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反体制勢力の動き
民主的変革諸勢力国民調整委員会のハイサム・マンナーア在外局長はスカイニュース(9月1日付)に、「アサド政権による化学兵器使用への適切な対応は政治対話だ」と述べ、米国が準備するシリアへの軍事攻撃を拒否する姿勢を示すとともに、「政治的解決が無理なら、シリアは死ぬだろう」と警鐘を鳴らした。
一方、自由シリア軍などによる武装闘争に関して「シリアの人とインフラがその代価を支払う奇襲」と非難した。
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シリア革命反体制勢力国民連立は声明を出し、米議会に対して「シリア国民に対する歴史的責任を果たし、犯罪者体制による殺戮装置停止に向けた米政府の動きを支援するための正しい決議を行う」よう呼びかけた。
また「イランと北朝鮮が、ダマスカスの独裁体制に自由主義諸国が何をするかを注視している」と述べる一方、「アサド政権打倒をめざす自由シリア軍の武力強化に合致しないいかなる軍事行動も、政権に殺戮継続の新たな猶予を与える」と警鐘を鳴らした。
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シリア革命反体制勢力国民連立は声明を出し、軍が保有するスカッド・ミサイルおよびミサイル発射台が、学校や大学寮、都市部の政府施設に移動されるとともに、「アサドは逮捕者を軍事攻撃目標に移動させ、西側の空爆に対する人間の盾として利用しようとしている」との報告が国内からなされていると発表した。
これに関して、ロイター通信(9月1日付)は、事実確認がとれていないと報じた。
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クッルナー・シュラカー(9月1日付)は、シリア革命反体制勢力国民連立に対して最近、湾岸のある国から2,000万ドルの資金援助があったと報じた。
同報道によると、この援助は長らく滞っていたもので、連立の再三にわたる要請を受けて支給されたという。
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地元調整諸委員会は声明を出し、米国が準備しているシリアへの限定的な軍事攻撃に関して「アサドに対する一時だけの懲罰攻撃は、その暴力を増長させるだけだ…こうした一時だけの攻撃は、化学兵器以外のあらゆる重火器使用をむしろ国際的に認めることになる」としたうえで「(シリア)政府へのいかなる攻撃も、民間居住地区に対して用いられる…その空軍力、砲撃・ミサイルの能力を無力化するための断固たる正確なものでなければならない」と主張した。
シリア政府の動き
アサド大統領はシリアを訪問中のアラーッディーン・ボルージェルディー国会外交安全保障委員会委員長らイラン使節団と会談、米国が準備しているシリアへの軍事攻撃などシリア情勢などについて協議した。
SANA(9月1日付)によると、アサド大統領は会談で「(米国の)脅迫は…、米国を筆頭とする一部の地域諸国、西側諸国が支援するテロと戦おうとする確固たるとの原則や姿勢をシリアから排除するものではない」と強調するとともに、「テロ集団に代表される国内の敵に日々立ち向かっているのと同様、いかなる外国の敵と対決でき…、勝利を実現し、治安と安定を全土に回復する」と述べた。
これに対して、ボルージェルディー国会外交安全保障委員会委員長は、シリアの指導部、国民への支持の姿勢を示すとともに、「シリアに対するいかなる外国の攻撃も失敗する運命にある」と伝えたという。
ボルージェルディー国会外交安全保障委員会委員長ら一行はまた、ワーイル・ハルキー首相、ムハンマド・トゥルキー・サイイド人民議会担当国務大臣、タイスィール・ズウビー人民議会書記、ワリード・ムアッリム外務在外居住者大臣、ファイサル・ミクダード同副大臣、アフマド・アルヌース同顧問とも会談した。
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ファイサル・ミクダード外務在外居住者副大臣は、バラク・オバマ米大統領がシリア攻撃の承認を米議会から得られるかとの記者団の質問に対し「米議会がシリア情勢への対処に関して英知をもって対応することを望んでいる」と述べた。
SANA(9月1日付)が報じた。
またミクダード外務在外居住者大臣は、米国が準備しているシリアへの軍事行動に関して、ロシア・トゥデイ(9月1日付)に、米国が「シリアにおけるテロリストの同盟者」だと批判した。
