シャーム解放機構が主導するシリア救国内閣所属の総合治安機関はダマスカスの治安維持のため、市街地に総合治安機関の要員を展開させたと発表(2024年12月9日)

シャーム解放機構が主導するシリア救国内閣所属の総合治安機関は午後1時36分、首都ダマスカスの治安維持のため、市街地に総合治安機関の要員を展開させたと発表した。

AFP, December 9, 2024、ANHA, December 9, 2024、‘Inab Baladi, December 9, 2024、Reuters, December 9, 2024、SANA, December 9, 2024、Sham FM, December 9, 2024、SOHR, December 9, 2024などをもとに作成。

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シャーム解放機構がシリア北西部の自治(行政)を委託していた傘下組織のシリア救国内閣で首班を務めてきたムハンマド・バシール氏がジャラーリー首相に代わる首相に任命(2024年12月9日)

アラビーヤ(12月9日付)、ジャズィーラ(12月9日付)は、シリアの複数メディアの情報として、シャーム解放機構がシリア北西部の自治(行政)を委託していた傘下組織のシリア救国内閣で首班を務めてきたムハンマド・バシール氏がムハンマド・ガーズィー・ジャラーリー首相に代わる首相に任命されたと発表したと伝えた。

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シリアのサラーム・ムハンマド・サッファーフ行政開発担当国務大臣はRIAノーヴォスチ(12月9日付)の取材に応じ、シリアでの政権移譲プロセスは6ヵ月はかかると予想している、と述べた。

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ムハンマド・ガーズィー・ジャラーリー首相は、アリー・マフムード・アッバース国防大臣の所在に対して「分からない」と述べた。

また、RIAノーヴォスチ(12月9日付)は、クサイ・ダッハーク国連シリア常駐代表に、シリア領内のロシア軍の基地の将来について質問したが、「質問に答える情報を持っていない」として回答を拒否したと伝えた。

AFP, December 9, 2024、Alarabia, December 9, 2024、Aljazeera, December 9, 2024、ANHA, December 9, 2024、‘Inab Baladi, December 9, 2024、Reuters, December 9, 2024、RIA Novosti, December 9, 2024、SANA, December 9, 2024、Sham FM, December 9, 2024、SP-Today, December 9, 2024、SOHR, December 9, 2024などをもとに作成。

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シャーム解放機構が主導する反体制派によって掌握された内閣はSNSでジャウラーニー指導者とジャラーリー首相が会合で権力移譲について調整を行っているとする映像を公開(2024年12月9日)

シャーム解放機構が主導する反体制派によって掌握された内閣はフェイスブックの公式アカウント(https://www.facebook.com/SyrianPrimeMinistry/)は、地方行政環境省、運輸省、法務省、石油鉱物資源省が職員や関係機関に対して職務に復帰、継続するよう呼びかけたと発表した。



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また午後8時31分には、ジャウラーニーことシャルア総司令官がムハンマド・ガーズィー・ジャラーリー首相との会合で権力移譲について調整を行っているとする映像を公開した。

AFP, December 9, 2024、ANHA, December 9, 2024、‘Inab Baladi, December 9, 2024、Reuters, December 9, 2024、SANA, December 9, 2024、Sham FM, December 9, 2024、SOHR, December 9, 2024などをもとに作成。

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「攻撃抑止の戦い」軍事作戦局はシャーム解放機構ジャウラーニー指導者がダマスカスの大ウマイヤ・モスク内で住民に囲まれている画像、ジャラーリー首相との会合で権力移譲について調整を行っているとする映像を公開(2024年12月9日)

「攻撃抑止の戦い」軍事作戦局はテレグラムの専用アカウント(https://t.me/aleamaliaat_aleaskaria/)を通じて、以下の通り発表した。

午前11時45分、シャーム解放機構指導者のアブー・ムハンマド・ジャウラーニーことアフマド・シャルア総司令官がダマスカス旧市街の大ウマイヤ・モスク内で住民に囲まれている画像を公開。

午後6時23分、兵役に従事しているすべての兵士の安全を保障するとともに、彼らへの攻撃を禁止すると発表。

午後7時41分、ジャウラーニーことシャルア総司令官がムハンマド・ガーズィー・ジャラーリー首相との会合で権力移譲について調整を行っているとする映像を公開。

午後11時25分、ヒムス市の軍兵士、治安機関要員、警察官に対して12月14日までに一時保護カードの受取申請を行うよう呼びかける。

AFP, December 9, 2024、ANHA, December 9, 2024、‘Inab Baladi, December 9, 2024、Reuters, December 9, 2024、SANA, December 9, 2024、Sham FM, December 9, 2024、SOHR, December 9, 2024などをもとに作成。

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シャーム解放機構が主導する「攻撃抑止の戦い」軍事作戦局による首都ダマスカスの制圧と前後して、サイドナーヤー中央刑務所、アドラー中央刑務所が同作戦局によって掌握され、収監者らが出所を始める(2024年12月8日)

ダマスカス郊外県では、シャーム解放機構が主導する「攻撃抑止の戦い」軍事作戦局による首都ダマスカスの制圧と前後して、サイドナーヤー中央刑務所、アドラー中央刑務所が同作戦局によって掌握され、収監者らが出所を始めた。

AFP, December 8, 2024、ANHA, December 8, 2024、‘Inab Baladi, December 8, 2024、Reuters, December 8, 2024、SANA, December 8, 2024、Sham FM, December 8, 2024、SOHR, December 8, 2024などをもとに作成。

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シャーム解放機構が主導するシリア救国内閣所属の総合治安機関は内務省の要員(総合治安機関)が首都ダマスカスに到着したと発表(2024年12月8日)

シャーム解放機構が主導するシリア救国内閣所属の総合治安機関は午後5時30分、内務省の要員(総合治安機関)が首都ダマスカスに到着したと発表した。

AFP, December 8, 2024、ANHA, December 8, 2024、‘Inab Baladi, December 8, 2024、Reuters, December 8, 2024、SANA, December 8, 2024、Sham FM, December 8, 2024、SOHR, December 8, 2024などをもとに作成。

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イエメンのアンサール・アッラー(フーシー派)はイラク・イスラーム抵抗と合同でイスラエル南部の重要標的1ヵ所を多数の無人航空機で攻撃したと発表(2024年12月8日)

イエメンのアンサール・アッラー(フーシー派)のヤフヤー・サリーア報道官は午後3時3分、X(旧ツイッター)のアカウント(https://twitter.com/army21ye)を通じて声明を出し、イラク・イスラーム抵抗と合同で、イスラエル南部の重要標的1ヵ所を多数の無人航空機で攻撃したと発表した。

AFP, December 8, 2024、ANHA, December 8, 2024、‘Inab Baladi, December 8, 2024、Reuters, December 8, 2024、SANA, December 8, 2024、Sham FM, December 8, 2024、SOHR, December 8, 2024などをもとに作成。

