシリア領内で航空作戦を開始した2015年9月30日以降に帰国した難民の数は 693,127人(うち女性208,235人、子供353,773人)となった。

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一方、国内避難民1人が新たに帰宅した。

うち東グータ地方に帰宅したのは0人、ダイル・ザウル県サーリヒーヤ村の通行所を経由してダマスカス郊外県、ヒムス県などに帰宅したのは0人、ヒムス県南東グラーブ山のジュライギム通行所を経由して帰還したのは1人、イドリブ県アブー・ズフール町郊外の通行所およびハマー県スーラーン町の通行所を経由して帰宅したのは0人だった。

グラーブ山通行所を経由して帰還した1人のうち、米主導の有志連合が占領するヒムス県タンフ国境通行所一帯地域(55キロ地帯)に面するヨルダン北東部のルクバーン・キャンプから帰国した難民は0人だった。

これにより、2019年1月以降に帰宅した国内避難民の数は36,319人(うち女性11,218人、子供16,493人)に、2015年9月30日以降に帰宅した国内避難民の数は1,304,916人(うち女性393,779人、子供660,257人)となった。

Ministry of Defence of the Russian Federation, November 12, 2019をもとに作成。

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