シリア民主評議会は「真の反体制派のプラットフォーム」を結成するとの意思を表明し、反体制派に制憲委員会(憲法委員会)を退け、シリア政府と前提条件の交渉を行うよう呼びかける(2019年11月2日)

シリア民主評議会は、10月31日のアサド大統領のインタビューを受けて声明を出し、「真の反体制派のプラットフォーム」を結成するとの意思を表明し、国内外で活動する反体制派にシリア民主評議会に合流し、ジュネーブ・プロセス、アスタナ・プロセス、そしてシリア民主評議会が排除された制憲委員会(憲法委員会)を退けたうえで、シリア政府との前提条件なしの交渉を開始するよう呼びかけた。

シリア民主評議会は人民防衛隊(YPG)主体のシリア民主軍の政治母体。

AFP, November 2, 2019、ANHA, November 2, 2019、AP, November 2, 2019、al-Durar al-Shamiya, November 2, 2019、Reuters, November 2, 2019、SANA, November 2, 2019、SOHR, November 2, 2019、UPI, November 2, 2019などをもとに作成。

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シリア北東部から撤退したはずの米軍部隊がロシア軍の新司令部に近いハイムー村、ラッカ市近郊のジャズラ基地に舞い戻る(2019年11月2日)

ハサカ県では、SANA(11月2日付)によると、シリア北東部に駐留を続けていた米軍部隊が車輌55台を連ねて、違法に設置されたワリード通行所を経由してイラクに撤退した。

しかし、シリア人権監視団によると、シリア北東部から撤退した米軍部隊が再び、シリア領内に入り、シリア政府と北・東シリア自治局の共同支配下にあるカーミシュリー市の西4キロの距離に位置するハイムー村一帯に展開、パトロール活動を行った。

米軍はこの地に新たな拠点を設置しようとしているという。

https://www.facebook.com/syriahro/videos/558614501579605/

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ラッカ県では、ユーフラテス・ポスト(11月2日付)によると、米軍が一度は部隊を撤退させていたラッカ市近郊のジャズラ村の基地に再び部隊を派遣、再展開した。

AFP, November 2, 2019、ANHA, November 2, 2019、AP, November 2, 2019、al-Durar al-Shamiya, November 2, 2019、Euphrates Post, November 2, 2019、Reuters, November 2, 2019、SANA, November 2, 2019、SOHR, November 2, 2019、UPI, November 2, 2019などをもとに作成。

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ロシア軍がカーミシュリー市(ハサカ県)「農業クラブ」の複合施設を接収し、司令部を設置(2019年11月2日)

ハサカ県では、シリア人権監視団によると、シリア政府と北・東シリア自治局の共同支配下にあるカーミシュリー市内のカーミシュリー空港に近い「農業クラブ」の複合施設をロシア軍が接収、司令部を設置した。

この司令部は、国境地帯でのトルコ軍との合同パトロール、シリア政府と人民防衛隊(YPG)主体のシリア民主軍との連絡調整などを指揮するために設置されたと見られるという。

AFP, November 2, 2019、ANHA, November 2, 2019、AP, November 2, 2019、al-Durar al-Shamiya, November 2, 2019、Reuters, November 2, 2019、SANA, November 2, 2019、SOHR, November 2, 2019、UPI, November 2, 2019などをもとに作成。

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シリア民主軍が国民軍と交戦の末にタッル・タムル町近郊の8カ村(ハサカ県)を奪還、トルコ占領下のタッル・アブヤド市(ラッカ県)での爆発で戦闘員と住民14人が死亡(2019年11月2日)

ハサカ県では、シリア人権監視団によると、人民防衛隊(YPG)主体のシリア民主軍が国民軍と交戦の末にタッル・タムル町近郊の8カ村(ダーウーディーヤ村、サイード村、ライハーナ村、スワイディーヤ村、カンバフル村、アッブーシュ村、ウンム・シャイーファ村、ファイサリーヤ村)を奪還した。

また、シリア軍が一時撤退していたアブー・ラースィーン(ザルカーン)町とタッル・タムル町を結ぶ街道地帯に再展開した。

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アレッポ県では、シリア人権監視団によると、ユーフラテス川西岸のマンビジュ市一帯に展開したシリア軍地上部隊が、トルコ占領下のジャラーブルス市に近いハムラーン村を砲撃した。

これに対して、シリア政府と北・東シリア自治局の共同支配下にあるタッル・リフアト市の住民からなる「土地の民」作戦司令室を名乗る武装集団が、同市一帯の人民防衛隊(YPG)主体のシリア民主軍の拠点を砲撃した。

一方、トルコの支援を受ける国民軍の部隊がジャラーブルス市とガンドゥーラ町を結ぶ街道で何者かの攻撃を受け、複数の戦闘員が死傷した。

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ラッカ県では、シリア人権監視団によると、トルコの占領下に入ったタッル・アブヤド市で大きな爆発が発生し、国民軍の戦闘員と住民合わせて14人が死亡、21人が負傷した。

AFP, November 2, 2019、ANHA, November 2, 2019、AP, November 2, 2019、al-Durar al-Shamiya, November 2, 2019、Reuters, November 2, 2019、SANA, November 2, 2019、SOHR, November 2, 2019、UPI, November 2, 2019などをもとに作成。

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反体制派支配地域とトルコ占領地で電力供給制限・値上げに抗議するデモ(2019年11月2日)

イドリブ県では、シリア人権監視団によると、イドリブ市で前日に続いて抗議デモが発生し、住民数十人が参加した。

デモ参加者は、シャーム解放機構に自治を委託されているシリア救国内閣が最近になって決定した電力供給の時間制限に異議を唱え、シャーム解放機構に反対するとともに、体制打倒を訴えた。

