トルコ外相「シリア政府、ダーイシュ、YPG…、彼らはいずれも民間人を弾圧している」(2015年6月16日)

トルコのメヴリュト・チャヴシュオール外務大臣は、トルコ国境に位置するダーイシュ(イスラーム国)の主要拠点の一つタッル・アブヤド市(ラッカ県)を西クルディスタン移行期民政局人民防衛隊が有志連合の航空支援を受けて制圧したことに関して、「人民防衛隊は民間人を弾圧している」と述べた。

チャヴシュオール外務大臣は、サウジアラビアに向かう途上、TRT(6月16日付)に対して以下のように述べた。

「ダーイシュは、攻撃を行い、逮捕した人々を殺している。クルド人戦闘員は一部の地域を制圧し、そこで暮らしていた人々を避難生活へと追いやった…。誰が来ようと関係ない。シリア政府、ダーイシュ、人民保護部隊…、彼らはいずれも民間人を弾圧している」。

また、ブレント・アリンジュ内閣報道官は「砲撃を受けている地域の住民は、ダーイシュから受けていたのと同じく、民主統一党と人民保護部隊からの民族浄化に曝されている」と発言した。

同様の発言は、アジュナード・シャーム・イスラーム連合、シャーム自由人イスラーム運動、イスラーム軍など15のジハード主義組織・アル=カイーダ系組織が共同声明(15日)を通じて行っているほか、シリア革命反体制勢力国民連立のサリーム・イドリース暫定政府国防大臣もラジオ番組でのインタビュー(13日)で述べている。

**

米国防総省報道官は、「クルド人部隊がもしトルクメン人とシリア人を強制移住させているのであれば、それは受け入れられない」と述べ、事態を注視していくとの意思を示した。

また、駐シリア米大使館はツイッターで、強制移住や民族浄化に関するトルコ政府やジハード主義武装集団の発言について、ダーイシュとの戦闘で避難民が生じた(だけ)との見方を示した。

AFP, June 16, 2015、AP, June 16, 2015、ARA News, June 16, 2015、June 17, 2015、Champress, June 16, 2015、al-Hayat, June 17, 2015、Iraqi News, June 16, 2015、Kull-na Shuraka’, June 16, 2015、al-Mada Press, June 16, 2015、Naharnet, June 16, 2015、NNA, June 16, 2015、Reuters, June 16, 2015、SANA, June 16, 2015、UPI, June 16, 2015などをもとに作成。

(C)青山弘之 All rights reserved.