米中央軍(CENTCOM)は、フーシー派が紅海南部の国際航路に向けて発射した対艦弾道ミサイルをマルタ船籍が被弾する一方、フーシー派の支配地から発射された対艦弾道ミサイル4発を撃破したと発表(2024年1月16日)

米中央軍(CENTCOM)は午後2時9分、X(旧ツイッター)のアカウント(https://twitter.com/CENTCOM/)を通じて、米海軍特殊部隊が深夜、アラビア海のソマリア海岸近くで、イランからフーシー派に向けて最新鋭兵器を違法に密輸しようとしていたダウ船を拿捕したと発表した。

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CENTOMはまた午後9時6分にも、フーシー派がイエメン領内の支配地から、紅海南部の国際航路に対艦弾道ミサイルを発射、マルタ船籍の貨物船M/Vソグラフィアが被弾したと発表した。

負傷者は報告されず、貨物船は航行を継続した。

一方、米軍は現地時間午前4時15分頃、フーシー派が支配地から発射した対艦弾道ミサイル4発を撃破したという。

AFP, January 16, 2024、ANHA, January 16, 2024、‘Inab Baladi, January 16, 2024、Reuters, January 16, 2024、SANA, January 16, 2024、SOHR, January 16, 2024などをもとに作成。

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アレッポ県、イドリブ県で爆発が多数発生:イラン・イスラーム革命防衛隊は、イスラエルのスパイ拠点、ダーイシュ、テロ集積地、ジャイシュ・アドルの主要拠点を狙ってイラク、シリア、パキスタンをミサイル攻撃(2024年1月16日)

『ワタン』(1月16日付)は、アレッポ県アレッポ市内で4回の爆発音が聞こえたと伝えた。

これに関して、シリア人権監視団は、地中海方面からシリア政府の支配下にあるアレッポ市および周辺農村地帯に向けて所属不明のミサイル4発が発射され、同地で複数回の爆発音が確認されたと発表した。

シリア人権監視団は、イスラエル空軍によるミサイル攻撃と見られるが詳細は不明としつつ、これまでのイスラエル軍によるシリアへの侵犯行為を振り返り、その関与を疑った。

一方、アラビア語版スプートニク(1月16日付)は、地中海上空からアレッポ市一帯にミサイル攻撃があり、シリア軍防空部隊がこれを迎撃したうえで、攻撃がアレッポ国際空港を狙ったものだとの一部情報を否定した。

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ホワイト・ヘルメットは15日付で声明を出し、15日午後11時40分と16日0時7分に激しい爆発音を4回確認、救援チームがカフルタハーリーム町に近いタルティーター村で負傷者が2人発生したとの救難要請を受けたと発表した。

声明では爆発が砲撃、あるいは爆撃によるとしつつ、攻撃を行った主体については不明だとしている。

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イラン・イスラーム革命防衛隊は4つの声明を相次いで発表した。

第1の声明(2024年声明第1号)において、イラン・イスラーム革命防衛隊は、イランの敵が最近行ったテロ犯罪への報復として、(15日)晩に、同隊の弾道ミサイル複数発によって、(中東)地域の複数ヵ所でイランに敵対する複数のテロ・グループのスパイ拠点・集積地数ヵ所を標的とし、これを破壊した、と発表した。

第2の声明(2024年声明第2号)では、イラン人民を標的としたケルマーンとラスクでの犯罪への報復として、同隊が、この二つのテロ作戦に関与したテロリストの司令官や主要メンバー、とりわけダーイシュ(イスラーム国)の集積地複数ヵ所をシリアの被占領地内で特定し、弾道ミサイル多数を発射し、これを破壊したと発表した。

ケルマーンでの犯罪とは、1月3日に殉教者墓地(2020年1月3日にイラクで米軍によって暗殺されたイラン・イスラーム革命防衛隊ゴドス軍団前司令官のガーセム・ソレイマーニー氏の墓地が所在)付近で爆発事件が発生し、少なくとも103人が死亡、188人が負傷した事件を、ラスクでの犯罪とは2023年12月13日、イラン南東部スィースターン・バルチスターン州のラスクでのテロ攻撃で警官12人が死亡、7人が負傷した事件をさす。

第3の声明(2024年声明第3号)では、イラン・イスラーム革命防衛隊と抵抗枢軸の司令官らの戦死をもたらしたシオニスト政体の最近の邪悪な活動への報復として、(中東)地域内のシオニスト政体の拠点や活動を精密な諜報活動によって監視・把握、イラク・クルディスタン地域内のモサドの本部の一つを、弾道ミサイルで破壊したと発表した。

