ロシア軍が過去最大規模の空爆を実施:522回の出撃により826カ所を空爆、巡航ミサイルによる2度目の攻撃を敢行、艦対地ミサイル、戦闘爆撃機を投入(2015年11月20日)

ロシア国防省は、カスピ海に展開するフリゲート艦が、シリア領内のラッカ件、イドリブ県、アレッポ県に対して巡航ミサイル18発を発射し、標的7カ所を攻撃、破壊したと発表した(https://youtu.be/yf2SZ_gjtA0)。

カスピ海に展開するロシア海軍艦船がシリア領内に向け巡航ミサイルを発射するのはこれが2度目。

ロシア軍はまた、フマイミーム航空基地配備の戦闘爆撃機が522回にわたって出撃したほか、地対地ミサイル、艦対地ミサイル合わせて101発を発射し、さらに、Tu-160長距離爆撃機29機も爆撃に参加し、1,400トンの爆弾を投下、ダーイシュ(イスラーム国)などのテロ組織およびその同盟者の標的826カ所を破壊した。

破壊されたのは、教練キャンプ23カ所、爆弾製造工場19カ所、武器弾薬庫47カ所。

また石油を運搬するダーイシュのタンクローリー525台とダイル・ザウル市近郊の施設を破壊し、6万トンの石油密輸(150万ドル掃討)を阻止し、戦闘員600人以上を殲滅したという。

このほか、シリア領内のダーイシュ(イスラーム国)などのテロ組織掃討に向けた作戦強化のため、フマイミーム航空基地に配備する航空機を69機に倍増させると発表した。

また、フランス空軍との連携作戦も開始された。

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ダイル・ザウル県では、シリア人権監視団によると、戦闘機(所属不明)がブーカマール市、マヤーディーン市、ムーハサン市、アシャーラ市、マリーイーヤ村、ブー・ウマル村、ブーライル村、バクラス砂漠、ダイル・ザウル市各所、ダイル・ザウル航空基地一帯の石油関連施設などに対して30回以上にわたって空爆した。

シリア人権監視団はその後21日、ダイル・ザウル市カナーマート地区、フワイジャト・サクル、ジスル・スィヤーサ地区、ダイル・ザウル航空基地一帯、マヤーディーン市、ブーカマール市、ムーハサン市、ハトラ村、アシャーラ市、ブーライル村、ザバーリー村、マリーイーヤ村、バーグーズ村、バクラス村、ブー・ウマル村、ジャフラ村、カスラ村、ティブニー町製塩所、ハッラータ油田、タナク油田、ウマル油田などが70回以上にわたる攻撃を受け、女性16人、子供10人を含む36人が死亡したと発表した。<br>

イドリブ県では、シリア人権監視団によると、イフスィム村・バーラ村の街道、ザーウィヤ山各所、サフン村一帯、イドリブ市周辺、マアッラト・ヌウマーン市周辺、タッル・スルターン村に弾道ミサイルと思われる砲弾が着弾し、建物などが損壊した。

またロシア軍と思われる戦闘機がジスル・シュグール市、ナージヤ村を複数回にわたって空爆した。

クッルナー・シュラカー(11月21日付)によると、ロシア軍戦闘機がイドリブ市内北部の街区、マルイヤーン村、ナージヤ村、カンダ村、マアッラト・ヌウマーン市、カンスフラ村などを空爆し、10人が死亡した。

ハマー県では、シリア人権監視団によると、県北部のガーブ平原各所、シャフシャブー山に位置するマイダーン・ガザール村各所に、弾道ミサイルと思われる砲弾が着弾し、4人が死亡した。

ラタキア県では、シリア人権監視団によると、ロシア軍と思われる戦闘機が、サルマー町一帯を空爆、また弾道ミサイルと思われる砲弾が着弾した。

ダマスカス郊外県では、クッルナー・シュラカー(11月21日付)によると、ロシア軍がアイン・タルマー村を空爆し、住民6人が死亡した。

AFP, November 20, 2015、AP, November 20, 2015、ARA News, November 20, 2015、Champress, November 20, 2015、al-Hayat, November 21, 2015、November 22, 2015、Iraqi News, November 20, 2015、Kull-na Shuraka’, November 20, 2015、November 21, 2015、al-Mada Press, November 20, 2015、Naharnet, November 20, 2015、NNA, November 20, 2015、Reuters, November 20, 2015、SANA, November 20, 2015、UPI, November 20, 2015などをもとに作成。

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