2012年9月25日のシリア情勢

国内の暴力

AFP(9月25日付)は、自由シリア軍国内合同司令部のカースィム・サアドッディーン空軍大佐がハマー県で暗殺未遂に遭ったと報じた。

SANA, September 25, 2012

SANA, September 25, 2012

自由シリア軍の国内の広報局によると、サラミーヤで、サアドッディーン大佐が乗った車が「シャッビーハ」の要撃を受け、激しい戦闘の末、「シャッビーハ」数人が死亡したという。

サアドッディーン大佐は、アレッポでアレッポ県軍事評議会議長のアブドゥルジャッバール・アカイディー大佐との会談を終え、ヒムスに戻る途中に襲われたという。

一方、SANA(9月25日付)によると、サラミーヤ地方で軍・治安部隊が反体制武装勢力と交戦し、戦闘員複数を負傷させた。またジナーン地方で特殊作戦を行い、反体制武装勢力戦闘員多数を殺傷した。

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クナイトラ県では、『ハヤート』(9月26日付)などによると、軍と反体制武装勢力が交戦し、迫撃砲がイスラエル占領地内に着弾した。

シリア人権監視団によると、ゴラン高原のハミーディーヤ村、フッリーヤ村の検問所2カ所を反体制勢力が襲撃し、兵士5人、反体制側の戦闘員2人が死亡した。

イスラエル軍が発表したところによると、「迫撃砲は最近の紛争のなかで、シリア領内の村を標的」としており、国連に対して異議申し立てを行うという。

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ダマスカス県では、シリア人権監視団によると、ビータール交差点近くの殉教者子息学校委員会の施設で複数回の爆発が起きた。

反体制活動家によると、この施設は、軍・治安部隊、民兵が拠点として使用していたという。

これに関連して、ジャズィーラなどアラブ衛星放送局は、カッザーズ地区の軍事情報局パレスチナ課施設近くで爆発が起き、士官を含む数十人が死亡した、と報じた。

同報道によると、使徒末裔旅団が作戦を実行した、という。

しかし『ハヤート』(9月26日付)は、アンサール・イスラーム(アンサール・シャリーア)を名のる民兵のアブー・マアーッズなる司令官が、午前9時35分に七つの爆弾を2回に分けて爆発させた、と発表した。同司令官によると、爆弾攻撃は、軍・治安部隊、民兵の定例の週間会合を狙ったもの。

一方、SANA(9月25日付)は、武装テロ集団が仕掛けた爆弾2発が建物(学校)で爆発し、7人が負傷したと報じるとともに、校長の話として、学校が軍事目的で利用されていたことなどを否定した。

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ダマスカス郊外県では、SANA(9月25日付)によると、軍・治安部隊がスバイナ町の浄化を完了した。

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アレッポ県では、AFP(9月25日付)が軍消息筋の話としてアレッポ市東部のアルクーブ地区一帯での「作戦は終了し、武装部隊兵士は建物の捜索を行っている」と報じた。

またSANA(9月25日付)も、軍消息筋がアルクーブ地区の浄化を完了したことを確認したと報じた。

しかしシリア人権監視団は、AFP(9月25日付)に対して、アルクーブ地区での「戦闘は続いている」と反論した。

このほか、SANA(9月25日付)によると、軍・治安部隊がアレッポ市スライマーン・ハラビー地区、サーフール地区、シャッアール地区、ブスターン・バーシャー地区、バーブ市、アフタリーン市、カブターン・ジャバル村、ダイル・ハーフィル市、ハンダラート・キャンプ、タッル・ラッハール村などで反体制武装勢力の掃討を続け、外国人戦闘員を含む戦闘員多数を殺傷、その装備を破壊した。

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ヒムス県では、シリア人権監視団によると、ラスタン市が軍・治安部隊の砲撃を受けた。またクサイル市も砲撃に曝され、4人が死亡した。

シリア革命総合委員会によると、タルビーサ市が軍・治安部隊の砲撃を受けた。

一方、SANA(9月25日付)によると、クサイル市郊外、タッルカラフ市、スルターニーヤ市などで、軍・治安部隊が反体制武装勢力を追撃し、多数の戦闘員を殺傷した。

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イドリブ県では、シリア人権監視団によると、マアッラト・ヌウマーン市が軍・治安部隊の砲撃に曝された。