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米中央軍(CENTCOM)はシリア中部でダーイシュの拠点など75ヵ所に対して爆撃を行ったと発表(2024年12月8日)

米中央軍(CENTCOM)は12月8日付で声明第20241208-01号を発表した。

声明の内容は以下の通り。

CENTCOM部隊は2024年12月8日、シリア中部にある既知のISIS(ダーイシュ(イスラーム国))のキャンプや活動拠点を標的とする精密爆撃を数十回実施した。同作戦は、ISISの指導者、工作員、キャンプを対象とし、テロ組織が外国で作戦を実施するのを抑止し、現状を利用してシリア中部で再編成することを阻止する継続的な任務の一環として行われた。 今次の作戦では、B-52、F-15、A-10など複数の米空軍航空機を使用し、75以上の標的を攻撃した。現在、戦闘被害の評価が進行中であり、民間人の死傷者が出たとの情報はない。 CENTCOMは、地域の同盟国および協力者と連携し、シリアにおけるISISの作戦能力を弱体化させるための作戦を続けると表明している。マイケル・エリック・クリラ大将は声明で、「我々は、ISISがシリアの現在の状況を利用して再編成することを許さない。すべての組織は、ISISと協力または支援する場合、その責任を問われることを理解すべきだ」と強調した。 本作戦は、ISISの作戦能力を弱体化させ、地域の安定を守るための米軍の継続的な取り組みを示すものである。

AFP, December 8, 2024、ANHA, December 8, 2024、‘Inab Baladi, December 8, 2024、Reuters, December 8, 2024、SANA, December 8, 2024、Sham FM, December 8, 2024、SOHR, December 8, 2024などをもとに作成。

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イスラエルのネタニヤフ首相はシリアとの兵力引き離し合意は「崩壊した」と宣言:イスラエル軍は各地の放棄されたシリア軍基地を爆撃する一方、シリア南部に侵攻し、これを「一時的に」掌握(2024年12月8日)

イスラエルのベンヤミン・ネタニヤフ首相は、1974年のシリアとの兵力引き離し合意は「崩壊した」としたうえで、イスラエル軍に対して「昨日、緩衝地帯(占領下ゴラン高原に隣接する兵力引き離し地域(AOS))と隣接する重要拠点を掌握するよう命令した。我々は、いかなる敵対勢力も我々の国境にとりつくことを許さない」と発表した。

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イスラエル軍のアヴィハイ・アドライ報道官はフェイスブックのアカウント(https://www.facebook.com/IDFarabicAvichayAdraee/)を通じて、クナイトラ県のウーファーニヤー村、クナイトラ市、ハミーディーヤ、西サムダーニーヤ村、カフターニーヤ町の住民に対して、同地での戦闘を受けてイスラエル軍が介入を余儀なくされたとしたうえ、追って通知をするまで、外出を控え、自宅に留まるよう警告した。

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ダルアー24(12月8日付)、スワイダー24(12月8日付)、シリア人権監視団などによると、イスラエル軍は、シリア軍が撤退したダルアー県(インヒル市北のジャドヤー大隊基地、シャイフ・マスキーン市西のハマド丘、サナマイン市、ヤルムーク渓谷)、クナイトラ県内の拠点複数ヵ所、スワイダー県内の軍の陣地複数ヵ所(シャアール丘)に集中的な爆撃を行った。


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これを受けて、イスラエル軍は兵力引き離し地域内のルッカード橋、ハムダーニーヤ村一帯に戦車、装甲車多数を侵攻させた。

また、ジュバーター・ハシャブ村出身の若い男性を狙撃し、殺害、ラスム・ラワーディー村の住民全員を拘束し、村の学校に連行した。

なお、イスラエル軍の侵攻に先だって、イスラエル軍は兵力引き離し地域と占領下のゴラン高原を隔てるラインA近くで若い男性2人を拘束、占領下のゴラン高原に連行していた。

イスラエル軍はまた、ダルアー県西部のマアリーヤ村一帯を砲撃した。

また、シリア軍が放棄したダマスカス郊外県のジャバル・シャイフ(ヘルモン山)の監視所複数ヵ所を制圧した。

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イスラエル軍ラジオ(12月8日付)は、イスラエル軍による兵力引き離し地域の制圧は、武装勢力に対処するための「一時的」な作戦だと伝えた。

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イスラエル軍は、シリアとレバノンの状況への対応をめぐってテレグラムの公式アカウント(https://t.me/idfofficial)で以下の通り発表した。

午前9時35分
シリアの現況への状況評価に基づき、武装勢力の緩衝地帯への侵入などの事態を受けて、イスラエル軍はゴラン高原の住民とイスラエル市民の安全を確保するため、緩衝地帯および防衛上必要とされる複数の地域に部隊を配備した。 イスラエル軍はシリア国内での事態に干渉していないことを強調する。 イスラエル軍は、緩衝地帯を維持し、イスラエルとその市民を守るために必要な限り行動を続ける。

午後8時15分
現況の状況評価に基づき、過去24時間でゴラン高原における準備態勢が強化され、イスラエル軍地上部隊および航空部隊が同地域に配備された。加えて、国内のすべての防衛機関が動員されている。 イスラエル軍第474旅団の部隊は国境沿いで活動しており、主に情報収集とイスラエル市民、特にゴラン高原住民の防衛に注力している。 また、国境沿いの「ニューイースト」として知られる障壁の強化にも取り組んでいる。

午後10時18分
イスラエル空軍がレバノン南部の武器貯蔵施設内にいたヒズブッラーのテロリスト1人を狙って攻撃を実施。

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ダマスカス県では、シリア人権監視団によると、イスラエル軍戦闘機がマッザ航空基地一帯、中心街に位置する参謀本部、ムハーバラート、税関局の施設を爆撃した、

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ダマスカス郊外県では、シリア人権監視団によると、イスラエル軍戦闘機がはジャバル・シャイフ(ヘルモン山)一帯、ジャルマーナー市近郊の科学研究センター近くにあるシリア軍第4師団の貯蔵施設複数ヵ所を爆撃した。

爆撃は、シリア軍が放棄した兵器が反体制派の手に渡るのを阻止するのが目的とされる。

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ダイル・ザウル県では、シリア人権監視団によると、イスラエル軍所属と見られる戦闘機複数機が、シリア政府の支配下にあったユーフラテス川西岸の製塩工場、シリア軍が放棄した指揮所などに対して6回の爆撃を実施した。

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シリア人権監視団によると、イスラエル軍の攻撃は、アサド政権崩壊後これが初めて。

