シリア国民軍に所属する複数の武装集団が「シャフバー連合」の名で新たな軍事連合体を結成するが、暫定内閣国防省は同組織との関係を否定(2023年2月3日)

シリア国民軍に所属する複数の武装集団が「シャフバー連合」の名で新たな軍事連合体を結成した。

シャフバー連合を結成したのは、アル=カーイダ系組織のシャーム自由人イスラーム運動、かつてシャーム解放機構に合流し、その後離反していたヌールッディーン・ザンキー運動、タウヒード自由人第50師団の3組織。

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これに関して、シリア国民軍を所轄するシリア革命反体制勢力国民連立の傘下にある暫定内閣の国防省は声明を出し、シリア国民軍第3軍団との連携を続けるとしたうえで、シャフバー連合が同省に所属していないと発表した。

AFP, February 3, 2023、ANHA, February 3, 2023、al-Durar al-Shamiya, February 3, 2023、Reuters, February 3, 2023、SANA, February 3, 2023、SOHR, February 3, 2023などをもとに作成。

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シャーム解放機構の支配下にあるイドリブ市、サルミーン市、アラブ・サイード村、ダイル・ハッサーン村やアティマ村にある国内避難民キャンプで、「化学兵器体制との和解に反対」と銘打った抗議デモ(2023年2月3日)

イドリブ県では、シリア人権監視団によると、シャーム解放機構の支配下にあるイドリブ市、サルミーン市、アラブ・サイード村、ダイル・ハッサーン村やアティマ村にある国内避難民(IDPs)キャンプで、「化学兵器体制との和解に反対」と銘打った抗議デモが行われ、トルコとシリア政府の和解を拒否、シリア軍との戦闘再開、体制打倒が訴えられた。

AFP, February 3, 2023、ANHA, February 3, 2023、al-Durar al-Shamiya, February 3, 2023、Reuters, February 3, 2023、SANA, February 3, 2023、SOHR, February 3, 2023などをもとに作成。

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「決戦」作戦司令室がイドリブ県、ハマー県を砲撃(2023年2月3日)

イドリブ県では、シリア人権監視団によると、「決戦」作戦司令室がシリア政府の支配下にあるマアーッラト・ムーハス村近郊でシリア軍兵士を狙撃、1人を負傷させた。

「決戦」作戦司令室は、シリアのアル=カーイダであるシャーム解放機構とトルコの庇護を受ける国民解放戦線(シリア国民軍)などからなる武装連合体。

これに対して、シリア軍はマアーッラト・ナアサーン村を砲撃した。

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ハマー県では、シリア人権監視団によると、「決戦」作戦司令室がシリア政府の支配下にあるガーブ平原のバラカ村一帯を砲撃した。

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ダルアー県では、シリア人権監視団によると、サナマイン市で軍事情報局に協力する若い男性2人が正体不明の武装集団によって銃で撃たれて死亡した。

AFP, February 3, 2023、ANHA, February 3, 2023、al-Durar al-Shamiya, February 3, 2023、Reuters, February 3, 2023、SANA, February 3, 2023、SOHR, February 3, 2023などをもとに作成。

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ハサカ県ではカーミシュリー市近郊のハームー村の住民が、同地を通過しようとした米軍の車輌4輌からなる車列の通行を阻止(2023年2月3日)

ハサカ県では、シリア人権監視団によると、シリア政府と北・東シリア自治局の共同統治下にあるカーミシュリー市近郊のハームー村の住民が、同地を通過しようとした米軍の車輌4輌からなる車列の通行を阻止、これを退却させた。

その一方で、米主導の有志連合の貨物車輌など9輌からなる車列がイラクとの国境に違法に設置されているワリード国境通行所からシリア領内に新たに進入し、ダイル・ザウル県のウマル油田に違法に設置されている米軍基地(グリーン・ビレッジ基地)に向かった。

AFP, February 3, 2023、ANHA, February 3, 2023、al-Durar al-Shamiya, February 3, 2023、Reuters, February 3, 2023、SANA, February 3, 2023、SOHR, February 3, 2023などをもとに作成。

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トルコのアカル国防大臣:「数日中に我が国の技術使節団がモスクワで、ロシア、トルコ、シリアによる交渉を継続するための会議を開催する」(2023年2月2日)

