国連安保理で2月3日の米軍によるシリアとイラクへの爆撃への対応を協議するための緊急会合が開催:ロシア、イラン、中国は攻撃を非難、米国は自衛権の行使と主張(2024年2月5日)

国連安保理では、2月3日の米軍によるシリアとイラクへの爆撃への対応を協議するための緊急会合が開催された。

会合はロシアの要請に基づいて招集されたもの。

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会合において、ロシアのワシーリー・ネヴェンジャ国連大使は、国際社会に対して、米英(案頃サクソン)の無謀な振る舞いが国際の平和と安全を脅かし、国際法の支配や国連の中心的役割を損ねるものだと指弾、シリアとイラクの主権侵害を無条件で非難することを呼びかけた。

ネヴェンジャ国連大使は「米国の空爆が紛争をさらに激化させることを目的としていることは明らかだ」としたうえで、「米国は、シリア東部、主にダイル・ザウル県県にあるシリア軍を標的としたが、そこではシリア軍がダーイシュ(イスラーム国)と戦い続けている…。米国は、自らの声明に反して、実際には(ダーイシュを)後援している」、「米政府はイラクとシリアを攻撃することで、大統領選挙を前に国際社会において政権が失敗しているというイメージを払拭しようとしている」などと非難した。

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イランのエミール・サイード・イーロワーニー大使も、米国が地域の安定を揺るがし、シリアの領土の占領を続け、その資源を簒奪し、分離主義者やテロリストを支援しているとしたうえで、米軍によりシリアとイラクの攻撃を違法で正当化しえないと断じ、国際法、国連憲章の原則や国際慣習に違反し、両国の主権と領土保全を侵害していると非難した。

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張軍国連常任代表は、米軍によるシリアとイラクへの攻撃について「中東地域における暴力の報復を煽っている」としたうえで、「中国はこの状況に深刻な懸念を表明しており、国連憲章に違反するあらゆる行動に反対する」と表明した。

その一方で、関係者に対し、冷静さを保ち、自制し、国連憲章と他国の主権を尊重し、違法な軍事作戦を停止するよう求めた。

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これに対して、米国のロバート・ウッド国連代理大使は、「米国は安保理に宛てたこれまでの書簡で、米国の国民、軍、施設に対して将来行われるであろう攻撃、あるいはその脅威に対応して、さらなる行動を取ると繰り返し述べてきた」と反論、攻撃が「必要かつ適切であり、国際法と一致しており、米国の譲り得ない自衛権の枠内で実施された」と主張した。

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SANA(2月5、6日付)、RIAノーヴォスチ通信(12月6日付)などが伝えた。

AFP, February 6, 2024、ANHA, February 6, 2024、‘Inab Baladi, February 6, 2024、Reuters, February 6, 2024、RIA Novosti, February 6, 2024、SANA, February 6, 2024、SOHR, February 6, 2024などをもとに作成。

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イラク・イスラーム抵抗がダイル・ザウル県のウマル油田にある米軍基地をドローンで攻撃、シリア民主軍の特殊部隊隊員6人が死亡(2024年2月5日)

人民防衛隊(YPG)主体のシリア民主軍の広報センターは声明を出し、北・東シリア地域民主自治局(ダイル・ザウル地区)の支配下にあり、米軍(有志連合)が違法に駐留するダイル・ザウル県のウマル油田に設置されているシリア民主軍の士官学校に、シリア政府支配下のユーフラテス川東岸から自爆型の無人航空機(ドローン)1機による攻撃があり、シリア民主軍の兵士6人が死亡したと発表した。

ANHA(2月5日付)が伝えた。

。と発表した。

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これに関して、シリア人権監視団は、「イランの民兵」(イランが支援する民兵)が4日深夜から5日未明にかけてウマル油田の米軍基地をドローンで攻撃したとしたうえで、米軍とともに基地内に駐留していたシリア民主軍の特殊部隊の兵士7人が死亡、18人が重軽症を負ったと発表した。

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また、イラク・イスラーム抵抗は4日声明を出し、ガザ地区に対するイスラエルの攻撃への報復として、ハサカ県のウマル油田を無人航空機(ドローン)で攻撃したと発表した。

AFP, February 5, 2024、ANHA, February 5, 2024、‘Inab Baladi, February 5, 2024、Reuters, February 5, 2024、SANA, February 5, 2024、SOHR, February 5, 2024などをもとに作成。

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米中央軍(CENTCOM)は紅海の船舶に対して発射されようとしていたフーシー派の対艦弾道ミサイル4発に対する自衛攻撃を行ったと発表(2024年2月5日)

米中央軍(CENTCOM)は午前1時34分にX(旧ツイッター)のアカウント(https://twitter.com/CENTCOM/)を通じて声明を出し、米海軍USSグレイブリー、BSSカーニー、USSドワイト・D・アイゼンハワーからミサイルが発射される映像を紅海した。

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また午前2時49分にも声明を出し、現地時間4日午前5時30分頃、CENTCOMが紅海の船舶に対して発射されようとしていたフーシー派の対艦弾道ミサイル4発に対する自衛攻撃を行ったと発表した。


