ロシア軍はアル=カーイダ系組織と共闘する「穏健な反体制派」のハック旅団、第13師団拠点を空爆により破壊(2015年10月9日)

Sputnik News(10月8日付)などによると、ロシア軍参謀本部のイゴール・マクシェヴ副参謀長は声明を出し、ロシア軍戦闘機Su-34、Su-25SMが、シリア領内のダーイシュ(イスラーム国)などのテロ組織の拠点60カ所に対して67回の空爆を行ったと発表した。

マクシェヴ副参謀長によると、空爆はアレッポ県、ラッカ県、ハマー県、イドリブ県、ラタキア県に対して行われ、これにより、戦闘員300人を殲滅、司令・通信本部6カ所、武器弾薬庫6カ所、教練キャンプ17カ所、地下施設3カ所、防衛拠点16カ所、予備部隊集結拠点11カ所、車輌・装甲車・ロケット砲発射台17基などを破壊したという。

アレッポ県では、ロシア軍の空爆で、武器庫、基地が破壊され、戦闘員100人が死亡したという。

ロシア軍の高官によると、アレッポ県以外での空爆では、バンカー・バスター「BETAB-500」が使用され、ハック旅団の本部が破壊され、またダーイシュの司令官2人を含む約200人が死亡したという。

ハック旅団は、アレッポ・ファトフ軍作戦司令室に参加する武装集団で、シリア北部(イドリブ県、アレッポ県)でアル=カーイダ系組織のシャームの民のヌスラ戦線、シャーム自由人イスラーム運動などと共闘している。

一方、クッルナー・シュラカー(10月9日付)は、ロシア軍が、イドリブ県ハーン・シャイフーン市内にある「自由シリア軍」の拠点を空爆で破壊したと伝えた。

現地の複数の消息筋によると、破壊されたのはハーン・シャイフーン大隊連合(第13師団)の本部で、ロシア軍が同施設に対してミサイル4発を発射し全壊させたという。

第13師団は、アレッポ・ファトフ作戦司令室に参加する武装集団で、イドリブ県、ハマー県での戦闘でアル=カーイダ系組織などからなるファトフ軍と共闘している。

Kull-na Shuraka', October 9, 2015

Kull-na Shuraka’, October 9, 2015

一方、シリア人権監視団は、ロシア軍の戦闘機がイドリブ県カフルヌブーダ町各所を空爆したと発表した。

https://youtu.be/BYryDwhF-Qc

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一方、RT(10月8日付)は、ロシア軍参謀本部筋の情報として、ダーイシュ(イスラーム国)がシリア軍との戦闘で塩素ガスを使用した可能性が高いと伝えた。

同消息筋によると、ロシア軍の空爆後に傍受したダーイシュ戦闘員の通信会話から、シリア軍との戦闘の前線に、化学物質を争点した手榴弾と思われる「特殊な装備」の搬入に関するやりとりがあったという。

AFP, October 9, 2015、AP, October 9, 2015、ARA News, October 9, 2015、Champress, October 9, 2015、al-Hayat, October 10, 2015、Iraqi News, October 9, 2015、Kull-na Shuraka’, October 9, 2015、al-Mada Press, October 9, 2015、Naharnet, October 9, 2015、NNA, October 9, 2015、Reuters, October 9, 2015、RT, October 9, 2015、SANA, October 9, 2015、Sputnik News, October 9, 2015、UPI, October 9, 2015などをもとに作成。

(C)青山弘之 All rights reserved.

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