トルコのフルシ・アカル国防大臣は、トルコとシリア政府の和解に向けたロシアの仲介による3ヵ国会合に関して、「数日中に我が国の技術使節団は(モスクワで)、交渉を継続するための会議を開催する予定だ。我々は結果を出すため、可能な限りのことをしている」と述べた。

アナトリア通信(2月2日付)が伝えた。

AFP, February 2, 2023、Anadolu Ajansı, February 2, 2023、ANHA, February 2, 2023、al-Durar al-Shamiya, February 2, 2023、Reuters, February 2, 2023、SANA, February 2, 2023、SOHR, February 2, 2023などをもとに作成。

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カタール・チャリテイーはシャーム解放機構の支配地にIDPs用の住居ユニット数百戸を建設したと発表(2023年2月2日)

カタール・チャリテイーは声明を出し、国際テロ組織のシャーム解放機構(旧シャームの民のヌスラ戦線)の支配下にあるシリア北西部でテント生活を送る国内避難民(IDPs)を収容するための住居ユニットの建設などを骨子とするマルチ・セクター・プロジェクトの第1段階を終了したと発表した。

プロジェクトは、IDPsの生活状況を改善するために、イドリブ県西部にあるアイン・アーラ・キャンプなどに、2DKの住居ユニット250戸と家族用の住居ユニット54戸を今年の第3四半期建設することを目的としており、国連人道問題調整事務所(OCHA)から資金援助を受けているという。

トルコを拠点とする反体制系チャンネルのシリア・テレビ(2月2日付)などが伝えた。

AFP, February 2, 2023、ANHA, February 2, 2023、al-Durar al-Shamiya, February 2, 2023、Reuters, February 2, 2023、SANA, February 2, 2023、SOHR, February 2, 2023などをもとに作成。

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トルコ占領下のアレッポ県アフリーン市で、弁護士らが化学兵器を使用したとされるシリア政府を処罰するよう呼びかける(2023年2月2日)

アレッポ県では、シリア人権監視団によると、トルコの占領下にあり、シャーム解放機構が軍事・治安権限を事実上掌握するいわゆる「オリーブの枝」地域の拠点都市アフリーン市で、弁護士らが裁判所前で抗議デモを行い、国際社会に対して、化学兵器を使用したとされるシリア政府を処罰するよう呼びかけた。

AFP, February 2, 2023、ANHA, February 2, 2023、al-Durar al-Shamiya, February 2, 2023、Reuters, February 2, 2023、SANA, February 2, 2023、SOHR, February 2, 2023などをもとに作成。

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ダルアー市で、レバノンのヒズブッラーに協力していた若い男性1人が、正体不明の武装集団の襲撃を受けて死亡(2023年2月2日)

ダルアー県では、シリア人権監視団によると、ダルアー市サハーリー地区で、レバノンのヒズブッラーに協力していた若い男性1人が、正体不明の武装集団の襲撃を受けて死亡した。

AFP, February 2, 2023、ANHA, February 2, 2023、al-Durar al-Shamiya, February 2, 2023、Reuters, February 2, 2023、SANA, February 2, 2023、SOHR, February 2, 2023などをもとに作成。

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アレッポ県サッハーラ村で、トルコとシリア政府の和解に抗議してシャーム解放機構に拘束された逮捕者の釈放を求めるデモ続く(2023年2月2日)

アレッポ県では、シリア人権監視団によると、シャーム解放機構の支配下にあるサッハーラ村で、住民数十人が前日に続いて抗議デモを行い、トルコとシリア政府の和解に抗議するデモに参加したことでシャーム解放機構に拘束され、同機構が管理する刑務所に拘置されている逮捕者の釈放を要求した。

AFP, February 2, 2023、ANHA, February 2, 2023、al-Durar al-Shamiya, February 2, 2023、Reuters, February 2, 2023、SANA, February 2, 2023、SOHR, February 2, 2023などをもとに作成。

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シリア民主軍とアサーイシュは「ラッカ殉教者への報復」作戦を終了、ダーイシュのメンバー127人を逮捕したと発表(2023年2月2日)

人民防衛隊(YPG)主体のシリア民主軍と北・東シリア自治局内務治安部隊(アサーイシュ)は、米主導の有志連合の航空支援を受けて、1月25日からラッカ県ラッカ市、タブカ市などで実施していた、ダーイシュ(イスラーム国)のスリーパーセルの摘発を目的とする「ラッカ殉教者への報復」作戦を終了したと発表した。