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アレッポ県では、ドゥラル・シャーミーヤ(11月2日付)によると、トルコ占領下のアアザーズ市で、電気料金値上げに抗議するデモが行われ、住民多数が参加した。

AFP, November 2, 2019、ANHA, November 2, 2019、AP, November 2, 2019、al-Durar al-Shamiya, November 2, 2019、Reuters, November 2, 2019、SANA, November 2, 2019、SOHR, November 2, 2019、UPI, November 2, 2019などをもとに作成。

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ロシア軍がシャーム解放機構などの支配下にあるイドリブ県、ラタキア県を爆撃し、子ども1人と女性1人を含む一家6人が死亡(2019年11月2日)

イドリブ県では、シリア人権監視団によると、ロシア軍戦闘機がシャーム解放機構などの支配下にあるカフルサジュナ村、ジャバーラー村、ラカーヤー村、ハーッス村、マアッラト・ヌウマーン市、タフターヤー村を爆撃した。

この爆撃により、ジャバーラー村で子ども1人と女性1人を含む一家6人が死亡した。

シリア軍も地上部隊が、ジャバーラー村、カフルサジュナ村、ラカーヤー村、ウービーン村を砲撃した。

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ラタキア県では、シリア人権監視団によると、ロシア軍戦闘機がカッバーナ村一帯およびユーヌスィーヤ村一帯を爆撃した。

これに対してシャーム解放機構などからなる反体制武装集団が、キンサッバー町一帯、トゥーバール砦一帯、トゥッファーヒーヤ村一帯、カッバーナ村一帯を砲撃、シリア軍も地上部隊がカッバーナ村一帯、ハッダーダ村、フドル丘を砲撃、カッバーナ村一帯では反体制武装集団とシリア軍地上部隊が交戦した。

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アレッポ県では、シリア人権監視団によると、シリア軍地上部隊がジャズラーヤー村一帯を砲撃した。

シリア軍はまた、トルコ占領地に近い県北部のフライターン市、アナダーン市一帯を激しく砲撃した。

これに対して、シャーム解放機構などからなる反体制武装集団は、アレッポ市を砲撃、ナイル通り地区に砲弾複数発が着弾し、子ども1人が負傷した。

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ハマー県では、シリア人権監視団によると、シャーム解放機構などからなる反体制武装集団がハークーラ村近郊でシリア軍兵士1人を射殺した。

これに対して、シリア軍は地上部隊がサルマーニーヤ村、ズィヤーラ町一帯を砲撃した。

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ロシア国防省は声明を出し、過去24時間で「緊張緩和地帯設置にかかる覚書」への違反を16件(イドリブ県7件、ラタキア県7件、アレッポ県2件、ハマー県2件)確認したと発表した。

トルコ側の監視チームは停戦違反を26件(イドリブ県6件、ラタキア県14件、アレッポ県2件、ハマー県4件)確認した。

AFP, November 2, 2019、ANHA, November 2, 2019、AP, November 2, 2019、al-Durar al-Shamiya, November 2, 2019、Ministry of Defence of the Russian Federation, November 2, 2019、Reuters, November 2, 2019、SANA, November 2, 2019、SOHR, November 2, 2019、UPI, November 2, 2019などをもとに作成。

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ロシア難民受入移送居住センター:レバノンから171人、ヨルダンから568人の難民が帰国、避難民4人(うちルクバーン・キャンプからの帰還者0人)が帰宅(2019年11月2日)

ロシア国防省は、合同調整センター所轄の難民受入移送居住センターの日報(11月2日付)を公開し、11月1日に難民739人が新たに帰国したと発表した。

このうちレバノンから帰国したのは171人(うち女性51人、子供88人)、ヨルダンから帰国したのは568人(うち女性170人、子供290人)。

これにより、2018年7月18日以降に帰国したシリア難民の数は453,992人となった。

内訳は、レバノンからの帰国者144,805人(うち女性43,823人、子ども74,150人、ザムラーニー国境通行所、ジュダイダト・ヤーブース国境通行所、ダブスィーヤ国境通行所、クサイル国境通行所、タッルカルフ国境通行所を経由して帰国)、ヨルダンからの帰国者309,187人(うち女性92,795人、子ども157,675人、ナスィーブ国境通行所を経由して帰国)。

45カ国で難民登録したシリア人の数は6,657,484人(うち女性1,997,245人、子供3,395,317人)。

また、ロシアがシリア領内で航空作戦を開始した2015年9月30日以降に帰国した難民の数は 683,272人(うち女性205,276人、子供348,747人)となった。

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一方、国内避難民4人が新たに帰宅した。

うち東グータ地方に帰宅したのは0人、ダイル・ザウル県サーリヒーヤ村の通行所を経由してダマスカス郊外県、ヒムス県などに帰宅したのは0人、ヒムス県南東グラーブ山のジュライギム通行所を経由して帰還したのは4人、イドリブ県アブー・ズフール町郊外の通行所およびハマー県スーラーン町の通行所を経由して帰宅したのは0人だった。

グラーブ山通行所を経由して帰還した4人のうち、米主導の有志連合が占領するヒムス県タンフ国境通行所一帯地域(55キロ地帯)に面するヨルダン北東部のルクバーン・キャンプから帰国した難民は0人だった。

これにより、2019年1月以降に帰宅した国内避難民の数は36,309人(うち女性11,218人、子供16,491人)に、2015年9月30日以降に帰宅した国内避難民の数は1,304,905人(うち女性393,777人、子供660,257人)となった。

Ministry of Defence of the Russian Federation, November 2, 2019をもとに作成。

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