2013年8月31日のシリア情勢

反体制勢力の動き

自由シリア軍ダルアー軍事最高評議会議長のアフマド・ファフマ・ニウマ大佐はElaph(8月31日付)に「軍事攻撃は西側が始めるが、戦いを終わらせ、勝利するのは自由シリア軍だ。我々の戦いの基本は、体制打倒であり、それは首都ダマスカスでなされるだろう」と述べ、米国が準備しているとされる軍事攻撃に合わせて地上攻撃を激化させる決意を示した。

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自由シリア軍合同司令部報道官のカースィム・サアドッディーン大佐はロイター(8月31日付)に、米軍がシリアへの軍事攻撃を行った場合の軍事行動計画を、一部の反体制組織に伝えたと述べた。

サアドッディーン大佐によると、この軍事行動計画では、米軍の空爆が予想される標的への地上攻撃などを骨子とするが、外国の支援を受けずに独自に策定されたという。

サアドッディーン大佐はまた、米国が軍事攻撃に関して、シリア革命反体制勢力国民連立をはじめとする一部の反体制組織としか連絡をとり合っていないと不満を表明した。

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『ハヤート』(9月1日付)は、複数の反体制筋の話として、自由シリア軍(参謀委員会)が、米国に、24カ所の軍事拠点を含む約50の標的を示した攻撃目標リストを提出した、と報じた。

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『ハヤート』(9月1日付)によると、シリア革命反体制勢力国民連立はイスタンブールで緊急会合を開き、米国がシリアへの軍事攻撃を行った場合の対応などを協議し、「挙国一致政府」(移行期政府)樹立の試みを再開することなどを確認した。

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シリア国民民主ブロック(リフアト・アサド前大統領)のファールーク・ムサーリウ在欧総合調整局長は、キャリマ・オンライン(8月31日付)に、米国が準備しているとされるシリアへの軍事行動を「シリアへの新たな津波」と評し、「シリアだけでなく、中東の将来にとって大惨事となり、シリアは大国の交渉の部隊となるだろう。もはや決定は、シリア政府と反体制武装集団の間でなされなくなってしまった」と事態を憂慮した。

国内の暴力

ダマスカス郊外県では、シリア人権監視団によると、ザマルカー町、アイン・タルマー村で軍と反体制武装集団が交戦、軍が砲撃を加えた。

またザバダーニー市郊外、ワーディー・バラダー地方、サイイド・ザイナブ市郊外、バイト・スィヒム市、ハラスター市、ムウダミーヤト・シャーム市、アルバイン市を軍が砲撃・空爆する一方、バハーリーヤ市の鉄道駅を反体制武装集団が占拠、同市とジャブラー市で軍と交戦した。

一方、SANA(8月31日付)によると、ドゥーマー市、カースィミーヤ市、バハーリーヤ市、ズィヤーイーヤ市、ダーライヤー市で、軍が反体制武装集団と交戦、シャームの民のヌスラ戦線戦闘員らを殺傷、拠点・装備を破壊した。

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ダマスカス県では、シリア人権監視団によると、ヤルムーク市で軍と反体制武装集団が交戦した。

一方、SANA(8月31日付)によると、ジャウバル区、バルザ区、カーブーン区で、軍が反体制武装集団と交戦、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

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アレッポ県では、SANA(8月31日付)によると、マンスーラ村、ハーン・アサル村、クワイリス村、ナイラブ航空基地周辺で、軍が反体制武装集団と交戦、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

アレッポ市ラーシディーン地区、アシュラフィーヤ地区、ジュダイダ地区、ライラムーン地区で、軍が反体制武装集団と交戦、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

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ヒムス県では、SANA(8月31日付)によると、ヒムス市バーブ・フード地区、クスール地区、ワアル地区、カズアル村、ラスタン・ガジャル街道で、軍が反体制武装集団と交戦、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

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ダルアー県では、SANA(8月31日付)によると、ダルアー市、東ガーリヤ・ヒルバト・ガザーラ街道で、軍が反体制武装集団と交戦、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