破壊された本部は、中東地域、とりわけイランでのスパイ活動を拡大し、テロ作戦を計画するための拠点だったという。

第4の声明(声明第4号)では、イラクのクルディスタン地域にあるモサドのスパイ本部とシリアのテロ集積地を24発の弾頭ミサイルで破壊したと発表した。

24発の内訳は以下の通り:

  • シリアのイドリブにあるダーイシュの本部に南部フージスターン州から新型のカイバル・シェカン地対地ミサイル4発を発射。
  • イラク・クルディスタン地域にあるモサドのスパイ本部、北西部から7発、西部から4発のミサイルを発射。
  • シリアの被占領地にあるテロ組織の拠点に9発のミサイルを発射。

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タスニーム通信(1月16日付)によると、イラン・イスラーム革命防衛隊ミサイル部隊司令官のアリー・ハーッジー・ザーデ准将は、この攻撃に関して、15日夜12時(16日0時)、イラン南部のフージスターン州南部から「イドリブのタクフィール主義組織」の拠点複数ヵ所に対して4発のハイバル弾道ミサイルを、イラン西部のケルマンシャー州から4発、西アザルバイジャン州から7発のミサイルをイラク・クルディスタン地域に向けて発射した。


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マヤーディーン・チャンネル(11月16日付)は複数筋の話として、イランのミサイル攻撃に関して、シャーム解放機構の支配下にあるイドリブ県、とりわけスンマーク山(ハーリム山)、ハーリム市一帯にあるトルキスタン・イスラーム党の指揮所を狙ったものだと伝えた。

同チャンネルによると、攻撃が行われた地域は、ダーイシュ(イスラーム国)ホラサン州の戦闘員の教練が行われていた場所で、同地で教練を受けた戦闘員が、イランでテロ攻撃を行うため、米国によってアフガニスタンやイラン国境地帯への移送されたという。

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クルディスタン自治政府の治安評議会によると、イラク領内に対する弾道ミサイル攻撃はアルビール市の米領事館近くを狙って行われ、同市内の高級住宅街に着弾、住民4人が死亡、6人が負傷した。

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RIAノーヴォスチ通信(1月16日付)がイラク治安当局者の話として伝えたところによると、イラク・クルディスタン自治政府があるアルビール県のアルビール市内の米国総領事館と、米主導の有志連合が使用するハリール軍事基地が併設されているアルビール国際空港の近くで複数回の爆発が発生した。

また、イラクのシャファク通信(1月16日付)がアルビール国際空港の関係者の話として伝えたところによると、これの攻撃により、空港の運航が一時的に停止した。

関係者によると、ミサイルはすべて撃破されたという。

これに関して、イラン外務省のナーセル・カナーニー報道官は、1月3日のケルマーン市でのテロ攻撃への報復として、イラン・イスラーム革命防衛隊が火曜日夜(未明)、アルビール市にある米国総領事館と国際空港付近を爆撃し、反イラン・テロ組織の拠点を破壊したと発表した。

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プレスTV(1月16日付)は、イラン・イスラーム革命防衛隊は、パキスタンのバロチスターン州にあるジャイシュ・アドルの主要拠点に対して弾道ミサイルと無人航空機(ドローン)で攻撃を開始したと伝えた。

ジャイシュ・アドルは、ラスクでのテロ攻撃への犯行声明を発表していた組織。

これに対して、パキスタンも18日、イランのスィースターン・バルーチェスターン州にある「テロリストの隠れ家」に対してミサイルやドローンで攻撃を行った。

AFP, January 16, 2024、ANHA, January 16, 2024、‘Inab Baladi, January 16, 2024、Press TV, January 16, 2024、Qanat al-Mayadin, January 16, 2024、Reuters, January 16, 2024、RIA Novosti, January 16, 2024、SANA, January 16, 2024、Shafaq News, Januarhy 16, 2024、SOHR, January 16, 2024、Sputnik Arabic, January 16, 2024、Tasnim, January 16, 2024、al-Watan, January 16, 2024などをもとに作成。

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イラク・イスラーム抵抗はイスラエル国内の「重要標的」をアルカブ長距離巡行ミサイル1発で攻撃したと発表(2024年1月16日)

イラク・イスラーム抵抗は午後10時30分、テレグラムのアカウントを通じて声明を出し、ガザ地区に対するイスラエルの攻撃への報復として、シオニスト政体(イスラエル)内の「重要標的」をアルカブ長距離巡行ミサイル1発で攻撃したと発表した。


AFP, January 16, 2024、ANHA, January 16, 2024、‘Inab Baladi, January 16, 2024、Reuters, January 16, 2024、SANA, January 16, 2024、SOHR, January 16, 2024などをもとに作成。

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ヒズブッラーが主導するレバノン・イスラーム抵抗はイスラエル北部を6回攻撃(2024年1月16日)