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バッシャール・ジャアファリー国連代表大使は、シリア政府が国連の潘基文事務総長に対して「シリアへのあらゆる敵対行為を阻止するための努力を責任をもって遂行し、シリア危機の平和的解決に向けて前進させるよう呼びかけている」と述べ、「国際法の枠外での武力の行使」を国連として阻止するよう求めた。
SANA(9月1日付)が報じた。
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バアス党シリア地域指導部は声明を出し、米国が準備しているシリアへの軍事攻撃に関して「国際法の還俗と人道規範への非礼な侵害で…最悪の国家テロ」だと厳しく批判した。
国内の暴力
ハサカ県では、クッルナー・シュラカー(9月1日付)によると、ラアス・アイン市郊外のタッル・ハルフ村、トゥワイミーヤ村、ダルバースィーヤ街道で、民主統一党人民防衛隊が、イラク・シャーム・イスラーム国、シャームの民のヌスラ戦線と交戦した。
また同報道によると、カーミシュリー市アッシリア地区で、クルド人反体制活動家のアフマド・ファルマーン・ブーナジャク氏が「黒い車」に乗った武装集団に襲撃され、暗殺された。
これに関して、民主統一党在欧機構は声明を出し、暗殺を非難した。
一方、SANA(9月1日付)によると、ハサカ市内各所、シャルムーフ村、マグルージャ村、ハッラーブ・アスカル村、ムジャイビラ村、マハッタ・アブヤド村、ヤアルビーヤ町、バジャーリーヤ村、シャッダーディー市、アブー・ハズフ村、タッル・マアルーフ町で、軍が反体制武装集団と交戦し、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。
またSANA(9月3日付)によると、反体制武装集団の再三にわたる攻撃により、ルマイラーン地方の油田1カ所で火災が発生した。
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ダマスカス郊外県では、『ハヤート』(9月2日付)によると、イスラーム旅団がカラムーン山地一帯郊外の第81旅団本部を襲撃し、重火器を捕獲した。
またシリア人権監視団によると、ハーマ町、クドスィーヤー市郊外で、軍と反体制武装集団が交戦する一方、軍はズィヤービーヤ町、フサイニーヤ町郊外、ラビーハ市を砲撃・空爆した。
このほか、ジャムラーヤー山で大規模な火災が発生したという。
一方、SANA(9月1日付)によると、ハラスター市、ドゥーマー市郊外、カースィミーヤ市、ダイル・サルマーン市、フジャイラ村、ズィヤービーヤ町、ザバダーニー市郊外で、軍が反体制武装集団と交戦し、リビア人、ヨルダン人、サウジアラビア人戦闘員らを殺傷、拠点・装備を破壊した。
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ダマスカス県では、シリア人権監視団によると、バルザ区、ヤルムーク区で、軍と反体制武装集団が交戦し、軍が砲撃を加えた。
一方、SANA(9月1日付)によると、ジャウバル区で、軍が反体制武装集団と交戦し、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。
またアッバースィーイーン地区に反体制武装集団が撃った迫撃砲弾が着弾し、市民2人が負傷した。
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ダルアー県では、シリア人権監視団によると、ダルアー市内各所、サナマイン市で、軍と反体制武装集団が交戦し、軍が砲撃を加えた。
一方、SANA(9月1日付)によると、サナマイン市で、反体制武装集団がしかけようとしていた爆弾が誤爆し、複数の戦闘員が死傷した。
またブスラー・シャーム市で、軍が反体制武装集団と交戦し、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。
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イドリブ県では、シリア人権監視団によると、マアッラト・ヌウマーン市郊外のマドムーマ村で何者かが、女性・子供を含む住民16人を虐殺した。
これに関して、『ハヤート』(9月2日付)は、シャーム自由人大隊が関与を否定したと報じた。
このほか、サラーキブ市を軍が砲撃する一方、反体制武装集団が占拠していたアリーハー市複数地区を軍が空爆・砲撃し、奪還した。
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アレッポ県では、シリア人権監視団によると、アレッポ市アシュラフィーヤ地区、アレッポ中央刑務所周辺で、軍と反体制武装集団が交戦した。
