シリア・アラブ軍総司令部は声明を出し、シリア軍が人民防衛諸集団とともにアレッポ市東部のクワイリス航空基地に対するダーイシュ(イスラーム国)の包囲を解除することに成功した、と発表した。
ダーイシュによる包囲は2年にわたって続いていた。
一方、シリア人権監視団によると、シリア軍、国防隊、ヒズブッラー戦闘員、イラン人戦闘員が、ダーイシュ(イスラーム国)による包囲が続くクワイリス航空基地への突入を試み、ダーイシュと交戦した。
なお、シリア人権監視団(11月12日付)によると、クワイリス航空基地包囲解除作戦での犠牲者はダーイシュ60人、ヒズブッラー8人、イラン人戦闘員13人、シリア軍20人だという。
一方、シリア人権監視団は、複数の活動家の話として、ダーイシュの車輌約40輌が戦闘員、武器、弾薬を積載し、ダイル・ザウル県方面からアレッポ県東部方面に向かっていると発表した。
他方、ARA News(10月10日付)によると、ダーイシュ(イスラーム国)がアイン・アラブ市郊外の西クルディスタン移行期民政局人民防衛隊拠点複数カ所を砲撃した。
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ラッカ県では、ARA News(10月10日付)によると、トルコ軍が連日越境砲撃を続けるタッル・アブヤド市郊外でダーイシュ(イスラーム国)も砲撃を行い、住民4人が死亡した。
ダーイシュが砲撃を行ったのは、タッル・アブヤド市の南方約25キロの地点に位置するザフラト・アブド・シャイフ村。
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ハサカ県では、ARA News(10月10日付)によると、フール町一帯でのシリア民主軍とダーイシュ(イスラーム国)との戦闘で、ダーイシュの司令官の一人アダーイ・ムハンマド・スルターン・ハーヌーティー氏が死亡した。
ハーヌーティー氏は、イラクの現職国会議員ザーヒド・ハーヌーティー氏の兄弟。
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ヒムス県では、SANA(11月10日付)によると、シリア軍がマヒーン町一帯のダーイシュ(イスラーム国)拠点を空爆し、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。
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スワイダー県では、SANA(11月10日付)によると、シリア軍が人民防衛諸集団とともに県東部郊外に侵入しようとしたダーイシュ(イスラーム国)を撃退した。
AFP, November 10, 2015、AP, November 10, 2015、ARA News, November 10, 2015、Champress, November 10, 2015、al-Hayat, November 11, 2015、Iraqi News, November 10, 2015、Kull-na Shuraka’, November 10, 2015、al-Mada Press, November 10, 2015、Naharnet, November 10, 2015、NNA, November 10, 2015、Reuters, November 10, 2015、SANA, November 10, 2015、UPI, November 10, 2015などをもとに作成。
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