ダマスカス県マッザ区で離反兵と軍・治安部隊が交戦、自由シリア軍司令官は「デリケートな治安問題」として攻撃への関与を明言せず(2012年3月19日)

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国内の暴力

ダマスカス県マッザ区ヴィーラート・ガルビーヤで、18日深夜から19日早朝にかけて離反兵と軍・治安部隊が交戦した。

『ハヤート』(3月20日付)によると、この交戦は、離反兵が同地区の准将自宅をRPG弾で攻撃したことに端を発し、駆けつけた軍・治安部隊と近くの建物に立てこもった離反兵との間で3時間にわたって戦闘は続いた。

同紙によると、事件現場はアースィフ・シャウカト副参謀長(中将)邸やスイス大使館に隣接している、という。

SANA, March 19, 2012

SANA, March 19, 2012

SANA(3月19日付)など、シリアの主要メディアは、治安維持部隊が住宅地内の武装テロ集団のアジトを攻撃し、テロリスト2人を殺害、3人を逮捕し、戦闘で治安維持部隊兵士1人が犠牲になったと報じた。

一方、シリア人権監視団によると、准将宅を攻撃した離反兵は16人からなり、早朝まで続いた戦闘で、治安部隊兵士1人が死亡、18人が負傷し、離反兵は4人が殺害され、残りは負傷ないしは逮捕された。

事件に関して、自由シリア軍のリヤード・アスアド大佐はUPI(3月19日付)に対して、「デリケートな治安問題であるため」、犯行への関与についてはコメントできないと述べた。

ダマスカス県革命指導評議会報道官のムルタダー・ラシードを名のる活動家はAFP(3月19日付)に対して、「ダマスカスの自由シリア軍が実行したこの作戦は包囲されている都市・地域に対する政権の圧力を減じることに大いに貢献するだろう」と述べた。

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ダイル・ザウル県では、シリア軍・治安部隊がダイル・ザウル市に戦車、装甲車などを投入、反体制(武装)勢力の掃討作戦を本格化した。

『ハヤート』(3月20日付)によると、同市南東部は反体制勢力によって掌握されており、戦闘で少なくとも25人の離反兵、軍・治安部隊兵士33人(うち2人が士官)が死亡した。

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イドリブ県では、シリア人権監視団によると、ハーン・シャイフーン市で治安部隊が若者1人を射殺した。

またイドリブ革命評議会広報局メンバーのヌールッディーン・アブドゥーを名のる活動家によると、自由シリア軍のリヤード・アスアド大佐の生地であるアブディーター村に軍・治安部隊が突入した。

このほか、マルイヤーン村に対しても軍・治安部隊が掃討作戦を行った。

一方、SANA(3月19日付)は、武装テロ集団がマアッラト・ヌウマーン市検事長のスブヒー・アスワド氏を誘拐したと報じた。

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アレッポ県では、シリア人権監視団によると、何者かがタッル・シュガイブ村の街道で軍・治安部隊の大佐1人と下士官2人が乗った車を襲撃、殺害した。

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ヒムス県では、シリア人権監視団によると、ヒムス市バーブ・スィバーア地区に迫撃砲が着弾し、複数の家が破壊された。

またカラム・シャーミー地区に軍・治安部隊が突入し、活動からの逮捕・摘発を行った。

地元調整諸委員会によると、ヒムス市ハーリディーヤ地区も砲撃を受けたという。

さらにシリア人権監視団によると、レバノン国境近くのジュースィーヤ村が軍・治安部隊の銃撃にさらされ、5人が負傷した。

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ハマー県では、シリア人権監視団によると、カルアト・マディーク町に軍・治安部隊が激しい攻撃を加えた。

アサド政権の動き

SANA(3月19日付)は、アサド大統領が第10期人民議会選挙(5月7日投票日)の立候補期間を1週間延長し、3月28日までとする政令第120号を発した、と報じた。

国内の反体制勢力の動き

反体制組織のクルド友愛調整は、アサド政権による弾圧に抗議し、犠牲者への哀悼の意を示すため、ノウルーズの祝典の自粛を呼びかけた。

国外の反体制勢力の動き

シリア・ムスリム同胞団のリヤード・シャカファ最高監督者は、DPA(3月19日付)の電話取材に対して、アサド政権はイスラエルによって存続が支持されているために倒れないだろうと述べた。

シャカファ最高監督者は「アサド政権はレジスタンスを取引材料とすることで40年間続いてきた。ラーミー・マフルーフさえ…イスラエルの安定と安全保障はシリアの体制存続と結びついている、と言っている。イスラエルはシリアの支配体制に安堵している…。それゆえ西側諸国もシリアの体制を支持し、次々と猶予を与えている」と述べた。

一方、反体制勢力の分裂に関して、シリア国民評議会の指導者の退陣が反体制勢力の統一をもたらさないと述べる一方、シリア・ムスリム同胞団が反体制武装集団の武器確保に関与していることを否定した。

レバノンの動き

ロシアを訪問中のレバノンのアドナーン・マンスール外務大臣は、シリア情勢に関して、レバノンの野党の関与を否定した。

諸外国の動き

国連安保理では、フランスがアナン特使が提案した停戦案への支持を表明するための安保理議長声明案を提出した。

またロシアも、ダマスカスとアレッポでの自爆テロを非難する別の安保理議長声明案を提出した。

アナン特使の停戦案は3月10~11日のシリア訪問時にアサド政権に示されたもので、アサド政権と反体制勢力双方の都市部での展開や重火器使用の停止、人道支援物資輸送のための1日2時間の休戦、非武装の兵士からなる国連停戦監視団の派遣、シリア国民の合法的な要求に対応するための政権内担当者とアナン特使との協調など、6項目からなる

『ハヤート』(3月20日付)が入手したフランスの声明案はこの6項目停戦案の支持のほか、逮捕されたデモ参加者らの釈放、国際機関やメディア機関の自由な入国・活動、平和的デモの保障、アナン特使への全面協力も求めている。

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コフィ・アナン・シリア危機担当国連・アラブ連盟合同特使が派遣した国際専門家使節団(5人)がダマスカスに到着した。

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イスラエルのエフド・バラク国防大臣は、マッザ区での交戦に関して、クネセトの外交安全保障委員会で、「アサド体制は出血多量で意識朦朧としている」と述べた。

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AFP(3月19日付)は、トルコ外交筋の話として、3月16日に、シリア人避難民約200人とともに、シリア軍を離反した士官2人がトルコ領内に避難した、と報じた。

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赤十字国際委員会報道官は、モスクワを訪問中のヤコブ・ケーレンバーガー会長が、シリアへの人道支援に関してロシアのセルゲイ・ラブロフ外務大臣と協議し、人道支援物資輸送のための「1日2時間の停戦という我々のイニシアチブ支持への積極的なシグナル」を得たと発表した。

AFP, March 19, 2012、al-Hayat, March 20, 2012、DPA, March 19, 2012、Kull-na Shuraka’, March 19, 2012, March 20, 2012、Naharnet.com, March 19, 2012、Reuters, March 19, 2012、SANA,
March 19, 2012などをもとに作成。

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