北・東シリア自治局の管理下にあるハサカ県のフール・キャンプ第3区でイラク人難民1人の遺体発見(2021年2月11日)

ハサカ県では、シリア人権監視団によると、北・東シリア自治局の管理下にあるフール・キャンプの第3区で、何者かによって銃で撃たれて死亡したイラク人難民1人の遺体で発見された。

トルコで活動する独立系シンクタンクのジュスール研究所が2020年9月1日に発表したレポートによると、フール・キャンプは6つの区画、8つのブロックから構成されている。

6つの区画のうち、第1区には、ダーイシュ(イスラーム国)とつながりがない国内避難民(IDPs)、第2区と第3区にはイラク難民、第4区にはダーイシュとつながりがあるとされるIDPs、第5区には欧州出身のダーイシュ戦闘員の家族、そして第6区にはそれ以外の外国人戦闘員の家族が収容されている。

一方、8つのブロックのうち、第1、2、3、7ブロックにはイラク人難民が、第5、6、8ブロックにはシリア人IDPsが、第4ブロックにはイラク人難民とシリア人IDPsの両方が収容されている。

また、この8ブロックとは別に、シリア、イラク以外の国の出身者が収容されている。

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ダイル・ザウル県では、シリア人権監視団によると、北・東シリア自治局の支配下にあるジャフラ油田近くの街道で、人民防衛隊(YPG)主体のシリア民主軍の兵士がダーイシュ(イスラーム国)と思われる武装集団によって銃で撃たれて死亡した。

AFP, February 11, 2021、ANHA, February 11, 2021、al-Durar al-Shamiya, February 11, 2021、Reuters, February 11, 2021、SANA, February 11, 2021、SOHR, February 11, 2021などをもとに作成。

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所属不明のドローンが、イラクからダイル・ザウル県ブーカマール市近郊に入った貨物車輌1輌を攻撃(2021年2月11日)

ダイル・ザウル県では、シリア人権監視団によると、所属不明の無人航空機(ドローン)1機が、イラクからシリア政府の支配下にあるブーカマール市近郊に非公式の国境通行所を経由して入った貨物車輌1輌を攻撃した。

攻撃を受けた車輌は、武器を積んでいたという。

AFP, February 11, 2021、ANHA, February 11, 2021、al-Durar al-Shamiya, February 11, 2021、Reuters, February 11, 2021、SANA, February 11, 2021、SOHR, February 11, 2021などをもとに作成。

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トルコ軍がラッカ県タッル・アブヤド市西を砲撃し、シリア軍兵士1人負傷(2021年2月11日)

ラッカ県では、ANHA(2月11日付)、シリア人権監視団によると、トルコ軍とその支援を受けるシリア国民軍が、タッル・アブヤド市西に位置するシリア政府と北・東シリア自治局の共同支配下にあるサイヤーン村を砲撃した。

砲撃は、同地のシリア軍拠点複数カ所を狙ったもので、シリア軍兵士1人が負傷した。

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ハサカ県では、シリア人権監視団やANHA(2月11日付)によると、トルコ軍の支援を受ける国民軍所属のハムザ師団が、シリア政府と北・東シリア自治局の共同支配下にあるタッル・タムル町西のカースィミーヤ村を襲撃、家財同義などを略奪した後、民家5棟に放火した。

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アレッポ県では、ANHA(2月11日付)によると、トルコ軍とその支援を受けるシリア国民軍が、シリア政府と北・東シリア自治局の共同支配下にあるタッル・リフアト市近郊のマルアナーズ村、アイン・ダクナ村、マンナグ村、バイルーニーヤ村を砲撃した。

AFP, February 11, 2021、ANHA, February 11, 2021、al-Durar al-Shamiya, February 11, 2021、Reuters, February 11, 2021、SANA, February 11, 2021、SOHR, February 11, 2021などをもとに作成。

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新型コロナウイルスの新規感染者はシリア政府支配地域で72人、北・東シリア自治局支配地域で7人、シャーム解放機構主体の反体制派とトルコの支配下にあるイドリブ・アレッポ県で4人(2021年2月11日)