一方、SANA(9月25日付)によると、軍・治安部隊がヒルバト・ジューズ村一帯の対トルコ国境からの潜入を試みる戦闘員を殺傷、撃退した。

またアイン・バーリダ村、マアッルディブサ村、マアッル・タムサリーン市、ハルブヌーシュ村、クマイナート市、サラーキブ市、タフタナーズ市、シャラフ村、マアッラト・ヌウマーン市が軍・治安部隊が反体制武装勢力を攻撃し、多数の戦闘員を殺傷、逮捕した。

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ロイター(9月25日付)は、ヒムス市住民(アラウィー派)が治安維持のため「シャッビーハ」に月300ドル掃討の支援を余儀なくされていると住民の証言などをもとに報じた。

シリア政府の動き

ワリード・ムアッリム外務在外居住者大臣とファイサル・ミクダード副大臣はニューヨークでの国連総会出席のためプライベート・ジェット機でベイルート国際空港に到着した。

NNA(9月25日付)が報じた。

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バアス党シリア地域指導部は声明を出し、シリア国民救済大会で「多元的民主制への移行を含む暫定機関を開始するための最善の政治的方法を検討するため、すべての関係当事者が参加する国際会議」の開催が求められたを「外国のために足場を築こうとしている」と批判した。

レバノンの動き

5月にアレッポ県で反体制武装勢力に拉致されたレバノン人巡礼者(シーア派)11人の一人、アワド・イブラーヒーム氏が釈放され、トルコに到着した。

LBCI(9月25日付)などが報じた。

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NNA(9月25日付)によると、23日にナバティーヤ県ハースバイヤー郡の国境地帯で、警察が身柄拘束したシリア人5人が釈放された。

諸外国の動き

ヨルダンでイスラーム主義組織の弁護士を務めるムーサ-・アブドゥッラートは、AFP(9月26日付)に対して、ヨルダン国境警備隊がシリアに潜入しようとしたムジャーヒドゥーン6人を逮捕したことを明らかにした。

逮捕された戦闘員のなかには、アブー・ムスアブ・ザルカーウィーの甥のアブー・アスヤド・ザルカーウィーが含まれているという。

また「シリアのタウヒード旅団に属するサラフィー主義のムジャーヒドゥーンが100人におよぶ」ことを明らかにした。

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米国のバラク・オバマ大統領は国連総会で演説し、「国民を殺害する独裁者に未来はない」と述べ、「アサド政権は国民を苦しめることを止めるため、終わらねばならない」と改めて述べた。

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米国務省高官は、記者団に対して、今週末に米国が反体制勢力への追加支援を発表すると述べた。

同高官によると、支援は「彼らが自衛できるようにするため」だというが、武器供与については否定した。

「アフバール・シャルク」(9月26日付)が報じた。

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エジプトのムハンマド・ムルスィー大統領はBBC(9月25日付)に対して、外国の軍事的介入を「支持しない。もし行われれば大きな間違いになると思う」と述べつつ、「アサド大統領には去る以外の選択肢はない」と主張した。

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カタールのハマド・ブン・ジャースィム首相兼外務大臣はBBC(9月25日付)に対して、「平和的にシリアの危機を解決できると思うし、そう願っている」としたうえで、「数週間中に新たな計画が作られ…シリア国民を救済する幾つかの措置が講じられるだろう」と述べた。

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カタールのハマド・ブン・ハリーファ首長は、国連総会で演説し、「アラブ諸国自身が人道的、政治的、軍事的な義務に基づき介入するのがよい」と述べた。

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フランスのフランソワ・オランド大統領と潘基文国連事務総長は、アフダル・ブラーヒーミー共同特別代表とシリア情勢について協議した。

AFP, September 25, 2012、Akhbār al-Sharq, September 25, 2012, September 26, 2012、Aljazeera.net, September 25, 2012、BBC, September 25, 2012、al-Ḥayāt, September 26, 2012、Kull-nā Shurakāʼ, September 25, 2012、al-Kurdīya News,
September 25, 2012、LBCI, September 25, 2012、Naharnet.com, September 25,
2012、NNA, September 25, 2012、Reuters, September 25, 2012、SANA, September
25, 2012などをもとに作成。

 

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