今年に入って166回(うち140回が航空攻撃、26回が地上攻撃)となり、これにより304あまりの標的が破壊され、軍関係者416人が死亡、286人が負傷した。

同監視団によると、軍関係者の死者内訳は以下の通りである。

イラン人(イラン・イスラーム革命防衛隊):25人
ヒズブッラーのメンバー:59人
イラク人:28人
「イランの民兵」のシリア人メンバー(カーティルジー・グループ社も含む):157人
「イランの民兵」の外国人メンバー:34人
シリア軍将兵:64人
身元不明者:7人
パレスチナ・イスラーム聖戦機構関係者:10人
タドムル市で死亡した外国人民兵(ほとんどがヌジャバー運動のメンバー):22人
ヒズブッラーの協力者(クサイル市一帯):2人
身元不明者(ダブースィーヤ国境通行所):3人
身元不明者(アクラバー町近く):1人
また、民間人も66人(うち子供12人、女性16人)が死亡、67人あまりが負傷している。

攻撃の県別内訳は以下の通りである。

ダマスカス県、ダマスカス郊外県:60回
ダルアー県:18回
ヒムス県:57回
クナイトラ県:18回
タルトゥース県:4回
ダイル・ザウル県:5回
アレッポ県:3回
ハマー県:4回
スワイダー県:3回
ラタキア県:2回
イドリブ県:1回

AFP, December 8, 2024、ANHA, December 8, 2024、‘Inab Baladi, December 8, 2024、Reuters, December 8, 2024、SANA, December 8, 2024、Sham FM, December 8, 2024、SOHR, December 8, 2024などをもとに作成。

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レバノンのヒズブッラーは、アサド政権の崩壊を受けて、ダマスカス郊外県やヒムス県から部隊を撤退(2024年12月8日)

レバノンのヒズブッラーは、アサド政権の崩壊を受けて、ダマスカス郊外県やヒムス県から部隊を撤退させた。

シリアに駐留していた部隊の一部は、ラタキア県方面に、一部はレバノン(ベカーア県)に向かったという。

AFP(12月8日付)などが伝えた。

AFP, December 8, 2024、ANHA, December 8, 2024、‘Inab Baladi, December 8, 2024、Reuters, December 8, 2024、SANA, December 8, 2024、Sham FM, December 8, 2024、SOHR, December 8, 2024などをもとに作成。

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バイデン米大統領:「アサドを倒したグループの一部には、テロと人権侵害の悲惨な前科がある」(2024年12月8日)

ジョー・バイデン米大統領はホワイト・ハウスで、アサド政権の崩壊について、以下の通り述べた。

アサドを倒したグループの一部には、テロと人権侵害の悲惨な前科がある。
我々はここ数日、これらのグループの指導者らの声明に注目している。
彼らは今は正しいことを言っているが、彼らがより多くの責任を負ったら、我々は彼らの言葉だけでなく行動も評価するだろう。

また、ダーイシュ(イスラーム国)の活動についても以下の通り述べ、警戒する必要があることを強調した。

ISIS(ダーイシュ)はあらゆる真空を利用してその能力を回復しようとするだろう。我々はそれを許さない。

一方、アサド大統領の処遇についても以下の通り述べた。

アサドは責任を追及されねばならない。

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ショーン・サヴェット米ホワイトハウス国家安全保障会議報道官は、ジョー・バイデン大統領が「進行中の異常事態」を注視し、地域のパートナーと継続的に連絡を取り合っていると述べた。

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ドナルド・トランプ米次期大統領は、自身のソーシャルメディアTruth Socialで、「アサドは終わった」としたえで、「アサドの後ろ盾であったロシアは、アサドを守ることに関心を持たなかった」と綴った。

AFP, December 8, 2024、ANHA, December 8, 2024、‘Inab Baladi, December 8, 2024、Reuters, December 8, 2024、SANA, December 8, 2024、Sham FM, December 8, 2024、SOHR, December 8, 2024などをもとに作成。

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ハサカ県にアレッポ県のアフリーン郡、タッル・リフアト市一帯からの避難民が新たに到着(2024年12月8日)

ハサカ県では、ANHA(12月8日付)によると、北・東シリア地域民主自治局の支配下にあるマアバダ(カルキールキー)町がアフリーン郡、タッル・リフアト市一帯からの避難民の受け入れを続け、過去2日でその数は81世帯318人となった。

ジュワーディーヤ(ジャッル・アーガー)村も避難民70世帯を受け入れた。

AFP, December 8, 2024、ANHA, December 8, 2024、‘Inab Baladi, December 8, 2024、Reuters, December 8, 2024、SANA, December 8, 2024、Sham FM, December 8, 2024、SOHR, December 8, 2024などをもとに作成。

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トルコがハサカ県、アレッポ県を砲撃、無人航空機で攻撃:シリア国民軍は北・東シリア地域民主自治局の支配下にあるマンビジュ市を制圧したと発表(2024年12月8日)

ハサカ県では、シリア人権監視団によると、アサド政権の崩壊を受けて、北部国境地帯に展開していたシリア軍部隊が撤退した。

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北・東シリア地域民主自治局は、シリアの治安状況の混乱を鑑み、支配地内で非常事態令を発出すると発表した。

同自治局はまた、アサド政権の崩壊を受けて声明を出し、民主的で多元的なシリアを建設する役割に専念し、未来のシリア像を描くためすべてのシリアの当事者と対話し、手を差し伸べる用意があると表明した。

これを受けて、内務治安部隊(アサーイシュ)総司令部は、午後8時から午前8時まで支配地全域で市民の安全を守るために外出禁止令を発出した。

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一方、人民防衛隊(YPG)主体のシリア民主軍の政治母体であるシリア民主評議会も声明を出し、シリアにおけるバアス体制の崩壊を喜びと誇りをもって迎えていると表明した。

ANHA(12月8日付)が伝えた。

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ハサカ県では、ANHA(12月8日付)によると、シリア政府と北・東シリア地域民主自治局の共同支配下にあったカーミシュリー市で、アサド政権の崩壊を歓迎するデモが行われ、数千人が参加した。

ラッカ県でも、ラッカ市で、アサド政権の崩壊を歓迎するデモが行われ、数千人が参加した。

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ハサカ県では、ANHA(12月8日付)によると、トルコ軍が北・東シリア地域民主自治局の支配下にあるアブー・ラースィーン(ザルカーン)町近郊のウンム・ムハルマラ村を砲撃した。

トルコ軍はまた、タッル・タムル町近郊のハンヌー村を無人航空機で複数回にわたって攻撃を行った。

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アレッポ県では、ANHA(12月8日付)によると、トルコ軍とシリア国民軍が北・東シリア地域民主自治局の支配下にあるマンビジュ市近郊のジャート村、ダラジュ村、トゥーハール村一帯、アリーマ町郊外を激しく砲撃するとともにマンビジュ市に侵攻、同市、トゥーハール村、アウン・ダーダート村、アラブ・ハサン村一帯、アリーマ町一帯でシリア民主軍に所属するマンビジュ軍事評議会と交戦した。


トルコ軍はまた、マンビジュ市のサブア・バフラート広場近くにある北・東シリア地域民主自治局の施設を爆撃した。

この爆撃に関して、マンビジュ軍事評議会は声明を出し、「占領国トルコの傭兵」(シリア国民軍)がマンビジュ市制圧の試みに失敗したことを受けて行われたものだと主張した。

