ヨルダンはシリアにシリア軍第4師団のナスィーブ国境通行所からの撤退とシリア軍第5軍団の展開を通商再開の条件として提示(2021年2月25日)

ヨルダン商業会議所のナーイル・キバーリーティー代表は、シリアを訪れ、タラール・バラーズィー国内通商消費者保護大臣と会談し、両国の経済協力や通商の活性化の方途について意見を交わした。

キバーリーティー代表は会談のなかで、ヨルダンがトランジット貿易など通商を再開する用意があると表明した。

これに関して、反体制派系のシリア・テレビ(2月26日付)は、独自筋から得た情報だとして、キバーリーティー代表はジャービル国境通行所再開の条件として、同通行所に面するダルアー県ナスィーブ国境通行所からシリア軍第4師団所属の民兵、軍事情報局を撤退させ、シリア軍第5軍団所属の第8師団に施設を引き渡すことなどを求めたと伝えた。

AFP, February 26, 2021、ANHA, February 26, 2021、al-Durar al-Shamiya, February 26, 2021、Reuters, February 26, 2021、SANA, February 26, 2021、SOHR, February 26, 2021、Syria TV, February 26, 2021などをもとに作成。

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ガッバーシュ保健大臣は来週から医療関係者らに「友好国」から提供を受けた新型コロナウイルス感染症ワクチンの接種を開始すると発表(2021年2月25日)

ハサン・ガッバーシュ保健大臣は、記者会見を開き、保健省が来週から各県で新型コロナウイルス感染症のワクチンの接種を開始すると発表した。

接種の対象となるのは、新型コロナウイルス感染症患者の治療にあたる医療関係者で、ワクチンは「友好国」からの供与を受けたもの。

ワタン・オンライン(2月25日付)が伝えた。

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これに関して、『ワタン』(12月25日付)は、複数の消息筋の話として、保健省が隔離センターを設置している各県に対してワクチンの配給を開始したと伝えた。

配給されるのは中国製ワクチン。

医療従事者2,500人分、5,000回分のワクチンが配給される予定で、うち400回分がダマスカス県、100回分がダルアー県、100回分がハサカ県、20回分がダイル・ザウル県、50回文がスワイダー県にすでに割り当てられている。

アレッポ県、ヒムス県、ラタキア県、タルトゥース県への割当数は確定していないという。

イドリブ県とラッカ県は、保健省の隔離センターが設置されていないため、ワクチンの配給は行われない。

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一方、ロイター(2月25日付)は、中国が今月に入って、シリアに15万回分のワクチンを提供すると発表しているが、ある消息筋によると、中国からのワクチンはいまだ到着していないと伝えた。

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なお、イスラエルの複数のメディアは最近になって、ロシアが仲介するシリア・イスラエルの捕虜交換の一環として、シリアに提供されるロシア製のワクチンにかかる費用をイスラエルが負担する合意が交わされたと伝えていた。

だが、SANAはこれを強く否定している。

AFP, February 25, 2021、ANHA, February 25, 2021、al-Durar al-Shamiya, February 25, 2021、Reuters, February 25, 2021、SANA, February 25, 2021、SOHR, February 25, 2021、al-Watan, February 25, 2021、al-Watan Online, February 25, 2021などをもとに作成。

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シリアテル社に続いてMTNシリア社も司法監督人の監督下に置かれる(2021年2月25日)

シリア国家評議会はフェイスブックのアカウント(https://www.facebook.com/%D9%85%D8%AC%D9%84%D8%B3-%D8%A7%D9%84%D8%AF%D9%88%D9%84%D8%A9-%D9%81%D9%8A-%D8%A7%D9%84%D8%AC%D9%85%D9%87%D9%88%D8%B1%D9%8A%D8%A9-%D8%A7%D9%84%D8%B9%D8%B1%D8%A8%D9%8A%D8%A9-%D8%A7%D9%84%D8%B3%D9%88%D8%B1%D9%8A%D8%A9-108121953877267/)を通じて、ダマスカス第四行政司法裁判所が、決定第102/M/4を発出し、MTNシリア社の運営を司法監督人の監督下に置いたことを明らかにした。

