ロシアはトルコとの合意に基づきイドリブ県での停戦を発効、トルコにM5高速道路一帯から反体制派を撤退させるよう迫る(2020年1月9日)

ラタキア県フマイミーム航空基地のシリア駐留ロシア軍司令部に設置されている当事者和解調整センターのユーリ・ボレンコフ・センター長(中将)は声明を出し、「トルコ側との合意に従い、イドリブ県の緊張緩和地帯に、モスクワ時間2020年1月9日14:00(グリニッジ・標準時11:00、シリア時間13:00)おいて停戦規定を導入する」と発表した。

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停戦の発効は、9日にトルコのイスタンブールでのヴラジミール・プーチン大統領とレジェップ・タイイップ・エルドアン大統領の会談、そしてその前日の8日のプーチン大統領とアサド大統領の会談を受けたもの。

ドゥラル・シャーミーヤ(1月9日付)は、この停戦に関して、ロシアが2018年9月のプーチン大統領とエルドアン大統領が交わした非武装地帯設置にかかる合意をトルコに履行させ、M5高速道路一帯から反体制武装集団を撤退させようとしているとする複数の活動家の見立てを伝えた。

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ドゥラル・シャーミーヤ(1月9日付)によると、ロシアによる停戦発効発表後、シリア軍地上部隊がマアッラト・ヌウマーン市、マアッルシャムシャ村を砲撃した。

死傷者はなかった。

AFP, January 9, 2020、ANHA, January 9, 2020、AP, January 9, 2020、al-Durar al-Shamiya, January 9, 2020、Reuters, January 9, 2020、SANA, January 9, 2020、SOHR, January 9, 2020、UPI, January 9, 2020などをもとに作成。

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トルコ占領下のバーブ市(アレッポ県)で国民軍に所属する武装集団どうしが盗んだ家畜のシリア政府地域での密売をめぐって交戦(2020年1月9日)

アレッポ県では、シリア人権監視団によると、トルコ占領下のバーブ市内で国民軍に所属する武装集団どうしが盗んだ家畜のシリア政府地域での密売をめぐって対立、交戦となった。

交戦したのはシャーム戦線と東部自由人連合の戦闘員どうしで、シャーム戦線は東部自由人連合の戦闘員17人を拘束、家畜を積んでいた車輌を押収した。

また、国民軍を構成するアル=カーイダ系のシャーム自由人イスラーム運動が、両組織の兵力を引き離すために、バーブ市内に増援部隊を派遣した。

なお、シリア人権監視団によると、この撃ち合いで、住民2人が巻き添えとなって死亡した。

AFP, January 9, 2020、ANHA, January 9, 2020、AP, January 9, 2020、al-Durar al-Shamiya, January 9, 2020、Reuters, January 9, 2020、SANA, January 9, 2020、SOHR, January 9, 2020、UPI, January 9, 2020などをもとに作成。

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所属不明の無人航空機複数機が「イランの民兵」の影響力が強いダイル・ザウル県のジャラー町、アッバース村を爆撃(2020年1月9日)

ダイル・ザウル県では、シリア人権監視団によると、所属不明の無人航空機複数機が、シリア政府支配下のブーカマール市近郊のジャラー町、アッバース村を爆撃した。

ジャラー町、アッバース村はいずれも「イランの民兵」の影響力が強いとされている。

ドゥラル・シャーミーヤ(1月10日付)によると、この爆撃により、アフガン人民兵組織のファーティミーユーン旅団のメンバー8人が死亡。

AFP, January 9, 2020、ANHA, January 9, 2020、AP, January 9, 2020、al-Durar al-Shamiya, January 9, 2020、January 10, 2020、Reuters, January 9, 2020、SANA, January 9, 2020、SOHR, January 9, 2020、UPI, January 9, 2020などをもとに作成。

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トルコによってリビアに派遣された国民軍(自由シリア軍)司令官らの映像がSNSで拡散される(2020年1月9日)

ANHA(1月9日付)は、国民軍に所属するスルターン・ムラード師団のユースフ・マルハブ司令官(アブー・ムハンマド)と同師団の戦闘員が、派遣先のリビアで撮影したとされるビデオ映像がSNSを通じて拡散されている、と伝え、そのビデオ映像を転載した。

 

AFP, January 9, 2020、ANHA, January 9, 2020、AP, January 9, 2020、al-Durar al-Shamiya, January 9, 2020、Reuters, January 9, 2020、SANA, January 9, 2020、SOHR, January 9, 2020、UPI, January 9, 2020などをもとに作成。

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トルコ軍無人航空機がロシア軍監視所から200メートルの距離に位置する検問所を爆撃(2020年1月9日)