トルコ軍とシリア国民軍はさらに、ユーフラテス川にかかるカラ・クーザーク橋を無人航空機で複数回にわたって爆撃した。

一方、シリア国民軍は午後6時44分、「自由の暁」作戦の戦果を発表するためにテレグラムに開設した専用アカウント(https://t.me/Dawn_of_Freedom1/)で、シリア民主軍からマンビジュ市を解放したと発表、その映像を公開した。

シリア人権監視団によると、「自由の暁」作戦を継続中のシリア国民軍は、マンビジュ軍事評議会との戦闘の末、マンビジュ市内の主要な街区を制圧した。

この戦闘で、シリア国民軍の戦闘員9人、マンビジュ軍事評議会の戦闘員17人が死亡、マンビジュ軍事評議会は部分撤退した。

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ラッカ県では、ANHA(12月9日付)によると、8日晩、トルコ軍とシリア国民軍が北・東シリア地域民主自治局の支配下にあるアイン・イーサー市近郊のムスタリーハ村を砲撃した。

AFP, December 8, 2024、ANHA, December 8, 2024、Decemeber 9, 2024、‘Inab Baladi, December 8, 2024、Reuters, December 8, 2024、SANA, December 8, 2024、Sham FM, December 8, 2024、SOHR, December 8, 2024などをもとに作成。

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アサド大統領は平和的に権力を移譲するよう指示を出し、辞職、家族とともにロシアに亡命:ダマスカスのイラン大使館が襲撃を受ける(2024年12月8日)

ロシア外務省は、アサド大統領が複数の反体制武装勢力との交渉を経て、平和的に権力を移譲するよう指示を出し、辞職したと発表した。

ロシア外務省はまた、シリア国内の軍事基地の安全に深刻な脅威はないとしつつも、最高警戒態勢を維持していると述べた。

さらに、ロシア政府は、シリアのすべての反体制派勢力と連絡を取り合っており、アサド大統領がシリアを離れたことを確認したと付言した。

RIAノーヴォスチ(12月8日付)は、ロシア大統領府関係者の話として、アサド大統領と家族がロシアの首都モスクワに到着、ロシアは人道的配慮に基づき彼らの亡命を認めたと伝えた。

シリア人権監視団は、これに先立って、7日晩にアサド大統領を乗せたと見られるダマスカス航空機が離陸した後、ダマスカス国際空港を守備していたシリア軍部隊が同地から撤退したと発表していた。

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一方、イラン国営テレビ(12月8日付)は、首都ダマスカスが「攻撃抑止」軍事作戦局を制圧したことを受けて、ダマスカスのイラン大使館が武装勢力により占拠されたと報じた。

また、イラン外務省は、ダマスカスの大使館からイラン人外交官を退去させたと発表した。

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アサド政権崩壊を受けた各国の対応は以下の通り:

中国外交部は「中国はシリアの状況の展開を注視しており、シリアが一日も早く安定を取り戻すことを望んでいる」と発表した。

フランス外務省のクリストフ・ルモワン報道官が「体制はシリア国民を互いに争わせ、シリアを分断・分裂させ続けてきたが、今こそ団結の時である」と述べ、平和的な政治移行を促すとともに、「あらゆるの形態の過激主義を拒否する」と強調した。

ドイツのアナレーナ・ベアボック外務大臣は、「シリアがいかなるかたちであれ、他の過激派の手に渡ることを防がなければならない」「クルド人、アラウィー派、キリスト教徒といった民族的・宗教的少数派の完全な保護と政治的包摂の必要性」を強調した。

トルコのハカン・フィダン外務大臣は、ドーハ・フォーラムでアサド政権の崩壊は「もちろん、これは一夜にして起こったわけではない。この13年間、シリアは混乱のなかにあった」と発言した。

UAEのアンワル・カルカーシュ大統領顧問は、バーレーンでのマナーマ対話会議で「我々はシリア国民が協力し、混乱がさらに拡大するのを防ぐことを望んでいる」と発言した。

英国のアンジェラ・レイナー副首相は「アサドはシリア国民にとって決して良い存在ではなかった」、「この地域の安定が必要である」、「独裁とテロは、すでに多くの苦難を抱えるシリア国民にさらなる問題をもたらす」、「政府がシリア国民の利益のために行動する政治的解決が必要だ」と述べた。

ゲイル・ペデルセン・シリア問題担当国連特別代表は、反体制派による掌握を「内戦14年近くを経たシリアにとっての分水嶺の瞬間」としたうえで、「今日、我々は慎重な希望を持って、新たな章の幕開け――平和、和解、尊厳、そしてすべてのシリア人を包摂する未来を期待している」と述べた。

AFP, December 8, 2024、ANHA, December 8, 2024、‘Inab Baladi, December 8, 2024、IRIB, December 8, 2024、Reuters, December 8, 2024、RIA Novosti, December 8, 2024、SANA, December 8, 2024、Sham FM, December 8, 2024、SOHR, December 8, 2024などをもとに作成。

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シャーム解放機構が主導する「攻撃抑止」軍事作戦局は、シリア軍と激しい戦闘の末にトルコとの国境に位置するカサブ町とカサブ国境通行所を制圧:ロシア軍はラタキア県とイドリブ県を爆撃(2024年12月8日)

ラタキア県では、シリア人権監視団によると、シャーム解放機構が主導する「攻撃抑止」軍事作戦局は、シリア軍と激しい戦闘の末にトルコとの国境に位置するカサブ町とカサブ国境通行所を制圧した。

一方、ロシア軍戦闘機複数機が、トルコマン山地方各所を爆撃した。

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イドリブ県では、シリア人権監視団によると、ロシア軍戦闘機複数機がジスル・シュグール市近郊のナージーヤ村一帯を爆撃した。

AFP, December 8, 2024、ANHA, December 8, 2024、‘Inab Baladi, December 8, 2024、Reuters, December 8, 2024、SANA, December 8, 2024、Sham FM, December 8, 2024、SOHR, December 8, 2024などをもとに作成。

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シャーム解放機構が主導する「攻撃抑止」軍事作戦局によって制圧された首都ダマスカスを含むシリア国内の統治を目的に発足されたとみられる暫定国民評議会はアサド政権の崩壊を宣言(2024年12月8日)

シャーム解放機構が主導する「攻撃抑止」軍事作戦局によって制圧された首都ダマスカスを含むシリア国内の統治を目的に発足されたとみられる暫定国民評議会は、人民議会のフェイスブックの公式アカウント(https://www.facebook.com/Syrian.Peoples.Assembly)を通じて声明を出し、アサド政権の崩壊を宣言した。

