ヒムス県では、『ハヤート』(5月24日付)によると、シリアの遺跡博物館局のマアムーン・アブドゥルカリーム局長は、「タドムル市との通信が途絶える前、(22日)夜に、彼ら(ダーイシュ(イスラーム国)が21日に国立博物館の門を開け、館内に進入、先史時代の像のレプリカを破壊したとの情報を得た」と発表した。
破壊されたとされるレプリカは教育実習用に使用されていたもので、破壊後、ダーイシュは博物館の門前に警備兵を配備し、退去したという。
また、シリア人権監視団によると、ダーイシュ(イスラーム国)がシリア軍との3日にわたる戦闘の末、シリア軍兵士48人を殺害し、ジャズル・ガス採掘所地帯、シャーイル・ガス採掘所一帯を制圧した。
一方、SANA(5月23日付)によると、ジャズル・ガス採掘所地帯北部にあるワーディー・ブスィーリー・アーミリーヤ村交差点一帯、同油田東部一帯、ワーディー・マースィク一帯のダーイシュ(イスラーム国)拠点をシリア軍が空爆した。
また、SANAなどシリアの主要メディアは、21日にイドリブ県ジスル・シュグール市内のジスル・シュグール国立病院からの脱出・撤退に成功したとする守備隊の負傷兵らの写真、映像(https://youtu.be/xiixT7gK6g0)を公開した。
21日にファトフ軍によって制圧されたジスル・シュグール国立病院には、シリア軍兵士、国防隊隊員、およびその家族ら約250人が籠城を続けていたが、シリア政府が主張する脱出撤退作戦によって、何人の兵士が帰還したのかはいまだ発表されていない。
**
ハサカ県では、シリア人権監視団によると、ラアス・アイン市南西部郊外で、西クルディスタン移行期民政局人民防衛隊がダーイシュ(イスラーム国)と交戦、有志連合がダーイシュ拠点などを空爆した。
これにより、ダーイシュ戦闘員約25人が死亡したという。
一方、SANA(5月23日付)によると、カブル・シャーミーヤ村で、シリア軍、国防隊が反体制武装集団と交戦し、ダーイシュ(イスラーム国)の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。
**
ダイル・ザウル県では、シリア人権監視団によると、ダイル・ザウル市ハミーディーヤ地区をシリア軍が「樽爆弾」で空爆し、子供4人を含む15人が死亡した。
また、クッルナー・シュラカー(5月23日付)は、ダーイシュ(イスラーム国)がムサッラブ村、シュマイティーヤ町、ヒシャーム村、ムハイミーダ村で、過去3日間で、住民32人を処刑したと伝えた。
「ダーイシュに対する陰謀罪」などが処刑の理由だという。
**
アレッポ県では、クッルナー・シュラカー(5月23日付)は、西クルディスタン移行期民政局人民防衛隊が数日前、アイン・アラブ市南部郊外のタッル・アフマル村、タッル・アブル村、ジャアダ村で、ダーイシュ(イスラーム国)支持者とされる住民の民家複数棟を爆破、破壊したと伝えた。
一方、SANA(5月23日付)によると、アレッポ市東部の航空士官学校一帯で、シリア軍が反体制武装集団と交戦し、ダーイシュ(イスラーム国)の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。
AFP, May 23, 2015、AP, May 23, 2015、ARA News, May 23, 2015、Champress, May 23, 2015、al-Hayat, May 24, 2015、Iraqi News, May 23, 2015、Kull-na Shuraka’, May 23, 2015、al-Mada Press, May 23, 2015、Qanat al-Manar, May 23, 2015、Naharnet, May 23, 2015、NNA, May 23, 2015、Reuters, May 23, 2015、SANA, May 23, 2015、UPI, May 23, 2015などをもとに作成。
(C)青山弘之 All rights reserved.