一方、SANA(9月1日付)によると、クワイリス村、アイン・ジャマージマ村、ラスム・アッブード村、アレッポ中央刑務所周辺、ハーン・アサル村で、軍が反体制武装集団と交戦し、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。
アレッポ市では、マルジャ地区、アズィーザ地区、アーミリーヤ地区、ジュダイダ地区、ライラムーン地区で、軍が反体制武装集団と交戦し、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。
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ラタキア県では、シリア人権監視団によると、キンサッバー町一帯を軍が空爆した。
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ヒムス県では、SANA(9月1日付)によると、サリーム村、タッル・ハズナ村、クズハル村、ウンム・カサブ村、キースィーン村、タッルカラフ市郊外、サアン村、ヒムス市ワルシャ地区、ハミーディーヤ地区、クスール地区、カラービース地区、タルビーサ市、ダール・カビーラ村、アーミリーヤ市、アイン・フサイン村、ラスタン市で、軍が反体制武装集団と交戦し、シャームの民のヌスラ戦線、シャーム自由人大隊戦闘員らを殺傷、拠点・装備を破壊した。
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ハマー県では、SANA(9月1日付)によると、ガーブ地方のカフルヌブーダ町、フワイジャ村、カルアト・マディーク町で、軍が反体制武装集団と交戦し、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。
またハウラート村・サルハブ市間の街道で、反体制武装集団が仕掛けた爆弾が爆発し、市民1人が負傷した。
諸外国の動き
フランスのエマニュエル・ヴァルス内務大臣は「ヨーロッパ1」ラジオ(9月1日付)に、シリアへの軍事攻撃に関して「フランス単独では実施できない」と述べ、フランスが米国の決定を待って、参戦を判断する方針であることを明らかにした。
またヴァルス内務大臣は声明で、「現在シリアに数百人の欧州出身者がおり…、約113人のフランス人が現在、シリアにおり、約10人が殺害された」と発表し、フランス人がサラフィー主義武装集団に参加してシリアで活動していることを認めた。
AFP(9月1日付)が報じた。
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『ル・ジュルナル・デュ・ディマンシュ』(9月1日付)は、フランスの諜報機関が、アサド政権が数百トンのマスタード・ガスとサリン・ガスを保有しているとの報告書をまとめ、政府が近く、シリアの化学開発計画に関するフランスの機密情報を公開するだろうと報じた。
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アラブ連盟定例外相会議がカイロで開催され、米国が準備しているシリアへの軍事攻撃など、シリア情勢への対応について協議した。
サウジアラビアのサウード・ファイサル外務大臣は、アラブ連盟外相会議の開会セッションで、シリアへの軍事介入を求めるシリア革命反体制勢力国民連立や自由シリア軍参謀委員会などへの支持を表明するとともに、「シリア国民を助けることために行動(軍事行動)することは、外国の内政干渉とはみなされない」と主張した。
サウード・ファイサル外務大臣は、エジプトのナビール・ファフミー外務大臣との共同記者会見でも、「シリア国民へのこの(アサド政権の)攻撃を停止させるため、国際社会が努力することを求める」と述べた。
また会議に出席したシリア革命反体制勢力国民連立のアフマド・ウワイヤーン・ジャルバー議長は、「イランとヒズブッラーの民兵がシリア国民への殺戮を行っている」と主張、「シリアでの戦いを、イランの介入を防ぐための糸口としよう」と述べ、アラブ諸国にシリアへの(米国などの)軍事攻撃を支持するよう求めた。
さらにナビール・アラビー事務総長は、「シリア政府によるダマスカスのグータでの卑劣な犯罪を厳しく非難する」と述べ、21日の化学兵器攻撃をアサド政権によるものだと断じた。
しかし、エジプトのナビール・ファフミー外務大臣は、現下のシリアの紛争状態の責任がアサド政権にあると非難する一方、「シリアが崩壊、分割の危機に近づいている…。危機を終わらせるための唯一の手立ては政治的解決だ」と強調し、軍事介入に改めて消極姿勢を示した。
またアフマド・ベン・フッリー事務次長も、シリア危機に関する協議が「国連決議や国際法の遵守が…いかなる決議採択においても考慮される」と述べ、国連の承認を得ないかたちでのシリアへの軍事介入に消極的な姿勢を示した。