AFP, February 5, 2024、ANHA, February 5, 2024、‘Inab Baladi, February 5, 2024、Reuters, February 5, 2024、SANA, February 5, 2024、SOHR, February 5, 2024などをもとに作成。

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ヒズブッラーが主導するレバノン・イスラーム抵抗はイスラエル北部を4回攻撃する一方、戦闘員3人の戦死を発表(2024年2月5日)

レバノン・イスラーム抵抗はテレグラムの公式アカウント(https://t.me/mmirleb)で、2月5日の戦果について以下の通り発表した。

東部地区

午後1時35分、占領下カフルシューバーの丘陵地にあるサンマーカ陣地をロケット弾で攻撃し、直接の損害を与える。

午後1時45分、占領下シャブアー農場のルワイサート・イルム陣地をロケット弾で攻撃し、直接の損害を与える。

午後3時35分、サンマーカ陣地を再びロケット弾で攻撃し、直接の損害を与える。

午後5時00分、エフタ入植地(兵舎)をロケット弾で攻撃し、直接の損害を与える。

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レバノン・イスラーム抵抗はまた、戦闘員3人が戦死したと発表した。



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マナール・チャンネル(2月5日付)は、2月4日午前10時から2月5日午前10時までのイスラエル軍の攻撃を記録したインフォグラフィアを公開した。

同インフォグラフィアによると、イスラエル軍は、レバノンの北部に対して3回の爆撃と6回の砲撃などを行った。

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イスラエル軍はテレグラムの公式アカウント(https://t.me/idfofficial)を通じて以下の通り発表した。

午前0時21分、イスラエル軍ジェット戦闘機が先ほど、ヤールーン村にあるヒズブッラーの指揮所1ヵ所と軍事複合施設1ヵ所を攻撃。

午後5時50分、レバノンからイスラエル北部への多数の砲撃を終日確認し、イスラエル軍が砲弾発射地点などを攻撃。イスラエル軍戦闘機複数機と砲兵部隊が、ラッブーナ村地区の陣地1ヵ所、ジッビーン村地区の指揮所1ヵ所、バイト・リーフ村、バルアシート村地区の軍事複合施設1ヵ所などヒズブッラーのテロ標的複数ヵ所を攻撃。

AFP, February 5, 2024、ANHA, February 5, 2024、‘Inab Baladi, February 5, 2024、Qanat al-Manar, February 5, 2024、Reuters, February 5, 2024、SANA, February 5, 2024、SOHR, February 5, 2024などをもとに作成。

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イラク・イスラーム抵抗は声明を出し、イスラエル南部のエイラートをドローンで攻撃したと発表(2024年2月5日)

イラク・イスラーム抵抗は声明を出し、ガザ地区に対するイスラエルの攻撃への報復として、イスラエル南部のエイラートを無人航空機(ドローン)で攻撃したと発表した。

ニダール・ワタン(https://www.nidaalwatan.com/)が声明文の画像を掲載した。

AFP, February 5, 2024、ANHA, February 5, 2024、‘Inab Baladi, February 5, 2024、Reuters, February 5, 2024、SANA, February 5, 2024、SOHR, February 5, 2024などをもとに作成。

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ダーイシュがヒムス県東部で「イランの民兵」の一つファーティミーユーン旅団、シリア軍の陣地を襲撃する一方、ロシア軍が同地を爆撃(2024年2月5日)

ヒムス県では、シリア人権監視団によると、ダーイシュ(イスラーム国)のスリーパーセルがシリア政府の支配下にあるタドムル市近郊の砂漠地帯(アーラーク油田一帯)で「イランの民兵」の一つファーティミーユーン旅団の陣地複数ヵ所を襲撃、戦闘となった。

これにより、ダーイシュのメンバー3人と ファーティミーユーン旅団のメンバー(外国人)2人が死亡した。

ダーイシュはまた、タドムル市近郊やスフナ市近郊の砂漠地帯にあるシリア軍の陣地複数ヵ所を襲撃、戦闘となった。

これを受けて、ロシア軍戦闘機複数機が同地一帯を爆撃した。

AFP, February 5, 2024、ANHA, February 5, 2024、‘Inab Baladi, February 5, 2024、Reuters, February 5, 2024、SANA, February 5, 2024、SOHR, February 5, 2024、February 6, 2024などをもとに作成。

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地元の武装集団がダイル・ザウル県タヤーナ村にあるシリア民主軍の陣地を襲撃(2024年2月5日)

ダイル・ザウル県では、シリア人権監視団によると、地元の武装集団が4日深夜から北・東シリア地域民主自治局(ダイル・ザウル地区)の支配下にあるユーフラテス川東岸のタヤーナ村にある人民防衛隊(YPG)主体のシリア民主軍の陣地を襲撃、シリア民主軍の兵士1人が負傷した。

AFP, February 5, 2024、ANHA, February 5, 2024、‘Inab Baladi, February 5, 2024、Reuters, February 5, 2024、SANA, February 5, 2024、SOHR, February 5, 2024などをもとに作成。

