米・英がシリア北部への非殺傷兵器の支援を全面的に凍結したと発表するなか、GCC首脳会議が閉幕声明のなかでシリア革命反体制勢力国民連立を「ジュネーブ2会議におけるシリア国民の正統な代表」として位置づけ(2013年12月11日)

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反体制勢力の動き

自由シリア軍参謀委員会のルワイユ・ミクダード政治広報調整官は、9日に結成された(イドリブ・)シリア革命家戦線に関して、その武器がアサド政権のみに向けられ「ほかの目的には使用されない…。戦線の結成は誰に対するメッセージでもない。そのように理解する者だけの問題だ」と述べた。

Champress, December 11, 2013

Champress, December 11, 2013

自由シリア軍参謀委員会のカースィム・サアドッディーン報道官も、シリア革命家戦線に関して「自由シリア軍の言葉と努力を統合するために結成された。戦線は体制打倒に向かっている。シリア国民や革命に危害を与えるいかなる行為とも無縁であり、将来の国軍の中核となるだろう」と述べた。

シリア政府の動き

ワーイル・ハルキー首相は、アサド大統領の名代として駐シリア南ア大使館を訪問し、大使と面談、ネルソン・マンデラ元大統領死去への弔慰を伝えるとともに、ジェイコブ・ズマ大統領宛てのアサド大統領の親書を手渡した。

SANA(12月11日付)が報じた。

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外務在外居住者省は声明を出し、クウェートでのGCC首脳会議の閉幕声明の内容を断固拒否すると発表した。

国内の暴力

ラッカ県では、ラッカ国境なし記者団の活動家によると、イラク・シャーム・イスラーム国が対トルコ国境に位置するタッル・アブヤド国境通行所のハサン・スライマーン局長を拉致した。

Champress, December 1, 2013

Champress, December 1, 2013

同活動家によると、タッル・アブヤド国境通行所は現在、イスラーム戦線のシャーム自由人運動が制圧している。

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ダマスカス郊外県では、Champress(12月11日付)によると、シャームの民のヌスラ戦線がイスラーム軍の支援を受け、アドラー市労働者住宅地区に侵入、同市をほぼ完全に制圧した。

同報道によると、ヌスラ戦線とイスラーム軍は悪天候に乗じて、ドゥーマー市方面からアドラー市労働者住宅地区に侵入し、国際幹線道路(ダマスカス・ヒムス街道)を封鎖、市民を「虐殺」したという。

これに関して、『ハヤート』(12月13日付)は、ヌスラ戦線とイスラーム軍は、ドゥルーズ派やアラウィー派の宗徒15人を殺害したとしたうえで、死者数が40人以上にのぼるとの報告もあると報じた。

また、SANA(12月11日付)によると、ドゥーマー市、ダーライヤー市、リーマー農場、ナブク市南西部一帯、アーリヤ農場で、軍が反体制武装集団の追撃を続け、シャーム解放旅団の戦闘員らを殺傷、拠点・装備を破壊した。

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ダマスカス県では、SANA(12月11日付)によると、バルザ区で、軍が反体制武装集団の追撃を続け、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

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アレッポ県では、SANA(12月11日付)によると、アレッポ市ファイイド地区、メリディアン地区、サイフ・ダウラ地区に反体制武装集団が撃った迫撃砲複数発が着弾し、市民12人が死亡、50人が負傷した。

また、ワディーヒー村、アルバイド村、クワイリス村、カスキース村、ハンダラート・キャンプ、ウワイジャ地区、キンディー大学病院周辺、アレッポ中央刑務所周辺、バーブ市、シャイフ・ナッジャール市(工業団地地区)南部、ナイラブ村東部で、軍が反体制武装集団の追撃を続け、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

さらに、アレッポ県では、カーディー・アスカル地区、ターディフ地区、ハイダリーヤ地区、アイス地区、シャイフ・サイード地区、ブスターン・カスル地区、アシュラフィーヤ地区、旧市街、ライラムーン地区で、軍が反体制武装集団の追撃を続け、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

一方、クルド友愛調整によると、アイン・アラブ(コバネ)市で、民主統一党による教員養成学校閉鎖に抗議するデモが発生した。

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ヒムス県では、SANA(12月11日付)によると、ガースィビーヤ村、ハーリディーヤ村、ダール・カビーラ村、ザアフラーナ村、ヒムス市クスール地区、ワアル地区で、軍が反体制武装集団の追撃を続け、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

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イドリブ県では、SANA(12月11日付)によると、アイン・ラールーズ村、アルバイーン山周辺、タッル・ダマーン村、マアッラト・ヌウマーン市で、軍が反体制武装集団の追撃を続け、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

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ダイル・ザウル県では、SANA(12月11日付)によると、ダイル・ザウル市ハミーディーヤ地区、ラシュディーヤ地区、ジュバイラ地区で、軍が反体制武装集団の追撃を続け、チュニジア人戦闘員らを殺傷、拠点・装備を破壊した。

