PYDが主導する北・東シリア自治局の支配下にあるダイル・ザウル県が正式に四つの地区に分割される(2021年2月22日)

反体制派系サイトのナフル・メディア(2月22日付)は、クルド民族主義組織の民主統一党(PYD)が主導する北・東シリア自治局、人民防衛隊(YPG)主体のシリア民主軍に所属するダイル・ザウル軍事評議会、部族名士、米主導の有志連合が会合を開き、北・東シリア自治局の支配下にあるダイル・ザウル県の分割について協議したと伝えた。

会合では、北・東シリア自治局支配下のダイル・ザウル県ユーフラテス川以東地域を、西部地区、東部地区、北部地区、中部地区という四つの地区に分割することが合意されたという。

各地区は、地元住民のなかから選ばれた執政官42人によって運営されるという。

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北・東シリア自治局執行評議会のビーリーファーン・ハーリド共同議長は会合で「この地域の住民による自治は、市民の関心に近い自治の構築を成功させるもっとも重要な礎であり、(北・東シリア)自治局は、こうした自治の支えとなって、この地域における戦略的な副詞プロジェクトを実施する」と述べた。

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一方、反体制派系のジスル・プレス(2月23日付)によると、執政官はすでに選出され、各地区の立法評議会において宣誓、各地区の立法評議会は、北・東シリア自治局を構成するダイル・ザウル民政評議会の傘下に入るという。

ジスル・プレスによると、ダイル・ザウル県内の北・東シリア自治局支配地域は1600万平方キロメートルに及び、165万人が暮らしているという。

なお、アイン・フラート(2月20日付)によると、これに先立ち、ダイル・ザウル軍事評議会、ダイル・ザウル民政評議会、シリア民主軍が会合を開き、同地の分割について協議していた。

AFP, February 23, 2021、ANHA, February 23, 2021、‘Ayn al-Furat, February 20, 2021、al-Durar al-Shamiya, February 23, 2021、Jesr Press, February 23, 2021、Naher Media, February 22, 2021、Reuters, February 23, 2021、SANA, February 23, 2021、SOHR, February 23, 2021などをもとに作成。

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シリアとの捕虜交換で解放されたイスラエル人女性は冒険心でシリアへの潜入を試みたことを認める(2021年2月22日)

タイムズ・オブ・イスラエル(2月22日付)は、2月17日にシリア人2人(ナハール・マクト氏、ズィヤーブ・カフムーズ氏)と捕虜交換されたイスラエル人女性について、シャイフ山(ヘルモン山)の斜面を伝ってクナイトラ県マジュダル・シャムス村に向かっていた時に、シリア当局に拘束されていたと伝えた。

同サイトは、この地域が、有刺鉄線を容易に越えることができ、また他の境界地帯に比べて比較的安全対策が手薄だったとしたうえで、イスラエル軍の監視システムが、シリア領内からイスラエル占領地に潜入する動きを捕捉していたと付言、女性が兵力引き離し地域(AOS)に不法進入し拘束されたのではなく、シリア側が占領地で拉致したと主張した。

ただし、この女性は冒険心でAOSに潜入しようとしていたことは認めているという。

AFP, February 23, 2021、ANHA, February 23, 2021、al-Durar al-Shamiya, February 23, 2021、Reuters, February 23, 2021、SANA, February 23, 2021、SOHR, February 23, 2021、The Time of Israel, February 22, 2021などをもとに作成。

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シャーム解放機構と国民解放戦線はシリア政府がサラーキブ市・タルナバ村間に回廊を設置したことを「ウソ」「作り話」と一蹴(2021年2月22日)

シリアのアル=カーイダであるシャーム解放機構のタキー・ディーン・ウマル広報関係局長は、シリア政府がイドリブ県のM4高速道路沿線のサラーキブ市・タルナバ村間に回廊を設置したことに関して、ドゥラル・シャーミーヤ(2月22日付)に対して、「こうした物言いには根拠がない」と一蹴した。

ウマル広報関係局長は「占領国ロシアの民兵は、「シリア革命」について常にウソを編み出し、全力で国内外の世論に誤解を植え付けてきた」と批判した。

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国民解放戦線のナージー・ムスタファー報道官(大尉)は報道声明を出し、支配地域の住民がサラーキブ市・タルナバ村間に設置した回廊を経由してシリア政府支配地域に脱出しようとするのを反体制派が阻止しているとの政府側の報道に関して、「繰り返されるスキャンダラスな作り話で、その制作は失敗している」と非難した。

ムスタファー報道官はまた「我らが住民が自分たちの地域、都市、村に帰る基本条件とは、アサドの悪党どもが去ることだということは周知の通りだ」と付言した。

AFP, February 22, 2021、ANHA, February 22, 2021、al-Durar al-Shamiya, February 22, 2021、Reuters, February 22, 2021、SANA, February 22, 2021、SOHR, February 22, 2021などをもとに作成。