声明の内容は以下の通り。

自由なシリアの人々へ
長きにわたる抑圧、専制、苦難の年月を経て、この尊き祖国の息子や娘たちが多大な犠牲を払った結果、我々は本日、この歴史的な日において、偉大なるシリア国民と全世界に対し、バッシャール・アサド体制が崩壊し、彼が国外へ逃亡したことを宣言する。彼が残したのは、破壊と苦しみの遺産だけである。
この歴史的な日に、我々は革命勢力と反体制派が愛するシリアの指導権を掌握したことを発表し、すべての市民が平等で差別のない自由で公正な民主国家を築くという決意を表明する。
我々は、アッラーと国民の前で以下を約束する:
1. シリアの領土の統一と主権を守ること。
2. すべての市民とその財産を帰属に関係なく保護すること。
3. 自由と正義に基づいて国家とその機関を再建すること。
4. 包括的な国民和解を目指し、避難民や移民を安全と尊厳をもって帰還させること。
5. シリア国民に対して罪を犯したすべての者を法と正義に基づいて裁くこと。
我々はすべてのシリア国民に対し、この歴史的な局面において団結し、協力することを呼びかける。そして、新しいシリアは誰か一人のものではなく、すべての人々の祖国であることを強調する。
自由で誇り高きシリア万歳!
皆に平安とアッラーの慈悲と祝福を。
暫定国民評議会
ダマスカス、2024年12月8日

AFP, December 8, 2024、ANHA, December 8, 2024、‘Inab Baladi, December 8, 2024、Reuters, December 8, 2024、SANA, December 8, 2024、Sham FM, December 8, 2024、SOHR, December 8, 2024などをもとに作成。

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ジャラーリー首相は平和的且つ公式な権限の移譲に向けて、ダマスカスに留まり、公的機関の運営に尽力すると表明、主な閣僚、省庁もこれに追随:国防省、内務省、大統領府からの声明はなし(2024年12月8日)

内閣はフェイスブックの公式アカウント(https://www.facebook.com/SyrianPrimeMinistry/)で、ムハンマド・ガーズィー・ジャラーリー首相の声明を発表した。

声明のなかでジャラーリー首相は、平和的且つ公式な権限の移譲に向けて、ダマスカスに留まり、公的機関の運営に尽力し、国民に教育、保健、電気などのサービスを提供し続けると表明し、政府関係者、反体制派の双方に協力を呼び掛けた。

声明での発言の概要は以下の通り:

私は皆さんの一員であり、皆さんは私の一部です。私は自宅におり、この国への帰属意識ゆえにここを離れることはしません。外国を知らないからです。
人々がこの国やその機関、施設を大切に思いながらも、不安や恐怖を感じているこの時に、私は国の公共施設を守ることを重視しています。それらは私のものでも他の誰かのものでもなく、すべてのシリア国民の財産です。我々は、この国の資源を守りたいと願うすべてのシリアの市民に手を差し伸べています。
すべての市民にお願いしたいのは、公共財産に手を出さないことです。これらは最終的には皆さん自身の財産だからです。私はここにおり、平和的な方法でしかここを離れるつもりはありません。公共機関や国家施設の機能を確保し、国民の皆さんに安心と安全をもたらすことを保証したいと考えています。
すべての人々が理性的に考えることを望みます。我々は、手を差し伸べてくる反体制派に手を差し伸べます。彼らがシリアのこの祖国に所属する人々に危害を加えないことを確約する限りにおいて。
私は常に、公的部門でも民間部門でも政府においても、この国の利益を最優先にして昼夜を問わず働いてきました。我々はシリアがすべてのシリア人の国であると信じています。シリアはすべての国民にとって自然な場所であり、近隣諸国や世界と自然な関係を築くことができます。地域的な同盟や派閥に参加する必要はありません。ただし、それはシリア国民が選ぶいかなる指導者の手に委ねられています。


ジャラーリー首相は、その後、シリア軍第5軍団に所属する兵士や護衛らとともに、権力移譲のためとして、首都ダマスカス内のホテルに向かった。

また、ルアイ・ムナッジド国内通商消費者大臣、ムハンマド・ラーミー・マールティーニー観光大臣、アフマド・ダミーリーヤ保健大臣も同様の声明を出した。


外務在外居住者省、工業省、経済対外通商省、石油天然資源省、社会問題労働省、情報省、電力省、公共事業住宅省、財務省、計画国際開発委員会、地方開発環境省、通信情報技術省も同様の声明を出した。











国防省、内務省、そして大統領府は声明を出していない。

AFP, December 8, 2024、ANHA, December 8, 2024、‘Inab Baladi, December 8, 2024、Reuters, December 8, 2024、SANA, December 8, 2024、Sham FM, December 8, 2024、SOHR, December 8, 2024などをもとに作成。

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シャーム解放機構が主導する「攻撃抑止の戦い」軍事作戦局は首都ダマスカスを制圧(2024年12月8日)

「攻撃抑止の戦い」軍事作戦局はテレグラムの専用アカウント(https://t.me/aleamaliaat_aleaskaria/)を通じて、以下の通り発表した。
午前0時8分、ヒムス市内に進攻を始めたと発表。

午前0時30分、ヒムス中央刑務所に収容されていた3500人以上の収監者を解放したと発表。

午後0時52分、ジャウラーニー指導者がヒムス市の解放が間近であるとするビデオ・メッセージを発表。メッセージの内容は以下の通り。

我々はヒムス市解放の最後のひと時のなかにいる。この歴史的な出来事は、正義と虚偽を分ける分岐点となるであろう。我々は、以前と同様に、兄弟であるジハード戦士(ムジャーヒディーン)に対し、住民に慈悲を示すこと、武器を捨てた者を安全に保護すること、逃げた者を追跡しないよう勧告する。


午前1時13分、ハサン・アブドゥルガニー司令官はヒムス市を完全に解放したと発表。

午前2時49分、ジャウラーニー指導者が実名のアフマド・シャルアで声明を発表。

声明の内容は以下の通り。

誇り高きシリア国民へ、我々の意思は揺るぎなく、決意は崩れることはない。我々は革命の諸目的を達成するために、毅然として行動を続ける。それは、誇り、尊厳、自由、そして正義のために始まったものであり、後退する余地はない。我々は、2011年に始めた道を、どんな困難にも屈せず、最後まで歩み続けると決意している。
我々は革命の理念に忠実であり続け、偉大なるシリア国民のすべての権利を実現するまで闘いを止めない。未来は我々のものであり、アッラーの助けを借りて、勝利への道を進み続ける。


午前4時45分、首都シリアへの進入を開始したと発表。

午前4時45分、サイドナーヤー中央刑務所の抑圧の時代を終わらせたと発表。

午前6時16分、独裁者アサドは逃走したと発表。

午前6時16分、ダマスカス市は独裁者バッシャール・アサドから自由になったことを宣言する、と発表。

午前6時20分、「世界中の避難民よ、自由シリアはあなた方を待っている」と呼びかける。

午前6時24分、「バアスの支配のもとでの50年にわたる抑圧、13年にわたる犯罪、専制、強制移住を経て、長年の闘争とすべての占領勢力との戦いを続けた結果、本日2024年12月8日、この暗黒時代の終焉とシリアにおける新たな時代の幕開けをここに宣言する」、と発表。