保健省は政府支配地域で新たに72人の新型コロナウイルス感染者が確認される一方、感染者56人が完治し、3人が死亡したと発表した。

これにより、2月11日現在の同地での感染者数は計14,724人、うち死亡したのは968人、回復したのは8,438人となった。

SANA(2月11日付)が伝えた。

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北・東シリア自治局の保健委員会(保健省に相当)は、支配地域で新たに7人の新型コロナウイルス感染者が確認される一方、感染者1人が完治し、1人が死亡したと発表した。

これにより、2月11日現在の同地での感染者数は計8,560人、うち死亡したのは298人、回復したのは1,225人となった。

新規感染者の性別の内訳は、男性6人、女性1人。

また地域の内訳は、ハサカ県のカーミシュリー市1人、アレッポ県のシャフバー地区(タッル・リフアト市)1人、ラッカ県のラッカ市1人、ダイル・ザウル県3人。

ANHA(2月11日付)が伝えた。

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反体制派系NGOの支援連携ユニットは、シリアのアル=カーイダであるシャーム解放機構が軍事・治安権限を握る「解放区」とトルコ占領下の「オリーブの枝」地域と「ユーフラテスの盾」地域で2月11日に新たに4人の新型コロナウイルス感染者が確認される一方、9人が完治したと発表した。

新規感染者の内訳は、イドリブ県ジスル・シュグール郡0人、イドリブ郡0人、ハーリム郡0人、アリーハー郡0人、アレッポ県スィムアーン山郡0人、ジャラーブルス郡0人、バーブ郡0人、アフリーン郡2人、アアザーズ郡2人。

これにより、同地での感染者数は計21,060人、うち回復したのは17,097人、死亡したのは407人となった。

https://www.facebook.com/ACUSyria/photos/1511637632374456/

AFP, February 11, 2021、ACU, February 11, 2021、ANHA, February 11, 2021、al-Durar al-Shamiya, February 11, 2021、Reuters, February 11, 2021、SANA, February 11, 2021、SOHR, February 11, 2021などをもとに作成。

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ロシア・トルコ軍がイドリブ県サラーキブ市西でM4高速道路での合同パトロール部隊の防衛を目的とした演習を実施(2021年2月11日)

イドリブ県では、TASS通信(2月11日付)、ズヴェズダ・テレビ(2月11日付)、スーリーヤ・ネット(2月11日付)、イハブ・バラディー(2月11日付)などによると、トルコ軍とロシア軍が、シリア政府の支配下にあるサラーキブ市西で合同演習を実施した。

シリア人権監視団によると、合同演習が実施されたのは、タルナバ村近郊のシリア政府支配地と「決戦」作戦司令室支配地の接触線。

TASS通信によると、演習は、両国合同パトロール部隊の防衛と地域の安全確保が目的で、両軍合同パトロール部隊に対して行われるあらゆる攻撃を想定し、その撃退、負傷者の搬送、要撃の可能性がある地域の移動、ロシア語とトルコ語の障害を乗り越えるための手話の使用などの訓練が行われた。

トルコ軍報道官は、TASS通信に対して次のように述べた。

この地域では6ヶ月以上もパトロールが実施されていなかった。また、サラーキブ市で実施された演習は、(ロシアとの)協業を成功させるカギになるだろう。我々には改めてすべての任務を実施する必要がある。彼ら(ロシア軍)のみながここで経験を積んでいることを承知している。だが、我々には、さらなる調整を行うことが重要だ。

シリア人権監視団によると、合同演習に先立って、トルコ軍の使節団がシリア政府支配下のサラーキブ市西の接触線に配置されている拠点複数カ所を訪問した。

使節団は、トルコ軍とシリア人戦闘員多数が随行し、護衛にあたったという。

なお、ロシア軍は、2020年9月以降、トルコ軍側がM4高速道路の安全を確保する能力を欠いているとして同地での合同パトロールの参加を中止していた。


 

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一方、同じイドリブ県では、シリア人権監視団によると、シリア軍が「決戦」作戦司令室の支配下にあるザーウィヤ山のバーラ村を砲撃し、女性複数人を含む5人が負傷した。