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ロシア軍は前日に突如撤退していたラッカ県のアイン・イーサー市とハサカ県タッル・タムル町近郊の畜産牛センターの基地に再駐留(2021年2月22日)

シリア人権監視団は、ラッカ県のアイン・イーサー市とハサカ県タッル・タムル町近郊の畜産牛センターに設置されていた基地にロシア軍憲兵隊が再び駐留したと発表した。

同監視団によると、ロシア軍は2月21日に両基地から一時撤退していた。

AFP, February 22, 2021、ANHA, February 22, 2021、al-Durar al-Shamiya, February 22, 2021、Reuters, February 22, 2021、SANA, February 22, 2021、SOHR, February 22, 2021などをもとに作成。

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トルコ軍とその支援を受けるシリア国民軍がシリア政府と北・東シリア自治局の共同支配下にあるラッカ県アイン・イーサー市近郊を砲撃、シリア軍兵士1人負傷、シリア民主軍の応戦で国民軍戦闘員3人死亡(2021年2月22日)

ラッカ県では、ANHA(2月22日付)によると、トルコ軍とその支援を受けるシリア国民軍が、シリア政府と北・東シリア自治局の共同支配下にあるアイン・イーサー市近郊のアブー・サッラ村、フーシャーン村、ムシャイリファ村、穀物サイロ、タッル・アブヤド市近郊のカズアリー村、クーバルラク村、ヒルバト・バカル村、ワスフィヤーン村、ビールザナール村を砲撃した。

シリア人権監視団によると、アイン・イーサー市近郊の穀物サイロ近くに対するトルコ軍と国民軍の砲撃によって、シリア軍の車輌1輌が炎上し、兵士1人が負傷した。

一方、人民防衛隊(YPG)主体のシリア民主軍は、トルコ軍と国民軍の砲撃に対して応戦し、国民軍戦闘員3人を殺害、7人を負傷させたと発表した。

シリア人権監視団によると、シリア民主軍の応戦によって死傷者が出たのは、スライマーン・シャー師団の戦闘員。


AFP, February 22, 2021、ANHA, February 22, 2021、al-Durar al-Shamiya, February 22, 2021、Reuters, February 22, 2021、SANA, February 22, 2021、SOHR, February 22, 2021などをもとに作成。

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トルコ占領下のアレッポ県ジャラーブルス市のIDPsキャンプでの撃ち合いで1人死亡(2021年2月22日)

アレッポ県では、シリア人権監視団によると、トルコ占領下のジャラーブルス市にあるジャバル国内避難民(IDPs)キャンプで、IDPsの家族どうしが撃ち合いとなり、1人が死亡、4人が負傷した。

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ラッカ県では、シリア人権監視団によると、トルコの占領下にあるタッル・アブヤド市で国民軍に所属するシャーム戦線の戦闘員どうしが撃ち合いとなり、戦闘員3人が負傷した。

AFP, February 22, 2021、ANHA, February 22, 2021、al-Durar al-Shamiya, February 22, 2021、Reuters, February 22, 2021、SANA, February 22, 2021、SOHR, February 22, 2021などをもとに作成。

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ペデルセン・シリア問題担当国連特別代表がシリアを訪問し、ミクダード外務在外居住者大臣と会談(2021年2月22日)

ゲイル・ペデルセン・シリア問題担当国連特別代表がシリアを訪問し、ファイサル・ミクダード外務在外居住者大臣と会談した。

SANA(2月22日付)によると、会談では、紛争解決に向けた政治プロセス、経済状況などについて意見が交わされ、欧米諸国による一方的制裁が、経済状況を悪化させているとの認識を共有した。

また、ミクダード外務材居住者大臣は、米国とトルコの占領やテロ支援がシリアの主権を侵害し、国際法に違反していること、欧米諸国による一方的制裁と人民防衛隊(YPG)主体のシリア民主軍による犯罪・弾圧行為が人道状況に深刻な影響を与えていることを改めて指摘し、ペデルセン氏に国連において事態に対処するための声を上げるよう求めた。

AFP, February 22, 2021、ANHA, February 22, 2021、al-Durar al-Shamiya, February 22, 2021、Reuters, February 22, 2021、SANA, February 22, 2021、SOHR, February 22, 2021などをもとに作成。

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新型コロナウイルスの新規感染者はシリア政府支配地域で51人、シャーム解放機構主体の反体制派とトルコの支配下にあるイドリブ・アレッポ県で7人(2021年2月22日)