司法監督人の指名は、シリアテル社に続くもので、アサド大統領のいとこのラーミー・マフルーフ氏を排除する動きとみられる。

https://www.facebook.com/permalink.php?story_fbid=454102225945903&id=108121953877267

決定は、同社がライセンス契約に違反し、収入の一部を国庫に納めることを怠ってきたことを受けた措置。

AFP, February 25, 2021、ANHA, February 25, 2021、al-Durar al-Shamiya, February 25, 2021、Reuters, February 25, 2021、SANA, February 25, 2021、SOHR, February 25, 2021などをもとに作成。

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在ヨルダン・シリア大使を務めていたバフジャト・スライマーン少将が新型コロナウイルス感染症で死亡(2021年2月25日)

RT(2月25日付)、SANA(2月25日付)など各メディアは、在ヨルダン・シリア大使を務めていたバフジャト・スライマーン少将が、新型コロナウイルス感染症に感染し、入院先のダマスカス県ティシュリーン軍事病院で死亡したと伝えた。

スライマーン少将は1週間程前に新型コロナウイルス感染症に感染し、入院していた。

スライマーン少将は、長年にわたり政治治安局長を務めたのち、2009年に在ヨルダン・シリア大使に任命されたが、「アラブの春」波及以降、シリアとヨルダンの関係が悪化するなか、2014年6月に「ペルソナ・ノン・グラータ」として国外退去処分を受けていた。

AFP, February 25, 2021、ANHA, February 25, 2021、al-Durar al-Shamiya, February 25, 2021、Reuters, February 25, 2021、RT, February 25, 2021、SANA, February 25, 2021、SOHR, February 25, 2021などをもとに作成。

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ロシア当事者和解調整センター代表はトルコが反体制派支配地域から政府支配地域への住民の脱出を妨害する反体制派の動きを阻止していないと批判(2021年2月25日)

ロシア当事者和解調整センターのセトニク・ヴャチェスラフ(Cetnik Vyacheslav)代表(少将)は、トルコがイドリブ県やアレッポ県の反体制派支配地域から政府支配地域への住民の脱出を妨害する反体制派の動きを阻止できていないと批判した。

ヴャチェスラフ代表の批判は、シリア政府が2月22日にイドリブ県のサラーキブ市とタルナバ村間に回廊を開通させたことを受けたもの。

AFP, February 25, 2021、ANHA, February 25, 2021、al-Durar al-Shamiya, February 25, 2021、Reuters, February 25, 2021、SANA, February 25, 2021、SOHR, February 25, 2021などをもとに作成。

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北・東シリア自治局の貨物車輌が2月18日に続いてトルコ占領下のラッカ県シャルカラーク穀物サイロから小麦数十トンを搬出(2021年2月25日)

ラッカ県では、シリア人権監視団によると、北・東シリア自治局の貨物車輌が2月18日に続いて、トルコ占領下のシャルカラーク穀物サイロから小麦の数十トンを搬出した。

搬出は、シリア政府とトルコがロシア軍の仲介により2月18日に交わした合意に基づく。

AFP, February 25, 2021、ANHA, February 25, 2021、al-Durar al-Shamiya, February 25, 2021、Reuters, February 25, 2021、SANA, February 25, 2021、SOHR, February 25, 2021などをもとに作成。

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ロシア軍戦闘機がダーイシュの拠点を狙って110回以上の爆撃を実施、戦闘員19人を殺害(2021年2月25日)

シリア人権監視団によると、ロシア軍戦闘機がダイル・ザウル県の砂漠地帯やアレッポ県、ラッカ県、ハマー県の県境の砂漠地帯でダーイシュ(イスラーム国)の拠点を狙って110回以上の爆撃を実施、戦闘員19人を殺害した。

AFP, February 25, 2021、ANHA, February 25, 2021、al-Durar al-Shamiya, February 25, 2021、Reuters, February 25, 2021、SANA, February 25, 2021、SOHR, February 25, 2021などをもとに作成。

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イドリブ県でトルコ軍の野戦医療拠点が何者かによって狙われ兵士1人負傷、有志連合所属と思われるドローンがイドリブ県を攻撃か?(2021年2月25日)

