ダマスカス郊外県ザバダーニー市、イドリブ県フーア市、カファルヤー町の住民避難に向けた3度目の一時停戦が発効(2015年9月20日)

『ハヤート』(9月21日付)などによると、ダマスカス郊外県ザバダーニー市一帯、イドリブ県フーア市、カファルヤー町で、戦闘員の安全な脱出や住民の避難に向けた最終交渉を行うための3度目となる一時停戦が20日正午に発効した。

シリア人権監視団によると、この一時停戦により、ザバダーニー市、フーア市、カファルヤー町では、完全に戦闘が停止したという。

一方、ムタッズ・シャクラブを名乗る活動家は、Elaph.com(9月21日付)に対して、この停戦合意をファトフ軍が完全に拒否しているほか、イドリブ県ビンニシュ市で停戦合意への署名拒否を求めるデモが行われたが、交渉は続けられていると述べた。

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Elaph.com(9月21日付)は、この停戦合意案の内容についての情報を入手したと伝え、その詳細を明らかにした。

それによると、停戦合意は、①戦闘停止、②具体的な合意の実施、という2段階からなっている、という。

実施合意の詳細は以下の通り:

1.合意は、以下の地域における戦闘停止について定める。a)南部:ザバダーニー市、マダーヤー町、ブカイン市、スィルガーヤー町、およびこれらの市町周辺の軍事地区。b)北部:フーア市、カファルヤー町、ビンニシュ市、タフタナーズ市、トゥウーム村、マアッラトミスリーン市、イドリブ市、ラーム・ハムダーン村、ザルダーナー市、シャラフ村。
2. ザバダーニー市からすべての戦闘員と、退去を望む戦闘員の家族が退去する。
3. 退去した戦闘員およびその家族の行く先はイドリブ県のみとする。
4. イラン政府は、レバノン政府とともに、レバノンに不法出国をしたザバダーニー市民のシへの帰国、ないしはトルコへの移動のために行動する。トルコに移動する世帯数は40~50とし、以上を第1段階として実行する。
5. フーア市、カファルヤー町からの避難を望む女性、18歳未満の子供、50歳以上の男性を非難させる。避難する住民の数は1万人以内とする。
6. フーア市、カファルヤー町から治療中の負傷者を搬出する。搬出される負傷者の数は10万人以内とする。
7. 第1段階実施後、シリア国内の拘置所に収監されている500人の釈放を誓約し、第2段階において実施する。釈放の対象となる収監者は2015年7月1日以前の逮捕者とし、内訳は、女性325人、男性150人、未成年者25人とする。
8. 戦闘停止時刻を、第1段階開始時刻とする。
9. 戦闘停止の内容は以下の通りとする:a)停戦地域内から停戦地域外、停戦地域外から停戦地域内への軍事作戦、発砲の停止、b)戦闘機、ヘリコプターによる攻撃、支援停止、c)最前線における拠点、壕の建設停止、d)停戦地域境界線への進軍の停止。
10. 停戦は、フーア市、カファルヤー町、マダーヤー町、ブカイン市、スィルガーヤー町への人道街道の閉鎖などの敵対行為を含むものとする。
11. ザバダーニー市から退去する戦闘員に対して軽火器、鞄1つを携帯を認める。
12. 携帯可能な軽火器は、小銃、各種ライフル、PKC機関銃、RPGとする。
13. ザバダーニー市に放置される重火器は破棄する。
14. 停戦合意は、国連の監督下で履行する。
15. 両当事者は、支配地域内における移動の安全を確保する。
16. イドリブ県における投降者、避難者の身柄引き渡し地はムーリク市(ハマー県)とし、ザバダーニー市における投降者、戦闘員、避難者らの身柄引き渡し地は双方の協議を通じて定める。
17. 停戦合意を実施するための準備期間は、合意から48時間以内とする。
18. 本合意は、マダーヤー町の戦闘員の退去を含まないが、同町での治療が不可能な重傷者の搬出は、シリア赤新月社が国連の監督のもとに行う。
19. ザバダーニー市からの退去を望む家族とは、ザバダーニー市、マダーヤー町、ブカイン市、スィルガーヤー町の全世帯とする。
20. フーア市、カファルヤー町、ザバダーニー市から避難・退去する戦闘員、住民らの総数を確認したうえで、ムーリク市でその交換を行う。
21. フーア市、カファルヤー町内の負傷者の治療のために医療チームを派遣する。
22. 国連代表、イラン代表、武装集団代表からなる作業チームを設置し、停戦合意の履行を監視する。
23. 第1段階の終了とともに、第2段階を開始する。これは拘置者500人の釈放をもって開始し、第2段階終了までの停戦期間を6ヶ月とする。

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シリア人権監視団によると、今回の停戦に関して、フーア市、カファルヤー町での19日の戦闘で、ファトフ軍戦闘員66人、国防隊・人民諸委員会メンバー40人、民間人7人が死亡したことで、停戦の機運が高まったのだという。

一方、クッルナー・シュラカー(9月20日付)は、イラン側が、フーア市、カファルヤー町に対するファトフ軍の攻撃激化を受けて、一時停戦を申し出てきた、とシャーム自由人イスラーム運動に近い消息筋が主張していると伝えた。

これまでの停戦交渉は、イランの高官とアル=カーイダ系組織のシャーム自由人イスラーム運動がトルコにおいて行い、野党の団結党(シリア・アラブ団結党)が仲介などで交渉を支えてきたとされるが、2度目の交渉が決裂した後、シリア・イスラーム最高評議会がシャーム自由人イスラーム運動に代えて新たな交渉団を発足したと発表していた。

AFP, September 20, 2015、AP, September 20, 2015、ARA News, September 20, 2015、Champress, September 20, 2015、Elaph,com, September 20, 2015、al-Hayat, September 21, 2015、Iraqi News, September 20, 2015、Kull-na Shuraka’, September 20, 2015、al-Mada Press, September 20, 2015、Naharnet, September 20, 2015、NNA, September 20, 2015、Reuters, September 20, 2015、SANA, September 20, 2015、UPI, September 20, 2015などをもとに作成。

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