午前6時37分、体制から離れ、支援を止めたサイイダ・ザイナブ町の住民と名士の勇敢な姿勢の価値を称えるとともに、武器を捨てたすべての者の安全を保障するとするハサン・アブドゥルガニー司令官のメッセージを発表。

午前6時39分、「ダマスカス市のすべての軍部隊へ、正式に引き渡されるまで、前首相の監督下に留まることになる公的機関に近づくことを固く禁じる。また、空砲を禁じる」とするジャウラーニー指導者ことアフマド・シャルア総司令官のメッセージを発表。

午前6時41分、ダイル・ザウル市への進入を開始したと発表。

午前7時40分、ダイル・ザウル県西部郊外に進軍していると発表。

午前8時21分、ジャウラーニーことアフマド・シャルア指導者の声明を発表。
内容は以下の通り:

自由人たる革命家同胞へ
アッラーに感謝を捧げ、その助けを借りて勝利を成し遂げられたことに感謝しなさい。ダマスカスに入る際には、額を地に付けて礼拝し、謙虚に頭を垂れなさい。家族や仲間に対しては優しさをもって接し、羽を広げるようにして彼らに守りなさい。アッラーの使徒が語ったように、最良の兵士であることを示しなさい。
公的機関とその財産を保護しなさい。それらは偉大なるシリア国民のものであり、諸君らはその守護者である。現代史において最大の革命として記録される勝利の絵を共に、完成させよう。


午後4時16分、ジャウラーニーことアフマド・シャルア指導者が首都ダマスカスに到着し、アッラーのために跪き祈る映像を公開。

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タルトゥース県では、シリア人権監視団によると、アサド政権の崩壊を受けて、タルトゥース市にあるハーフィズ・アサド前大統領の銅像が倒された。

バーニヤース市では、アサド政権の崩壊を祝うデモが夜間に行われた。

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ラタキア県では、シリア人権監視団によると、アサド政権の崩壊を受けて、ラタキア市のシャイフ・ダーヒル広場にあるハーフィズ・アサド前大統領の銅像が倒された。

AFP, December 8, 2024、ANHA, December 8, 2024、‘Inab Baladi, December 8, 2024、Reuters, December 8, 2024、SANA, December 8, 2024、Sham FM, December 8, 2024、SOHR, December 8, 2024などをもとに作成。

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イスラエル軍はシリア政府の支配を脱したクナイトラ県フドル村地域で武装集団を受けた国連監視所の反撃を支援:レバノンでのヒズブッラーの停戦違反に対処、フーシー派のミサイルを撃破(2024年12月7日)

イスラエル軍は、シリアの状況およびイエメンのアンサール・アッラー(フーシー派)およびレバノンのヒズブッラーとの戦況にテレグラムの公式アカウント(https://t.me/idfofficial)で以下の通り発表した。

午前6時40分
先ほど、イエメンからのミサイル1発をイスラエル空軍が撃破。ミサイルはイスラエル領内に入る前に撃破され、警戒警報は発令されなかった。

午前11時1分
現況評価に基づき、イスラエル軍は、イスラエルとシリアの国境に隣接するゴラン高原地域での防衛任務のために追加部隊を招集している。 この増援は、同地域の防衛を強化し、さまざまなシナリオへの部隊の備えを向上させることを可能にするものである。

午後3時2分
シリア国境での事態を受けて、昨日(金曜日)、ヨルダン渓谷北部およびゴラン高原南部において参謀総長主導の演習が完了した。同演習では、作戦局が空路および陸路を通じて迅速に参謀部隊を配備する訓練を行い、新たな事態にリアルタイムで対応するための応答時間と実行能力を評価した。 演習の目的は、地上部隊と空軍の連携を強化し、発生する様々な事態に迅速に対応する能力を向上させることであった。 この演習には、さまざまな訓練プログラムおよび部隊からの兵士が参加し、その一部はシリア国境沿いでの防衛任務を強化するため、ゴラン高原地域に残留した。

午後4時19分
イスラエル空軍は終日、レバノン南部でのテロリストの活動に対する作戦を実施した。
うち一件においては、イスラエル軍は、イスラエルとレバノンの間の合意や了解事項に違反し、レバノン南部に展開している部隊に脅威を与えるヒズブッラーのテロリストを特定し、これを攻撃した。

午後6時49分
シリアのハドル村地域(クナイトラ県)にある国連の監視所1ヵ所が武装した集団の攻撃を受けた。

イスラエル空軍は現在、この攻撃を撃退する国連部隊を支援している。 イスラエル空軍はゴラン高原地域に増援部隊を展開させており、イスラエルの国家と市民を守るための活動を引き続き行う予定である。

AFP, December 7, 2024、ANHA, December 7, 2024、‘Inab Baladi, December 7, 2024、Naharnet, December 7, 2024、NNA, December 7, 2024、Qanat al-Manar December 7, 2024、Reuters, December 7, 2024、SANA, December 7, 2024、SOHR, December 7, 2024などをもとに作成。

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ロシア当事者和解調整センターは、ロシア空軍の支援を受けるシリア軍が、反体制派の集結地点、指揮所などに対してミサイルと爆撃による攻撃を続け、過去24時間でテロリスト300人以上を殲滅、車輛55輌を破壊したと発表(2024年12月7日)

ロシア当事者和解調整センターのオレグ・イグナシュク副センター長は、ロシア空軍の支援を受けるシリア軍が、反体制派の集結地点、指揮所などに対してミサイルと爆撃による攻撃を続け、過去24時間でテロリスト300人以上を殲滅、車輛55輌を破壊したと発表した。

RIAノーヴォスチ通信(12月7日付)、タス通信(12月7日付)が伝えた。

RIA Novosti, December 7, 2024、TASS, December 7, 2024をもとに作成。

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部族軍、東部の獅子といった民兵組織数百人がシリア軍兵士を装ってイラクに脱出(2024年12月7日)

ダイル・ザウル県では、シリア人権監視団によると、「イランの民兵」数百人がシリア軍の軍服を着用、シリア軍兵士を装ってイラクに脱出した。

イラクに逃亡したのは、部族軍、東部の獅子といった民兵組織のメンバーだという。

**

一方、イラク通信(12月7日付)は、イラクがアンバール県のカーイム国境通行所(シリア側はダイル・ザウル県ブーカマール国境通行所)を経由してイラクに避難したシリア軍兵士1,000人以上を保護したと伝えた。

AFP, December 7, 2024、ANHA, December 7, 2024、INA, December 7, 2024、‘Inab Baladi, December 7, 2024、Reuters, December 7, 2024、SANA, December 7, 2024、Sham FM, December 7, 2024、SOHR, December 7, 2024などをもとに作成。