イドリブ県では、シリア人権監視団によると、「決戦」作戦司令室の支配下にあるマストゥーマ村にあるトルコ軍の野戦医療拠点に対して、何者かがRPG弾を発射、トルコ軍兵士1人が負傷した。

「決戦」作戦司令室は、シリアのアル=カーイダであるシャーム解放機構とトルコの庇護を受ける国民解放戦線(シリア国民軍)などからなる武装連合体。

なお、マストゥーマ村のバアス前衛キャンプには、トルコ軍が駐留している。

また、「決戦」作戦司令室の支配下にあるハーリム市に近いトルコとの国境地帯に米主導の有志連合と思われる無人航空機(ドローン)が飛来、これと前後して同地で大きな爆発が発生した。

爆発は、ドローンの攻撃によるとの見方がある一方、遺跡の盗掘中に地雷が爆発したとの情報も錯綜している。

このほか、シリア軍は「決戦」作戦司令室の支配下にあるザーウィヤ山地方のバーラ村一帯を砲撃、ルワイハ村で「決戦」作戦司令室と交戦した。

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ハマー県では、シリア人権監視団によると、シリア軍が「決戦」作戦司令室の支配下にあるガーブ平原一帯を砲撃した。

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ダルアー県では、シリア人権監視団によると、政府の支配下にあるジャースィム市で治安機関関係者を含む3人が、相次いで正体不明の武装集団によって銃で撃たれて死亡した。

またフラーク市では、「我ら自由人に及ぶ手を切り落とす」など、政府を批判する落書きが発見された。

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スワイダー県では、シリア人権監視団によると、スワイダー市で2月25日夜、麻薬密輸業者と地元の武装集団が交戦し、2人が死亡、9人が負傷した。

AFP, February 25, 2021、ANHA, February 25, 2021、al-Durar al-Shamiya, February 25, 2021、Reuters, February 25, 2021、SANA, February 25, 2021、SOHR, February 25, 2021などをもとに作成。

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米主導の有志連合の民生問題使節団が、ダイル・ザウル民政評議会、ダイル・ザウル軍事評議会の代表と会談、保健、福祉部門などにおける支援や治安の安定実現に向けて協議(2021年2月25日)

ダイル・ザウル県では、ANHA(2月25日付)によると、米主導の有志連合の民生問題使節団が、ダイル・ザウル民政評議会(北・東シリア自治局)の支配下にあるスワル町で、ダイル・ザウル軍事評議会(人民防衛隊(YPG)主体のシリア民主軍)の司令官、ダイル・ザウル民政評議会の代表と会合を開き、保健、福祉部門などにおける支援や治安の安定実現に向けて協議した。

AFP, February 25, 2021、ANHA, February 25, 2021、al-Durar al-Shamiya, February 25, 2021、Reuters, February 25, 2021、SANA, February 25, 2021、SOHR, February 25, 2021などをもとに作成。

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フール・キャンプでIDPsの女性が遺体で発見される(2021年2月25日)

ハサカ県では、シリア人権監視団によると、北・東シリア自治局の管理課にあるフール・キャンプの第5区で、国内避難民(IDPs)の女性1人が遺体で発見された。

トルコで活動する独立系シンクタンクのジュスール研究所が2020年9月1日に発表したレポートによると、フール・キャンプは6つの区画、8つのブロックから構成されている。

6つの区画のうち、第1区には、ダーイシュ(イスラーム国)とつながりがない国内避難民(IDPs)、第2区と第3区にはイラク難民、第4区にはダーイシュとつながりがあるとされるIDPs、第5区には欧州出身のダーイシュ戦闘員の家族、そして第6区にはそれ以外の外国人戦闘員の家族が収容されている。

一方、8つのブロックのうち、第1、2、3、7ブロックにはイラク人難民が、第5、6、8ブロックにはシリア人IDPsが、第4ブロックにはイラク人難民とシリア人IDPsの両方が収容されている。

また、この8ブロックとは別に、シリア、イラク以外の国の出身者が収容されている。

一方、SANA(2月25日付)によると、北・東シリア自治局の支配下にあるタッル・ハミース市近郊のガズィーラ村とイスカンダルーン村を結ぶ街道で正体不明の武装集団が、人民防衛隊(YPG)主体のシリア民主軍の部隊を機関銃で攻撃し、兵士3人が死亡した。

