PLO(パレスチナ解放機構)は声明を出し、シリア軍と合同でヤルムーク・パレスチナ難民キャンプからのダーイシュ(イスラーム国)放逐に向けた軍事作戦を行うとしたアフマド・マジュダラーニー氏(執行会議メンバー)のダマスカスでの発言を否定し、キャンプ解放に向けたシリア軍の軍事行動を支援しないと発表した。
声明でPLOは「姉妹国シリアにおいて起きている紛争の「窯」のなかに我らが人民(パレスチナ人)およびそのキャンプが関与することを拒否する…。傷ついたキャンプを救うという口実の基、キャンプにおける武力紛争における一当事者となることを断固拒否する」と発表した。
また「国際救援機関をはじめとするすべての関係者、キャンプのさらなる破壊を食い止めることを利益と考えるすべての当事者との協力のもと、あらゆる敵対行為、武力行動が停止されるよう活動する」と付言した。
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シリア人権監視団によると、ダマスカス県ヤルムーク・パレスチナ難民キャンプ一帯で、シリア軍、国防隊がジハード主義武装集団と交戦する一方、シリア軍はダーイシュ(イスラーム国)が占拠するキャンプを砲撃した。
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クッルナー・シュラカー(4月11日付)によると、「キャンプ住民救済」作戦司令室を名乗る反体制武装集団が、ダーイシュと交戦の末、ヤルムーク・パレスチナ難民キャンプに近いスラサー市場(タダームン区)の建物数棟を奪還した。
AFP, April 10, 2015、AP, April 10, 2015、ARA News, April 10, 2015、Champress, April 10, 2015、al-Hayat, April 11, 2015、Iraqi News, April 10, 2015、Kull-na Shuraka’, April 10, 2015、April 11, 2015、al-Mada Press, April 10, 2015、Naharnet, April 10, 2015、NNA, April 10, 2015、Reuters, April 10, 2015、SANA, April 10, 2015、UPI, April 10, 2015などをもとに作成。
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