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ロシアのラヴロフ外務大臣、イランのアラーグジー外務大臣、トルコのフィダン外務大臣がカタールの首都ドーハで会談し、シリア情勢への対応について協議(2024年12月7日)

ロシアのセルゲイ・ラヴロフ外務大臣、イランのアッバース・アラーグジー外務大臣、トルコのハカン・フィダン外務大臣がカタールの首都ドーハで会談し、シリア情勢への対応について協議した。

会談後アラーグジー外務大臣は、記者団に対して、戦闘をただちに終わらせるべきで、シリア政府と反体制派の間で政治的対話を始めることが重要であるという点で合意したことを明らかにした。

一方、ロシアのラブロフ外務大臣は、戦闘停止が現下の主要な課題だとしたうえで、あらゆる手段を講じて反体制派に対抗していくという考えを示した。

ラブロフ外務大臣はまた、アラブ諸国とロシア、イラン、トルコの外務大臣らによるドーハ・フォーラムにおいて、シリアの反体制派がテロリストと距離を置くことが必要だとしたうえで、とロリストを利用して目的を達成しようとするべきではないと述べた。

また、全力でシリアを支援し、トルコとシリアの関係正常化に務めると付言した。

AFP, December 7, 2024、ANHA, December 7, 2024、‘Inab Baladi, December 7, 2024、Reuters, December 7, 2024、SANA, December 7, 2024、Sham FM, December 7, 2024、SOHR, December 7, 2024などをもとに作成。

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シリア軍がクナイトラ県、ダルアー県、スワイダー県から部隊を撤退させ、南部作戦司令室諸派と見られる地元武装集団が同地を掌握:ロシア軍も兵力引き離し地域(AOS)から撤退(2024年12月7日)

シリア人権監視団によると、シリア軍がクナイトラ県、ダルアー県、スワイダー県各所に展開させていた部隊を撤退させ、南部作戦司令室諸派と見られる地元武装集団が同地を掌握した。

シリア軍は兵力引き離し地域(AOS)に隣接する地域からも撤退、これと前後して、ロシア軍もAOSの監視ポストに駐留させていた憲兵隊を撤退させた。

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ダルアー県では、シリア人権監視団によると、サナマイン市の第9師団の撤退を受けて、「南部作戦司令室」が県全域を掌握、首都ダマスカスまで20キロ弱の距離に到達した。

一方、シリア軍はサナマイン市を砲撃し、民間人6人が死亡した。

**

スワイダー県では、シリア人権監視団によると、地元武装集団がスワイダー中央刑務所に収容されていた収監者を解放した。

また、スワイダー県で活動する反体制武装勢力諸派からなる合同作戦司令室は声明を出し、同県の自治を担うと発表した。

合同作戦司令室は、尊厳の男たち運動、ジャバルの民連合、ジャバル旅団、征服者たちを名乗る組織からなる。

声明の内容は以下の通り:

スワイダ県における最近の情勢を受け、県の安全と安定を確保し、生活を通常の状態に戻すことを目的として、共同作戦室に属する軍事勢力は以下の通りを発表する:
予防措置:県内の治安を確保するため、一連の予防措置を講じる。これには、公的および私的財産の保護、市民の安全の維持が含まれる。
混乱対策:地元勢力は、破壊行為や混乱を引き起こすすべての試みに対処し、公的機関や私有財産に対する暴動や窃盗を行う者を拘束する。
武装解除の実施:市内の安全を完全に確保した後、スワイダー市から武装勢力の撤退を段階的に実施する。同時に、都市の治安を守り、安定を保証するための専門部隊を配置する。
市民活動の活性化:すべての市民団体に対し、統治プロセスにおける役割を強化し、さまざまな分野で市民団体を形成する必要性を訴える。
共同協力:すべての地元勢力に対し、共同作戦室を通じた協力と連携を呼びかけ、県とその住民を守るという目標の一体性を確認する。
緊急通報の受付:24時間体制で通報を受け付ける緊急電話番号を設置し、迅速な対応と安全保障の確保を図る。
宗教的・社会的禁止:宗教指導者たちは、公的または私的財産に危害を加える行為に対して、宗教的・社会的に禁止されていることを強調し、すべての人の安全と安心を守る価値観と慣習を遵守する必要性を再確認する。

**

ダマスカス郊外県では、シリア軍が首都ダマスカス南西のアルトゥーズ町、ザーキヤ町、ハーン・シャイフ町、サアサア町、首都ダマスカス北のアッサール・ワルド町、ヤブルード市、フライタ村、ナースィリーヤ村、ルハイバ市などから撤退を開始した。

一方、ドゥルーズ派宗徒多く暮らすジャルマーナー市で住民らが体制打倒を訴えてデモが発生し、政府の支配を脱した。

これを受けて、シリア軍は、ジャルマーナー市、カタナー市、ムウダミーヤト・シャーム市、ダーライヤー市、キスワ市、マッザ航空基地一帯、ドゥマイル航空基地一帯からも撤退した。

このほか、ドゥーマー市で反体制デモが発生、軍事情報局の要員が発砲し、若い男性1人と子ども1人が死亡した。

AFP, December 7, 2024、ANHA, December 7, 2024、‘Inab Baladi, December 7, 2024、Reuters, December 7, 2024、SANA, December 7, 2024、Sham FM, December 7, 2024、SOHR, December 7, 2024などをもとに作成。

トルコ軍とシリア国民軍がアレッポ県マンビジュ市一帯を激しく攻撃(2024年12月7日)

アレッポ県では、人民防衛隊(YPG)主体のシリア民主軍に所属するマンビジュ軍事評議会によると、トルコ軍とシリア国民軍がシリア政府と北・東シリア地域民主自治局の共同支配下に位置するマンビジュ市近郊のアウン・ダーダート村、ダラジュ村、ウンム・ジャッルード村、サイヤーダ村をj砲撃、シリア国民軍がウンム・アダス村への進攻を試み、マンビジュ軍事評議会が迎撃した。

またアレッポ市とラッカ県のタブカ市を結ぶ街道沿線のダイル・ハーフィル市の宣戦では、トルコ軍が無人航空機で20回以上の攻撃を行った。

一連の攻撃により、マンビジュ市近郊で住民2人が負傷した。

また、アリーマ町一帯に対するトルコ軍とシリア国民軍の発砲で、若い男性1人が負傷した。

これに対して、シリア民主軍に所属するタブカ軍事評議会は、マスカナ市一帯でシリア国民軍の戦闘員27人を殲滅したと発表した。
ANHA(12月7日付)が伝えた。

AFP, December 7, 2024、ANHA, December 7, 2024、‘Inab Baladi, December 7, 2024、Reuters, December 7, 2024、SANA, December 7, 2024、Sham FM, December 7, 2024、SOHR, December 7, 2024などをもとに作成。