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ダイル・ザウル県では、ANHA(2月25日付)やシリア人権監視団によると、ダイル・ザウル民政評議会(北・東シリア自治局)の支配下にあるスブハ村でオートバイに乗った2人組が老人1人を殺害した。

AFP, February 25, 2021、ANHA, February 25, 2021、al-Durar al-Shamiya, February 25, 2021、Reuters, February 25, 2021、SANA, February 25, 2021、SOHR, February 25, 2021などをもとに作成。

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トルコ占領下のアフリーン市近郊のバースータ村でトルコの支援を受ける国民軍が老人を含む住民25人を拘束(2021年2月25日)

アレッポ県では、SANA(2月25日付)やシリア人権監視団によると、トルコ占領下のアフリーン市近郊のバースータ村でトルコの支援を受ける国民軍が老人を含む住民25人を拘束した。

このほか、ANHA(2月25日付)によると、トルコ軍とその支援を受けるシリア国民軍が、シリア政府と北・東シリア自治局の共同支配下にあるタッル・リフアト市近郊のマルアナーズ村、マーリキーヤ村、シャワーリガ村、シャワーリガ砦、カシュタアール村、アルカミーヤ村、スーガーニカ村を砲撃した。

シリア人権監視団によると、これに対して、人民防衛隊(YPG)主体のシリア民主軍はトルコ占領下のアフリーン市各所を砲撃した。

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ハサカ県では、ANHA(2月25日付)によると、トルコ占領下のラアス・アイン市で車に仕掛けられていた爆弾が爆発し、住民4人(SANA(2月25日付)によると3人)が死亡した。

AFP, February 25, 2021、ANHA, February 25, 2021、al-Durar al-Shamiya, February 25, 2021、Reuters, February 25, 2021、SANA, February 25, 2021、SOHR, February 25, 2021などをもとに作成。

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新型コロナウイルスの新規感染者はシリア政府支配地域で85人、北・東シリア自治局支配地域で7人、シャーム解放機構主体の反体制派とトルコの支配下にあるイドリブ・アレッポ県で14人(2021年2月25日)

保健省は政府支配地域で新たに62人の新型コロナウイルス感染者が確認される一方、感染者85人が完治し、6人が死亡したと発表した。

これにより、2月25日現在の同地での感染者数は計15,405人、うち死亡したのは1,014人、回復したのは9,553人となった。

SANA(2月25日付)が伝えた。

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北・東シリア自治局の保健委員会(保健省に相当)は、支配地域で新たに7人の新型コロナウイルス感染者が確認される一方、感染者4人が完治し、3人が死亡したと発表した。

これにより、2月25日現在の同地での感染者数は計8,602人、うち死亡したのは316人、回復したのは1,246人となった。

新規感染者の性別の内訳は、男性5人、女性2人。

また地域の内訳は、ハサカ県のハサカ市1人、カーミシュリー市2人、マアバダ(カルキールキー)町2人、ラッカ県のラッカ市2人。

ANHA(2月25日付)が伝えた。

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反体制派系NGOの支援連携ユニットは、シリアのアル=カーイダであるシャーム解放機構が軍事・治安権限を握る「解放区」とトルコ占領下の「オリーブの枝」地域と「ユーフラテスの盾」地域で2月25日に新たに14人の新型コロナウイルス感染者が確認される一方、183人が完治したと発表した。

新規感染者の内訳は、イドリブ県ジスル・シュグール郡0人、イドリブ郡0人、ハーリム郡0人、アリーハー郡0人、アレッポ県スィムアーン山郡0人、ジャラーブルス郡0人、バーブ郡0人、アフリーン郡14人、アアザーズ郡0人。

これにより、同地での感染者数は計21,164人、うち回復したのは18,345人、死亡したのは408人となった。

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AFP, February 25, 2021、ACU, February 25, 2021、ANHA, February 25, 2021、al-Durar al-Shamiya, February 25, 2021、Reuters, February 25, 2021、SANA, February 25, 2021、SOHR, February 25, 2021などをもとに作成。

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