反体制派系のシリア対応調整者は2018年9月以降のシリア・ロシア軍の攻勢で69万人以上がIDPsになったと発表(2020年1月31日)

反体制組織のシリア対応調整者は声明を出し、ロシア・トルコ両首脳が非武装地帯設置にかかる合意を交わした2018年9月以降に、緊張緩和地帯第1ゾーン(イドリブ県)に対するシリア・ロシア軍の攻撃と同地での戦闘で国内避難民(IDPs)となった住民と犠牲者の数を発表した。

声明によると、2018年9月以降にIDPsとなった住民は695,500人、民間人犠牲者は1,992人に達するという。

具体的には、2018年10月の大規模攻撃で37,200人以上が避難、民間人31人(うち子ども16人)が死亡、2018年12月の大規模攻撃で41,300人以上が避難、民間人39人(うち子ども11人)が死亡、2019年2年の大規模攻撃で96,6100人が避難、民家人1,418人(うち子ども382人)が死亡、2019年11月の大規模攻撃で38,2500人が避難、民家人310人(うち子ども99人)が死亡、2020年1月の大規模戦闘で約12万人がアレッポ県西部から14,8500人がイドリブ県南部および東部から避難、民間人131人(うち子ども41人)が死亡したという。

AFP, January 31, 2020、ANHA, January 31, 2020、AP, January 31, 2020、al-Durar al-Shamiya, January 31, 2020、Reuters, January 31, 2020、SANA, January 31, 2020、SOHR, January 31, 2020、UPI, January 31, 2020などをもとに作成。

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トルコのエルドアン大統領はイドリブ県での状況次第で軍事力を行使する可能性を示唆(2020年1月31日)

トルコのレジェップ・タイイップ・エルドアン大統領は、イドリブ県とアレッポ県西部でシリア・ロシア軍が攻勢を続けていることを受けて報道向け声明を出し、シリア国内に駐留するトルコ軍部隊を撤退させる意思はないことを明らかにした。

エルドアン大統領は「シリアに駐留するトルコ軍部隊はアダナ合意に基づいている…。シリアでのいかなる変化も、トルコ国内と同じようにきわめて重要で、我々はイドリブ県をはじめとするシリア国内情勢を傍観することはなかったし、これからも傍観はしない…。我々は信念をもって言いたい。我々はシリアの安定実現を望んでいる。そのために必要なあらゆることを躊躇なく行う。そのなかには軍事力の行使も含まれる」と述べた。

アナトリア通信(1月31日付)が伝えた。

AFP, January 31, 2020、Anadolu Ajansı, January 31, 2020、ANHA, January 31, 2020、AP, January 31, 2020、al-Durar al-Shamiya, January 31, 2020、Reuters, January 31, 2020、SANA, January 31, 2020、SOHR, January 31, 2020、UPI, January 31, 2020などをもとに作成。

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ドゥラル・シャーミーヤは「決戦」作戦司令室諸派の司令官と地元名士を招いた対談を主催(2020年1月31日)

ドゥラル・シャーミーヤ(1月31日付)は、イドリブ県とアレッポ県西部でシリア・ロシア軍に対峙する「決戦」作戦司令室に所属する諸派の司令官と地元名士を招いた対談を主催し、その映像をインターネットを通じて公開した。

https://youtu.be/FWcDqJPnGrI

対談に出席したのは、トルコの後援を受ける国民解放戦線(国民軍所属)のサーリフ・ハウワー司令官、イドリブ県の軍事・治安権限を掌握するシリアのアル=カーイダのシャーム解放機構のアフマド・ハンマーシュ司令官、アレッポ県西部の名士でシャイフのアリー・バカルー氏、北部解放区シューラー評議会メンバーのアブドゥルカリーム・バラカート氏。

対談のなかで、出席者たちは「決戦」作戦司令室に参加する諸派の連携を通じて、イドリブ県とアレッポ県での戦闘に重点を置いていることを確認した。

AFP, January 31, 2020、ANHA, January 31, 2020、AP, January 31, 2020、al-Durar al-Shamiya, January 31, 2020、Reuters, January 31, 2020、SANA, January 31, 2020、SOHR, January 31, 2020、UPI, January 31, 2020などをもとに作成。

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トルコ軍はM5高速道路とM4高速道路が交わるサラーキブ市(イドリブ県)北に新たな監視所を設置(2020年1月31日)

イドリブ県では、ドゥラル・シャーミーヤ(1月31日付)によると、トルコ軍がM5高速道路とM4高速道路が交わるサラーキブ市の北に新たな監視所を設置した。

トルコ軍は数日前にも同地に監視所を設置しているという。

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アレッポ県では、シリア人権監視団によると、トルコの要請に基づき、国民軍の戦闘員数百人が前日に引き続いて、車輌数十輌を連ねて、アレッポ市西部郊外のシャーム解放機構の支配地域に入った。

AFP, January 31, 2020、ANHA, January 31, 2020、AP, January 31, 2020、al-Durar al-Shamiya, January 31, 2020、Reuters, January 31, 2020、SANA, January 31, 2020、SOHR, January 31, 2020、UPI, January 31, 2020などをもとに作成。

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トルコ軍と国民軍はハサカ県、ラッカ県、アレッポ県への砲撃を続ける(2020年1月31日)

ハサカ県では、ANHA(1月31日付)によると、トルコとその支援を受ける国民軍がアブー・ラースィーン(ザルカーン)町近郊の村々、タッル・タムル町近郊のウンム・カイフ村を砲撃した。

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ラッカ県では、ANHA(1月31日付)によると、トルコとその支援を受ける国民軍がタッル・アブヤド市近郊のアリーダ村、ヒルバト・バカル村を砲撃した。

