欧州議会は、シリア北東部でのアフマド・シャルア移行期政権とシリア民主軍との戦闘に伴う暴力、とりわけクルド人に対する人権侵害について、戦争犯罪に該当する可能性があるとして、これを厳しく非難する決議を採択した。
公式サイトによると、欧州議会は、シリア北東部における民間人に対するあらゆる暴力を強く非難、すべての当事者に停戦の順守を求めた。
議員は、超法規的殺害、強制失踪、恣意的拘禁、強制移住、民間インフラへの攻撃は、国際人道法の重大な違反に該当する可能性があり、場合によっては戦争犯罪に当たる可能性があると強調した。
また、最近の虐待、とりわけクルド人に対する人権侵害に懸念を表明した。
そのなかには、遺体の冒涜、墓地の破壊、民間地域での無誘導弾の使用なども含まれる。
一方、シリア民主軍とアフマド・シャルア移行期政権による包括停戦合意を歓迎し、強い支持を再確認するとともに、クルド人の市民的・教育的権利の承認を支持し、すべての当事者に既存の合意を順守するよう求めた。
また議員らは、トルコを含む地域の関係主体に対し、軍事行動や武装勢力の支援によって停戦を損なうことを控えるよう呼びかけた。
加えて、移行期政権に対し、アラブ人、クルド人、スンナ派、シーア派、アラウィー派、キリスト教徒、ドゥルーズ派、ヤズィーディー派を含むすべての共同体の保護および基本的権利の保障を求めた。
イスラーム国については、北・東シリア地域民主自治局の管理を離れたシリア北東部の拘禁施設やキャンプから脱走した戦闘員や関係者がもたらす危険に重大な懸念を表明した。
また、被拘禁者の責任をイラクに移すことは、新たな不確実性を生み、第三国の能力や政治的意思に依存することになる可能性があると警告した。
そのうえで、議員は欧州連合加盟国に対し、フール・キャンプとロジュ・キャンプから自国民、とりわけ子どもたちを全員帰還させ、成人については公正な裁判で裁くよう求めた。
また、米国がシリアから部隊を撤退させる決定をしたことに遺憾の意を示し、欧州連合および加盟国、関係国に対し、イスラーム国の再台頭がシリア、地域、さらには欧州を脅かすのを防ぐため努力を強化するよう求めた。
そのうえで、議員らは、イスラーム国との戦いにおいて、女性戦闘員を含むクルド人部隊が果たした決定的役割を強調した。
決議は、賛成363票、反対71票、棄権81票で採択された。
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