保健省は政府支配地域で新たに51人の新型コロナウイルス感染者が確認される一方、感染者86人が完治し、3人が死亡したと発表した。

これにより、2月22日現在の同地での感染者数は計15,230人、うち死亡したのは1,001人、回復したのは9,307人となった。

SANA(2月22日付)が伝えた。

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反体制派系NGOの支援連携ユニットは、シリアのアル=カーイダであるシャーム解放機構が軍事・治安権限を握る「解放区」とトルコ占領下の「オリーブの枝」地域と「ユーフラテスの盾」地域で2月22日に新たに7人の新型コロナウイルス感染者が確認される一方、64人が完治したと発表した。

新規感染者の内訳は、イドリブ県ジスル・シュグール郡0人、イドリブ郡0人、ハーリム郡0人、アリーハー郡0人、アレッポ県スィムアーン山郡0人、ジャラーブルス郡1人、バーブ郡0人、アフリーン郡6人、アアザーズ郡0人。

これにより、同地での感染者数は計21,136人、うち回復したのは18,022人、死亡したのは408人となった。

https://www.facebook.com/ACUSyria/photos/1519477024923850/

AFP, February 22, 2021、ACU, February 22, 2021、ANHA, February 22, 2021、al-Durar al-Shamiya, February 22, 2021、Reuters, February 22, 2021、SANA, February 22, 2021、SOHR, February 22, 2021などをもとに作成。

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シリア政府がイドリブ県のM4高速道路沿線のタルナバ村・サラーキブ市間に設置した回廊が開通(2021年2月22日)

イドリブ県では、SANA(2月22日付)によると、シリア政府(イドリブ県)が、シリア軍、シリア赤新月社と連携してM4高速道路沿線のタルナバ村・サラーキブ市間に設置された回廊が開通した。

一方、シリア人権監視団によると、「決戦」作戦司令室がシリア政府の支配下にあるカフルナブル市を砲撃した。

「決戦」作戦司令室は、シリアのアル=カーイダであるシャーム解放機構とトルコの庇護を受ける国民解放戦線(シリア国民軍)などからなる武装連合体。

これに対して、シリア軍は「決戦」作戦司令室の支配下にあるザーウィヤ山地方のファッティーラ村、スフーフン村、バーラ村、カンスフラ村、フライフィル村を砲撃した。

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ハマー県では、シリア人権監視団によると、シリア軍が「決戦」作戦司令室の支配下にあるガーブ平原のアンカーウィー村、クライディーン村一帯を砲撃した。

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ダルアー県では、シリア人権監視団によると、シリア政府の支配下にあるダルアー市マハッタ地区で、正体不明の武装集団が空軍情報部に協力する住民1人を銃で撃ち殺害した。

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ロシア国防省は声明を出し、過去24時間で「緊張緩和地帯設置にかかる覚書」への違反を28件(イドリブ県12件、ラタキア県11件、アレッポ県3件、ハマー県2件)確認したと発表した。

シリア政府によると、停戦違反は25件。

一方、トルコ側の監視チームは、停戦違反を11件確認したと発表した(ただし、ロシア側はこれらの違反を確認していない)。

AFP, February 22, 2021、ANHA, February 22, 2021、al-Durar al-Shamiya, February 22, 2021、Ministry of Defence of the Russian Federation, February 22, 2021、Reuters, February 22, 2021、SANA, February 22, 2021、SOHR, February 22, 2021などをもとに作成。

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ロシア難民受入移送居住センター:難民75人が新たに帰還、2018年半ば以降帰還した難民は649,083人に(2021年2月22日)

ロシア国防省は、合同調整センター所轄の難民受入移送居住センターの日報(2月22日付)を公開し、2月21日に難民75人(うち女性23人、子供38人)が新たに帰国したと発表した。

このうちレバノンから帰国したのは難民75人(うち女性23人、子供38人)、ヨルダンから帰国したのは0人。

これにより、2018年7月18日以降に帰国したシリア難民の数は649,083人となった。

内訳は、レバノンからの帰還者253,835人(うち女性76,301人、子ども129,182人、ザムラーニー国境通行所、ジュダイダト・ヤーブース国境通行所、ダブスィーヤ国境通行所、クサイル国境通行所、タッルカルフ国境通行所を経由して帰国)、ヨルダンからの帰国者395,248人(うち女性118,618人、子ども201,569人、ナスィーブ国境通行所を経由して帰国)。

43カ国で難民登録したシリア人の数は6,736,110人。

なお、ロシアがシリア領内で航空作戦を開始した2015年9月30日以降に帰国した難民の数は878,363人(うち女性263,577人、子供447,673人)となった。

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一方、国内避難民の新たな帰宅はなかった。

2019年1月以降に帰宅した国内避難民の数は73,915人(うち女性26,329人、子供29,063人)に、2015年9月30日以降に帰宅した国内避難民の数は1,342,511人(うち女性409,047人、子供673,062人)。

Ministry of Defence of the Russian Federation, February 22, 2021をもとに作成。

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