「ラッカ殉教者への報復」作戦合同作戦司令室によると、この作戦により、「傭兵」127人を逮捕した。

ANHA(2月2日付)が伝えた。

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一方、米中央軍は声明を出し、2023年1月にシリアとイラクで「協力部隊」(partner forces)とともいnダーイシュ(イスラーム国)に対する43回の作戦を実施し、ラッカ州のアミール(人民防衛隊(YPG)主体のシリア民主軍はワーリー(執政官、統治者)と発表)ら227人を拘束したと発表した。

AFP, February 2, 2023、ANHA, February 2, 2023、al-Durar al-Shamiya, February 2, 2023、Reuters, February 2, 2023、SANA, February 2, 2023、SOHR, February 2, 2023などをもとに作成。

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ロシア軍を支援するウクライナ人志願兵らからなるスドプラトフ大隊にトルコ人が参加(2023年2月2日)

RIAノーヴォスチ(2月2日付)やタス通信(2月2日付)は、ロシアによるウクライナでの特殊軍事作戦に参加するため、トルコからの志願兵3人が、スドプラトフ大隊に入隊し、教練を受け始めたと伝えた。

スドプラトフ大隊は、ソ連のパヴェル・スドプラトフ諜報員(中将)にちなんで名づけれた志願兵からなる部隊。

ロシアが実効支配するウクライナのザポリージャ(ザポロージエ)州で州知事を務めるエフゲニー・バリツキー氏は2022年9月、志願兵からなるスドプラトフ大隊、聖アンドレイ大隊、スラヴ防衛大隊という三つの部隊の設立を認める法令に署名している。

クゾンを名乗る志願兵の1人は次のように述べた。

私は友達とともにトルコから来た。我々はナチスに反対している。ここで何が起こっているのか、ウクライナで何が起こっているのかを知っている。ロシアはウクライナと戦っているのではなく、それを支配するナチスと戦っていると理解している。
米国がテロリストを後援していることは誰もが知っている。ウクライナ人やシリア人ではなく、テロリストだ。米国はテロリストを後援して、いたるところで混乱を引き起こしている。彼らはこれで金を稼ぎ、ここでも同じことをしている。

この志願兵は、モスクワの大学に数年間留学し、ロシアの文化に精通、ロシアに多くの友人がおり、トルコ軍に勤務した経験はあるが、戦闘に参加したことはないという。

また、ラズを名乗る別の志願兵も次のように述べた。

仲間の兵士との関係は非常に良好です。非常に温かい歓迎があった。
トルコとロシアは良い関係にある。だから、トルコ政府はこの決定(志願)が良いと考えると信じている。
我々と戦っているのがウクライナ人でも、ウクライナ軍でもないことを知っている。ロシアはこの戦争に勝利する。

これら部隊は、主にザボリージャ州出身のウクライナ人志願者から構成されているが、バリツキー知事は1月16日と25日、セルビア人とスウェーデン人がそれぞれ入隊したことを明らかにしていた。

RIA Novosti, January 16, 2023、January 25, 2023、February 2, 2023、TASS, February 2, 2023をもとに作成。

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アレッポ県のバーブ・サラーマ国境通行所を経由して1,697人のシリア人がトルコから帰国(2023年2月1日)

トルコの占領下にあるいわゆる「ユーフラテスの盾」地域とトルコを結ぶアレッポ県のバーブ・サラーマ国境通行所(暫定内閣財務経済省関税局所轄)はフェイスブック(https://www.facebook.com/BABALSALAMAH1/)のアカウントを通じて声明を出し、2023年1月の1ヵ月間に、同通行所を経由したトルコからシリアへの帰国者の数が1,697人に達したと発表した。

https://www.facebook.com/BABALSALAMAH1/posts/pfbid023jtFXuwqT9QBTUoyHdNFYatjPKGKoemaVqyYoRobSsrG6tCSh5gbZ8uJzxmQ91Ecl

ドゥラル・シャーミーヤ(2月1日付)は、トルコ在住のシリア難民が、在留期間終了時、あるいは身柄拘束時に「自発的帰還」を認める書類への署名を拒否しているとしたうえで、バーブ・サラーマ国境通行所を経由した帰国者を強制送還者と呼んでいる。

AFP, February 1, 2023、ANHA, February 1, 2023、al-Durar al-Shamiya, February 1, 2023、Reuters, February 1, 2023、SANA, February 1, 2023、SOHR, February 1, 2023などをもとに作成。