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ラタキア県では、SANA(8月31日付)によると、ラビーア町、アックー村、トゥッファーヒーヤ村で、軍が反体制武装集団と交戦、シャームの民のヌスラ戦線、ジャブラ自由人大隊、ビンニシュ自由人大隊の戦闘員らを殺傷、拠点・装備を破壊した。

レバノンの動き

NNA(8月31日付)によると、北部県アッカール郡ヒクル・ジャニーン村、カシュラク村の郊外にシリア領から発射された迫撃砲弾が3発着弾、また銃撃戦が発生した。

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『ナハール』(8月31日付)は、北部県トリポリ市での同時爆弾テロに関して、身柄拘束中のサラフィー主義者アフマド・ガリーブ氏、ムスタファー・フーリー氏、シリア軍士官2人(ムハンマド・アリー氏、アリー・フドル・アルバーン氏)などに対する取り調べなどから、事件が7ヶ月前から準備され、シリア軍士官が関与していた可能性があると報じた。

諸外国の動き

化学兵器使用に関する国連調査団13人が、ダマスカスからベイルートへの移動を完了した。

調査団はイスタンブール経由でニューヨークへ帰任し、潘基文事務総長に調査報告を行う。

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バラク・オバマ米大統領は、ホワイトハウスで声明を発表し、シリアへの軍事攻撃に関して米議会の承認を得る意向を発表し、化学兵器の使用阻止などを目的とした限定的な武力行使の承認を求める決議案を上下両院に提出した。

決議案は「シリア国内外での生物・化学兵器を含むすべての大量破壊兵器の使用や拡散を予防・阻止し…米国と同盟国、友好国を脅威から守る」ことを目的とし、「大統領が必要且つ適切と判断する軍事力の行使」への承認を求めている。

オバマ大統領はまた「21世紀最悪の化学兵器攻撃」とアサド政権を非難、「独裁者が数百人の子供を毒ガスで殺害し、何も問われなければ、どんなメッセージを送ることになるか?化学兵器使用を禁じた国際規範に、どんな目的があるのか?議員一人一人と、国際社会に問いたい」と強調した。

さらに「我々の力は軍事力だけでなく、「人民の、人民による、人民のための政府」の模範であることに根ざしている」と付言、軍事行動の必要を力説した。

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ロシアのヴラジミール・プーチン大統領はウラジオストクで、アサド政権が21日に化学兵器を使用したとする米政府の報告を「愚かで、ナンセンス。意味がない」と批判した。

プーチン大統領はまた、アサド政権が化学兵器を使用した証拠を持っているなら、米国は国連調査団に提出すべきだとしたうえで、「もし提示されないなら、証拠はないということだ」と述べた。

また国連安保理の承認を得ずにシリアへの軍事攻撃が行われれば「世界システム、国連への深刻な打撃」、「国際法違反になる」、「攻撃は犠牲者を生む。国際世論に逆らう決定を下す前によく考えるよう呼びかけたい」と、バラク・オバマ米政権の姿勢を批判、「米大統領ではなくノーベル平和賞受賞者としてのオバマ氏に話しかけたい」と述べ、米国との協議に前向きの姿勢を示した。

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フランス大統領府は声明を出し、フランソワ・オランド大統領がバラク・オバマ米大統領と電話会談し、「化学兵器使用に国際社会が寛容であってはならず、シリア政府の責任を追及し、その使用を非難するために強いメッセージを伝えるべきとの点で合意した」ことを明らかにした。

両国はまた「緊密で友好的な同盟国」として、シリア情勢への協議を続けると付言した。

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イランのアラーッディーン・ボルージェルディー国会外交安全保障委員会委員長を団長とするイランの使節団が、シリア情勢を協議するため、ダマスカスを訪問した。

使節団はシリアでアサド大統領ら首脳と会談したのち、レバノンを訪問する予定。

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ドイツのアンゲラ・メルケル首相は独日刊紙とのインタビューでシリア紛争をめぐって拒否の姿勢をとり続けるロシアと中国を批判する一方、米国が準備するシリアへの軍事攻撃に「ドイツ軍の参加は提起さ

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