YPGがラッカ県タッル・アブヤド市南部でダーイシュ(イスラーム国)への攻勢を続ける(2015年6月21日)

ラッカ県では、シリア人権監視団によると、西クルディスタン移行期民政局人民防衛隊がタッル・アブヤド市南部および南西部郊外でダーイシュ(イスラーム国)と交戦を続け、同市の南部16キロの地点に位置するアリー・バージリーヤ村を制圧した。

またクッルナー・シュラカー(6月21日付)は、人民防衛隊主体のユーフラテスの火山合同作戦司令室のアイン・イーサー市への接近を受け、同地に駐留するダーイシュ戦闘員は、物資を住民に分配し、撤退の準備を開始したと伝えた。

またアイン・イーサー市の南方に位置するダーイシュの「首都」ラッカ市では、厳戒態勢が強化され、「自由シリア軍」の元メンバーやクルド系住民への逮捕が激化している、という。

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アレッポ県では、マサール・プレス(6月21日付)によると、自由シリア軍スルターン・ムラード旅団がウンム・フーシュ村のダーイシュ(イスラーム国)拠点を砲撃した。

一方、SANA(6月21日付)によると、アレッポ市東部の航空士官学校一帯で、シリア軍がダーイシュ(イスラーム国)と交戦し、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

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ハサカ県では、クッルナー・シュラカー(6月22日付)によると、西クルディスタン移行期民政局アサーイシュがジュワーディーヤ(ジャッル・アーガー)村、カースィミーヤ町、サービリーヤ村、ザーヒリーヤ村で強制捜査を行い、ダーイシュ(イスラーム国)協力者40人以上を逮捕した。

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ダルアー県では、シリア人権監視団によると、タスィール町一帯で、アル=カーイダ系組織のシャームの民のヌスラ戦線などからなる反体制武装集団が、ダーイシュ(イスラーム国)に忠誠を誓うヤルムーク殉教者旅団と交戦、双方に14人の負傷者が出た。

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ダマスカス県では、シリア人権監視団によると、ヤルムーク・パレスチナ難民キャンプ一帯で、シリア軍、PFLP-GC民兵が、ダーイシュ(イスラーム国)を名乗る武装集団と交戦した。

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ヒムス県では、SANA(6月21日付)によると、ウンム・ジャーミア村一帯、シューマリーヤ山一帯、スルターニーヤ村、ジバーブ・ハマド村、ウンム・タバービール村、ジャズル・ガス採掘所一帯、マヌーフ、タドムル市周辺で、シリア軍が反体制武装集団と交戦し、ダーイシュ(イスラーム国)の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

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ハマー県では、SANA(6月21日付)によると、アブー・ファシャーフィーシュ村、ハルダーナー村、ハッス・アルバーウィー村をシリア軍が空爆し、ダーイシュ(イスラーム国)の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

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ダイル・ザウル県では、ARA News(6月21日付)によると、ハジーン市で、住民から没収した金品の分配をめぐってダーイシュ(イスラーム国)メンバーどうしが対立し、複数名が逮捕された。

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また、クッルナー・シュラカー(6月22日付)によると、西クルディスタン移行期民政局アサーイシュがジュワーディーヤ(ジャッル・アーガー)村、カースィミーヤ町、サービリーヤ村、ザーヒリーヤ村で強制捜査を行い、ダーイシュ(イスラーム国)協力者40人以上を逮捕した。

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米中央軍(CENTCOM)は、6月21日にシリア、イラク領内のダーイシュ(イスラーム国)拠点などに対して29回の空爆を行ったと発表した。

このうちシリア領内での空爆は7回におよび、ハサカ市近郊(1回)、アレッポ市近郊(1回)、タッル・アブヤド市近郊(5回)のダーイシュに対して攻撃が行われたという。

AFP, June 21, 2015、AP, June 21, 2015、ARA News, June 21, 2015、June 22, 2015、Champress, June 21, 2015、al-Hayat, June 22, 2015、Iraqi News, June 21, 2015、Kull-na Shuraka’, June 21, 2015、June 22, 2015、al-Mada Press, June 21, 2015、Masar Press Agency, June 21, 2015、Naharnet, June 21, 2015、NNA, June 21, 2015、Reuters, June 21, 2015、SANA, June 21, 2015、UPI, June 21, 2015などをもとに作成。

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