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アレッポ県サッハーラ村で、住民数十人がシャーム解放機構が管理する拘置所に収容されている逮捕者の釈放を要求しデモ(2023年2月1日)

アレッポ県では、シリア人権監視団によると、シャーム解放機構の支配下にあるサッハーラ村で、住民数十人が抗議デモを行い、トルコとシリア政府の和解に反対したことで逮捕され、シャーム解放機構が管理する拘置所に収容されている逮捕者の釈放を要求した。

デモ参加者は「シャーム解放機構のムハーバラートよ、あなた方はあらゆる点で犯罪体制に似ている。同じように殺し、同じように盗み、同じように逮捕し、彼らの真似をする者は、彼らと一緒だ」などと書かれた紙を掲げて、抗議の意思を示した。

AFP, February 1, 2023、ANHA, February 1, 2023、al-Durar al-Shamiya, February 1, 2023、Reuters, February 1, 2023、SANA, February 1, 2023、SOHR, February 1, 2023などをもとに作成。

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トルコ軍がシャーム解放機構の支配下にあるハマー県北西部のカストゥーン村の基地から撤退を開始(2023年2月1日)

ハマー県では、シリア人権監視団によると、トルコ軍がシャーム解放機構の支配下にあるガーブ平原のカストゥーン村の基地から撤退を開始した。

複数筋によると、トルコ軍部隊は、コンクリート・ブロックを撤去し、M4高速道路以北の地域に移送したという。

イナブ・バラディー(2月2日付)によると、トルコ軍部隊はM4高速道路北のサッラト・ズフール村に撤退した。

AFP, February 1, 2023、ANHA, February 1, 2023、al-Durar al-Shamiya, February 1, 2023、‘Inab Baladi, February 2, 2023、Reuters, February 1, 2023、SANA, February 1, 2023、SOHR, February 1, 2023などをもとに作成。

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アレッポ県ダービク村にあるトルコ軍基地が砲撃を受ける(2023年2月1日)

アレッポ県では、シリア人権監視団によると、トルコ占領下のいわゆる「ユーフラテスの盾」地域内のダービク村にあるトルコ軍基地の一帯に、シリア政府と北・東シリア自治局の共同統治下にある地域から発射された砲弾6発が着弾した。

また、「ユーフラテスの盾」地域とシリア政府の支配地の境界に位置するターディフ市一帯でシリア軍とシリア国民軍が交戦し、シリア国民軍に所属するシャーム戦線の戦闘員1人が狙撃され、死亡した。

一方、ANHA(2月2日付)によると、トルコ軍がシリア政府と北・東シリア自治局の共同統治下によるとタッル・リフアト市一帯を砲撃した。

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ラッカ県では、ANHA(2月1日付)によると、トルコ軍とシリア国民軍がシリア政府と北・東シリア自治局の共同統治下にあるアイン・イーサー市東のサイダー村、ナヒール休憩所を砲撃した。

AFP, February 1, 2023、ANHA, February 1, 2023、February 2, 2023、al-Durar al-Shamiya, February 1, 2023、Reuters, February 1, 2023、SANA, February 1, 2023、SOHR, February 1, 2023などをもとに作成。

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シャーム解放機構がイドリブ県内のシリア軍の拠点を砲撃、狙撃し、兵士11人を殺害(2023年2月1日)

イドリブ県では、シャーム解放機構の傘下にあるアムジャード広報機構によると、シャーム解放機構がシリア政府の支配下にあるカフルルーマー村近郊にあるシリア軍の拠点を砲撃し、士官(少佐)1人を含む8人が死亡した。

また、シリア人権監視団によると、シャーム解放機構に所属するアブー・バクル・スィッディーク旅団が、シリア政府の支配下にあるカフルナブル市一帯でシリア軍部隊を狙撃、兵士3人を殺害した。

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ダルアー県では、SANA(2月1日付)によると、ムザイリーブ町とヤードゥーダ村を結ぶ街道で、「正体不明のテロリストら」が仕掛けていた爆弾で、警察任務にあたっていた内務治安部隊を狙い、爆発により隊員6人が負傷した。

6人のうち2人は重傷を負った。

AFP, February 1, 2023、ANHA, February 1, 2023、al-Durar al-Shamiya, February 1, 2023、Reuters, February 1, 2023、SANA, February 1, 2023、SOHR, February 1, 2023などをもとに作成。

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