レバノン・イスラーム抵抗はテレグラムの公式アカウント(https://t.me/mmirleb)で、1月16日の戦果について以下の通り発表した。

東部地区

午後2時00分、占領下カフルシューバーの丘陵地にあるサンマーカ陣地をミサイルで攻撃し、直接の損害を与える。

午後3時30分、レバノン南部への攻撃への報復として、ナビー・ユシュア村一帯地域の複数の入植地を攻撃した。

午後4時20分、バイヤード・バリーダー陣地を攻撃し、直接の損害を与える。

西部地区

午前10時45分、エバン・メナヘム入植地東の入植地に集結するイスラエル軍部隊をミサイルで攻撃。

午後4時20分、ラーミヤー陣地一帯に集結するイスラエル軍部隊を攻撃、直接の損害を与える。

午後6時20分、ハドブ・ブスターン陣地をブルカーン重ロケット砲で砲撃し、直接の損害を与える。

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マナール・チャンネル(1月16日付)は、1月15日午前10時から16日午前10時までのイスラエル軍の攻撃を記録したインフォグラフィアを公開した。

同インフォグラフィアによると、イスラエル軍は、レバノンの北部に対して1回の爆撃と7回の砲撃を行った。

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イスラエル軍はテレグラムの公式アカウント(https://t.me/idfofficial)を通じて以下の通り発表した。

午前0時7分、本日(15日)早く、レバノン領内のヤールーン村、ルマイシュ村で複数の飛翔体を迎撃。また先ほど、イスラエル軍ジェット戦闘機1機がマールーン・ラース村のヒズブッラーのテロ・インフラを攻撃した。
午前10時19分、イスラエル軍ジェット戦闘機1機が夜間、カフルカラー村にあるヒズブッラーの対戦車ミサイル発射台を攻撃、また特殊部隊がアイター・シャアブ村の脅威を排除するために攻撃を行った。
午後2時43分、ワーディー・サルーキー一帯でのヒズブッラーのテロ標的多数への砲撃を完了。また、先ほど、ヒズブッラーの監視ポスト、軍事施設、武器インフラへの攻撃を実行。

AFP, January 16, 2024、ANHA, January 16, 2024、‘Inab Baladi, January 16, 2024、Qanat al-Manar, January 16, 2024、Reuters, January 16, 2024、SANA, January 16, 2024、SOHR, January 16, 2024などをもとに作成。

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ダイル・ザウル県ユーフラテス川西岸のハワーイジュ村で地元の武装集団がシリア民主軍の陣地を攻撃、激しい戦闘に(2024年1月16日)

ダイル・ザウル県では、シリア人権監視団によると、ダイル・ザウル民政評議会(北・東シリア地域民主自治局)の支配下にあるユーフラテス川西岸のハワーイジュ村で地元の武装集団が人民防衛隊(YPG)主体のシリア民主軍の陣地を攻撃、激しい戦闘となった。

AFP, January 16, 2024、ANHA, January 16, 2024、‘Inab Baladi, January 16, 2024、Reuters, January 16, 2024、SANA, January 16, 2024、SOHR, January 16, 2024などをもとに作成。

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イドリブ県では、「決戦」作戦司令室がサラーキブ市一帯を砲撃しシリア軍兵士1人殺害、シリア軍もアリーハー市を砲撃し住民1人殺害(2024年1月16日)

イドリブ県では、シリア人権監視団によると、「決戦」作戦司令室がシリア政府の支配下にあるサラーキブ市一帯を砲撃、これによりシリア軍兵士1人が死亡した。

「決戦」作戦司令室は、シリアのアル=カーイダであるシャーム解放機構とトルコの庇護を受ける国民解放戦線(シリア国民軍)などからなる武装連合体。

これに対して、シリア軍はシャーム解放機構の支配下にあるアリーハー市の住宅街を砲撃、住民1人が死亡、10人が負傷した。

AFP, January 16, 2024、ANHA, January 16, 2024、‘Inab Baladi, January 16, 2024、Reuters, January 16, 2024、SANA, January 16, 2024、SOHR, January 16, 2024などをもとに作成。

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シャーム解放機構の総合治安機関が2年前に拘束したアレッポ県アンダーン市出身の男性を処刑(2024年1月16日)

シリア人権監視団によると、シャーム解放機構の総合治安機関が2年前に拘束したアレッポ県アンダーン市出身の男性を処刑した。

男性は、アンサール・アブー・バクル・スィッディーク連隊と協力しているとの容疑で拘束されていた。

AFP, January 16, 2024、ANHA, January 16, 2024、‘Inab Baladi, January 16, 2024、Reuters, January 16, 2024、SANA, January 16, 2024、SOHR, January 16, 2024などをもとに作成。