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アレッポ県では、ANHA(1月31日付)によると、トルコ軍とその支援を受けるシリア国民軍が、北・東シリア自治局とシリア政府の共同支配下にあるタッル・リフアト市近郊のマルアナーズ村、シャワーリガ村、マーリキーヤ村、アルカミーヤ村を砲撃した。

AFP, January 31, 2020、ANHA, January 31, 2020、AP, January 31, 2020、al-Durar al-Shamiya, January 31, 2020、Reuters, January 31, 2020、SANA, January 31, 2020、SOHR, January 31, 2020、UPI, January 31, 2020などをもとに作成。

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フランス司法当局は学生ビザを取得し入国していたイスラーム軍のイスラーム・アッルーシュ前報道官を拷問、戦争犯罪、強制失踪に対する共謀の容疑で逮捕(2020年1月31日)

AFP(1月31日付)は、フランス司法筋の話として、イスラーム軍のイスラーム・アッルーシュ前報道官(本名マジュディー・ムスタファー・ニウマ)が首都パリで、拷問、戦争犯罪、強制失踪に対する共謀の容疑で検察の捜査を受けていると伝えた。

アッルーシュ前報道官は、エラスムス計画の奨学生として学生ビザを取得し、フランスに入国していたが、マルセイユで逮捕されたという。

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イスラーム・アッルーシュ氏は2017年6月2日に報道官職を辞していた。

AFP, January 31, 2020、ANHA, January 31, 2020、AP, January 31, 2020、al-Durar al-Shamiya, January 31, 2020、Reuters, January 31, 2020、SANA, January 31, 2020、SOHR, January 31, 2020、UPI, January 31, 2020などをもとに作成。

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シリア軍がイドリブ県の6カ村を制圧する一方、シャーム解放機構などからなる反体制武装集団はアレッポ市西の記者協会地区を奪還(2020年1月31日)

イドリブ県では、SANA(1月31日付)によると、シリア軍がM5高速道路沿線でシャーム解放機構、国民解放戦線(シリア国民軍)などからなる「決戦」作戦司令室と交戦、ヒーシュ村、アーミリーヤ村、カフル・マズダ村、タビーシュ村、バラーア村、ジャバーラー村、アルマナーイ丘を新たに制圧した。

一方、シリア人権監視団によると、ロシア軍がサラーキブ市のホワイト・ヘルメット拠点を爆撃し、複数人が負傷した。

シリア軍ヘリコプターもサラーキブ市を「樽爆弾」で爆撃した。

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アレッポ県では、シリア人権監視団によると、シャーム解放機構などからなる反体制武装集団がシリア軍との戦闘の末に29日に喪失していたアレッポ市記者協会地区を奪還した。

同地では、シリア軍が拠点としていたビルに対して、シャーム解放機構が爆弾を仕掛けた車で攻撃、その後の戦闘でシャーム解放機構側は記者協会地区を奪還したという。

ドゥラル・シャーミーヤ(1月31日付)が複数の親政権筋の話として伝えたところによると、記者協会地区での戦闘で、「イランの民兵」の一つであるバーキル旅団のアブー・サイフーを名乗る特殊部隊司令官が要撃を受けて死亡した。

一方、SANA(1月31日付)によると、シャーム解放機構などからなる反体制武装集団が、シリア政府支配下のアレッポ市サラーフッディーン地区を砲撃し、住宅などが被害を受けた。

これに対して、シリア軍はアレッポ市西部・南部郊外で反体制武装集団に対する攻撃を続けた。

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ロシア国防省は声明を出し、過去24時間で「緊張緩和地帯設置にかかる覚書」への違反を34件(イドリブ県6件、ラタキア県17件、アレッポ県0件、ハマー県11件)確認したと発表した。

トルコ側の監視チームは停戦違反を10件(イドリブ県4件、ラタキア県0件、アレッポ県4件、ハマー県2件)確認した。

AFP, January 31, 2020、ANHA, January 31, 2020、AP, January 31, 2020、al-Durar al-Shamiya, January 31, 2020、Ministry of Defence of the Russian Federation, January 31, 2020、Reuters, January 31, 2020、SANA, January 31, 2020、SOHR, January 31, 2020、UPI, January 31, 2020などをもとに作成。

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ロシア難民受入移送居住センター:1,154人の難民が新たに帰還、2018年半ば以降帰還した難民は540,551人に(2020年1月31日)

ロシア国防省は、合同調整センター所轄の難民受入移送居住センターの日報(1月31日付)を公開し、1月30日に難民1,154人が新たに帰国したと発表した。

このうちレバノンから帰国したのは294人(うち女性88人、子供150人)、ヨルダンから帰国したのは860人(うち女性258人、子供439人)。

これにより、2018年7月18日以降に帰国したシリア難民の数は540,551人となった。

内訳は、レバノンからの帰国者171,440人(うち女性51,826人、子ども87,729人、ザムラーニー国境通行所、ジュダイダト・ヤーブース国境通行所、ダブスィーヤ国境通行所、クサイル国境通行所、タッルカルフ国境通行所を経由して帰国)、ヨルダンからの帰国者369,111人(うち女性110,776人、子ども188,239人、ナスィーブ国境通行所を経由して帰国)。

45カ国で難民登録したシリア人の数は6,569,742人(うち女性1,970,923人、子供3,350,568人)。

また、ロシアがシリア領内で航空作戦を開始した2015年9月30日以降に帰国した難民の数は 769,831人(うち女性231,260人、子供392,890人)となった。

Ministry of Defence of the Russian Federation, January 31, 2020をもとに作成。

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