シリア軍がシャーム解放機構、国民解放戦線などからなる「決戦」作戦司令室との戦闘の末、イドリブ県の4カ村を制圧(奪還)し、マアッラト・ヌウマーン市から4キロの地点に到達(2020年1月24日)

イドリブ県では、SANA(1月24日付)によると、シリア軍がシャーム解放機構などからなる反体制武装集団との戦闘の末、サムカ村、タッフ村、ダイル・シャルキー村を制圧(奪還)した。

シリア人権監視団によると、シリア軍はまた、ダイル・ガルビー村も制圧した。

これにより、シリア軍はマアッラト・ヌウマーン市から4キロの地点、トルコ軍の監視所が設置されているマアッルハッタート村が見渡せる高台に到達した。


シリア人権監視団によると、ロシア軍戦闘機がザーウィヤ山一帯、ハーッス村、マアッルディブサ村、アブー・ジュライフ村、ハーン・スブル村、サルジャ村、タッル・マンス村、ハントゥーティーン村を、シリア軍戦闘機がサラーキブ市およびその一帯、マアッラト・ヌウマーン市、バイニーン、サルジャ、M5高速道路沿線を爆撃、シリア軍ヘリコプターも、イフスィム町、マアッラト・ヌウマーン市、ハントゥーティーン村、ダイル・サンバル村、ハーッス村、タッル・マンス村、マアッルシューリーン村、ガドファ村、カフルルーマー村を「樽爆弾」で爆撃した。

また、シリア軍地上部隊がバアルブー村でシャーム解放機構、国民解放戦線(シリア国民軍)などからなる「決戦」作戦司令室と激しく交戦した。

ダイル・シャルキー村を制圧したシリア軍地上部隊はさらに、マアッラト・ヌウマーン市南部で「決戦」作戦司令室と交戦、またサムカ村制圧後はアブー・ジュライフ村近郊の農場に進軍し、「決戦」作戦司令室と交戦した。

一連の戦闘で、シリア軍兵士7人と「決戦」作戦司令室の戦闘員16人が死亡した。

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アレッポ県では、シリア人権監視団によると、ロシア軍戦闘機が第46中隊基地、マアーッラト・アルティーク村、マンスーラ村、アレッポ市ラーシディーン地区、ICARDA、カフルナーハー村、ハーン・アサル村、ウンム・アトバ村、アナダーン市を爆撃、シリア軍ヘリコプターもシュワイフナ丘、ハーン・トゥーマーン村を「樽爆弾」で爆撃した。

また、シリア軍地上部隊がシャーム解放機構などからなる反体制武装集団とアレッポ市ライラムーン地区、穀物集積拠点地区、マンヤーン村で交戦した。

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なお、シリア人権監視団によると、イドリブ県東部とアレッポ県西部での戦闘激化を受けて1月15日以降に国内避難民(IDPs)となった住民のはずは8万4000人に達しているという。

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ロシア国防省は声明を出し、過去24時間で「緊張緩和地帯設置にかかる覚書」への違反を115件(イドリブ県23件、ラタキア県16件、アレッポ県67件、ハマー県9件)確認したと発表した。

トルコ側の監視チームは停戦違反を111件(イドリブ県37件、ラタキア県6件、アレッポ県62件、ハマー県6件)確認した。

AFP, January 24, 2020、ANHA, January 24, 2020、AP, January 24, 2020、al-Durar al-Shamiya, January 24, 2020、Ministry of Defence of the Russian Federation, January 24, 2020、Reuters, January 24, 2020、SANA, January 24, 2020、SOHR, January 24, 2020、UPI, January 24, 2020などをもとに作成。

(C)青山弘之 All rights reserved.

イドリブ県バーブ・サラーマ国境通行所、イドリブ市、アレッポ県アアザーズ市で抗議デモ、ロシアに攻撃を停止させるために圧力をかけるようトランプ米大統領に呼びかける(2020年1月24日)

イドリブ県では、シリア人権監視団によると、トルコとの国境に面するバーブ・サラーマ国境通行所で、トルコ軍と「自由シリア軍」による北・東シリア自治局支配地域の掌握、イドリブ県とアレッポ県に対するシリア・ロシア軍の攻撃の停止を求める抗議デモが行われ、数十人が参加した。

また、ドゥラル・シャーミーヤ(1月24日付)によると、シャーム解放機構が軍事・治安権限を掌握するイドリブ市では「イドリブとアレッポ、革命と怒り」と銘打った抗議デモが行われ、数百人が参加、シリア・ロシア軍による攻撃を非難するとともに、体制打倒、逮捕者釈放を訴えた。

