複数の反体制消息筋が、アレッポ市シャイフ・マクスード地区を実効支配する西クルディスタン移行期民政局の人民防衛隊が同地区に隣接するカースティールー街道を封鎖されたとの情報を拡散した。
しかし、シリア民主評議会(人民防衛隊主体のシリア民主軍の政治母体)のライザーン・ハッドゥー氏はARA News(8月22日付)に対して、これらの情報が事実無根だと述べ、否定した。
これに関して、『ハヤート』(8月23日付)は、ハサカ市での対立が飛び火するかたちで、シリア軍がアレッポ市シャイフ・マクスード地区内の人民防衛隊に圧力を強めようとしており、これを受け、人民防衛隊がカースティールー地区を射程圏内に収めたと伝えた。
アレッポ市シャイフ・マクスード地区は同市北部に位置し、住民の多くがクルド人で、西クルディスタン移行期民政局が実効支配している。
同地区はアレッポ市北部のカースティールー街道地区に近く、シリア軍による7月のアレッポ市東部包囲は、シャイム・マクスード地区を拠点とする人民防衛隊とシリア軍の戦略的な連携によって実現していた。
またカースティールー街道は、シャームの民のヌスラ戦線(シャーム・ファトフ戦線)、シャーム自由人イスラーム運動などが主導するファトフ軍の攻勢を受け、包囲の危機にさらされているシリア政府支配下のアレッポ市西部と外界を結ぶ事実上唯一の兵站路。
AFP, August 22, 2016、AP, August 22, 2016、ARA News, August 22, 2016、Champress, August 22, 2016、al-Hayat, August 23, 2016、Iraqi News, August 22, 2016、Kull-na Shuraka’, August 22, 2016、al-Mada Press, August 22, 2016、Naharnet, August 22, 2016、NNA, August 22, 2016、Reuters, August 22, 2016、SANA, August 22, 2016、UPI, August 22, 2016などをもとに作成。
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