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シリア民主軍のアブディー総司令官はダル・ザウル県を含む支配地全域における恩赦を実施すると発表(2024年12月7日)

人民防衛隊(YPG)主体のシリア民主軍のマズルーフ・アブディー総司令官はXを通じて声明を出し、ダル・ザウル県を含む支配地全域における恩赦を実施すると発表した。


恩赦は、シリア民主軍がダイル・ザウル県のユーフラテス川東岸のいわゆる「7ヵ村」、ダイル・ザウル市、ブーカマール市など東岸全域を掌握したことを受けた措置。

AFP, December 7, 2024、ANHA, December 7, 2024、‘Inab Baladi, December 7, 2024、Reuters, December 7, 2024、SANA, December 7, 2024、Sham FM, December 7, 2024、SOHR, December 7, 2024などをもとに作成。

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米占領下のヒムス県タンフ国境通行所一帯地域(55キロ地帯)で活動するシリア自由軍が、シリア軍の戦略的撤退を受けてヒムス県中部に進攻し、ダマスカス郊外県との県境にまで到達(2024年12月7日)

ヒムス県タンフ国境通行所一帯地域(55キロ地帯)で、同地を違法に占領する米主導の有志連合の支援を受けて活動を続けているシリア自由軍が、シリア軍が戦略的撤退を実施したヒムス県中部に進攻し、ダマスカス郊外県との県境にまで到達した。

シリア自由軍のアフマド・フドル広報局長がイナブ・バラディー(12月7日付)の取材に対して答えたところによると、同組織は、ガッラーブ山の複数ヵ所、イラクのバグダードと首都ダマスカスを結ぶ街道に設置されている複数の検問所を制圧、シリア軍が放棄した戦車、装甲車、重火器などを鹵獲した。

AFP, December 7, 2024、ANHA, December 7, 2024、‘Inab Baladi, December 7, 2024、Reuters, December 7, 2024、SANA, December 7, 2024、Sham FM, December 7, 2024、SOHR, December 7, 2024などをもとに作成。

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ホックスタイン米レバノン特使:「シリアの現状はイランがヒズブッラーに武器を供給することが困難にする可能性がある」(2024年12月7日)

アモス・ホックスタイン米レバノン特使は、カタールの首都ドーハで行われた記者会見において、シリアの現状について、イランがヒズブッラーに武器を供給することが困難になる可能性があると指摘した。

ロイター通信(12月7日付)が伝えた。 さらに、同氏は「ヒズボラ」はイスラエルと戦う、またはアサドを支援するほど強力ではないかもしれないが、レバノンにおける支配的な存在としての地位を維持するには多くの力を必要としないとも述べた。したがって、「ヒズボラ」は弱体化している一方で、レバノンという文脈では依然として強力であり得るという見解を示した。

AFP, December 7, 2024、ANHA, December 7, 2024、‘Inab Baladi, December 7, 2024、Reuters, December 7, 2024、SANA, December 7, 2024、Sham FM, December 7, 2024、SOHR, December 7, 2024などをもとに作成。

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シャーム解放機構の支配地の自治(行政)をシリア救国内閣とともに担う政治問題局は化学兵器使用の可能性はないと主張(2024年12月7日)

シャーム解放機構の支配地の自治(行政)をシリア救国内閣とともに担う政治問題局は声明を出し、シリア政府が過去に数十回にわたり化学兵器を使用したとしたうえで、国際社会に対して「我々が化学兵器やアサド政権の支配下にある可能性のある軍事拠点に対して一貫した立場を保持していることを安心してほしい」と主張、いかなる状況下でも化学兵器や大量破壊兵器を使用する意図や意欲はないことを強調した。

AFP, December 7, 2024、ANHA, December 7, 2024、‘Inab Baladi, December 7, 2024、Reuters, December 7, 2024、SANA, December 7, 2024、Sham FM, December 7, 2024、SOHR, December 7, 2024などをもとに作成。

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トランプ米次期大統領:「シリアは我々の友ではない。米国はこれに一切関与すべきではない」(2024年12月7日)

ドナルド・トランプ米次期大統領はXのアカウント(https://x.com/realDonaldTrump)でシリア情勢について以下の通り言及した。

シリアの反体制派戦闘員が、これまでにない動きで多くの都市を完全に掌握し、非常に高度に調整された攻勢を展開している。彼らは現在、ダマスカスの郊外に達しており、アサド打倒に向けた大規模な行動を起こす準備をしているのは明らかである。 ロシアは、ウクライナで60万人以上の兵士を失い、非常に苦戦しているため、シリアでのこの進軍を阻止する能力を失っているようだ。ロシアは何年にもわたってシリアを保護してきたが、その役割が危機に瀕している。これは、(バラク・)オバマ元大統領が「砂上の赤い線」を守るという約束を果たさなかったことに端を発し、大混乱が発生し、ロシアが介入したという経緯がある。しかし現在、ロシアはおそらくアサド自身と同様に、シリアから撤退を余儀なくされつつあり、それがロシアにとって最善の結果となる可能性がある。ロシアがシリアで得た利益はほとんどなく、唯一の成果はオバマを非常に愚かに見せることだった。だが、いずれにせよ、シリアは混乱状態にあり、我々(米国)の友ではない。米国はこれに一切関与すべきではない。この戦いは我々のものではない。その成り行きを見守り、関与しないようにすべきだ。

AFP, December 7, 2024、ANHA, December 7, 2024、‘Inab Baladi, December 7, 2024、Reuters, December 7, 2024、SANA, December 7, 2024、Sham FM, December 7, 2024、SOHR, December 7, 2024などをもとに作成。

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ブルームバーグ:アサド大統領は、シリアでの権力維持、あるは国外への安全な脱出を目指して、米国に間接的に二つの提案を行う(2024年12月7日)

ブルームバーグ(12月7日付)は、外交筋や消息筋などから得た話として、アサド大統領が、シリアでの権力維持、あるは国外への安全な脱出を目指して、米国に対して間接的に二つの提案を行ったと伝えた。

同サイトによると、第1の提案は、アサド大統領が、UAEを介して、ドナルド・トランプ次期米大統領に対して行ったもので、その内容は、シリアがレバノンのヒズブッラーなどイランの支援を受けるすべての武装勢力の関係を断絶する代わりに、西側諸国がその影響力を行使してシリア国内での戦闘を停止させるというもの。

第2の提案は、シリア正教会のイグナティウス・エフレム2世総主教を12月2日にハンガリーのビクトル・オルバン首相のもとに派遣した際に示されたもので、シリアのキリスト教少数派がイスラーム過激派が勝利した場合に直面する「存在の危機」を訴える内容だったという。

AFP, December 7, 2024、ANHA, December 7, 2024、Bloomberg, December 7, 2024、‘Inab Baladi, December 7, 2024、Reuters, December 7, 2024、SANA, December 7, 2024、Sham FM, December 7, 2024、SOHR, December 7, 2024などをもとに作成。

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