「決戦」作戦司令室は、シリアのアル=カーイダであるシャーム解放機構とトルコの庇護を受ける国民解放戦線(シリア国民軍)などからなる武装連合体。

シリア軍はまた、カンスフラ村、ファッティーラ村、フライフィル村、バイニーン村、ルワイハ村などを砲撃、「決戦」作戦司令室と交戦した。

このほか、シリア人権監視団によると、トルコ軍憲兵隊がサルハブ市近郊の農地で祖父と農作業をしていた子供を射殺した。

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ハマー県では、シリア人権監視団によると、シリア軍が「決戦」作戦司令室の支配下にあるガーブ平原のアンカーウィー村を砲撃した。

ダルアー県では、SANA(2月11日付)によると、シリア政府の支配下にあるタファス市にシリア軍部隊が新たに進駐した。

シリア軍部隊の進駐は、同地の治安混乱を改称し、安定を回復するのが目的。

シリア人権監視団によると、シリア軍の進駐は、2月9日にダルアー市ダーヒヤ地区で、シリア軍士官と中央委員会の代表が、ロシア軍使節団の仲介のもとに会談し、県西部一帯での戦闘停止を合意したのを受けたもの。

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ロシア国防省は声明を出し、過去24時間で「緊張緩和地帯設置にかかる覚書」への違反を31件(イドリブ県17件、ラタキア県7件、アレッポ県5件、ハマー県2件)確認したと発表した。

シリア政府によると、停戦違反は22件。

一方、トルコ側の監視チームは、停戦違反を21件確認したと発表した(ただし、ロシア側はこれらの違反を確認していない)。

AFP, February 11, 2021、Alsouria.net, February 11, 2011、ANHA, February 11, 2021、al-Durar al-Shamiya, February 11, 2021、‘Inab Baladi, February 11, 2021、Ministry of Defence of the Russian Federation, February 11, 2021、Reuters, February 11, 2021、SANA, February 11, 2021、SOHR, February 11, 2021、February 12, 2021、TASS, February 11, 2021、Zverda, February 11, 2021などをもとに作成。

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ロシア難民受入移送居住センター:難民69人と国内避難民(IDPs)532人が新たに政府支配地域に帰還、2018年半ば以降帰還した難民は648,321人、2019年以降帰還したIDPsは72,028人に(2021年2月11日)

ロシア国防省は、合同調整センター所轄の難民受入移送居住センターの日報(2月11日付)を公開し、2月10日に難民69人(うち女性20人、子供35人)が新たに帰国したと発表した。

このうちレバノンから帰国したのは難民69人(うち女性20人、子供35人)、ヨルダンから帰国したのは0人。

これにより、2018年7月18日以降に帰国したシリア難民の数は648,321人となった。

内訳は、レバノンからの帰還者253,073人(うち女性76,072人、子ども128,795人、ザムラーニー国境通行所、ジュダイダト・ヤーブース国境通行所、ダブスィーヤ国境通行所、クサイル国境通行所、タッルカルフ国境通行所を経由して帰国)、ヨルダンからの帰国者395,248人(うち女性118,618人、子ども201,569人、ナスィーブ国境通行所を経由して帰国)。

43カ国で難民登録したシリア人の数は6,729,796人。

なお、ロシアがシリア領内で航空作戦を開始した2015年9月30日以降に帰国した難民の数は877,601人(うち女性263,348人、子供447,286人)となった。

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一方、国内避難民532人が新たに帰宅した。

ダイル・ザウル県サーリヒーヤ村の通行所を経由して帰宅したのは532人、ヒムス県南東グラーブ山のジュライギム通行所を経由して帰還したのは0人、イドリブ県の「緊張緩和地帯」から帰宅したのは0人だった。

これにより、2019年1月以降に帰宅した国内避難民の数は72,028人(うち女性25,438人、子供28,708人)に、2015年9月30日以降に帰宅した国内避難民の数は1,340,624人(うち女性407,997人、子供672,474人)
となった。

Ministry of Defence of the Russian Federation, February 11, 2021をもとに作成。

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