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スワイダー市サイル広場(カラーマ広場)で困窮する生活への政府の不十分な対応に抗議するデモが続く(2024年1月16日)

スワイダー県では、スワイダー24(1月16日付)、シリア人権監視団によると、スワイダー市サイル広場(カラーマ広場)で困窮する生活への政府の不十分な対応に抗議するデモが続けられ、参加者らは体制打倒、アサド大統領の退任、生活状況の改善、国連安保理決議第2254号の履行、逮捕者釈放などを訴えた。

AFP, January 16, 2024、ANHA, January 16, 2024、‘Inab Baladi, January 16, 2024、Reuters, January 16, 2024、SANA, January 16, 2024、SOHR, January 16, 2024、Suwayda 24, January 16, 2024などをもとに作成。

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ダーイシュのメンバーが収容されているハサカ市のグワイラーン刑務所が何者かの砲撃を受ける:「イランの民兵」が関与か?(2024年1月16日)

人民防衛隊(YPG)主体のシリア民主軍の広報センターは声明を出し、ハサカ県で16日午前7時30分、シリア政府と北・東シリア地域民主自治局の共同支配下にあるハサカ市内のグワイラーン地区(北・東シリア地域民主自治局の支配下)にあるスィナーア刑務所(グワイラーン刑務所)が砲撃を受けたと発表した。

声明によると、砲撃は、「カリフの幼獣」と呼ばれるダーイシュの少年兵が収容されている区画を狙って行われ、収容者複数人が負傷した。

また、砲撃に併せて、収容されているダーイシュのメンバーらが脱獄を試みたが、シリア民主軍と内務治安部隊(アサーイシュ)がこれを阻止した。

ANHA(1月16日付)が伝えた。

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シリア人権監視団によると、誰が砲撃を行ったのかは不明だが、「イランの民兵」がハサカ市外から刑務所に隣接する米軍(有志連合)の軍事施設(基地)を狙ったものと見られるという。

同監視団によると、刑務所に隣接する米軍基地では、イスラエル・ハマース衝突が始まった10月以降、攻撃を回避するため、星条旗の掲揚をとりやめていたという。

また、15日には、ハイムー村に展開している米軍がタッル・バイダル村の基地に(一時)撤退した。

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一方、シリア人権監視団によると、米主導の有志連合の貨物車輌など25輌からなる車列がイラクとの国境に違法に設置されているハサカ県のワリード国境通行所(スワイディーヤ国境通行所)からシリア領内に新たに進入し、県内の米軍基地に向かった。

AFP, January 16, 2024、ANHA, January 16, 2024、‘Inab Baladi, January 16, 2024、Reuters, January 16, 2024、SANA, January 16, 2024、SOHR, January 16, 2024などをもとに作成。

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トルコ軍とシリア国民軍がアレッポ県北部を砲撃(2024年1月16日)

アレッポ県では、ANHA(1月16日付)によると、トルコ軍とシリア国民軍がシリア政府と北・東シリア地域民主自治局の共同支配下にあるマンビジュ市近郊のファーラート村、ダンダニーヤ村、ウンム・アダサ村、サイヤーダ村、シャイフ・ナースィル村(クルト・ワイラーン村)、ヤーリンリー村、アリーマ町を砲撃した。

トルコ軍はまた、シリア政府と北・東シリア地域民主自治局の共同支配下にあるタッル・リフアト市近郊のスーガーニカ村にあるシリア軍の陣地複数ヵ所を砲撃した。

AFP, January 16, 2024、ANHA, January 16, 2024、‘Inab Baladi, January 16, 2024、Reuters, January 16, 2024、SANA, January 16, 2024、SOHR, January 16, 2024などをもとに作成。

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ダルアー県で関係当局がダーイシュのメンバー1人を殺害(2024年1月16日)

ダルアー県では、SANA(1月16日付)によると、関係当局がダルアー市東部を巡回中に、自爆ベルトを爆発させようとしたダーイシュ(イスラーム国)のメンバー1人を殺害した。

関係当局はまた、同市のカーシフ地区で即席爆弾を発見、工学要員がこれを撤去、爆破した。



シリア人権監視団によると、殺害されたのは、アドワーン村で2022年8月9日に殺害されたアブー・サーリム・イラーキーが指導していた地元武装グループのメンバーで、ダマスカス郊外県ハジャル・アスワド市出身の男性。

AFP, January 16, 2024、ANHA, January 16, 2024、‘Inab Baladi, January 16, 2024、Reuters, January 16, 2024、SANA, January 16, 2024、SOHR, January 16, 2024などをもとに作成。

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