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スワイダー市サイル広場(カラーマ広場)で困窮する生活への政府の不十分な対応に抗議するデモが続く(2024年2月5日)

スワイダー県では、スワイダー24(2月5日付)、シリア人権監視団によると、スワイダー市サイル広場(カラーマ広場)で困窮する生活への政府の不十分な対応に抗議するデモが続けられ、参加者らは体制打倒、アサド大統領の退任、生活状況の改善、国連安保理決議第2254号の履行、逮捕者釈放などを訴えた。

AFP, February 5, 2024、ANHA, February 5, 2024、‘Inab Baladi, February 5, 2024、Reuters, February 5, 2024、SANA, February 5, 2024、SOHR, February 5, 2024、Suwayda 24, February 5, 2024などをもとに作成。

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トルコ軍がアレッポ県タッル・リフアト市近郊のザイワーン村のシリア軍陣地を砲撃、シリア軍兵士1人が死亡(2024年2月5日)

アレッポ県では、ANHA(2月5日付)によると、トルコ軍がシリア政府と北・東シリア地域民主自治局の共同支配下にあるタッル・リフアト市近郊のザイワーン村のシリア軍陣地を砲撃、シリア軍兵士1人が死亡した。

トルコ軍はまたバイナ村を砲撃した。

AFP, February 5, 2024、ANHA, February 5, 2024、‘Inab Baladi, February 5, 2024、Reuters, February 5, 2024、SANA, February 5, 2024、SOHR, February 5, 2024などをもとに作成。

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シャーム解放機構がラタキア県ナフシャッバー村一帯でシリア軍兵士1人を殺害(2024年2月5日)

ラタキア県では、シリア人権監視団によると、シャーム解放機構がシリア政府の支配下にあるナフシャッバー村一帯でシリア軍兵士1人を殺害した。

AFP, February 5, 2024、ANHA, February 5, 2024、‘Inab Baladi, February 5, 2024、Reuters, February 5, 2024、SANA, February 5, 2024、SOHR, February 5, 2024などをもとに作成。

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フール・キャンプで「人道と安全」作戦第3段階を継続内務治安部隊(アサーイシュ)が外国人(ムハージリーン)専用の区画で2つの大規模な地下トンネルを発見(2024年2月5日)

ハサカ県では、ANHA(2月5日付)によると、北・東シリア地域民主自治局内務治安部隊(アサーイシュ)が、人民防衛隊(YPG)主体のシリア民主軍、女性防衛隊(YPJ)の支援を受けて、フール・キャンプで「人道と安全」作戦第3段階を継続、外国人(ムハージリーン)専用の区画で2つの大規模な地下トンネルを発見した。

AFP, February 5, 2024、ANHA, February 5, 2024、‘Inab Baladi, February 5, 2024、Reuters, February 5, 2024、SANA, February 5, 2024、SOHR, February 5, 2024などをもとに作成。

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アサド大統領は2023年政令第7号および8号を施行し、公務員や退職者の給与・年金を50%引き上げることを定め(2024年2月5日)

アサド大統領は2023年政令第7号および8号を施行し、民間部門および軍事部門の公務員の給与を50%、民間・軍事合同部門の公務員の給与を最高で70%引き上げるとともに、両部門の退職者への年金を50%引き上げることを定めた。

AFP, February 5, 2024、ANHA, February 5, 2024、‘Inab Baladi, February 5, 2024、Reuters, February 5, 2024、SANA, February 5, 2024、SOHR, February 5, 2024などをもとに作成。

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アサド大統領はアブハジア、モーリタニア大使の就任式に臨む(2024年2月5日)

アサド大統領は、首都ダマスカスに新たに着任したアリー・ムハンマド・ジャラロビッチ駐シリア・アブハジア大使の就任式に臨み、アブハジア政府からの信任状を受けとった。


アサド大統領はまた、サイイディー・ワラド・ドゥーマーン駐シリア・モーリタニア大使の就任式にも臨み、モーリタニア政府からの信任状を受けとった。

SANA(2月5日付)が伝えた。

AFP, February 5, 2024、ANHA, February 5, 2024、‘Inab Baladi, February 5, 2024、Reuters, February 5, 2024、SANA, February 5, 2024、SOHR, February 5, 2024などをもとに作成。

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ハサカ県の部族長名士評議会は米軍のシリアとイラクへの爆撃を非難(2024年2月5日)

ハサカ県の部族長名士評議会は声明を出し、2月3日の米軍によるシリアとイラクへの爆撃に関して、シオニスト政体(イスラエル)とその同盟者であるダーイシュ(イスラーム国)への支持を武器とう言葉で表現した非難、シリアの全土が解放され、治安と安定が回復するまで、シリア軍と抵抗勢力による「テロとの戦い」を支持すると表明した。

SANA(2月5日付)が伝えた。

AFP, February 5, 2024、ANHA, February 5, 2024、‘Inab Baladi, February 5, 2024、Reuters, February 5, 2024、SANA, February 5, 2024、SOHR, February 5, 2024などをもとに作成。

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