さらにナースィーフ・ヒッティー報道官も、「アラブ連盟はシリアに対して行われるかもしれない米国の軍事攻撃をアラブが覆い隠すことを否定する」と述べた。
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アラブ連盟定例外相会議は同日中に閉幕声明を採択して、閉幕した。
閉幕声明は、シリアでの化学兵器使用を「卑劣な犯罪…道徳、人間性、国際法、規範へのあからさまな挑戦・軽視」と非難する一方、化学兵器使用の責任がアサド政権にあると断じ、関係者の国際法廷での裁判を求めた。
また声明は、シリア国民による自衛に必要な支援、アラブ諸国、国際社会によるシリア国民への支援の必要を確認するとともに、国連と国際社会に対して、アサド政権による化学兵器使用を抑止するの必要な措置を責任をもって講じるよう呼びかけた。
しかし、アルジェリアは、化学兵器使用に関する国連調査団の調査結果が出るまで、国連に対する呼びかけを行うべきでないと主張し、この決議の採決を棄権した。
また、イラクは、化学兵器の使用をアサド政権の犯行と断じ、非難する文言に異議を唱え、決議を拒否した。
レバノンは、シリアの紛争への不関与という立場から、決議の採決を棄権した。
『ハヤート』(9月3日付)が報じた。
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ヨルダンのアブドゥッラー・ナスール首相は、国防最高評議会会合を開き、米国が準備しているシリアへの軍事攻撃への対応などについて協議した。
会合後、ナスール首相は、対シリア国境の厳戒態勢強化に関して「ヨルダン人と領内で生活するすべての人々の安全を確保することが義務である」と述べる一方、「我々は紛争当事者でない…。過去3年にわたるヨルダンの政策はシリアの問題に対していかなる干渉もしないというものだ」と述べた。
これに関して、ヨルダンのムハンマド・ムーマニー内閣報道官は『ハヤート』(9月2日付)に対して、シリア人避難民問題に関する閣僚最高委員会が、対シリア国境地帯の治安措置の強化を決定するとともに、国境地帯の住民へのガスマスクの配布などについて検討したことを明らかにした。
『ハヤート』(9月2日付)はこうしたヨルダン政府の姿勢に関して、米国の軍事攻撃に際して、ヨルダン領内の兵站支援などを行うことに同意したことの兆候だと報じた。
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パレスチナのガザ地区で活動する国民イスラーム諸勢力はイスラーム聖戦の本部で会合を開き声明を発表、「シリアへの敵対行為を行うとの米国の脅迫激化」を非難し、「シリアへのあらゆる外国の干渉」を拒否するとの意思を示すとともに、アラブ諸国の外相、国際機関に対して、政治的な危機解決のために尽力するよう呼びかけた。
『ハヤート』(9月2日付)が報じた。
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アズハル機構は声明を出し、「米国大統領がシリアへの軍事攻撃を決定することを激しく拒否・反対する…。(シリアへの軍事攻撃は)アラブ民族、イスラーム共同体への敵対行為、脅迫であり、国際社会の平和と安全を危険に曝す」との姿勢を示した。
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ローマ法王フランシスコは、9月7日にシリアと中東の和平のための断食の祈りの日とすると発表し、化学兵器使用に非難の意を示すとともに、外国の軍事介入を拒否する姿勢を示した。
『ハヤート』(9月2日付)が報じた。
AFP, September 1, 2013、al-Hayat, September 2, 2013, September 3, 2013、Le Journal du Dimanche, September 1, 2013、Kull-na Shuraka’, September 1, 2013、Kurdonline, September
1, 2013、Naharnet, September 1, 2013、Reuters, September 1, 2013、Russia Today,
September 1, 2013、SANA, September 1, 2013, September 3, 2013、Sky News Arabic,
September 1, 2013、UPI, September 1, 2013などをもとに作成。
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