イスラエル軍戦闘機が首都ダマスカス一帯をミサイル攻撃(2021年2月15日)

SANA(2月15日付)は、軍消息筋の話として、シリア軍防空部隊が15日未明(午前1時18分)、占領下のゴラン高原およびガリラヤ地方上空から首都ダマスカス一帯に向けてイスラエル軍戦闘機が発射したミサイル多数を迎撃、そのほとんどを撃破したと伝えた。

 

 

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シリア人権監視団によると、このミサイル攻撃で、首都ダマスカス西および南西郊外の旧ベイルート街道一帯の第4師団拠点、ダマスカス郊外県キスワ市一帯、の拠点や武器弾薬庫が標的となり、「イランの民兵」9人が死亡した。

死亡したのはいずれも外国人だという。

一方、サウト・アースィマ(2月15日付)によると、攻撃は、キスワ市西の第1師団司令部、ダマスカス県ドゥンマル区およびマシュルーウ・ドゥンマル地区一帯の武器弾薬庫、旧ベイルート街道に近いバジャーア町の山間部の第4師団の防空基地に対して行われた。

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これを受けて、外務在外居住者省は国連事務総長と安保理議長に宛てて書簡を送付し、イスラエルの侵犯行為を報告し、武装テロ組織への支援とゴラン高原を含むアラブ諸国の領土占領を継続することを口実とした攻撃がもたらす悪影響に継承をならすとともに、その責任の一切はイスラエルにあると非難した。

そのうえで、「ヌスラ戦線(現シャーム解放機構)、ダーイシュ(イスラーム国)、ホワイト・ヘルメットといった自らのパートナーや手先を保護するためのこうした攻撃は過去もこれからも成功することはない」と主張、国連に厳正な対処を求めた。

AFP, February 15, 2021、ANHA, February 15, 2021、al-Durar al-Shamiya, February 15, 2021、Reuters, February 15, 2021、SANA, February 15, 2021、Sawt al-‘Asima, February 15, 2021、SOHR, February 15, 2021などをもとに作成。

(C)青山弘之 All rights reserved.

ロシア軍の仲介でシリア政府と北・東シリア自治局の代表がハサカ市、カーミシュリー市の緊張緩和に向けて協議するも物別れに(2021年2月15日)

ラッカ県では、シリア人権監視団によると、シリア政府と北・東シリア自治局の共同支配下にあるラッカ市で、ロシア軍の仲介のもとに双方の代表が会合を開き、ハサカ県ハサカ市とカーミシュリー市での国防隊と人民防衛隊(YPG)主体のシリア民主軍・内務治安部隊(アサーイシュ)の緊張緩和に向けて意見を交わしたが、合意に至らず物別れに終わった。

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一方、スプートニク・ニュース(2月15日付)は、シリア民主軍の使節団が最近になって、軍事・経済関連の問題、とりわけ石油と穀物をめぐる問題に対処するために、首都ダマスカスを頻繁に訪問していると伝えた。

首都ダマスカスを訪問しているのは、シリア民主軍の政治母体であるシリア民主評議会のイルハーム・アフマド執行委員会共同議長、北・東シリア自治局の経済石油関連の責任者のムハンマド・ウマル氏ら。

AFP, February 15, 2021、ANHA, February 15, 2021、al-Durar al-Shamiya, February 15, 2021、Reuters, February 15, 2021、SANA, February 15, 2021、SOHR, February 15, 2021、Sputnik News, February 15, 2021などをもとに作成。

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ダイル・ザウル県ではダーイシュのセルと思われる武装集団がアサーイシュ隊員1人を殺害(2021年2月15日)

ダイル・ザウル県では、シリア人権監視団によると、北・東シリア自治局の支配下のハジュナ村でダーイシュ(イスラーム国)のセルと思われる武装集団が内務治安部隊(アサーイシュ)に向けて銃を発砲、隊員1人を殺害した。

また、北・東シリア自治局の支配下にあるブサイラ市近郊のアフマル村では、正体不明の武装集団が住民を銃で撃ち殺害した。

AFP, February 15, 2021、ANHA, February 15, 2021、al-Durar al-Shamiya, February 15, 2021、Reuters, February 15, 2021、SANA, February 15, 2021、SOHR, February 15, 2021などをもとに作成。

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トルコ軍とシリア民主軍がアレッポ県北部で砲撃戦(2021年2月15日)

アレッポ県では、人民防衛隊(YPG)主体のシリア民主軍に所属するマンビジュ軍事評議会によると、バーブ市東に位置するシリア政府と北・東シリア自治局の共同支配下にあるブワイヒジュ村、ジュッブ・マフズーム村、フータ村が(小)スッカリーヤ村に設置されているトルコ軍の基地から砲撃を受けた。

シリア人権監視団によると、これに対して、シリア民主軍に所属するバーブ軍事評議会が、トルコ占領下のウンム・アダサ村、(小)スッカリーヤ村を砲撃した。

ANHA(2月15日付)によると、トルコ軍とその支援を受けるシリア国民軍はまた、シリア政府と北・東シリア自治局の共同支配下にあるタッル・リフアト市近郊のマルアナーズ村、アルカミーヤ村を砲撃した。