ラッカ県では、ANHA(1月9日付)、シリア人権監視団によると、トルコ軍の無人航空機がアイン・イーサー市入り口に設置されている検問所を爆撃し、1人が負傷した。

標的となった検問所は、ロシア軍の監視所から約200メートルの距離に位置している。

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ハサカ県では、SANA(1月9日付)、シリア人権監視団によると、トルコの占領下にあるラアス・アイン市近郊のマシュラーファ村で車に仕掛けられていた爆弾が爆発し、住民1人が死亡、1人が負傷した。

AFP, January 9, 2020、ANHA, January 9, 2020、AP, January 9, 2020、al-Durar al-Shamiya, January 9, 2020、Reuters, January 9, 2020、SANA, January 9, 2020、SOHR, January 9, 2020、UPI, January 9, 2020などをもとに作成。

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ラタキア市でイラン・イスラーム革命防衛隊ゴドス軍団のソレイマーニー司令官暗殺に抗議するデモ(2020年1月9日)

ラタキア県では、SANA(1月9日付)によると、ラタキア市で、米国によるイラン・イスラーム革命防衛隊ゴドス軍団のガーセム・ソレイマーニー司令官とイラク人民動員隊のアブー・マフディー・ムハンディス副司令官の暗殺に抗議するデモが行われた。

AFP, January 9, 2020、ANHA, January 9, 2020、AP, January 9, 2020、al-Durar al-Shamiya, January 9, 2020、Reuters, January 9, 2020、SANA, January 9, 2020、SOHR, January 9, 2020、UPI, January 9, 2020などをもとに作成。

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ロシア軍がイドリブ県を爆撃(2020年1月9日)

イドリブ県では、シリア人権監視団によると、ロシア軍戦闘機がマアッラト・ヌウマーン市一帯、ハーミディーヤ村を爆撃した。

またシリア軍地上部隊がマアッラト・ヌウマーン市近郊を砲撃した。

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ハマー県では、シリア人権監視団によると、シリア軍地上部隊がフワイジャ村を砲撃した。

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ロシア国防省は声明を出し、過去24時間で「緊張緩和地帯設置にかかる覚書」への違反を16件(イドリブ県7件、ラタキア県4件、アレッポ県2件、ハマー県3件)確認したと発表した。

トルコ側の監視チームは停戦違反を12件(イドリブ県4件、ラタキア県1件、アレッポ県7件、ハマー県0件)確認した。

AFP, January 9, 2020、ANHA, January 9, 2020、AP, January 9, 2020、al-Durar al-Shamiya, January 9, 2020、Ministry of Defence of the Russian Federation, January 9, 2020、Reuters, January 9, 2020、SANA, January 9, 2020、SOHR, January 9, 2020、UPI, January 9, 2020などをもとに作成。

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ロシア難民受入移送居住センター:レバノンから204人、ヨルダンから972人の難民が帰国、避難民163人が帰宅(2020年1月9日)

ロシア国防省は、合同調整センター所轄の難民受入移送居住センターの日報(1月9日付)を公開し、1月8日に難民1,176人が新たに帰国したと発表した。


このうちレバノンから帰国したのは204人(うち女性62人、子供104人)、ヨルダンから帰国したのは972人(うち女性181人、子供308人)。

これにより、2018年7月18日以降に帰国したシリア難民の数は519,367人となった。

内訳は、レバノンからの帰国者165,788人(うち女性50,129人、子ども84,847人、ザムラーニー国境通行所、ジュダイダト・ヤーブース国境通行所、ダブスィーヤ国境通行所、クサイル国境通行所、タッルカルフ国境通行所を経由して帰国)、ヨルダンからの帰国者353,579人(うち女性106,117人、子ども180,317人、ナスィーブ国境通行所を経由して帰国)。

45カ国で難民登録したシリア人の数は6,682,935人(うち女性2,004,881人、子供3,408,297人)。

また、ロシアがシリア領内で航空作戦を開始した2015年9月30日以降に帰国した難民の数は 748,647人(うち女性224,904人、子供382,086人)となった。
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一方、国内避難民163人が新たに帰宅した。

うちダマスカス郊外県東グータ地方に帰宅したのは0人、ダイル・ザウル県サーリヒーヤ村の通行所を経由してダマスカス郊外県、ヒムス県などに帰宅したのは163人、ヒムス県南東グラーブ山のジュライギム通行所を経由して帰還したのは0人、イドリブ県アブー・ズフール町郊外の通行所およびハマー県スーラーン町の通行所を経由して帰宅したのは0人だった。

これにより、2019年1月以降に帰宅した国内避難民の数は37,867人(うち女性11,578人、子供17,264人)に、2015年9月30日以降に帰宅した国内避難民の数は1,306,463人(うち女性394,137人、子供661,012人)となった。

Ministry of Defence of the Russian Federation, January 9, 2020をもとに作成。

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