デモ参加者はまた、ロシアに攻撃を停止させるために圧力をかけるようドナルド・トランプ米大統領に呼びかけた。

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アレッポ県では、ドゥラル・シャーミーヤ(1月24日付)によると、トルコの占領下にあるアアザーズ市で、体制打倒と国内避難民(IDPs)の帰還を求めるデモが行われた。

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ダルアー県では、シリア人権監視団によると、シリア政府支配下のフラーク市で住民が逮捕者釈放を求める抗議デモを行った。

AFP, January 24, 2020、ANHA, January 24, 2020、AP, January 24, 2020、al-Durar al-Shamiya, January 24, 2020、Reuters, January 24, 2020、SANA, January 24, 2020、SOHR, January 24, 2020、UPI, January 24, 2020などをもとに作成。

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トルコ軍と国民軍はアレッポ県北西部、ラッカ県北部、ハサカ県北部を砲撃(2020年1月24日)

アレッポ県では、ANHA(1月24日付)によると、トルコ軍とその支援を受けるシリア国民軍が、北・東シリア自治局とシリア政府の共同支配下にあるタッル・リフアト市近郊のシャワーリガ村、マルアナーズ村を砲撃した。

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ラッカ県では、ANHA(1月24日付)によると、トルコ軍とその支援を受けるシリア国民軍がタッル・アブヤド市近郊のサリーバ村、ビール・アラブ村、タッル・バドルハーン村、そしてジャラン村にあるシリア軍拠点を狙って砲撃した。

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ハサカ県では、ANHA(1月24日付)によると、トルコ軍とその支援を受けるシリア国民軍がタッル・タムル町近郊のアリーシャ村、カースィミーヤ村、ライハーニーヤ村、アルバイーン村、ウンム・カイフ村を砲撃、人民防衛隊(YPG)主体のシリア民主軍傘下のシリア正教軍事評議会が応戦した。

トルコ軍と国民軍の砲撃は、タッル・タムル町近郊の牧場地帯に設置されているロシア軍の拠点近くにも及んだ。

なお、トルコ軍、国民軍との戦闘で、シリア正教軍事評議会はトルコ軍兵士を含む14人を殺害したという。

AFP, January 24, 2020、ANHA, January 24, 2020、AP, January 24, 2020、al-Durar al-Shamiya, January 24, 2020、Reuters, January 24, 2020、SANA, January 24, 2020、SOHR, January 24, 2020、UPI, January 24, 2020などをもとに作成。

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ロシア難民受入移送居住センター:951人の難民が新たに帰還、2018年半ば以降帰還した難民は534,513人に(2020年1月24日)

ロシア国防省は、合同調整センター所轄の難民受入移送居住センターの日報(1月24日付)を公開し、1月23日に難民951人が新たに帰国したと発表した。

このうちレバノンから帰国したのは317人(うち女性95人、子供162人)、ヨルダンから帰国したのは634人(うち女性190人、子供323人)。

これにより、2018年7月18日以降に帰国したシリア難民の数は534,513人となった。

内訳は、レバノンからの帰国者169,874人(うち女性51,355人、子ども86,930人、ザムラーニー国境通行所、ジュダイダト・ヤーブース国境通行所、ダブスィーヤ国境通行所、クサイル国境通行所、タッルカルフ国境通行所を経由して帰国)、ヨルダンからの帰国者364,639人(うち女性109,435人、子ども185,958人、ナスィーブ国境通行所を経由して帰国)。

45カ国で難民登録したシリア人の数は6,569,742人(うち女性1,970,923人、子供3,350,568人)。

また、ロシアがシリア領内で航空作戦を開始した2015年9月30日以降に帰国した難民の数は 763,793人(うち女性229,448人、子供389,810人)となった。

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一方、国内避難民2人が新たに帰宅した。

うちダマスカス郊外県東グータ地方に帰宅したのは0人、ダイル・ザウル県サーリヒーヤ村の通行所を経由してダマスカス郊外県、ヒムス県などに帰宅したのは0人、ヒムス県南東グラーブ山のジュライギム通行所を経由して帰還したのは2人、イドリブ県アブー・ズフール町郊外の通行所およびハマー県スーラーン町の通行所を経由して帰宅したのは0人だった。

グラーブ山通行所を経由して帰還した2人のうち、米主導の有志連合が占領するヒムス県タンフ国境通行所一帯地域(55キロ地帯)に面するヨルダン北東部のルクバーン・キャンプから帰国した難民は0人だった。

これにより、2019年1月以降に帰宅した国内避難民の数は40,555人(うち女性13,249人、子供19,122人)に、2015年9月30日以降に帰宅した国内避難民の数は1,311,151人(うち女性395,808人、子供662,888人)となった。

Ministry of Defence of the Russian Federation, January 24, 2020をもとに作成。

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