AFP, February 15, 2021、ANHA, February 15, 2021、al-Durar al-Shamiya, February 15, 2021、Reuters, February 15, 2021、SANA, February 15, 2021、SOHR, February 15, 2021などをもとに作成。

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新型コロナウイルスの新規感染者はシリア政府支配地域で75人、シャーム解放機構主体の反体制派とトルコの支配下にあるイドリブ・アレッポ県で6人(2021年2月15日)

保健省は政府支配地域で新たに75人の新型コロナウイルス感染者が確認される一方、感染者43人が完治し、3人が死亡したと発表した。

これにより、2月15日現在の同地での感染者数は計14,906人、うち死亡したのは981人、回復したのは8,754人となった。

SANA(2月15日付)が伝えた。

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反体制派系NGOの支援連携ユニットは、シリアのアル=カーイダであるシャーム解放機構が軍事・治安権限を握る「解放区」とトルコ占領下の「オリーブの枝」地域と「ユーフラテスの盾」地域で2月15日に新たに6人の新型コロナウイルス感染者が確認される一方、82人が完治したと発表した。

新規感染者の内訳は、イドリブ県ジスル・シュグール郡0人、イドリブ郡0人、ハーリム郡0人、アリーハー郡1人、アレッポ県スィムアーン山郡0人、ジャラーブルス郡0人、バーブ郡0人、アフリーン郡5人、アアザーズ郡0人。

これにより、同地での感染者数は計21,078人、うち回復したのは17,331人、死亡したのは407人となった。

https://www.facebook.com/ACUSyria/photos/1514548442083375/

AFP, February 15, 2021、ACU, February 15, 2021、ANHA, February 15, 2021、al-Durar al-Shamiya, February 15, 2021、Reuters, February 15, 2021、SANA, February 15, 2021、SOHR, February 15, 2021などをもとに作成。

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シリア軍はイドリブ県ザーウィヤ山地方、ハマー県ガーブ地方、ラタキア県クルド山地方を砲撃(2021年2月15日)

イドリブ県では、シリア人権監視団によると、シリア軍が「決戦」作戦司令室の支配下にあるザーウィヤ山地方のファッティーラ村、バーラ村、フライフィル村、マルアンド村を砲撃した。

「決戦」作戦司令室は、シリアのアル=カーイダであるシャーム解放機構とトルコの庇護を受ける国民解放戦線(シリア国民軍)などからなる武装連合体。

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ハマー県では、シリア人権監視団によると、シリア軍が「決戦」作戦司令室の支配下にあるガーブ平原のアムキーヤ町一帯を砲撃した。

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ラタキア県では、シリア人権監視団によると、シリア軍が「決戦」作戦司令室の支配下にあるクルド山地方を砲撃した。

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ロシア国防省は声明を出し、過去24時間で「緊張緩和地帯設置にかかる覚書」への違反を35件(イドリブ県19件、ラタキア県12件、アレッポ県2件、ハマー県2件)確認したと発表した。

シリア政府によると、停戦違反は28件。

一方、トルコ側の監視チームは、停戦違反を13件確認したと発表した(ただし、ロシア側はこれらの違反を確認していない)。

AFP, February 15, 2021、ANHA, February 15, 2021、al-Durar al-Shamiya, February 15, 2021、Ministry of Defence of the Russian Federation, February 15, 2021、Reuters, February 15, 2021、SANA, February 15, 2021、SOHR, February 15, 2021などをもとに作成。

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ロシア難民受入移送居住センター:難民61人が新たに帰還、2018年半ば以降帰還した難民は648,591人に(2021年2月15日)

ロシア国防省は、合同調整センター所轄の難民受入移送居住センターの日報(2月15日付)を公開し、2月14日に難民61人(うち女性18人、子供31人)が新たに帰国したと発表した。

このうちレバノンから帰国したのは難民61人(うち女性18人、子供31人)、ヨルダンから帰国したのは0人。

これにより、2018年7月18日以降に帰国したシリア難民の数は648,591人となった。

内訳は、レバノンからの帰還者253,343人(うち女性76,153人、子ども128,932人、ザムラーニー国境通行所、ジュダイダト・ヤーブース国境通行所、ダブスィーヤ国境通行所、クサイル国境通行所、タッルカルフ国境通行所を経由して帰国)、ヨルダンからの帰国者395,248人(うち女性118,618人、子ども201,569人、ナスィーブ国境通行所を経由して帰国)。

43カ国で難民登録したシリア人の数は6,729,796人。

なお、ロシアがシリア領内で航空作戦を開始した2015年9月30日以降に帰国した難民の数は877,871人(うち女性263,429人、子供447,423人)となった。

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一方、国内避難民の新たな帰宅はなかった。

2019年1月以降に帰宅した国内避難民の数は72,506人(うち女性25,448人、子供28,798人)に、2015年9月30日以降に帰宅した国内避難民の数は1,341,102人(うち女性408,207人、子供672,564人)。

Ministry of Defence of the Russian Federation, February 15, 2021をもとに作成。

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