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ラッカ県では、シリア人権監視団によると、10日から11日にかけて、イラク・シャーム・イスラーム国(ダーイシュ)がタッル・アブヤド市で、クルド人15世帯を民主統一党および人民防衛隊支持者だとして、追放した。

レバノンの動き

NNA(12月11日付)によると、北部県トリポリ市で、ジャバル・ムフスィン地区住民が何者かに撃たれ、負傷した。

諸外国の動き

駐トルコ米大使館報道官は、米国がシリア北部への非殺傷兵器の支援を全面的に凍結したと発表した。

『ハヤート』(12月12日付)によると、イドリブ県バーブ・ハワー国境通行所がイスラーム戦線によって制圧されたことを受けた動きで、同報道官は、米国が自由シリア軍参謀委員会に供与した非殺傷兵器・装備が、サラフィー主義者の手に渡ったかどうかについては現在確認作業中だという。

また同報道官によると、人道支援は継続されるという。

米ホワイト・ハウスのジョシュ・アーネスト報道官も「バラク・オバマ政権は、イスラーム戦線がシリアの最高軍事評議会(自由シリア軍参謀委員会)の施設を占拠したとの報告を懸念している」と述べ、シリア北部への非殺傷兵器の供与を停止したと発表した。

アーネスト報道官はまた「米国は自由シリア軍の米国の装備提供について、サリーム・イドリース司令官のみと協議する」と付言した。

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駐トルコ英国大使館は、米国に続いて、シリアの反体制勢力への非殺傷兵器の支援を凍結すると発表した。

英国のデヴィッド・キャメロン首相は下院で「シリアの唯一の反体制勢力が過激派だとする考え方が広まることを許すわけにはいかない…。シリアの民主主義やその将来に関心がある人々との協力を我々が止めれば、そうした事態は現実になってしまう」と述べた。

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イスラーム戦線、シャームの民のヌスラ戦線による自由シリア軍参謀委員会武器庫制圧・補足に関連して、ロイター通信(12月11日付)は、トルコがバーブ・ハワー国境通行所に面するハタイ県レイハンル市郊外のジルヴェキョズ国境通行所を閉鎖したと報じた。

バーブ・ハワー国境通行所一帯での戦闘激化が閉鎖の理由だという。

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クウェートで開催されていたGCC首脳会議が閉幕声明を発表し、閉幕した。

閉幕声明は、シリア情勢に関して「アサド政権のシリア国民に対する集団虐殺行為の継続」を非難する一方、自らが支援するシリア革命反体制勢力国民連立を「ジュネーブ2会議におけるシリア国民の正統な代表」と位置づけた。

また「シリア国民の血でその手を染めたシリア政府の幹部は、移行政府やシリアの政治的将来において役割を得てならない」と主張した。

しかし、シリア革命反体制勢力国民連立のアフマド・ウワイヤーン・ジャルバー議長が求めていた救済基金については言及しなかった。

このほか、レバノン情勢との関連で、声明は、ヒズブッラーの民兵のシリアからの撤退を求めた。

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ロシアのセルゲイ・ラブロフ外務大臣は訪問中のイランの首都テヘラン(10日に到着)で、ハサン・ロウハーニー大統領、モハンマド・ジャヴァード・ザリーフ外務大臣らと会談し、核開発問題、シリア情勢などについて協議した。

ザリーフ外務大臣との共同記者会見で、ラブロフ外務大臣は「責任あるすべての国が、ジュネーブ2会議で良い結果をもたらすべく何かを市無ければならない…。こうした結果に至ることを望んでいない者は、国際社会の要求にコミットしていないことになる」と述べた。

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ファルス通信(12月11日付)は、イラン・イスラーム革命防衛隊のモハンマド・アリー・ジャアファリー司令官が「我々にとってシリアは最前線をなしており…、革命防衛隊はその維持のため、シリア支援の努力を惜しまない。我々はシリアがイランとともにレジスタンスの前線にいることを誇りに思う。しかし、我々はシリアに軍事専門家や顧問を配置しているだけだ」と述べたと報じた。

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イラクやシリアのジハード主義武装集団の動静についての報道に力を入れているフナイン・ネット・フォーラム声明を出し、「イラク・シャーム・イスラーム国の我らが同胞たち」に「スペイン人記者のハヴィエル・エピノーサ(Javier Espinosa)氏(『エル・ムンド』記者)とリカルド・ガルシア・ヴィラノヴァ(Ricardo Garcia Vilanova)氏(フリーのカメラマン)の釈放を要求する」と呼びかけた。

2人は10日、ラッカ県内の検問所で拘束・拉致された。

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米ハリウッド女優のアンジェリーナ・ジョリーさんは、シリアの紛争発生から1000日が経過したのに合わせて声明を出し、ジュネーブ2会議をシリアの紛争の真の転換点とするよう呼びかけた。

AFP, December 11, 2013、al-Hayat, December 12, 2013, December 13, 2013、Kull-na Shuraka’, December 11, 2013, December 12, 2013、Naharnet, December 11, 2013、NNA, December 11, 2013、Reuters, December 11, 2013、Rihab News, December 11, 2013、SANA, December 11, 2013、UPI, December 11, 2013などをもとに作成。

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